住宅ローン事前審査 ~『 返済比率 』と、各銀行で異なる基準について
ゼロシステムズ代表の田中勲です。
今回は、 住宅ローン事前審査 で最も基本的な審査項目のひとつ『 返済比率 』について掘り下げてお話させて頂きます。
1.『 返済比率 』は、最も基本的な審査項目
返済比率の計算は、住宅ローン審査で最も基本的な審査項目となります。
返済比率とは、住宅ローンの年間返済額を年収で割る事により計算できます。
例1
住宅ローン返済額が月々10万円の場合、年間返済額は、120万円となります。
もし、顧客の年収が600万円の場合では、
年間返済額120万円÷年収600万円=0.2
となりますので、返済比率は20%となります。
例2
顧客の年収が350万円の場合では、
年間返済額120万円÷年収350万円=0.342
となりますので、返済比率は34.2%となります。
この返済比率が金融機関の審査基準内に収まっている事が、住宅ローン事前審査で「承認」を取得する為の条件の一つとなります。
返済比率が、金融機関の審査基準を超えてしまう場合は、返済比率が審査基準に収まる範囲内の借入額となるように調整するために、住宅ローン審査では、『減額』という結果となります。
この返済比率の数値が大きいほど、住宅ローン審査の結果では、減額や否決となる可能性が高くなります。
2.審査用の金利で計算
住宅ローンの返済は、長期間に亘りますので将来金利が上昇するリスクを加味して、金融機関の住宅ローン審査では、実行金利ではなく「審査用の金利」で返済比率を計算します。
この審査用の金利は、実行金利よりも高い金利ですので、返済比率を計算すると実行金利よりも大きな数値となります。
例:年収500万円、借入金額3000万円、返済期間35年の場合
実行金利1%の場合:月々84,686円、年間返済額1,016,232円、返済比率20.3%
審査金利4%の場合:月々132,832円、年間返済額1,593,984円、返済比率31.8%
実行金利で計算した場合は、返済比率は約20%となりますが、審査金利で計算しますと、返済比率31%超となります。
この審査金利で計算した返済比率が、金融機関で設定している審査基準の範囲内に収まっているという事が、住宅ローン審査で「承認」を取得する為の最も重要な条件の一つとなります。
審査金利は、各金融機関で異なりますが、おおよそ3%~4%となります。
金融機関によっては、審査金利を公表していない場合があります。
また、審査金利や返済比率の上限基準だけでなく、申込に必要な最低年収、勤続年数、雇用形態、完済時年齢など様々な基準が各金融機関で異なります。
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