飯田グループ等のパワービルダーと
地元業者の建物仕様の違いは?
赤外線建物診断技能師の野方実で御座います。
今回は、飯田グループホールディングス(アーネストワン/タクトホーム/一建設/飯田産業/東栄住宅/アイディホーム)や、ケイアイスター不動産、三栄建築設計などを代表するパワービルダーと、
地元業者の“建物の仕様の違い”についてお話ししたいと思います。
大手パワービルダーと地元業者
コストダウンによる低価格販売
パワービルダーは、材木や設備機器、建材などをメーカーから直接大量仕入れすることによって大幅なコストダウンに繋がり低価格で建物を販売することが出来ます。

また現場監督さんが1人で多くの物件を担当することや、下請け業者さんたちへ仕事を切らさずに発注することが出来るので結果的に人件費の削減にも繋がります。
そして現場作業を減らすことで工期を短縮し無駄な金利負担を抑えています。
数年前のお話しになりますがパワービルダーの建物原価は、床面積約30坪の2階建てで800万円台と聞きとても驚きました。
私の経験では同じ仕様で建てようとしても原価を1,000万円以下に落とすのは難しく、価格でパワービルダー系に対抗するのは不可能です。
差別化を図ってパワービルダーに対抗
地元業者は、パワービルダーに価格で対抗するのが不可能な為、パワービルダーよりも設備の仕様をグレードアップしたり、間取りを工夫するなどの差別化を図っている傾向があります。


では具体的にどのように仕様が違うのか?
比較してみたいと思います。
具体的な仕様の違い
1.基礎・構造材・間取り



2.屋根材

地元業者では以前、瓦なども使用されている時期もありましたが耐震性が弱くなってしまうこともあり現在ではほとんど使用されなくなってきました。
3.外壁材

一方、地元業者では同じサイディングであっても16ミリの金具留めを使用していることが多く、14ミリの製品よりもデザイン性が高くなります。
またサイディング工事よりも工期が掛かかるモルタル仕上げやタイルを標準仕様にして、差別化を図っている地元業者もあります。
4.断熱材

5.サッシ

またガラスは近年、断熱性や遮熱性に優れるLow-E複層ガラスが一般的になってきました。
パワービルダーの中にはシャッターや格子などがオプション設定になっている場合があります。
6.建具・床材

床に関してはノンワックスタイプが主流となっており、より耐水性や摩耗性を高くするために別途オプションでコーティングされる方もいらっしゃいます。
7.設備機器
①キッチン

飯田グループホールディングスは自社ブランドであるファーストプラス製が使われていることが多く、浄水器や人工大理石のカウンターは標準仕様ですが、引き出しのブレーキ機能や食洗器の有無に関しては物件価格によって変わってきます。

一方地元業者ではパナソニックやリクシルそしてタカラスタンダードなどの製品が使われていて、物件価格に関わらず食洗器や食器棚が設置されていることが多く注文住宅と同等グレードを採用して差別化を図っています。
②バスルーム

浴室乾燥機が標準仕様になっていることも含め、どちらも大きな違いはありません。
③トイレ・洗面台

一方地元業者では一体型のトイレを使用していることが多く、メリットとしては見た目がスタイリッシュで清掃性が良いという事、デメリットとしては故障したときに分離型より割高になってしまう事です。

④電気関係

しかしコンセント数に関してパワービルダーは少ない印象で、リビングのテレビが設置される場所のコンセントの口数が2口の場合も御座います。

以上、それぞれの建物仕様を比較してみました。
コストパフォーマンス抜群のパワービルダー
コストアップはするけど注文住宅に近い仕様の地元業者・・・
建物の耐久性や維持管理などに大きな差はありませんが、実際に価格と仕様を見比べてどちらの建物が自分に合うのかを判断されると良いでしょう。

オプション商品に関しては、こちらの記事をご覧ください
建売住宅のオプション工事