最近の建売住宅にも欠陥住宅はあります。
建売住宅は契約前に住宅診断をしましょう。
契約前には必ず住宅診断
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最近の建売でも欠陥住宅は存在します
不動産業界の営業マンの中には、
「最近の建売住宅は、欠陥住宅なんて無いですよ」
とおっしゃる方も少なくありません。
確かに、現代は住宅の品質に関して、以前(おおよそ25年~30年前、平成の一桁代)と比べ、あからさまに分かる欠陥住宅は、少なくなりました。
しかし、ハウスメーカーや不動産業者の営業マンであっても見逃しがちな欠陥は、現在でも存在します。
見逃されがちな2つの欠陥
- 小屋裏(天井裏)など、見えない部分の防火違反
- 石膏ボードを留めるビスピッチの手抜き
上記2つの欠陥は、現代の新築建売住宅でも、見逃されがちな欠陥箇所です。
ハウスメーカーや不動産業者の営業マンが「この住宅に問題はありません」と言っていても、住宅診断を実施すると発見されることがあります。
それぞれの、見逃される理由と欠陥住宅として想定される問題を解説していきます。
① 小屋裏(天井裏)など、見えない部分の防火違反

新築一戸建てが販売されている地域は、だいたいが街中の住宅地です。
この住宅地の多くが、法22条区域や準防火地域と言って、火災になった時でも延焼し難くするために、30分耐火の基準で建物の外周部を不燃材で施工しなければなりません。
30分耐火を満たすための施工が必要
一般に建売住宅の外壁は、サイディングボードを使用していますが、サイディングボード単体では30分耐火がとれません。
通常の木造在来工法の場合、サイディングボードの室内側には石膏ボードを施工しなければなりません。
サイディングボードと石膏ボードのセットで、30分耐火を満たす施工となります。
例外:アーネストワンなど一部のハウスメーカーでは、不燃材として認定を受けているダイライトやモイスを構造体に採用している物件があります。
その場合、サイディングボード+ダイライト+断熱材の3セットで、30分耐火を満たしています。
石膏ボードや断熱材が未施工の欠陥住宅が存在します
住宅診断をするときには、室内側から小屋裏や天井裏を覗いて、外壁材の裏側の施工状況を確認します。
そこで、石膏ボードや断熱材が施工されていない、防火違反となる欠陥を発見します。
この欠陥は、大手パワービルダーよりも、小/中堅規模の地元系の売主が建てた物件、よく見つかります。
大手パワービルダーでは、施工がある程度マニュアル化されているため、基本的に石膏ボードを施工する事になっています。
ごく稀に施工を忘れていることがありますが、住宅診断をして指摘すると、引き渡しまでには、是正してもらえます。
施工がマニュアル化されていない売主業者の物件では、住宅診断で気づいて指摘しても
「うちは、昔からこの施工方法で役所の検査もおりているから問題ない」と言って、理解してもらえないことがあります。
役所の検査では点検口から小屋裏を覗いての検査をしない

役所が行なう『建築確認審査機関の完了検査』では、石膏ボードの施工状況を、点検口から小屋裏を覗いて検査しません。
その為、石膏ボードが施工されていなくても完了検査に合格して、検査済証がおりてしまいます。
施工業者も「検査済証がおりているのだから、この施工で問題は無い」と思い込んでいる事があります。
しかし、そのままでは防火違反の欠陥住宅となります。
この欠陥は、完了検査を受けていてる新築住宅であっても、住宅診断をしないと気づきません。
防火違反の欠陥住宅は、万が一の火災の時に延焼(燃え移り易くなる)の危険性を含んだ住宅となります。
【欠陥住宅の実例】小屋裏や天井裏に隠れた欠陥『防火違反』
② 石膏ボードを留めるビスピッチの手抜き
石膏ボードを柱に固定するビスの施工方法で、手抜きされている欠陥住宅が存在します。
居室部分の石膏ボードの施工状況は、耐震性能にも影響が出ます。
画像:正しいビスピッチの施工
本来なら、20cm間隔でビスを打たなければいけないところを、60㎝間隔で打つなどの手抜き工事で建てられた新築住宅が存在します。
この手抜工事は、近年の新築でも発見されます。
画像:ビスピッチの施工不良
工程が3分の1、ビスの本数も3分の1 となり、工期を急いだ結果、手抜き工事となる場合が多いです。
耐震性能は壁の量と配置バランスを重視
現代の新築一戸建ての耐震の考え方は、柱の本数よりも、壁の量と配置バランスを重視しています。
そして、ビスピッチで手抜きをされている物件の場合、石膏ボードが無いものとして耐震強度を算出されることとなります。
ビスピッチで手抜工事されていても、普通に生活している分には石膏ボードが外れ落ちることは、ほぼありません。
しかし、大きな地震が起きた時には、石膏ボードが柱から外れ落ちてしまう可能性があり、耐震診断の数値に反映させる事は出来ません。
ビスピッチの手抜きは耐震性能の低下に繋がる
耐震診断するときには、間取り(壁)を、三尺ピッチのマス目の耐震診断のフォーマットに書き込みます。
そして、ひとつひとつの壁を構成している建材を調べます。
外壁はサイディングボード
壁の中に構造用面材
その中には筋交い(補強材)がある。
室内側には石膏ボード
と、いう感じで見ていきます。
一つ一つの材料には、壁強さ倍率という数値が設定されており、これらを合計することで耐震強度を算出します。
この数値が大きいほど、地震に強い壁という事になります。
石膏ボードのビスピッチで手抜き工事をされていると、石膏ボードが無いものとして、壁強さ倍率を加算することができません。
【住宅の耐震性能】地震に強い家と弱い家の見極め方を徹底解説
壁の中の状態も調査できます
ゼロシステムズでは非破壊検査を実施します。

ゼロシステムズの住宅診断(建物診断)では、壁の中の断熱材の有無は赤外線サーモグラフィーを使用した非破壊検査を実施します。
石膏ボードのビスピッチは、金属探知機やネオジウムマグネットを使用して、壁紙で隠れたビスを可視化して診断しています。
ゼロシステムズの住宅診断の内容紹介