2022年 いつまで続く不動産価格高騰。住宅ローン減税0.7%と金利と物価動向

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今回の話題

  1. 最近、住宅ローン審査が通り難くなった。というお話。
  2. 来年、2022年は、住宅ローン減税の控除が1%から0.7%になるというお話。
  3. 今後の住宅ローン金利と不動産価格の動向

① 最近、住宅ローン審査が通り難くなった。

結論から言うと、物件価格の高騰が一番の原因です。
10月の首都圏の新築マンションの平均価格は、前年比で約1割上昇して、6,750万円でした。
これは、90年代バブル期よりも、高額となりました。
郊外の新築一戸建ても、昨年と比べると、マンション同様に1割以上値上りしています。

不動産の値上りが続いています。

先日、平成28年に千葉県松戸市の新築一戸建てを価格2600万円で購入したお客様から、売却の相談を受けました。
現時点で、同じ町内の新築一戸建ての価格相場を調べてみたら3,300万円以上になっていました。

約5年前と比べると2割以上、建売住宅の価格が高騰している状況です。
当然、エリアによって上昇率は、異なりますが、多くの住宅地では、同じくらいの価格上昇が見られます。
5年で2割は大きいです。

住宅ローンの返済額で、この差を考えると・・・

借入2600万円では、
金利0.475%の35年ローンですと、月々67,205円の返済額で済みます。
住宅ローン審査では、審査金利3.5%で計算しますので、約370万円の年収があれば審査が通ります。

しかし、物件価格が値上りして、
借入3,300万円となりますと
月々85,299円の返済額となります。

約410万円の年収がなければ、住宅ローン審査が通らないことになります。

ここでは、みずほ銀行の審査基準で計算しましたが、住宅ローン審査は金融機関ごとに異なる審査金利で計算します。

住宅ローン審査1分間セルフチェックを利用して、審査が通るかどうか試してみてください。
ご自身の概要をチェックするだけで、審査が通りやすい銀行が簡単に分かります。

審査が通りやすい銀行と、通りにくい銀行

「銀行によって、審査が通りやすいとか、通りにくいという違いはあるのでしょうか?」との質問を受けることがあります。

銀行毎に違いがあります。

現在の変動金利は、0.3%~0.5%台で借りられます。
しかし、変動金利ですので、将来、金利が上昇する可能性があります。
そのため、銀行では、実行金利0.3%や0.4%台で審査するのではなく、将来、金利が上がった場合を想定して、審査金利3%~4%程度で審査します。

銀行によって審査金利が違います
  • みずほ銀行 :審査金利3.5% 返済比率40%未満
  • 三菱UFJ銀行:審査金利3.1% 返済比率35%未満
  • 三井住友銀行:審査金利 4% 返済比率35%未満

違いは、これだけではありません。
勤続年数、年収、産休育休の取扱いなども、金融機関によって違います。
これを、アルゴリズム化したのが 住宅ローン1分間セルフチェックなのです。

物件価格が上がってしまうと、住宅ローンで借りる金額が増えてしまいます。
頭金を増やせれば良いのですが、今の新築一戸建てや分譲マンションの価格上昇のスピードは、物価や給与が上がるスピードよりも早いペースです。

例えば、3500万円の物件が、1年で1割値上りして、3850万円になるということは、1年で350万円頭金を貯蓄しないといけない・・・という事です。
貯蓄するペースよりも、物件価格が上がるペースの方が早いという事です。
(貯蓄するペースは、人によりますが、多くの場合、そうなります)

借入金額が増えてしまうと、住宅ローン審査が通り難くなりますが、適切な金融機関を選んで申込みすれば、審査を通すことが出来ます。
大切なのは、住宅を購入する時の諸費用を如何に安く抑えるかということです。

3,300万円の物件だと、仲介手数料が1,155,000円もかかります。
不動産会社によっては、仲介手数料に加えてローン取扱い手数料を110,000円を受領するところもあります。
これらを節約できれば、合計1,265,000円分の頭金を増やしたことと同じになります。


② 住宅ローン減税のお話

国交省から、2022年の住宅ローン減税について報道がありました。
まだ確定ではありませんが、その報道によると、
『現行の住宅ローン減税では、控除額1%ですが、それが、来年、2022年になると、0.7%になる』という内容でした。
当初の予測よりも、ずいぶんと中途半端な住宅ローン減税に規模が縮小されてしまいそうです。

参考:Yhaoo!ニュース – 住宅ローン、控除率0.7%に 「逆ざや」解消へ縮小案 国交省

そもそも、金利0.4%の住宅ローンに、1%減税したら、0.6%が逆ザヤとなることが問題で改正するのに住宅ローン控除0.7%の減税では、逆ザヤが改善されません。
当初予測していた、借入金利が上限という控除案は、一人ひとりの住宅ローン金利を考慮しなければならないので、恐らく、国交省や税務署なども、対応しきれないと考えて、一律0.7%にしたのだと思います。

控除額が1%から0.7%になると、どのような違いが?

例えば、年末の住宅ローンの借入残高が4000万円の場合
控除額 1% では 40万円が控除。
控除額 0.7%では 28万円が控除。
となります。

借入金額が多く、10年間まるまる40万円控除を受け続けられたら、10年で400万円も税金が戻ってくることになります。

それが、0.7%となると、10年で280万円となります。

120万円少なくなる計算です。

恐らく、この0.7%という控除率は、ほぼ決まりだと思いますが、
10年という期間が、伸びる可能性があります。
仮に、15年に延びてくれれば、先程の例ですと、10年だと280万円だったものが、15年になれば、420万円となります。

改正後の方がお得?

一概にお得ということは無いと思います。
あくまでも、ローン残高に対しての0.7%です。
毎月返済しますので、年末のローン残高は減っていきます。

ということは、1%控除と0.7%控除は、どっちがお得かというのは、一概に言えないです。

いずれにしても、これから国交省で議論をして、12月の税制大綱で公表される予定になっています。
詳しいことが分かりましたら、私の方で調べて、この番組内でお話させて頂きますので、ぜひ、チャンネル登録をして、ご視聴いただければと思います。


③ 12月以降の住宅ローン金利の動向について

12月は ・変動金利は、上りもしない、下がりもしない。今月と同じ。
・全期間固定金利は、下がる可能性がある。
と予測します。

変動金利は短期プライムレートに連動します。
短期プライムレートは日銀の政策金利に連動します。
インフレ率2%になると、日銀は、政策金利を引き上げる可能性があります。

総務省統計局から、11月19日に公表された、10月の消費者物価指数を確認しました。

  1. 総合指数は、前年同月比では、0.1%上昇しています。
  2. 生鮮食品を除く総合指数は、前年同月比では、0.1%上昇しています。
  3. 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数では、前年同月比は、0.7%下落

総務省統計局のデータを詳しく見てみると
・火災保険や地震保険料が15.8%も上昇
・電気代7.7%、灯油25.9%、ガス代3.7%も上昇
・ガソリン代は、21.4%上昇

逆に、
生鮮野菜がー4.5%(きゅうりー22.4%)下落
携帯電話(通信料)ー53.6%下落

総合的には、2020年を100として、2021年は、99.9と少し下落しています。

ガソリン、灯油、電気、ガス、水道など、個々の値上げされています。
物価も上昇しているものだと思ってましたが、消費者物価指数は、逆に下がっています。

出典:総務省統計局 – 11月19日公表の消費者物価指数

原油高で、エネルギー関連は、全て値上りしましたが、政府は国で備蓄している石油を市場に放出するというニュースが報道されました。
これが、市場に放出されると、日本国内の石油価格は、落ち着きを取り戻します。
ということは、来月も消費者物価指数が上昇することは無いと思っていても問題無さそうです。
ただ、長期的に見ると、来年、2022年末には、1バレルあたり100円まで上昇すると見込んでいるヘッジファンドもあるようなので、まだまだ予断を許さない状況と言えます。

変動金利は、変わりませんが、12月は、全期間固定金利が少し下がる可能性があります。
全期間固定金利は、10年国債利回りに連動しています。
10月末は、10年国債利回りが上昇したので、11月の住宅ローン全期間固定金利が大幅に上昇しました。

ただ、11月に入り、10年国債利回りは、先月上がり過ぎたので少し下がりました。
このまま11月末まで、10年国債利回りが落ち着いていれば、12月の全期間固定金利は、少しだけ下がる可能性があります。
と言っても、誤差程度の金利上下です。

2022年になると、住宅ローン金利は上昇する可能性が高いので、引き続き、原油価格、消費者物価指数、10年国債利回りの推移を観察しておく必要があります。
これらの動向については、私の方でも、随時、チェックして、この番組でお知らせしますので、チャンネル登録して、ぜひ、ご視聴頂ければと思います。


番組のリスナーさんから物価に関する質問

ラジオネーム:たぬきさん。
「世界では、インフレが問題になっているのに、日本は、いつになったらデフレから脱却できるのでしょうか?」
「日本は、海外と比べて、そんなに物価が安い国なのですか?日本に住んでいると実感がありません。」
と、ご質問がありました。

国内では、不動産、株価、ゴールドのような資産価値は上がってます。
日本の円の価値が弱くなっていますから、外国人投資家から見ると、日本の不動産は、割安なので日本買いが、急増しています。
ただ、それ以外の物価は、まだ、ついて来れていない状況と言えます。


ビックマック指数

各国のマクドナルドで販売されているビックマック1個当たりの価格のことです。 ビックマック指数(BMI)は、購買力平価(PPP)によって、為替相場を推測するための指数になります。 要するに、その国の購買力や賃金水準を表しています。

参考:消費者物価指数 – 総務省

全57か国対象 – ビックマック指数(BMI)

  • 1位 ベネズエラで918円(ベネズエラは、クーデターでハイパーインフレが起きているので例外です。)
  • 2位 スイスで、774円
  • 3位 ノルウェー:693円
  • 4位 スウェーデン:681円
  • 5位 アメリカ:621円
  • 6位 カナダ:584円
  • 7位 イスラエル:568円
  • ・・・
  • 15位 シンガポールで474円
  • ・・・
  • 19位 韓国で、440円
  • ・・・
  • 22位 チリで、433円
  • 23位 タイで、429円

日本は、31位で390円です。

ビックマック指数(BMI)を
アメリカを0%とすると、
31位の日本は、ー37.21%となります。
2位のスイスは、+24.68%です。

このビックマック指数でみると、今の日本の現状が分かりやすいです。

このように、日本は57か国中31位という購買力や賃金水準の低さです。
ビックマックの価格と不動産の価格は、全く異なりますが、購買力や賃金水準は、その国の不動産価値に通ずるものがあります。
ビックマック指数が高い国に住んでいる外国人投資家から見ると、日本の不動産は割安感があるということです。

世界では、お金の流通量が増えすぎているため、お金の価値が薄まって、インフレが問題視されています。
日本は、90年代バブル崩壊以降、経済対策や政治が何も進んでいません。
世界と比べると日本は、周回遅れの状態です。
しかし、そのおかげで世界がインフレで問題となっているなか、日本はまだインフレになっていないという状況です。

ひと足遅れて、日本もインフレになると思われます。
そして、今後インフレになるということが分かっていれば、それなりの準備と覚悟をするための時間的猶予ができるいう事です。

今後、お金の価値が薄まって、日本でもインフレが進めば、相対的に物件価格が高くなることが予測されます。
住宅価格も同じことが言えます。
その流れを知るためには、今なら、原油価格、消費者物価指数、10年国債利回り、それと、関連報道を常にチェックして柔軟に対応することが、大切だと思います。



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