飯田グループやケイアイスターの新築を買ったら住宅ローン控除0.7%では、いくら減税されるかを計算。

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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第384回目の放送分です。

今回の話題

飯田グループ系の新築
令和4年度の住宅ローン減税でどのくらい得をする?
『長期優良住宅』と『省エネ基準適合住宅』の違い

以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。

令和4年度の税制改正大綱が発表

建物の省エネ性能によって住宅ローン控除の限度額が異なる

令和4年度の税制改正大綱が発表されて、来年からは、住宅ローン控除が、1%から0.7%に変更になります。
今回の税制改正大綱で、大きく変わったのは、1%から0.7%だけでなく、建物の省エネ性能によって、住宅ローン控除の限度額が異なるという点です。

新築を省エネ性能によって4段階に分類します
①長期優良住宅・低炭素認定住宅
②ZEH水準省エネ住宅
③省エネ基準適合住宅
④その他の住宅

①『長期優良住宅』『低炭素認定住宅』が、最も評価が高く、以下、②③④の順となっています。
①~④の中で、②番目の『ZEH水準省エネ住宅』は、あまり数は多くありませんので、今回は、『ZEH水準省エネ住宅』以外の3つを、飯田グループ系の6社を例として説明します。

飯田グループを例に解説

日本国内で年間46,000棟も建築されています

飯田グループの年間上棟数(2021年3月のデータ)
アーネストワン12,673棟
一建設12,289棟
飯田産業7,343棟
タクトホーム5,515棟
東栄住宅4,594棟
アイディホーム4,195棟
グループ合計46,609棟

飯田グループ以外のパワービルダー
ケイアイスター不動産4,153棟
オープンハウスグループ
(ホークワン)
2,247棟
(2020年のデータ)

飯田グループ、ケイアイスター不動産グループ、オープンハウスグループのホークワンだけで、年間5万棟以上の建売住宅が新築されています。


省エネ性能ごとに異なる住宅ローン控除額

『長期優良住宅』の場合

東栄住宅は『長期優良住宅』に該当

上記飯田グループ6社の中で唯一、東栄住宅だけは、最も評価の高い『長期優良住宅』に該当します。
それ以外の5社は、3番の『省エネ基準適合住宅』となります。

省エネ性能評価が最も高い『長期優良住宅』に該当する、東栄住宅の新築一戸建てを購入した場合、住宅ローン控除はどのようになるか?を説明します。

まず、『長期優良住宅』だと、住宅ローン控除の限度額は、5,000万円となります。

年末の住宅ローン借入れ残高が5,000万円の場合

5,000万円×0.7%=35万円
控除期間は13年ですので
35万円×13年=455万円となります。

だたし、これは、あくまでも最大455万円というお話です。 13年間、毎年年末の借入れ残高が 5,000万円ということは、最初に住宅ローンで 7,700万円の借入れをする必要があります。

変動金利0.475%で7,700万円を借入すると、13年後の年末残高は、5,006万円になります。
このような場合に、長期優良住宅の住宅ローン控除455万円を恩恵を受けられるということになります。

『省エネ基準適合住宅』の場合

東栄住宅 以外のグループ5社は『省エネ基準適合住宅』に該当

飯田グループ系の新築は、東栄住宅以外は、『長期優良住宅』の認定を受けていません。
その代わり『住宅性能評価書』を取得しています。
そのため、省エネ性能が4段階に分類された、今回の住宅ローン控除では、殆どの物件が、上から3番目の『省エネ基準適合住宅』に該当します。

『省エネ基準適合住宅』の控除額の限度額は、4,000万円となります。

年末の住宅ローン借入れ残高が4,000万円の場合

4,000万円×0.7%=28万円
控除期間は13年ですので
28万円×13年=364万円となります。

同じ飯田グループの新築でも住宅ローン控除に違いがある

差額は最大で91万円

東栄住宅は『長期優良住宅』のため最大455万円の控除となります。
飯田グループの他5社の新築ですと『省エネ基準適合住宅』のため、最大364万円までの控除となります。
その差は、13年間で91万円となります。

住宅ローン控除で考えると、東栄住宅の方が、91万円お得ということになります。
しかし、これは”最大で364万円”というお話です。

最大の控除を受けるためには、13年後の年末に住宅ローン借入れ残高が4,000万円残っている必要があります。
そのためには、最初に住宅ローンで6,160万円の借入れをする必要があります。

最大額の控除を受けるのに必要な借入額

変動金利0.475%の場合
『長期優良住宅』で、最大455万円の控除を受けるには 7,700万円
『省エネ基準適合住宅』で、最大364万円の控除を受けるには 6,160万円
借入する必要があります。

高額物件でないと最大限の恩恵を受けられない

東京23区内や首都圏の主要ターミナル駅から近い立地の新築一戸建てを購入する人であれば、1億円を超える物件も珍しくありませんので、住宅ローンの借入れが8,000万円超ということもあるかと思います。
つまり、そのような高額の物件を住宅ローンで購入する場合でなければ、住宅ローン減税の恩恵を最大限受けることが出来ないということです。

しかし実際の首都圏の新築一戸建て住宅の、平均価格 4,016万円でした。

『長期優良住宅』(東栄住宅)で
4,000万円の住宅ローンを組んだ場合の減税額を計算

変動金利0.475%

・ 1年目 ・・・ 273,200円
・ 2年目 ・・・ 265,700円
・ 3年目 ・・・ 258,300円
・13年目 ・・・ 182,000円
・13年間の合計 ・・・ 2,963,500円

住宅ローンを毎月返済する事で、年末の借入れ残高は減少していきます。
それに対して、0.7%が控除されますので、13年目は、182,000円が戻ってくる事となります。
1年~13年目の減税額を合計しますと、2,963,500円となります。

『省エネ基準適合住宅』で4,000万円の住宅ローンを組んだ場合

『長期優良住宅』(東栄住宅)でない、『省エネ基準適合住宅』(飯田産業/一建設/アーネストワン/タクトホーム/アイディホーム)の新築であっても、4,000万円の借入れであれば、同じ計算となります。

『長期優良住宅』であれば最大控除額 5,000万円、それ以外だったら 4,000万円という訳ですから、
借入れ 4,000万円ということであれば
『長期優良住宅』で最大 5,000万円の控除額であっても
『省エネ基準適合住宅』で最大 4000万円であっても
同じ計算ということになります。

全期間固定金利1.25%

・ 1年目 ・・・ 274,000円
・ 2年目 ・・・ 267,600円
・13年目 ・・・ 190,500円
・13年間の合計 ・・・ 3,032,000円

1年~13年目の減税額を合計しますと、3,032,000円となります。

変動0.475%と固定1.25%の差額

変動 0.475% ・・・ 2,963,500円
固定 1.25% ・・・ 3,032,000円
13年間で差額は 68,500円となります。

『省エネ基準適合住宅』で3,000万円の住宅ローンを組んだ場合

変動金利0.475%

・ 1年目 ・・・ 204,800円
・ 2年目 ・・・ 199,300円
・ 3年目 ・・・ 193,700円
・13年目 ・・・ 136,500円
・13年間の合計 ・・・ 2,222,300円

全期間固定金利1.25%

・ 1年目 ・・・ 205,500円
・ 2年目 ・・・ 200,600円
・13年目 ・・・ 142,900円
・13年間の合計 ・・・ 2,273,800円

変動0.475%と固定1.25%の差額

変動 0.475% ・・・ 2,222,300円
固定 1.25% ・・・ 2,273,800円
13年間で差額は 51,500円となります。

金利が高くなると、住宅ローン控除で減税される金額も多くなります。


まとめ

現在流通している殆どの新築一戸建ては『省エネ基準適合住宅』となるはずです。
しかし『住宅性能評価書』を取得していない物件や、フラット35のSのBプラン のみに対応している、新築一戸建て(ケイアイスター不動産の物件など)では、現時点では、まだ『住宅性能評価書』を取得しておりません。

その場合は、1棟1棟個別に、外皮計算などをして、省エネ基準に適合しているかを確認しなければならない場合があります。
もし、省エネ基準に適合していない物件の場合は、限度額3,000万円となります。

恐らく、来年になると多くのハウスメーカーが、『省エネ基準適合住宅』以上にしてくるのではないかと思われます。

結論として、
住宅ローン借入れ4,000万円以内であれば『長期優良住宅』と『省エネ基準適合住宅』の省エネ性能による住宅ローン控除に差はない。と言えます。

4,000万円を超える借入をする人であれば、『長期優良住宅』を買った方が、住宅ローン控除的には、お得と言えます。

ただし、住宅ローン控除の恩恵を13年使って最大限受けるためには、
・『長期優良住宅』では、約7,700万円以上
・『省エネ基準適合住宅』では、約6,160万円以上
住宅ローンの借入が必要となります。

そこまでの額を借入れしない人にとっては、『長期優良住宅』でも、それ以外であっても、あまり住宅ローン控除は関係ないかもしれません。
家を買うという目的は、自分や家族のための住まいを買う。ということですので、あまり住宅ローン控除の金額にとらわれずに探した方が良いかと思います。




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