2022年はデフレ?インフレ?不動産市場を考える。人口が減少しているのに価格高騰する理由とは?

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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第385回目の放送分です。

今回の話題

今後の不動産の価値と価格は、どうなるか?
人口減少、スタグフレーション
不動産の価値は下がるが不動産の価格が高騰する

以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。

今後の不動産の価値と価格はどうなるか?

不動産の価値は、需要と供給のバランスで決まる

今後の日本では、「人口が減少するから全体的には不動産の価値は下がる」と言われています。

この仕事をしていると、お客様から「この物件は、将来、値上りしますか?」と、よく質問されます。
しかし、今から、20年後、30年後の不動産価格は、誰にも予測はできません。

ただし、不動産の価値は、需要と供給のバランスで決まります。
価格は予測できませんが、価値は、ある程度予測できます。

不動産の『価値』と『価格』

私たちは、物の価値を数値化して知るためには、お金という物差しで、価格が高い安いと考えます。
しかし、価格というのは、その時のお金の価値によって変わります。
現時点の、1万円と、50年前の1万円、逆に、50年後の1万円では、価値が全く異なるということです。
その時代の物価次第で、不動産の価格は変わるということです。

令和2年の消費者物価指数

日銀のホームページに興味深いお話が記載されていました。

要約して説明すると、 令和2年の消費者物価指数は、 昭和40年の消費者物価指数の4.2倍であるから、 昭和40年の1万円の価値は、今の4.2万円に相当するという計算になります。

出典:日本銀行 – 昭和40年の1万円を、今のお金に換算するとどの位になりますか?


消費者物価指数を不動産に当てはめて考える

このことを不動産に当てはめると、昭和40年当時に、1,000万円で買った土地が、現代になると、約4.2倍の4,200万円になっているということです。

高度成長期に首都圏の郊外で分譲された、ニュータウンの土地の登記簿謄本や当時の古い不動産契約書を見ると、価格500万円前後の相場で売買されていました。

今の消費者物価指数は、昭和40年の4.2倍ですから、
500万円×4.2=2,100万円となります。
当時の土地価格500万円と、今の土地価格2,100万円は、価値が同じ位ということです。

人口が減少して、日本の不動産の価値はどうなるか

日本の人口が減少して、都心や首都圏の一部の不動産の価値は、上昇する可能性が十分にあります。
一方で、地方の郊外になると、価値は下落する可能性が高くなります。
そのため、日本全体で考えると、土地の価値自体は、下がることになります。

今、不動産を買って、将来は価格が下がってしまうのかというと、微妙で誰にも予測できないところです。

将来の不動産価格

ものの『価値』は何で決めるかと言うと、お金という物差しで、『価格』をつけて決めるしかありません。
需要が少ない郊外の住宅地では、不動産としての『価値』は、下がると思います。

ただ、今後、アメリカやイギリスのように、日本国内でもインフレになって、お金の価値が下落すると、物価が高くなり、ものの価格が高くなる可能性が十分にあるのです。
もし、30年後の消費者物価指数が、今の2倍になっていれば、今の1万円の価値は、20年後は、2倍となります。

3,000万円で購入した新築一戸建てが、30年後は価値が2分の1になったとします。
今の物価で考えると、価値が2分の1なら価格も2分の1なので、1,500万円です。
しかし、30年後の消費者物価指数が、現時点の2倍になっているとしたら、今の1,500万円の価値は、30年後は3,000万円となります。
価値は下がっても、物価が上がれば、ものの価格は上がります。

不動産の場合は、価値と価格を別々にして考えないといけません。

今、都心では、新築マンションの価格が高騰していますが、価値が高くなって、価格が値上りしているのか?
それとも、円の価値が下がって、価格が値上りしているのか?
もしくは、両方の要素が重なって価格高騰しているのか?
というのは、現時点では判断が出来ません。

今の不動産価格は90年代バブルのころよりも高額

今、日本では、新築一戸建て、新築マンションの価格が高騰しています。

近年の首都圏、新築マンションの平均価格の推移をみても
2016年では、5,490万円でしたが、2020年には、6,083万円に上昇しました。
2021年に入ると、それが7,000万円台となりました。
これは、90年代バブルのころよりも高額です。

と言っても、今、新たに分譲される新築マンションの殆どが、郊外ではなく、東京23区内の物件です。
23区の中でも、港区、千代田区、中央区、渋谷区の新築マンション価格が、非常に高騰しています。
そのため、東京23区内の新築マンション平均価格は、2021年8月には1億0812万円と、平均価格で1億円を超えています。
これが、首都圏の新築マンションの平均価格を上昇させている原因となります。

90年代バブル期やリーマンショック前の時期と違うのは、当時は、駅から遠いバス便の立地でも、新築マンションが分譲されていて、そのような物件でも、値上りしていました。
しかし今は、郊外では新築マンションが、ほとんど分譲されていません。
多くは、東京23区内や埼玉、神奈川、千葉などでは、ターミナル駅など、主要な駅から近い、好立地な地価の高いエリアのみで、新築マンションが分譲されています。
そうなると、自然と、平均価格が上昇します。

平均価格は、上昇していますが、不便な立地の新築マンションは、売れ残っている物件も見かけます。
今は、平均価格が上がっていると言っても、90年代バブルと違って何でも値上りするのではなく、不便な立地の新築マンションは値上りしていません。
一方で、新築一戸建て(建売住宅)は、新築マンションよりも早いペースで値上りしています。

新築一戸建て(建売住宅)の値上りが早い理由

新築マンションよりも、新築一戸建ての方が、土地仕入れ、企画、建築工事などの期間が、圧倒的に早いから、土地価格や建築費の高騰にリニアに反応するからです。

新築一戸建ての場合

新築一戸建ては、飯田グループのような大手になると、
土地仕入れ→建築工事→販売終了
を半年以内に完了させること目標に据えて事業をしています。

新築マンションの場合

新築マンションは2年
タワーマンションなど大規模になると3年以上の期間がかかります。
もし、2022年に企画を開始すると、商品化されるのは、2024年となります。

今、分譲されている、新築マンションの価格は、1年~2年前に企画された相場観と言えます。
新築一戸建ての価格は、半年以内に企画された相場観で販売されていることになります。
そのため、土地価格が値上りすると、新築マンションよりも、新築一戸建ての方が、早いペースで価格に反映されて販売されることになります。

新築一戸建ての分譲価格が高騰してきています

東京、埼玉、千葉、神奈川の新築一戸建ての分譲価格は、去年と比べて1割くらい高くなりました。
1年前や2年前から、家を探しているという人なら、相場観が上がっているのは、実感していると思います。

「1年前なら、新築一戸建てが3,500万円で買えたエリアでも、今は4,000万円に値上りしてしまった。」
というお話は、よく聞きます。

住宅ローン審査が通らなくなる

購入予定物件の予算が高くなると、例えば、今まで、3,000万円借りる予定だった人が、3,500万円借りようとします。
年収に余裕があって、既存借入などが一切ない人であれば、問題なく住宅ローン審査が通ります。
年収に余裕がなかったり、既存借入がある人などは、借入金額が増えることにより、審査が通りにくくなってしまいます。

頭金を貯めようにも、1年で物件価格の相場が、500万円も上昇するとなると、値上りするペースの方が、貯蓄するペースよりも早いということになります。
頭金を貯めるよりも先にローンを組まなければ、いつまでたっても買えない状況になります。
中には、値段が上がり過ぎて家を買うのを諦めてしまったという人もいます。

不動産の価格が高騰している理由

人口が減って、空家住宅なども増えているのに、なぜ不動産の価格が高騰しているのか?
90年代バブルの前の高度成長期に郊外で分譲された住宅団地などは、当時そこで生まれ育った子供たちが成人して、家を出て、親も高齢化して施設に入ったりして、残された家は、空家になっている。
と、いうことも珍しくありません。
そのような住宅地は、値上りはしていない

高度成長期に郊外で分譲された、「ニュータウン」と呼ばれた、1区画50坪~60坪位で分譲された、一戸建ての住宅団地は、築40年を超えて古くなって空家も出てきました。
そういう物件は、価値が下がっています。

首都圏以外の地方の郊外の住宅地になると、空家率が多く価格が付かないという物件もあるようです。
ただし、東京都内への通勤圏にある郊外の住宅地は、一概に下落しているという訳ではありません。

飯田グループやケイアイスター不動産などのパワービルダーが、
高度成長期に50坪~60坪で分譲されて、現在は、空家や空地になった物件を、半分の25坪~30坪くらいの2区画に分筆して、新たに新築一戸建てを分譲しているケースが増えてきました。

土地面積を半分にして、物件価格が安く分譲されていますので、住宅ローン返済にすると、
家賃並みまたは、家賃以下の返済で、庭付きの一戸建てが住めるということで、郊外の住宅地の新築一戸建てが売れています。
そういう住宅街は、また、新たに若い家族が流入してきて、活気を取り戻してきています。

『不動産価格が値上りするか?どうか?』
という若干投資的な目線で見ると、郊外の住宅地は弱いと言えます。
ただ、住宅は投資ではありませんので、家族が、余裕をもった住空間で、なおかつ、無理のない支払いで、生活することを目的とするのであれば、郊外の住宅地の新築は、十分に選択肢の一つになると思います。

値上がりした高額物件を買う世帯

値上りを狙うのであれば、都心やターミナル駅から近い、好立地な物件を買うと良いと思います。
ただ、そのような物件は、価格が高いので、なかなか手が出せません。
都内で新築マンションを買うために、金利0.525%の住宅ローン借入を8000万円すると、
35年返済では月々20万8553円の返済となります。

どんな人が、このような高額な住宅ローンを組んで買うのか?
高所得者ばかりかと言えば、そうでもなく、世帯年収1,500万円前後で30代~40代の夫婦共働きのご家族も多いようです。

今後、長い目でみると、住宅ローン金利が上昇する可能性が高いです。
ですが、
『今、8000万円で購入した新築マンションが、5年後に1億円に値上りしていれば売却益がでるので、購入する価値は十分にある。』
という、投資的な感覚で新築マンションを購入しているという人も少なくありません。

まとめ

都内で新築マンションを購入する人と
郊外の新築一戸建てを購入する人は、
同じ住宅を購入すると言っても、
住宅の価値を計る物差し自体が違うと言えます。




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