インフレ時代の不動産値引き交渉-成功の秘訣
~ 安くなるエリアの共通点。新築一戸建の完成在庫を分析する方法。

YouTubeチャンネル
今週放送の動画をご紹介

FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第391回目の後編(2022年1月20日放送分 後編)となります。

今回の話題

インフレ時代の不動産 値引き交渉 成功の秘訣
・安くなるエリアの共通点
・新築一戸建の完成在庫を分析する方法

以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。



質問
「こういう時代に値引き交渉をするのは無理でしょうか?」

リスナーさんからご質問を頂きました

いつもYouTubeで視聴しています。
2年ほど前から新築一戸建てを探しています。
1年前と比べて物件価格が上がってることは実感しています。
こういう時代に値引き交渉をするのは無理でしょうか?
お忙しいところ恐れ入りますがご回答をお願いします。
アイスバーンさん からの質問

アイスバーンさん ご質問ありがとう御座います。

更地や建築途中の未完成の段階で売れてしまう

アイスバーンさんのおっしゃる通り、今、新築の建売住宅が非常に売れており、1年前よりも、1割以上価格が高くなっています。

更地や建築途中の未完成の段階で売れてしまいますので、値引き交渉ができない物件が多いのが実情です。

しかし、完成した物件が売れ残っていれば、値引交渉が成立する可能性はあります。

全てのエリアで売れているわけではない

売れているからと言って、全てのエリアの新築一戸建てが売れている訳ではありません。
『完成在庫比率』が高いエリアだってあります。

完成物件が多いエリアなら交渉の余地あり

物件が完成する前から売れてしまうエリア(『完成在庫比率』が低いエリア)では値引き交渉が難しくなっています。

逆に完成物件が多く残っているエリア(『完成在庫比率』が高いエリア)なら、交渉の余地があります。

そこで、実際、どこのエリアの新築一戸建てが売れているのか?
ということを、誰でも見ることができる物件情報ポータルサイトSUUMOに掲載されている情報を利用して分析しました。


売れているエリアを割り出す

『完成在庫比率』を算出する

『完成在庫比率』を算出することで、そのエリアの状況を知る事ができます。
SUUMOなどに掲載されている情報を利用して『完成在庫比率』を算出することができます。

さいたま市の『完成在庫比率』を算出

各物件情報サイトでは、各市町村別に物件情報を検索できます。
例えば、さいたま市内で新築一戸建てのみを抽出すると、2,758件ありました。
条件検索で『即入居可』だけを抽出すると、629件のみでした。

即入居可の新築一戸建てとは、既に完成している物件で『完成在庫』ということになります。

完成在庫629件を、総物件数2,758件で割ると、22.8%となります。
629÷2,758=0.228 (28%)

完成在庫の比率が低い地域は、更地や工事途中の段階で契約されている地域。
要するに、物件が売れている地域ということになります。

完成在庫比率が低い地域 = 更地/未完成の状態でも売れている地域
完成在庫比率が高い地域 = 即入居可の完成物件が多く存在する地域

完成在庫比率から分かること

さいたま市の2022年1月の完成在庫比率は、約28%でした
2年前の完成在庫比率は、おおよそ50%前後でした。
今は、28%ですので、2年前に比べると完成物件が少なくなっており数値的にも売れていることが分かります。

他の地域の『完成在庫比率』も算出

SUUMOに掲載されている新築一戸建て物件情報

地域総物件数即入居可物件完成在庫比率
埼玉県14,144件3,307件約24%
東京都11,372件2,302件約20%
神奈川県10,298件1,858件約18%
千葉県6,275件1,550件約24%

出典:SUUMO – 関東の新築一戸建て購入情報探し

数値で見ても、
神奈川県と東京都は、完成在庫の比率が20%以下で少なく、完成前から売れていることが分かります。
千葉県と埼玉県も、ともに25%を切っていますので、完成在庫の比率は少ないことが分かります。


グラフにして視覚的に解説します

各地の完成在庫比率

各地の完成在庫比率

埼玉県の完成在庫比率

埼玉県の完成在庫比率

埼玉県の完成在庫比率

2年連続、住みやすい街大賞ナンバー1に選ばれた川口市の完成在庫比率は 21%ですので、数値的にも人気があり売れていることが分かります。
出典:ARUHI – 本当に住みたい街大賞2022

川越市では 31.7%で在庫が多いことが分かります。
鴻巣市では 28.3%。
熊谷市になると 42%となり、完成在庫の比率が多いことが分かります。

東京都内の完成在庫比率

東京都内の完成在庫比率

東京都内の完成在庫比率

練馬区は 9.4%です。
殆どの物件が、未完成の段階で売れています。

足立区になると、28.6%ですので、完成在庫の比率は高くなります。
これは、ハザードマップの関係もあるかもしれません。

水害ハザードマップに関する記事はこちら↓

【水害ハザードマップ】水害の可能性がある物件の見極め方

府中市は、22.6%、八王子になると24.8%と、やはり、都心から距離が離れると、少しずつ完成在庫が増えてきます。

町田市になると16.3%となり、完成在庫数が極端に少なくなります。
町田市は、お隣の神奈川県横浜市や相模原市から、購入希望者が流入してくるのが原因だと考えられます。

神奈川県の完成在庫比率

神奈川県の完成在庫比率

神奈川県の完成在庫比率

横浜市:16.8%
川崎市:17.6%
茅ヶ崎市:15.2%
この辺りは、完成在庫が殆どありません。

相模原市でも17.8%です。
大和市になると、20.1%と少し上昇します。

千葉県の完成在庫比率

千葉県の完成在庫比率

千葉県の完成在庫比率

千葉市:33.6%
市川市:26.3%
船橋市:19%
都心から近くは、完成在庫が少なくなります。

松戸市:21.9%
新築一戸建てのエリアとしては人気があります。

八千代市:32.7%
少し上昇します。
都心からある程度離れると、埼玉県と同様に、完成在庫が増える傾向にあります。


まとめ – 値引き交渉ができるか否か判断する

完成在庫比率が30%を切るエリアが増えている

数年前のデフレ時代では、完成在庫比率50%以上が普通でした。
しかし、昨年からは、不動産は非常に売れており、完成在庫の比率が30%を切っているエリアが増えています。
それに伴い、価格も上昇してしまいました。

30%以下では値引き交渉が難しい

この完成在庫の比率が 30%を切っていて、売れているエリアでは、売主側も強気ですので、値引き交渉などを応じてもらえない事が多いです。

40%を超えるエリアで探す

皆様が探している市区町村でも、今回、私が計算した手法で、完成在庫の比率を算出してみてください。
完成在庫比率が40%を超えているエリアもあります。

そのようなエリアであれば、値引き交渉ができる可能性が出てきます。
このように分析すれば、値引交渉できるか否かを、ある程度判断できると思いますので試してみてください。





ゼロシステムズ バナー