変動金利は上昇するのか?
~地政学リスクと住宅ローン金利の関係~

変動金利は上昇するのか?
~地政学リスクと住宅ローン金利の関係~

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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第398-1回目(2022年3月10日放送分 前半)となります。

今回の話題

変動金利は上昇するのか?
 ~地政学リスクと住宅ローン金利の関係~

以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。



地政学リスクと住宅ローン金利の関係

世界中の経済に影響を与える『地政学リスク』

『地政学リスク』とは

この地球上では、ウイルスによる疫病、地震や温暖化による自然災害、そして今は、ロシアとウクライナの戦争など、さまざまな事が起きています。

今のウクライナ情勢のような、ある特定の地域で軍事的緊張状態が高まったり、実際に戦争などが起こり、世界中の経済に影響を与えることを『地政学リスク』と言います。

地政学的リスク

地政学的リスクとは、ある特定の地域が抱える政治的・軍事的な緊張の高まりがその特定地域もしくは世界経済全体の先行きを不透明にし、商品市況の高騰、為替通貨の乱高下を招き、企業の投資活動や個人の消費者心理に悪影響を与えるようなリスクをさします。

出典auカブコム証券 – 地政学的リスク

ウクライナ情勢の影響

金融制裁の影響でルーブルが暴落 政策金利が20%に

ロシアでは、金融制裁の影響でルーブルが暴落しています。
ロシアの中央銀行では、政策金利が20%まで引き上げられています。
利息20%と言うのは、日本の利息制限法を超えた数値で、これは消費者金融の金利より高金利となる数値です。

ロシアは殆どハイパーインフレ状態

これはもう、ロシアは殆どハイパーインフレ状態に陥っている状態と言えます。
このままでは、ロシアはデフォルトを起こす可能性が高いと言われています。

ハイパーインフレーション

経済学で、ハイパーインフレーション(英語: Hyperinflation、ハイパーインフレとも)とは、非常に高く、典型的には加速するインフレーションのことである。
すべての商品の価格が上昇するため、現地通貨の実質的な価値が急速に失われていく。

出典Wikipedia – ハイパーインフレーション

デフォルト

デフォルト(英語: default)とは、日本語では「債務不履行」とも呼ばれ、債券の発行者が破綻等の原因によって、元本や利息の支払いを遅延したり、停止したりしたあげく、元本の償還が不能となりかねない状況。
これが起きると、債務者は期限の利益を失い、債権の保全措置を講じることができる。
一方、金融機関や投資家が貸金を取り戻せず、多額の損失を被ることがある。

出典Wikipedia – デフォルト (金融)


住宅購入を検討中の人が抱く不安

「こんな時代に、家を買っても、大丈夫だろうか?」

このような時代で、これから、家を買おうと検討している多くの人は、このような不安を抱くのではないでしょうか?

不安を払拭するには

何十年も先の将来を漠然と考えて、今、家を買っても大丈夫か?という不安を払拭することは不可能です。

ただ、世の中の経済や金融の市況が、私たちとどのように関係しているかの仕組を知る事により、今後の住宅ローン金利や買い時を、冷静に判断できるようになれると思います。
これは、普段、目にするニュース記事からでも知ることが可能です。

新聞の記事を元に住宅ローン金利の先行きを解説

2022年3月8日付 日本経済新聞の記事より
日本も物価上昇2%迫る、日銀は緩和続ける構え

日本でも2%の物価上昇が迫りつつある。
ロシアのウクライナ侵攻で原油や穀物が歴史的な水準まで値上がりしているためだ。
4月以降は生鮮食品を除く消費者物価指数(CPI)の上昇率が2%を超える予想も出てきた。
ただ、コスト主導のインフレは企業収益や家計への逆風になりかねない。
日銀はインフレが一時的に2%を超えても、賃上げを伴う安定的な物価上昇を達成するまで金融緩和を続ける構えだ。

出典日本経済新聞 – 日本も物価上昇2%迫る、日銀は緩和続ける構え

日本はスタグフレーションになりかけている状況

本来であれば、消費者物価指数が前年比2%を超えたら、『日本も景気が良くなった』ということで、日銀は金融緩和を終わらせて、政策金利を引き上げる予定にしていました。

しかし、アメリカでの急激な物価上昇、更に、ロシアのウクライナ侵攻で、原油や穀物価格が高騰しています。
それにより、日本を含めて、各国の消費者物価指数(CPI)が上昇してきています。
この調子だと、日本でも、あと数ヶ月で、インフレ率2%となる可能性が出てきました。

物が売れるようになり、景気が良くなり、賃金も上昇して、少しずつ物価が上昇するのは、良いインフレです。

しかし、賃金が上がらない(景気がよくない)のに、物不足で、物価だけが上昇する状況は、悪いインフレ(スタグフレーション)と言います。

今、日本では、後者の悪いインフレ(スタグフレーション)になりかけている状況です。
賃金が上がってないのに、物価だけが上昇しています

スタグフレーション

スタグフレーション(stagflation)とは、経済現象の一つであり、「stagnation(停滞)」と「inflation(インフレーション)」の合成語で、経済活動の停滞(不況)と物価の持続的な上昇が併存する状態を指す

出典Wikipedia – スタグフレーション


日銀:インフレ率2%になっても引き続き金融緩和は続ける。と発表

日銀のゼロ金利政策

日銀は、2013年にデフレを脱却するため、量的・質的金融緩和に舵を取りました。
『極限まで金利を安くして、庶民でも家を買い易くする。』と言うことです。
これが『ゼロ金利政策』と呼ばれています。

住宅ローンの変動金利は日銀の政策金利に連動

ゼロ金利政策で物が売れる

日銀がゼロ金利政策をしていれば、各銀行の住宅ローン変動金利は極限まで低くなります。

景気が良くなっても、金利が低いままだと、世の中、お金が借りやすい状況が続きますので、どんどん家が売れます。
企業もお金が借りやすいので、設備投資がますます進みます。
すると、企業は、さらに商品を製造して、たくさん商品を販売します。
最初のうちは、景気が良いので商品が売れまくります。

政策金利を引き上げるタイミング

しかし、ある一定の量が世の中に行きわたると商品は売れなくなります。
売れなくなると大量に在庫があまり、企業は倒産してしまいます。
企業が倒産すると、お金を貸していた銀行の業績も悪化します。
こうなると、一気に景気が悪くなります。

それを防ぐために、日銀など各国の中央銀行は、
消費者物価指数のインフレ率が一定のレベルまで上昇したら政策金利を引き上げて、お金を借りにくい状況を意図的につくります。
これを『利上げ』といいます。

しかし、中央銀行が利上げを行なうと景気にブレーキをかける事になるので、株価は下落します。

スタグフレーション時の利上げは景気を悪化させる

景気が良ければ、利上げしても世の中はある程度、対応できます。

しかし、悪いインフレ(スタグフレーション)の状況下で、もし、日銀が「インフレ率2%目標を達成したから。」と金融緩和を終わらせ、政策金利を引き上げてしまったら、更に景気を悪化させることは容易に予測できることです。

もうしばらく住宅ローンの変動金利は上昇しない

今回のニュースでは、日銀は、「インフレ率2%になっても、引き続き金融緩和は続ける。」と発表しました。
これは、『もうしばらくゼロ金利政策をとる。』ということです。
したがって、『まだ住宅ローンの変動金利は上昇しない。』ということを意味しています。

要するに
『ロシアとウクライナの地政学リスクの影響で、住宅ローンの変動金利は現状維持します。』
と言うことです。

遠くの戦争も、回りまわって住宅ローン金利に影響する。


変動金利が上昇するタイミング

記事の文面を良く読むと、
日銀は
『インフレが一時的に2%を超えても、賃上げを伴う安定的な物価上昇を達成するまで金融緩和を続ける。』 と書いています。

これは、逆に、 『賃上げも伴って、インフレ率2%を超えた状態が数ヶ月続いた場合は、金融緩和が終わる。』 という意味でもあります。

そうなると、住宅ローンの変動金利が上昇する可能性が高くなります。

利上げのタイミングを知る

突然に利上げを発表すると、株式市場は混乱します。
そのような混乱を避けるため、予めニュース記事などで公表します。

アメリカの中央銀行(FRB)が利上げするという話も、数か月前からニュース記事で書かれていました。
今回の、日銀の発表記事も同様です。

普段から、消費者物価指数や政策金利についてのニュース記事について目を通しておくと、住宅ローン金利の動向について予測できるようになります。





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