これでも新築か?
欠陥住宅と手抜工事の物件は今でも発見できる
これでも新築か?欠陥住宅と手抜工事の物件は今でも発見できる
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第409-2回目 (2022年5月26日放送分 後半)となります。
今回の話題
これでも新築か?欠陥住宅と手抜工事の物件は今でも発見できる
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
質問:「いまどきの新築で欠陥住宅なんて見たことない」

田中せんせい。
番組の後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?

後半は、
これでも新築なのか!?
今でもある!欠陥住宅や手抜工事
というテーマでお話しようかと思います。

まずは、今回の話題に関連したご質問を頂いたので、フジコさんご紹介をお願いします。

ラジオネーム:タクミさんからのご質問です。
ラジオリスナー様からの質問
田中せんせい。フジコさん。
いつも勉強になる動画ありがとう御座います。
新築の建売住宅の購入を検討しています。
先日、契約前にホームインスペクションをしたいと仲介会社に申し出たところ
「いまどきの新築で欠陥住宅なんて見たことないですよ。
お金を払って住宅診断しても、床下見て、水平を測って、どうせ大したこともせずに ”大丈夫でした。”と言われるだけだからお金がもったいないですよ。」
と営業の人に、言われてしまいました。
実際のところ、新築のインスペクションは、どうなのでしょうか?
タクミ さん からの質問

タクミさん。
ご質問ありがとう御座います。
いまだに見つかる欠陥事例
屋根裏に隠れた欠陥

ゼロシステムズでは、今まで、3,000棟以上の新築一戸建ての住宅診断を実施してきました。
確かに、ひと昔まえと比べると、雨漏りや家の傾きのような、わかりやすい欠陥は少なくなりましたが、隠れた欠陥を抱えた新築は、いまだに発見します。
例えば、この写真をご覧ください。

天井裏に本来必要な石膏ボードが貼っていない防火違反の新築

これは、天井裏の点検口から覗くと発見できます。
この欠陥に関しては、以下のページをご覧ください。
小屋裏や天井裏に隠れた欠陥『防火違反』
【欠陥住宅の実例】小屋裏や天井裏に隠れた欠陥『防火違反』
壁の中の断熱材に抜けがある新築

壁の中の断熱材に抜けがある新築

次は、壁の中の断熱材に抜けがある新築です。
これは、赤外線サーモグラフィーカメラを使って診断しなければ、分かりません。
この写真は、クロスを貼る前の建築途中の建売住宅です。
オレンジ色の部分が断熱材が抜けている可能性があるということです。
このあと、ハウスメーカーの現場監督に依頼して確認してもらったところ、やはり断熱材が入っていませんでした。
必要な本数のビスが足りない手抜き工事

本来必要な本数のビスが足りない手抜き工事

次は、本来必要な本数のビスが足りない手抜き工事です。
この写真は、本来、20cm間隔でビス留めしなければならないところを、上部は全くビス留めされていないという手抜工事です。
このような施工では、耐震性能にも影響が出る可能性があります。
床下に隠れた不具合

床下の断熱材施工不良

通気不足による結露

次は、床下の不具合です。
この写真は、床下の断熱材施工不良、通気不足による結露、残置物などです。
完成物件でも、床下点検口から、ちょっと覗けば発見できる不具合です。

このような欠陥は、今でも発見します。今月も数件発見しています。
ただ、今は、建築費を安くするために、ワザと手抜工事を推奨して、欠陥住宅を建築しているようなハウスメーカーは、まずありません。
殆どの原因は、現場で作業している職人個人のミス工事や手抜かり工事です。
もう一つが、現場監督の監理能力不足です。
そのため、表面上の不具合が多い新築現場があるんです。
上記の画像で観て頂いた、床下、壁内、天井裏などの隠れた場所での欠陥発生率が高くなります。
表面上に見られる不具合

表面上の不具合とは、どういった感じのものですか?

それでは 表面上の不具合も写真でご説明します。

フローリングに傷が多い

フローリングの下からビスが飛び出している

フローリングの切り方が雑

ササラ部分に隙間

ササラ部分に割れ

巾木を止めている隠し釘が飛び足している

巾木のスキマが大きい

廻り縁の繋ぎ目が雑

床下が汚い

このような表面上の不具合は、内覧時でも見つけられます。
先程、お話したように、表面上の不具合が多い物件は、経験上、防火違反や断熱材施工不良などの重大な欠陥を発見する確率が高いと言えます。
これは、数値上で、何件に1件などと表せないのですが、長年、住宅診断をしていると、表面上に不具合が多いと、「もしかして・・・」と思いながら、点検口を覗くと「あっ、やっぱり・・・」と言う感じで欠陥を発見します。
当然、天井裏や床下に隠れた欠陥を発見した場合は、ハウスメーカー側に是正を依頼します。

Before

After

Before

After
欠陥を発見した場合は『購入しないこと』を推奨

ただ、内覧時や契約前に欠陥を発見できた場合は、基本的に『購入しないこと』を推奨しています。

それだと、ゼロシステムズは、無料で住宅診断しているから、タダ働きで損してしまいませんか?

確かに、その時は、タダ働きになりますが、ユーザー側にとっては、ゼロシステムズを利用したことで欠陥住宅を購入してしまうリスクを避けることが出来た。という事を身をもって実感してもらえた事になります。
そうすると、次に購入したい物件が出てきたら、また、必ず、ゼロシステムズを利用しようと思って頂けますので殆どのユーザーさんが、リピーターになり、いつかは、ゼロシステムズを通して購入して頂けるだろう。という私の考えで仕事をしています。

内覧前に掃除を行ないます

引渡し前の立会い検査では、スタッフ2名で、掃除をしながら不具合チェックを行います。
この掃除の目的は、清潔にするための掃除ではなく、キズや汚れの見落としを防ぐための掃除です。
一見、綺麗に見える新築でも、掃除をしながらチェックすると、必ず、キズ、汚れ、隙間、などを発見できます。

掃除をしながらチェックした結果

新築一戸建ての売買では、些細なことで、買主と売主、または、買主と仲介業者の信頼関係が崩れてトラブルになることがあります。
その原因のひとつが、引渡し後に発覚した不具合への対応です。
売主側は、契約書やアフターサービス基準書に記載されている通りの対応をしているつもりでも、買主にとっては「不具合を修理してもらえない。」などと不満がつのり、信頼関係が崩れてしまうケースがあります。
それを防ぐためには、引渡し前に、
『大きな欠陥だけでなく、小さな不具合も見逃さない。』
という細心の注意を払って、住宅診断をする必要があると考えます。

ユーザーだけでなく不動産業界の人であっても、住宅を内覧する時には、今回、ご紹介した写真を参考に気を付けて見ると契約後のトラブルを未然に防げる可能性を高められます。
今回は、以上となります。

田中せんせい。
ありがとう御座いました。
