米国経済ニュースから住宅ローン金利の今後を先読みする
~物価高騰・金利引上げ・円安~
【住宅ローン】米国経済ニュースから住宅ローン金利の今後を先読みする
~物価高騰・金利引上げ・円安~
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【住宅ローン】米国経済ニュースから住宅ローン金利の今後を先読みする
~物価高騰・金利引上げ・円安~
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
塩澤崇 氏にお話をうかがう

番組MCのフジコで~す。
田中先生。モゲ澤先生。
こんにちは!
早速ですが、今回は、どんなお話を頂けるのでしょうか?

実は先週、モゲ澤先生から
「来週は、どんなお話をすればいいですか?」
と聞かれたので、今回は私が個人的に興味がある話題をリクエストしてみました。

田中先生が興味ある話題をリクエストって、どんなお話をリクエストしたのですか?

最近、米国市場や中国市場など、世界経済の動きが目まぐるしいじゃないですか?
個人的に、今後の投資の参考にもしたいと思いまして、
今回は、
『世界経済のニュースが日本の住宅ローン金利にどう影響するか?』
というお話をリクエストしてみました。

それはとても興味深いお話ですね。
モゲ澤先生!
ぜひ、お願いします。
塩澤 崇(しおざわ たかし)さん プロフィール
■ 塩澤 崇(しおざわ たかし)
株式会社 MFS 取締役COO
略歴
2006年 | 東京大学大学院情報理工学系研究科修了(専攻:数理情報学) |
---|---|
2006年 | モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。 モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。 |
2009年 | ボストン・コンサルティング・グループ入社。 メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事 |
2015年 | 9月よりMFS取締役COO |
塩澤 崇 紹介ページ – モゲチェック

お任せください!
アメリカ経済が日本の住宅ローン金利に与える影響

この8月と9月も世界経済は大きく変動しており、日本経済や住宅ローン金利に大きな影響を与えています。
今回は、
アメリカ・ヨーロッパ・中国の経済ニュースを解説し、日本にどういう影響があるのかをお伝えしていきます。
アメリカ経済の現状
ベーグル2,500円 パンケーキ8,400円

まずアメリカです。
以前もお伝えした通り、アメリカではインフレがかなり進んでいます。
とある観光客が、この7月にロサンゼルス観光をしたところ、パンケーキ二人分の値段がなんと60ドルもしました。
1ドル140円ですので、8,400円です。
めちゃくちゃ高いですよね。

以前、ニューヨークでベーグルが2,500円というニュースにも驚きましたが・・・。
パンケーキって、ホットケーキみたいなやつですよね?
それが8,400円ってビックリですね。
※画像はイメージです

あのホットケーキみたいなやつが8,400円です。
※画像はイメージです

物価高ということは、やはり人手不足ということでもあるんですよね?
経済が急速に回復して人手不足
労働者の平均時給が4,500円

そうなんですよ。
アメリカ経済はコロナ禍から急速に回復しており、経済が非常に強い状態です。
そのため、人手不足が続いており、人件費も高騰しています。
アメリカ労働統計局によると2022年4月の労働者の平均時給は約32ドル。
円に換算すると時給およそ4,500円です。
もうみんなでアメリカで働きましょうか。

て言うか・・・
日本でホットケーキの素を買って、それをロサンゼルスで焼いて8,000円で売れば凄い利益率ですよね?

みんなでロサンゼルスに行って、パンケーキ屋さんをオープンですね!

原価安いし、この3人でやれば良いんじゃないの!?

しかし、このまま物価高騰は続くのでしょうか?

米国の中央銀行にあたるFRBは『物価の安定と雇用の最大化』がミッションです。
あまりにも経済が加熱し過ぎると、何かのはずみで経済が急落するリスクが大きくなることから、現在は経済を冷ます政策を取っています。
それが利上げです。
アメリカではFRBが金利の誘導目標をガンガン引き上げています。
2月は0.25%だった誘導目標が今は2.25%2.5%にまで上昇しました。
この利上げはお金の動きを悪くする働きがありますので、企業業績にはマイナスです。
ですので、米国で株式取引する人々は
「利上げを続けると不景気になる。FRBは不景気も困るはずなので、どこかで金利を下げるんじゃないのか?」
と、利上げが続かない淡い期待を抱いていました。
そのため、将来的な利下げを期待して、市場で取引される金利は7月から8月上旬は下落したのです。

確かに7月8月は、下落しましたよね。
『ジャクソンホール会議』でのFRBパウエル議長の発言
「インフレが退治されるまでは利上げを続けなければならない。」

そうなんですよ。
ところが、市場関係者の金利引き下げの淡い期待を一瞬で吹き飛ばしたのが、8月末に開催された経済シンポジウム『ジャクソンホール会議』でのFRBパウエル議長の発言です。
「インフレが退治されるまでは利上げを続けなければならない。」
と、さらなる利上げへの強烈なメッセージを発しました。
出典:Yahoo!ニュース – ジャクソンホール会議後の日米欧金融政策の行方
要するに
『インフレ退治は目先の景気減速リスクよりももっと大事なことだ。』
ということですよね。

そいうことです。
これを受けて米国金利は上昇しました。
そして、この米国金利上昇が、景気回復のための低金利を続ける日本とは真逆の動きになっています。
また、日米の経済力に大きな差があることから、円安が進行して1ドル140円を突破したのです。
円安が進行して1ドル140円を突破

1ヵ月で10円も高騰

1ヶ月でドル円が10円も変動するというのは、異常な出来事だと思います。
この動きはどのように住宅ローン金利に影響を与えるのでしょうか?
円安が住宅ローン金利にあたえる影響

まず固定金利についてお伝えします。
固定金利は米国金利に大きな影響を受けます。
その理由をご説明しますね。
日本の長期金利の代表銘柄である10年国債ですが、日本銀行が金利の上限(0.25%)を設定しており、それを超えないように管理しています。
そして、その上限値以下であれば市場の動きに委ねており、米国金利の動向との相関が高いです。
ですので、米国の金利が上がれば日本の10年国債の利回りも上がり、結果として固定金利も上がります。
米国の利上げ方針維持を受け、住宅ローンの固定金利は年内高止まりすると考えられます。

なるほど。

それでは、変動金利への影響はどうでしょうか?

変動金利は短期金利(期間が1年以内の金利)を基準に決められます。
この短期金利は、日銀がマイナス金利政策でマイナス圏にがっちり抑え込んでいるので、低い状態です。
ですが、仮にマイナス金利が解除されると短期金利が上がり、それに連動して変動金利も上がります。
マイナス金利が解除されると変動金利が上昇する

なるほど。
『マイナス金利が解除されると変動金利が上昇する。』
というのは、以前からお二人ともお話していましたよね。

そうなると、塩澤先生。
『日銀は、マイナス金利を、いつまで続けるのか?』
という部分が、私も含めて、みんな知りたい部分になると思うのですが・・・。

そうですよね。
賃金上昇→物価上昇→売上拡大
という経済の好循環が生まれるか次第です。
こうなれば、もはや景気を刺激するために金融緩和を続ける必要はないと日銀は判断します。
ですので、賃金が上昇すればマイナス金利が解除されて、変動金利は上がるという訳です。

それでは、今後日銀は、どのように動くのでしょうか?

日本の金融政策を決める金融政策決定会合は 9/21 と 22 に行われます。
日銀黒田総裁は、おそらく金融緩和続行を再び表明するでしょう。

アメリカは、金利を上げることで、景気よりもインフレを抑えることを優先しています。
逆に、日本は低金利を続けて、景気回復を優先するということですね。
黒田総裁の狙いを考える

そういうことです。
黒田総裁の狙いは2つあると私は考えています。
- ① 低金利にすることでお金のめぐりを良くして日本経済を刺激すること。
- ② 低金利は円安を引き起こしますので、その円安によって輸出企業を中心に業績回復してもらうこと。
もちろん、円安は生活用品の物価上昇という影響を与えますが、輸出企業にとって見ればプラスです。
現在、足元の実質賃金は前年同月比-0.6%とマイナス成長です。
円安による輸出業界の業績回復によって賃金が上昇したとしても一時的な動きとなり、持続的な賃金上昇にはまだ遠いのでは、と考えています。
賃金の上昇が持続しないとなると、日銀も金融緩和政策を続行せざるを得ない状況になります。
そうなると、当面変動金利は低いままでしょう。

以上が米国の動きを踏まえた日本経済そして住宅ローン金利のお話でした。
一方、グローバル経済では大きな不安要素が2つあります。
ヨーロッパと中国です。

『ヨーロッパと中国経済が住宅ローン金利に与える影響』
についてのお話は後半でお願いします。

わかりました!

それでは、後半に続きます。
後半もお楽しみに!
YouTube登録者数が14,300人を超えました

おかげさまで、チャンネル登録者数が、14,300人を超えました。
多くの人たちにご視聴頂けて本当に嬉しいですし、感謝です。ありがとう御座います。
これからも、住宅の購入を検討している人や、既に購入した人にとって役立つ情報をお話させて頂きますので、引き続き宜しくお願いします。
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