【住宅ローン】超低金利の終りは近いか?
日銀金融政策一部修正や物価上昇・賃金上昇と住宅ローン金利の関係
【住宅ローン】超低金利の終りは近いか?
日銀金融政策一部修正や物価上昇・賃金上昇と住宅ローン金利の関係
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第441-1回目 (2023年1月12日放送分 前半)となります。
今回の話題
【住宅ローン】超低金利の終りは近いか?
日銀金融政策一部修正や物価上昇・賃金上昇と住宅ローン金利の関係
月イチゲスト 塩澤 崇さん にお話を伺う

FM鴻巣フラワーラジオ『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
番組MCのフジコで御座います。
本日も宜しくお願いいたします!

宜しくお願いします!
本日は、月イチレギュラーの『モゲ澤先生』こと、
住宅ローン比較サイト『モゲチェック』を運営している
株式会社MFSの取締役COOの塩澤 崇先生にお越し頂きました。

宜しくお願いします!
塩澤 崇(しおざわ たかし)さん プロフィール
■ 塩澤 崇(しおざわ たかし)
株式会社 MFS 取締役COO
略歴
2006年 | 東京大学大学院情報理工学系研究科修了(専攻:数理情報学) |
---|---|
2006年 | モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。 モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。 |
2009年 | ボストン・コンサルティング・グループ入社。 メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事 |
2015年 | 9月よりMFS取締役COO |
塩澤 崇 紹介ページ – モゲチェック
金融政策の一部修正 – 住宅ローン金利に影響あるか

早速ですが、本日はどんなお話を頂けるのでしょうか?

本日は、
『昨年12月20日に日本銀行が金融政策の一部修正をしたことは、
今後の住宅ローン金利にどのような影響を及ぼすのか?』
について、住宅ローンの専門家であるモゲ澤先生にお話頂こうかと思います。
日銀 金融緩和策の一部修正決定 円相場急激値上がり 株価下落![]()
日銀はいまの大規模な金融緩和策の修正を決め、これまで0.25%程度に抑えてきた長期金利の上限を0.5%程度に引き上げることになりました。
日銀が金利の上昇を許容することとなり外国為替市場では事実上金融引き締めにあたるという受け止めから円高ドル安が加速しました。
日銀は20日までの2日間、金融政策を決める会合を開き、いまの大規模な金融緩和策を一部修正することを決めました。

それでは、まず『金融政策の一部修正』についてご説明をお願いします。
一部緩和は想定外

承知しました!

昨年12月20日の日銀黒田総裁が発表したイールドカーブ・コントロールの一部緩和ですが、びっくりした方も多かったと思います。
私自身も発表があった時は寝耳に水でした。
黒田総裁自身、常に『金融緩和は続行だ』と宣言していたので、まさかあのタイミングで一部修正をするとは想定していなかったです。

そうですよね。
私も非常に驚きました。

知り合いのテレビ局の記者さんとも日銀の発表前に話す機会があったのですが、
『12月20日は何もないですよね〜』
と話していたぐらいです。
問い合わせ多数でモゲチェックのサーバーがダウン

12月20日以降は、毎日のようにテレビ取材受けていましたよね。

TVの取材を受ける塩澤崇氏

そうなんですよ。
多くの住宅ローンユーザーも予想外だったようです。
20日12時に日銀から声明が出たのですが、その30分後にはモゲチェックのサーバーがダウンしてしまいました。

モゲチェックのサーバーがアクセス過多でダウン
『日銀 住宅ローン』などで検索を行った人が数多くモゲチェックにアクセスし、普段の5倍を超えるアクセスがありました。

普段の5倍のアクセスって凄いですね!

12月20日以降はメディアの取材が殺到しましたね・・・。
電話やメールで常に追いかけ回されている感じでした。


連日TVの取材を受ける塩澤崇氏
ただ、お陰様でテレビ・新聞・雑誌・ウェブメディアなど40本以上の記事が配信されました。
さきほどのサーバーダウンについても、テレ朝のグッドモーニングやフジテレビのめざまし8に取り上げられました。

予期せぬことでしたが、宣伝効果として考えると絶大じゃないですか。
モゲチェックにとっては、今が追い風ですね!

おかげさまで、日銀に足を向けて寝られません。
イールドカーブ・コントロールと住宅ローン金利の関係

ところで、日銀の金融緩和や、ニュース報道でも良く目にするイールドカーブ・コントロールと、住宅ローン金利の関係について、いま一度ここで真面目にご説明して頂けますでしょうか?

承知いたしました。
真面目に説明させて頂きます!

さて、これだけ騒ぎになったイールドカーブ・コントロールですが、みなさんその内容はご存知でしょうか?
あまり中身を知らない方も多いかと思いますので、簡単にご説明いたします。
アベノミクス3本の矢政策

2013年にアベノミクスが発表されました。
これはバブル崩壊以降、日本の経済が失われた20年と言われ、それに対する打ち手として発表されたものです。
アベノミクスには3本の矢という大きな戦略がありました。

3本の矢ありましたね。
- 1本目の矢が『大胆な金融政策』
- 2本目が『機動的な財政政策』
- 3本目は『民間投資を喚起する成長戦略』

そうです。
良く覚えていますね。

実は当時、テレビ朝日の『三村有吉特番』という番組で、有吉さん、三村さん、ココリコ田中さん、よいこ浜口さん、アンジャッシュ渡部さんに、アベノミクスと三本の矢についてのお話をしたことがあるので良く覚えているんですよ。
当時は多くの人に『ゼロシステムズ』を知ってもらいたかったので、欠陥住宅のテレビ番組だけでなく、オファーがあれば、バラエティ番組にも喜んで出演しておりました。
田中せんせいのメディア出演履歴はこちらです↓
メディア掲載・番組制作協力履歴

そうだったんですね。
・・・バラエティ番組だと宣伝効果はどうでした?

それなりにありましたが、どちらかと言うと有名人に会えて記念になった感じです。

ココリコの田中さんと記念撮影

すいません。
話がそれてしまいましたね。
話を元に戻しましょう。
金融緩和の為の日銀の2つ策

当時のアベノミクスの一つが金融緩和でして、お金を借りやすくすることによって経済のめぐりを良くする狙いでした。

この金融緩和の具体的な打ち手として、日銀は2つ策を出しました。
- ・マイナス金利政策
- ・イールドカーブ・コントロール
マイナス金利政策

マイナス金利政策は短期金利(期間が1年以下の短い期間の金利)を-0.1%と低く抑える政策です。
イールドカーブ・コントロール

イールドカーブ・コントロールは長期金利(具体的には、日本国債の10年ものの利回り)に上限をかぶせる政策であり、12月20日までは上限0.25%でした。
今回、この0.25%が0.5%に引き上げられたのです。
■ 日銀が長期金利の上限を0引き上げた理由

なんで日銀は、イールドカーブコントロールで長期金利の上限を0.25%から0.5%に引き上げるということをしたのですか?

それは、この背景として米国の利上げがあるからです。
米国はインフレ退治のために利上げを断続的に実施しており、以前から日本の長期金利が上昇していました。
そのため、10年の利回りだけが極端に低い金利となっており、実態とかけ離れていました。
今回はそれを是正するために0.5%へ引き上げたという事なのです。

なるほど。

なお、住宅ローンとの関係性では、変動金利はマイナス金利政策と密接に結びついています。
変動金利は短期金利と連動するため、それを低く抑えているマイナス金利政策が変更されると影響を受けます。

固定金利はイールドカーブ・コントロールと結びついています。
固定金利は長期金利と連動するため、今回のように上限が0.25%→0.5%へ緩和されると、それに伴い固定金利も上昇するのです。
実際、1月の固定金利は12月と比べて上昇しました。

また一方で、変動金利は変わらない銀行も多く、一部の銀行では金利引き下げの動きもあったぐらいです。
ですので、今回のイールドカーブ・コントロールの変更による、変動金利への影響はないと考えていいです。
変動金利は優遇金利キャンペーン

確かに、住宅ローンの固定金利は全体的に上昇しました。
しかし、
新生銀行、イオン銀行、住信SBIネット銀行 などは、
優遇金利キャンペーンを打ちだして、>さらに変動金利が下がりましたよね。

優遇金利キャンペーン

そうなんですよ。
それと住宅ローンを選ぶ時には、金利も大切ですが団信なども含めて、総合的に多くの銀行を比較することが重要ですので、ぜひ、住宅ローン比較サービス『モゲチェック』をご利用ください。

ゼロシステムズでも、住宅ローン金利や審査についてのシミュレータを用意していますので、ぜひ、ご活用ください。
日銀はいつまで金融緩和を続けるのか

さて話は戻りますが・・・
問題は『いつまで日銀は金融緩和(要するにマイナス金利政策)を続けるのか?』
ということだと思うのです。

そうですよ。
これから住宅ローンを借りる人だけでなく、既に住宅ローンを借りている人は、みんなそれが気になりますからね。

モゲ澤先生!
ここはズバリ、教えてください!
日銀はいつまで金融緩和を続けるのでしょうか?

それは『賃金が上昇するまで』です。

そうすると『賃金が上昇したら金融緩和をやめる。』ということですか?

そういうことです。

ただ、2023年1月10日に総務省から公表された、消費者物価指数、東京都区部の中旬速報値では、コアCPIは前年同月比4%上昇となりました。


日銀のホームページには、
『生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続することを約束する。』
と記載されています。

これは、逆に言うと、
『すでにコアCPIが2%を超えているから、そろそろ金融緩和をやめる。』
ということではないのでしょうか?

そう考える人も少なくないですが、実は違います。
『“安定的に”2%を超えるまで』ということが重要なポイントとなります。

確かに『安定的に2%を超えるまで』と書いていますね。
2%の「物価安定の目標」と「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」![]()
(2)オーバーシュート型コミットメント
日本銀行は、「オーバーシュート型コミットメント」で、生鮮食品を除く消費者物価指数の前年比上昇率の実績値が安定的に2%を超えるまで、マネタリーベースの拡大方針を継続することを約束しています。
これによって、2%の「物価安定の目標」の実現に対する人々の信認を高めることを狙いとしています。

そうです。
以前もお伝えしましたが、日銀の狙いは良い経済サイクルを回すことです。
賃金上昇 → 需要増大 → 物価上昇 → 賃金上昇というサイクルです。
このサイクルで欠けているのが賃金上昇です。

過去30年間、この国では賃金が上がっていません。
一朝一夕には解決されない根深い問題だと思います。
もし、この国で賃金が上がると金融緩和は終了し、変動金利は上がります。

一方で賃金が変わらないのであれば、金融緩和は継続し、変動金利は低いままです。

確かにそうですね。
ただ、年頭に岸田総理大臣は
経済界に『インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい』と言っています。

画像引用:TBS NEWS DIC – 岸田総理 「インフレ率を超える賃上げの実現お願いしたい」
ですが、もし今度の春闘で賃上げを実現して、そのタイミングでコアCPI2%目標が達成されていたら、
『金融緩和政策が終わって、みるみるうちに住宅ローンの変動金利が上昇してしまうのでは・・・。』
と世間では懸念されています。
そのため『2023年の賃金上昇』『今後の住宅ローン金利上昇のシナリオ』と『その対応策』について、もう少し具体的に、モゲ澤先生のお考えをお聞きしたいです。

そうですね。
まず『2023年の賃金上昇はどうなるか?』
ということから、私の考えをお話したいと思います。

モゲ澤先生。スイマセン!
番組前半の時間が、既に過ぎていますので、続きは、後半にお願いします。

承知しました!

お話は後半に続きます。
ぜひ後半もご覧下さい!
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