【住宅ローン】2023年以降の住宅ローン金利上昇のシナリオ
変動と固定はいつ?どの程度?上昇するのか?
【住宅ローン】2023年以降の住宅ローン金利上昇のシナリオ解説
変動と固定はいつ?どの程度?上昇するのか?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第441-2回目 (2023年1月12日放送分 後半)となります。
今回の話題
【住宅ローン】2023年以降の住宅ローン金利上昇のシナリオ解説
変動と固定はいつ?どの程度?上昇するのか?
引き続き 塩澤 崇さん にお話を伺う

FM鴻巣フラワーラジオ『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
モゲ澤先生、田中先生。
後半も宜しくお願い致します。

後半は、前半に引き続き、
『日銀の金融緩和はいつまで続くか?』
というテーマで
『2023年の賃金上昇』
『今後の住宅ローン金利上昇のシナリオ』
そして
『その対応策について』
より詳しくモゲ澤先生のお考えをお聞きしたいと思います。

お任せください!
塩澤 崇(しおざわ たかし)さん プロフィール
■ 塩澤 崇(しおざわ たかし)
株式会社 MFS 取締役COO
略歴
2006年 | 東京大学大学院情報理工学系研究科修了(専攻:数理情報学) |
---|---|
2006年 | モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。 モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。 |
2009年 | ボストン・コンサルティング・グループ入社。 メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事 |
2015年 | 9月よりMFS取締役COO |
塩澤 崇 紹介ページ – モゲチェック

番組前半の解説は以下のページと動画をご参照下さい。
【住宅ローン】超低金利の終りは近いか?
【住宅ローン】超低金利の終りは近いか?日銀金融政策一部修正や物価上昇・賃金上昇と住宅ローン金利の関係

前半の最後に・・・
『どのようなタイミングで金融緩和政策が終わり、変動金利が上昇するのか?』
これについて、モゲ澤先生はズバリ!

「賃金が上昇したら金融緩和政策は終わります!」

との、お答えを頂きました。

これから住宅ローンを借りようと検討している人や、既に住宅ローンを借りているという人が、誰しも疑問に思うことは…
『2023年の賃金上昇の見通し』や
『今後の住宅ローン金利上昇のシナリオ』
そして
『その対応策』
についてだと思います。

そうですよね。
やっぱり、皆さん、それが心配だと思います。

そのため後半は、
まず『2023年の賃金上昇はどうなるか?』
ということから、モゲ澤先生の考えをお聞きしたいと思います。
岸田総理の会見から2023年の賃金上昇を考える

まず、フジコさん。
このニュースをご紹介頂けますか?

2023年1月4日付のTBSニュースの報道ですね。
岸田総理の記者会見
岸田総理『インフレ率を超える賃上げの実現お願いしたい』年頭会見で『経済好循環と異次元の少子化対策』訴え![]()
岸田総理は三重県伊勢市での年頭会見で、今年の抱負として「昨年の様々な出来事に思いをはせながらも新たな挑戦をする1年にしたい」と述べました。
そのうえで、「経済についても国際秩序についても歴史の分岐点を迎えている」として、「覚悟を持って先送りできない問題への挑戦を続けてまいる」と強調し、具体的には、▼経済の新しい好循環の基盤の起動▼異次元の少子化対策への挑戦を挙げました。
そして、「賃金が毎年伸びる構造を作る」と意欲を示し、「今年の春闘について連合は5%程度の賃上げを求めているが、インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい」と要請しました。

フジコさん。
ありがとう御座います。
岸田総理は、
『賃金が毎年伸びる構造を作る』と意欲を示し、
『今年の春闘について連合は5%程度の賃上げを求めているが、インフレ率を超える賃上げの実現をお願いしたい』
としています。
2023年 金融緩和政策が終わるのか

モゲ澤先生。
実際、2023年は、インフレ率を超える賃上げが実現できて、金融緩和政策が終わるのでしょうか?
ぜひ、お考えを教えてください。

承知しました!
2023年度の賃金上昇率はどの程度になるか

この春の春闘による賃金が今話題になっていますが、岸田首相も『物価上昇を超える賃金上昇を』と企業に呼びかけています。
では23年度の賃金上昇率はどの程度になるかが気になると思います。

気になりますね。
ただ、その前に、まず、賃金上昇の『賃金』とは何を指しているのか解説して頂けますか?

承知しました。
まず賃金の仕組みについてお伝えします。
賃金上昇の仕組み

賃金上昇には二種類あります。
- ・定期昇給
- ・ベースアップ(ベア)です。/
■ベースアップ(賃金上昇)のイメージ

画像引用:日本経済新聞 – ベースアップとは 基本給の水準を一律に引き上げ

- 定期昇給とは
-
勤続年数が長くなってスキルが高くなるとそれに伴って賃金を上げる。
というものです。
ある意味、賃上げが行われて当然の昇給かなと思います。

- ベアとは
-
全社員一律に賃金を引き上げるものです。
実質的な賃上げは、このベアだとお考え下さい。

なるほど。

なお、2023年度ですけれども
- ・物価上昇率は1.6%
- ・賃金の上昇率は2.7%
ですので差し引き賃金上昇率の方が1.1%高くなります。
となると、
『賃金上昇が大きいので、金融緩和が終わって変動金利も上昇するのでは?』
と思われる方もいらっしゃるかも知れません。
しかし私は、そうなるとは考えていません。

ということは、モゲ澤先生の考えでは、
『この程度の賃金上昇では、金融緩和は継続して変動金利は上昇しない。』
ということですか?
それは、どうしてでしょうか?
金融緩和が継続して変動金利は上昇しないと考える理由

理由は3つあります。
- ①ベアが小さいこと
- ②賃上げの持続性に疑義がある点
- ③海外経済の失速懸念
■理由① ベアが小さいこと

- ①ベアが小さいこと
-
2.7%の賃上げの内
ベアは0.9%程度と1%に満たない水準と言われています。物価上昇率以下のベアにとどまりますので、上昇幅としては不十分だと考えます。
■理由② 賃上げの持続性に疑義がある点

- ②賃上げの持続性に疑義がある点
-
最近テレビで流れる大企業の社長コメントでは『物価が上がって家計も大変だから・・・』
と、発言する方が多く、お情け賃上げのニュアンスがにじみ出ています。画像引用:日本経済新聞 – 物価高、賃上げ機運高まる 企業トップ、ベアに意欲
- 『給料を倍にしてでもいい人材をとりたい』
- 『企業成長のためにもっと人が欲しいから』
- 『今の社員には会社に居続けてほしいから』
などの積極的理由であれば賃上げも持続するかと思いますが、現状はそうではない消極的な賃上げです。
逆に、 物価が下がれば賃上げも行われなくなってしまうのでは?
と危惧すらしています。
■理由③ 海外経済の失速懸念

- ③海外経済の失速懸念
-
2023年度は欧米を中心に経済が減速し、イギリスやドイツは0%成長と言われています。
この経済の失速が深刻化・長期化すると日本にも悪影響が出ます。


以上3つの理由により、
『2023年度は賃金は上がるものの、金融緩和解除するほどではない。』
と、考えています。

なるほど。
米中対立で日本の地政学リスクが緊迫

ちょっと違う視点になりますが、今、ロシアとウクライナだけでなく、現在、米中対立で、台湾に隣接している日本も地政学リスクが非常に緊迫しています。

画像引用:52新聞社と共同通信のよんななニュース – 日米、対中で南西防衛強化 陸自15旅団、師団格上げ
それに伴い、増税の話も出ています。
さらに本当に有事になると、中国による海上封鎖などで物流が滞るリスクもあります。
そうなると、日本も含めて再び世界経済は失速する恐れがあり、日本は金融緩和を解除できる状況ではなくなると思います。

確かに2023年も先を読むのは難しい年になりそうですね。
今後の金利上昇のシナリオ

それでは、モゲ澤先生。
今後の金利上昇のシナリオと、その対応策について教えて頂きたいのですが宜しいですか?

はい。
メインシナリオとしては
マイナス金利政策の解除は当面先と考えています。
以前お伝えしたバブル世代の退職以降、全産業で賃金が上昇し、金融緩和解除されるシナリオです。

それは、モゲ澤先生が以前からお話されているシナリオですよね。

モゲ澤先生のお話は、ブレていませんね!

さすがブレない男!

はい!
ブレない男です。
バブル世代の退職がきっかけで賃金上昇するシナリオはこちら↓
固定金利が上昇中でも変動金利を選ぶべき理由~元モルガンスタンレー証券の専門家に聞く~

もう一つ、確度は低いですがサブシナリオとして
早期にマイナス金利政策を解除し、ゼロ金利にする可能性もゼロではないです。
ただ、もしそれが行われたとしても、基準金利は変わらず、引き下げ幅の縮小に留まると考えています。

なるほど。

具体的には以下の通りの計算となります。

変動金利の決まり方
変動金利ですが、基準金利から引き下げ幅で適用金利が計算され、引き下げ幅は審査時に決定されて完済まで一定です。
例えば
基準金利が2.475%で
引き下げ幅が2.1%の場合
適用金利は0.375%となります。
もしマイナス金利をゼロ金利とした場合、その程度の上昇幅では基準金利は変わらないと考えられます。
ですので、
引き下げ幅2.1%の人の適用金利は
2.475%-2.1%で0.375%のまま変わらず、となります。

マイナス金利とゼロ金利の比較
一方で、これから新たに貸し出す人向けの引き下げ幅は
2.1%から2%に縮小することが想定されます。
そうなると、これから変動金利を借り入れる人の金利は
2.475%-2%の0.475%に上がります。

そういうことになりますよね。

そうです。
このように、
『過去借りている人の金利は変わらないものの、これから変動金利を借り入れる人の金利が少し上がる。』
といった現象が起きるかも知れません。
ですので、
・大きな引き下げ幅をもらうためにも、住宅ローンは今のうちに借りておいた方がいいでしょう。
また、
・借り換えを検討されている方も、引き下げ幅が縮小されてしまう前に早めに借り換えたほうが断然お得です。
将来の金利上昇に備えた対策方法

それでは、今後、変動金利を検討している人、または、既に変動金利で住宅ローンを借りている人は、将来の金利上昇に備えて、どのような対策をしたら良いのでしょうか?
変動金利ユーザーの対策は2つ

変動金利ユーザーの対策は2つでして、ローン比較と運用です。
変動金利を借りる際はしっかりと銀行比較を行い、0.1%でも低い金利のものを借りましょう。
そして、借りた後は資産運用が大事。です。
中長期ではローン金利よりも株式のリターンの方が大きくなります。
闇雲な繰上返済をする前に、しっかりと貯金し、それを運用に回すことを考えましょう。
そうすれば、万が一の急な金利上昇時に、家計の足しにすることができます。

変動金利を借りて月々の返済額を安く抑えられたとしても、固定金利を借りたつもりで、その差額を毎月積立貯蓄して、将来の金利上昇に備えることが大切。
ということですね。

その通りです。

住宅ローンは、借りる時だけでなく、借りた後も、経済ニュースなどで金利動向を常にチェックする必要があります。
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皆様からのご質問をお待ちしております。

塩澤先生、田中先生、今回もありがとうございました!

ありがとうございました!

不動産せんせい田中の『教えて不動産の知恵袋』
次回もお楽しみに~!
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