【不動産市場】価格高騰が終わる
住宅ローン金利上昇で不動産価格が値下がり開始
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第443-2回目 (2023年1月26日放送分 後半)となります。
今回の話題
【不動産市場】価格高騰が終わる
住宅ローン金利上昇で不動産価格が値下がり開始
これからの不動産価格について解説


後半は
『これからの不動産価格』について、関連したニュース報道の記事をご紹介しながら、お話します。

これから住宅の購入を検討している人にとっては、今後の不動産価格については非常に興味深い話題だと思います。
リスナー様からのご質問

そうですよね。
まずは、リスナーさんからご質問を頂いているので、フジコさん、ご紹介お願いします。

はい。
ラジオネーム『ねこねこ』さんからのご質問です。
■まだ物件価格は値上りしていくのでしょうか?
いつもYouTubeの配信ありがとうございます。
とても勉強になっています。
一昨年から家探しをしていますが決めきれず今に至っています。
だんだん物件価格が値上りして、金利も上昇するという話題もあり少し焦っています。
今後、まだ物件価格は値上りしていくのでしょうか?
もしかすると、値下がりに転じるのではと淡い期待もあるのですが如何でしょうか?
皆さんどう思いますか?
番組で話題にして頂ければと思い質問させて頂きました。
ラジオネーム『ねこねこ』さんからのご質問

ラジオネーム『ねこねこ』さんご質問ありがとう御座います。
不動産価格は値上りするか?値下りするか?

今後、不動産価格が
・値上りするか?
・値下りするか?
については私も気になることで、常に考えております。
住宅価格は住宅ローン金利に影響を受ける

住宅価格は、住宅ローン金利に大きく影響を受けます。
例:2023年1月みずほ銀行の場合

金利0.375%の場合
- 金利:0.375%
- 月々の返済:12万円ほど
- 借入可能額:約4,700万円

金利1.375%の場合
- 金利:1.375%
- 月々の返済:月々12万円ほど
- 借入可能額:約4,000万円

金利2.375%の場合
- 金利:2.375%
- 月々の返済:月々12万円ほど
- 借入可能額:約3,400万円
今より金利が2%上昇した場合は、借入可能額は約1,300万円も少なくなることになります。

従って、日銀が金融政策を変更して本格的に利上げすることになれば、ローンを借りて住宅を購入するユーザーにとっては
- ・資金調達コストが高くなる
- ・購入できる住宅価格の限度額が下がる
これが、住宅価格が住宅ローン金利に連動するという理屈です。
都心中古マンション1億円迫る 29年ぶり高水準

これに関連したニュース記事がありますので、フジコさん、ご紹介して頂いても宜しいですか?

はい。
2023年1月24日付 日本経済新聞の記事ですね。
2023年1月24日付 日本経済新聞の記事
都心中古マンション1億円迫る、購入コスト29年ぶり高水準
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東京都中心部のマンション価格が高騰している。
東京カンテイが24日発表した2022年の都心6区の中古マンションの平均価格は9800万円と1億円の大台に迫った。
『パワーカップル』と呼ばれる高所得の共働き世帯が優良立地の物件を高値をいとわず購入している。
低金利でローンの金利負担が軽いものの、物件取得に必要なコストは1993年以来の高水準となってきた。
金利上昇のリスクも大きくなっている。

ありがとう御座います。

出ましたね~。
以前、番組でもご紹介した『パワーカップル』
過去の『パワーカップル』に関する記事はこちら↓
【住宅ローン】借り過ぎ注意!2億円の物件を買い始めたパワーカップル世帯を待ち受ける破綻リスク
住宅ローンが払えないリスクの回避法~ 金利上昇 / 収入減少 / インフレ対策 ~
パワーカップルの定義

そうですね。
パワーカップルとは、和製英語ですので用語としての厳格な基準はありませんが、
『夫婦合わせて年収がおおよそ1,000万円以上ある共働き世帯』
のことを言います。
この記事の内容は、
『1億円以上する都心6区(千代田、中央、港、新宿、文京、渋谷)の中古マンションを、パワーカップルがペアローンで購入している。』
とのことです。

画像引用:日本経済新聞


1億5,000万円って、頭金2割入れても、借入1億2千万円することになりますよね。
1億2千万円の借り入れですと、月々の返済っていくら位する事になるのですか?
ペアローンでの返済について試算

1億2千万円のペアローンを単純に半分で考えると、夫婦それぞれが6,000万円の借入となります。

1億2千万円のペアローン 1人あたりの例
- 借入額:6,000万円(夫婦それぞれ)
- 金利:0.375%
- 返済期間:35年
- 月々の返済:約15万2,500円
マンションですので管理費と修繕積立金もかかります。
毎月おおよそ35万円くらいかかることになります。

月々35万円を35年続けるって、相当な覚悟がないと出来ない借入ですね。

そうですね。
ただ、この記事によると、
『共働きによる世帯収入の増加と金融緩和が購買力を高めている。
夫婦ペアローンを組む比率は世帯年収が1000万円超の世帯では7割を上回る。
「条件次第で年収の10倍まで貸せる」と金融機関は話しており、1億円の物件は手の届く範囲だ。』
と記載されていました。
要するに、
『住宅ローンの金利が低いから、高額物件が買いやすいので、レバレッジをかけて購入している。』
というお話です。
住宅ローンの破綻を避けるためのシミュレート

いくら金利が低いからと言って、年収の10倍の借入って危険じゃないですか?

私もそれは、危険だと思います。
■破綻チェッカーでチェック



破綻チェッカーでチェック
『住宅ローン破綻チェッカー』でも、ペアローンで年収の10倍の借入ですと、住宅ローン破綻指数55ポイントとなります。
これは、限りなく危険域に近い注意域という結果になります。
ただ、このような物件を購入する人は、35年返済でローンは組んで、実際に住むけど『終の棲家にする。』という考えではなく、価格や状況次第では売却を考えている人が多いです。

投資を兼ねた住宅購入なのですね。

そういうことです。
住宅ローンの今後を長いスパンで考える

今回のテーマの住宅市場についてお話を戻します。
東京23区の住宅価格は、年収に比べて2021年で17倍です。
お隣韓国では、年収の19倍近い水準だったソウルの住宅価格は、中央銀行による利上げで住宅ローン金利が上昇したことにより、物件価格が下落に転じています。
日本国内でも、日銀は、長期金利の上限をプラスマイナス0.25%から0.5%程度に引き上げたことにより、住宅ローンの固定金利が上昇しました。
1月18日の日銀黒田総裁の記者会見では、金融緩和政策は現状維持で続けるとしています。
しばらくは変動金利が上昇することはありません。
ただ、今後インフレ率2%と賃金上昇が持続的に達成できた場合、日銀は金融緩和政策を転換することになります。
その時には、短期金利をマイナス金利からゼロ金利、そして、プラス0.1%と少しずつ利上げすることになります。
数年単位の長いスパンで考えると、住宅ローン金利も少しずつ高くなる可能性があります。
しかし、0.375%が1%、2%と急に上昇することはありません。
『日本では、金利上昇による資金調達コストが上昇したとしても、物件価格は急落ではなく、少し下がる程度に収まる。』
と私は考えています。

もっと長いスパンで考えると、日本の人口は減って行きますので、以前に番組でお話しました。
- ・居住誘導区域外などの不動産価格は、限りなく価値が無くなる。
- ・居住誘導区域内の物件であっても人口が減少するエリアでは少し価値が目減りする。
- ・今後、人口が増えるごく一部のエリアのみ価値が高まる。

先ほど、『価格』ではなく『価値』と言ったのは、
『不動産としての価値が下がっても、長いスパンで考えると、日本円としての通貨の価値も下がる。』
要するに、
『今後は長期的なインフレになる可能性が高いので、そうなると不動産の価値が下がっても、価格は今より値上りする可能性が高いのではないか?』
と、考えているからです。
数十年の長いスパンで考えるとそんな感じです。

現在の都心6区のマンション価格の高騰は、今後の景気懸念や物価高もあり、そろそろ実需層の様子見姿勢が広がっています。
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三菱地所レジデンスの社長の話では、
「今後のマンション市場は、土地を買えないし、建築費も上がっているので、そう供給を増やすことが出来ないので、品薄感も醸成されるので価格も維持できる。」
と語る一方で、
三井不動産レジデンシャルの社長は、
「先行きをそんなに甘く考えていない。高すぎる物件も散見されるようになっている。」
と、警戒感を強めており、財閥系のデベロッパーでも見方が分かれています。
先に中古物件の方が市況を反映して調整される

東京カンテイのまとめでは、
「東京23区の中古物件の流通戸数は、2022年12月に1万4328戸と前年同月から26%増え、在庫が積み上がりつつある。」
東京カンテイの主任研究員は、
「デベロッパーが価格設定を手動する新築とは異なり、市場で売買される中古の方が市況を反映して価格が先に調整される可能性がある。」
としています。

『価格が調整される』というのは、価格が下がる可能性があるということですか?

そういう事です。
中古物件の価格は、需要と供給のバランスで決まります。
ですので、
在庫が増えれば価格が下がります。

新築は、マンションも一戸建ても、人件費と材料費の資源不足により建築費が高騰しています。
資源不足は、当面、解消できないので、今後も新築の値下りは期待できません。
この資源不足が解消される頃には、今度は、インフレと賃金上昇が実現されているでしょう。
従って、建築費が下がることは、もうないと私は考えます。
本日は以上となります。

田中先生、ありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!
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