【住宅ローン】日銀新総裁植田氏の心理を分析
~日本の金融政策の先を読んで住宅ローン金利動向を見定める~

【住宅ローン】日銀新総裁植田氏の心理を分析
日本の金融政策の先を読んで住宅ローン金利動向を見定める。モゲチェックの塩澤崇先生が解説。

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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第457-2回目 (2023年5月11日放送分 後半)となります。

今回の話題

【住宅ローン】変動と固定の金利が激変!上がった銀行と下がった銀行
超低金利は終わるのか?モゲチェックの塩澤崇先生が解説



今回のテーマ『金利動向は日銀の金融政策を分析すれば分かる』

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フジコ

FM鴻巣フラワーラジオ 不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』

皆さま、こんにちは。
番組MCのフジコで御座います。

後半も、田中先生とモゲ澤先生にお話を伺っていこうかと思います。

サムネイル-塩澤
塩澤

よろしくお願いします。

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田中

よろしくお願いします。

後半も、『モゲ澤先生』こと、住宅ローン比較サービス『モゲチェック』 を運営している株式会社MFSの取締役COOの塩澤崇先生にお話を伺っていきます。

塩澤 崇(しおざわ たかし)さん プロフィール

塩澤 崇

■ 塩澤 崇(しおざわ たかし)
 株式会社 MFS 取締役COO
略歴
2006年東京大学大学院情報理工学系研究科修了(専攻:数理情報学)
2006年モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。
モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。
2009年ボストン・コンサルティング・グループ入社。
メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事
2015年9月よりMFS取締役COO

塩澤 崇 紹介ページ – モゲチェック

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フジコ

後半は、どんなお話をいただけるのでしょうか?

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田中

後半は『今後の住宅ローン金利動向は日銀の金融政策を分析すれば分かる!』というテーマで、モゲ澤先生にお話いただきます。

今回も、リスナーさんからテーマに関連したご質問を頂いているので、まずは、フジコさん、ご紹介していただけますか?

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フジコ

承知しました。
ラジオネーム:ユウさんからのご質問です。

■金融政策決定会合と住宅ローン金利の関係性

田中先生、モゲ澤先生、フジコさん、こんにちは。
いつも拝見して、とても勉強になっています。

ひとつ教えていただきたいことがあります。
日銀総裁が植田総裁になって初めての金融政策決定会合が開かれましたが、その結果と住宅ローン金利の関係性が、いまいち理解できません。

もしよければ、詳しく教えてもらえますか?
宜しくお願いします。

ラジオネーム:ユウさんからのご質問

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田中

ラジオネーム:ユウさん。
ご質問ありがとうございます。


変動金利と固定金利が決まる仕組み

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田中

モゲ澤先生に解説して頂くまえに、住宅ローンの変動金利と固定金利が決まる仕組みと、おさえておきたい用語について、解説させて頂きます。

変動金利と固定金利で、決まる仕組みが全く違います。

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田中
変動金利

日銀の政策金利、つまり短期金利の動きに影響します。
現在、政策金利は、マイナス0.1%です。
日銀の金融政策では、持続的かつ安定的な物価と賃金の上昇を目指しています。
この目標が達成されない限り、政策金利は上昇しません。

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田中
固定金利

長期金利の動きによって決定されます。
日銀の金融政策の一つに、「イールドカーブコントロール(YCC)」があります。
これは、長期金利を一定の範囲でコントロールするという政策です。
もし、今後、YCCが解除されると、住宅ローン固定金利が上昇する可能性があります。

サムネイル-田中
田中

  • ■変動金利
  • ・短期金利
  • ・政策金利
  • ・物価上昇
  • ・賃金上昇
という用語が出てきたら、住宅ローンでは、変動金利に関係します。

  • ■固定金利
  • ・長期金利
  • ・イールドカーブコントロール(YCC)
という用語が出てきたら、住宅ローンでは、固定金利に関係します。

これを踏まえて、金融政策決定会合についての解説をお聴きいただくと、住宅ローン金利との関係について、より理解が深まると思います。


マイナス金利は変わらず YCCも続行する

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田中

今回、日銀新総裁、植田氏が主宰する初の金融政策決定会合では、マイナス金利は変わらず、YCCも続行するという結果になりました。

これについて、モゲ澤先生は、どう予想していましたか?

塩澤氏の見解

サムネイル-塩澤
塩澤

はい。
私はマイナス金利については変更がないと予想していました。

植田総裁が国会で金融緩和の継続が適切と発言していたこと、また日銀の短観があまり芳しくなかったことからです。
出典NHK Nwes WEB – 日銀短観 大企業製造業の景気判断 5期連続で悪化

サムネイル-田中
田中

それでは、YCC解除の可能性についてはどうでしょう?

サムネイル-塩澤
塩澤

私はYCC解除の可能性も20%程度あると見ていました。

YCCは事前に解除の動きが察知されると、海外のファンドから国債の大量売りを引き起こします。
それによって、日銀は長期金利を抑えるために大量の国債を買い込まないといけなくなるからです。

サムネイル-田中
田中

なるほど。
確かにそうですね。


植田総裁の初の金融政策決定会合について感想

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田中

次に植田総裁の初の金融政策決定会合についての感想を教えてください。

塩澤氏の見解

サムネイル-塩澤
塩澤

植田総裁のスタンスは、予想通りです。
金融緩和派と中立派の間ぐらいでした。

物価上昇が見られますが、それは輸入物価の上昇が原因であり、賃金の上昇を伴った安定した物価上昇に移行するかどうかの確証が持てないようです。

物価情勢の展望2023年4月 画像引用日本銀行 – 経済・物価情勢の展望(2023 年4月)(PDF)
サムネイル-塩澤
塩澤

今回日銀から発表された消費者物価指数の見通しですが、2025年にかけて徐々に低下していき、2%弱にとどまる予想です。
このような状況ですので、金融緩和は継続する方針なのかと思います。

サムネイル-田中
田中

そうなると、政策金利は上昇できないから、住宅ローンの変動金利も上がらないということですね。

サムネイル-塩澤
塩澤

そういうことです。


『多角的なレビューを開始する。』発言の意味

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田中

新しい取り組みとして『多角的なレビューを開始する。』との発表もありました。
これはどういう意味なのでしょうか?

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塩澤

これは
『日銀が過去20年以上に渡って取り組んできた低金利政策を検証する。』
というもので、1年から1年半という長期スパンで実施すると発表されています。

レビューに長期間かける理由

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田中

それは長いですね。
なぜこんな長期間かけて金融緩和政策をレビューするのでしょうか?

サムネイル-塩澤
塩澤

植田総裁はシリコンバレー銀行を発端とする欧米経済の景気後退の可能性について懸念しているとの発言がありました。

欧米経済の動向を見極めるための時間が必要なのかもしれません。

サムネイル-田中
田中

モゲ澤先生は以前
「植田総裁は2000年のITバブル時に日銀が行った拙速な利上げに反対票を投じていた。」
と、おっしゃってましたよね。

サムネイル-塩澤
塩澤

そうですね。
植田総裁は、当時の経験から、「同じ轍は踏んではならない。」と思っているのではないでしょうか?

このような考え方が「1年~1年半かけてレビューをする。」という声明から読み取れると思います。

サムネイル-田中
田中

過去の経験が現在の行動に影響を及ぼしているというわけですね。

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塩澤

まさに仰るとおりです。

サムネイル-塩澤
塩澤

日銀の政策判断は日銀総裁が意思決定します。
ですので日銀総裁が・・・

  • ・昔何を発言し
  • ・何を行動し
  • ・どんな壁にぶち当たったのか
これを丁寧に紐解いていけば、発言内容の裏側を分析することができます。

サムネイル-田中
田中

それは、とても興味深い視点ですね。
その分析が、今後の金融政策の方向性を予測する上で重要となるわけですね。

サムネイル-塩澤
塩澤

そのとおりです。
これからも植田総裁の動向を注視したいと思います。


まとめ:植田総裁の動向に注目する必要がある

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田中

それにしても、レビューの1年~1年半という期間は、長いですよね。

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塩澤

通常、過去の実施策の検証は2~3ヶ月程度が多いです。
それが今回は1年から1年半という長期スパンです。

サムネイル-田中
田中

異例の長さですよね。

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塩澤

そうなんです。

植田総裁は学者出身ということもあり「それだけしっかりと調査したい。」という真摯な姿勢が感じられます。
その背後には欧米経済が本格的に景気後退する可能性への警戒感もあるのかもしれません。

サムネイル-田中
田中

そう考えると、植田総裁の発言や行動には、過去の経験からの教訓が色濃く反映されているように感じます。

サムネイル-塩澤
塩澤

過去の経験から学び、それを現在の状況に活かす。
それが植田総裁の金融政策に対するスタンスなのではないでしょうか。

サムネイル-田中
田中

そういった観点から見ると、これからの日本の金融政策がより興味深く感じられますね。

サムネイル-塩澤
塩澤

植田総裁は過去に審議委員もやられて、今回、総裁としてカムバックしてきた方です。
過去との整合性など、これからの展開は注目です。
私も、その動向を詳しく見ていきたいと思います。

サムネイル-田中
田中

欧米経済の動向を見極める期間として1年から1年半を設定したのは無難なのかもしれませんね。

サムネイル-塩澤
塩澤

それが私の見解です。

特にアメリカ経済の動向は日本にとって非常に重要です。
グローバル経済として、アメリカ・ヨーロッパ・日本は全部つながっています。
先行指標としてアメリカがどうなるかで、日本の1年後~2年後が決まってくる。といった形です。

2000年のITバブル時に日銀が拙速に利上げを行った経験があることを考えると、植田総裁も慎重になるのだと思います。

利上げのわずか7ヶ月後にITバブルが崩壊し、利下げを余儀なくされました。
これは日銀の政策判断ミスでした。

このような過去の失敗から学んで、植田総裁は今回、慎重な態度を示しているのではないかと思います。

サムネイル-田中
田中

なるほど。

それが、

  • ① 植田総裁のこれまでの行動をひも解き
  • ② その中から彼の考え方や意思決定のプロセスを理解することで
  • ③ これからの日銀の政策の方向性を予測することができる。
ということなんですね。

サムネイル-塩澤
塩澤

そういうことです。

総裁の思念は色濃く反映されます。
日本銀行のトップとして、その理念や信念は非常に重要です。

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田中

日銀の動向を予測するためにも、植田総裁のこれまでの発言や行動、そしてその背後にある思考を紐解くことが重要なんですね。

サムネイル-塩澤
塩澤

重要です。

植田総裁のこれまでの行動や発言から、日本の金融政策の今後の方向性を予測するための手がかりを探すことは非常に有意義な作業です。

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田中

住宅ローン金利が気になる人は、今後の植田総裁の金融政策について、注目する必要があるということですね。

サムネイル-塩澤
塩澤

仰るとおりです。

サムネイル-田中
田中

次回の金融政策決定会合も気になりますね。

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塩澤

次回は6月16日(金)に発表です。

今回(4月)は穏便な形で終わりましたが、アメリカの経済など変わってきていますので、次回の会合には、より多くの注目が集まることでしょう。
その時までには、もっと具体的な情報が出てくるかもしれませんね。

サムネイル-田中
田中

そのような情報は、これから住宅ローンを検討している当番組のリスナーにとって非常に有益です。

モゲ澤先生。
新しい情報が入りましたら、ぜひ、この番組でご紹介いただければ幸いです。

サムネイル-塩澤
塩澤

承知しました!
私の方でも、日銀の今後の動向を見守っていきたいと思います。

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田中

モゲ澤先生。
今回は、金融政策についての深い洞察をありがとうございました。

植田総裁の初の金融政策決定会合、そしてそれが今後の日銀の方向性にどう影響するか、非常に興味深い話題でした。

サムネイル-塩澤
塩澤

こちらこそ、ありがとうございました。

金融政策は経済全体だけでなく住宅ローン金利にも影響を及ぼします。
そのため、その動向を理解することは非常に重要です。

今後も新しい続報が入り次第お伝えしていきますので、皆さま、楽しみにしていてください。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

モゲ澤先生、田中先生、ありがとうございました。

皆さんは、モゲチェックとゼロシステムズの両方を利用することにより、何百万円もお得に住宅を購入できるかもしれません。

ぜひご利用ください!

モゲレコ

モゲチェックをご利用ください

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