【火災保険】2022年10月から大幅改定
~住宅購入時の火災保険と地震保険の変更点を解説~
【火災保険】2022年10月から大幅改定
~住宅購入時の火災保険と地震保険の変更点を解説 ゲスト:井口安彦先生~
2回クリックで再生します
YouTubeチャンネル
今週放送の動画をご紹介
FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第425-1回目 (2022年9月15日放送分 前半)となります。
今回の話題
2022年10月から大幅改定
~ 値上げ・期間短縮・新築よりも中古が割高になる ~
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
火災保険の専門家 FP井口氏にお話をうかがう
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
皆さん。こんにちは~。
本日は、フジコさんがお休みですので、私サッシーが番組MCをさせて頂きます。
田中せんせい。井口先生。
本日もよろしくお願い致します。
よろしくお願いします。
今回は、10月に火災保険で大きな改定があるので、保険の専門家であるファイナンシャルプランナーの井口先生をゲストにお招きいたしました。
こんにちは!
よろしくお願いします。
井口先生!
お久しぶりで御座います。
これから住宅を購入する人にとっては、火災保険のお話は重要ですから見逃せませんね!
ぜひ、お願いします。
はい!
お任せください。
火災保険 10月からの改正点
それでは、井口先生!
『火災保険!10月からの改正点』について教えてください。
改定内容は大きく分けて5つ
今回の改定内容は、大きく分けて5つあります。
- ①.値上げ改定
- これは、全国で平均約11%の値上げとなります。
- ②.築年数別料率
- これは、築年数が古いほど値上げ率高くなります。
- ③.保険期間
- 今まで最長10年の長期契約ができていましたが、来月から最長5年となります。
- ④.免責金額の設定
- 今後は、日常災害については免責5万が主流になります。
- ⑤.自然災害の支払いは、修理が前提
- これは、悪徳業者の排除が目的です。
ユーザー側からすると、ずいぶん厳しくなった感じがしますね。
地震保険の料率も改定される
そうですよね。
あと、地震保険の料率も改定されるんですよ。
改定というと、やはり地震保険も値上げなんですか?
こちらは、一律値上げということではありません。
例えば、ここ埼玉県だと値上げになりますが、多くの都道府県では、耐火構造だと8~9%の値下げ。
非耐火構造では、1~2%の値下げです。
近県での値上げは、埼玉と茨城、福島くらいです。
ただし、1年払いの保険料は下がっても、これを5年一括払いする場合の割引率(長期係数)は悪化するので、5年分まとめて払う場合は少し値上げになります。
なるほど。
それでは、この5つの改正点について、詳しく教えてください。
① 基本料率の値上げ
はい。
まず、1つ目の『基本料率の値上げ』に関してです。
やはり昨今の物価高騰の影響ですか?
値上げは物価高騰の影響ではない
いいえ。
これは物価高騰の影響ではないんですよ。
今回の保険料の値上げは、自然災害の多発によって保険の支払いがとても増えていることが影響しています。
保険料の値上げは、自然災害の多発によって、保険の支払いが増えていることによるもの。
なるほど。
そっちの影響なんですね。
そうなんです。
つい先日も超大型台風11号が日本をおそったばかりですし、6月には、ゴルフボール大の雹が降って大きな災害になりました。
まさに温暖化の影響なので、今後もさらなる値上げの予感さえします。
確かに今後、自然災害が増加すると保険料がさらに値上りしそうですね。
② 築年数別料率の変更
2つ目の『築年数別料率』の話もそうです。
新築建物よりも、築10年を超えてくると自然災害による建物被害が出やすくなるというデータがあります。
確かに、劣化が放置されている物件では、何らかの被害を受ける可能性が高くなりますからね。
そうです。
あと、マンションでも築20年を超えると、水回りにおける事故が多発します。
つまり同じ補償内容でも築年数が古いほど火災保険の保険料は高くなるわけです
同じ補償内容でも築年数が古いほど火災保険の保険料は高くなる。
生命保険でも20代よりも30代、30代よりも40代の方が、保険料が高くなるのと一緒ですね。
そういうことです。
③ 保険期間の短縮
つぎに3つ目の『保険期間の短縮』についてですが、現行の契約(9月まで)は最長10年が可能です。
しかし、10月以降は最長5年に短縮されます。
多発する自然災害がどれくらい先まで続くのか計算できないため、生活インフラである損害保険会社の経営を守ることが必要だからです
また、長期契約でも保険請求は損害が発生すれば契約期間中は何度でも請求できます。
途中で保険料を追加支払いする必要もありませんので保険会社のリスクでしかないのです。
保険の契約期間を短くすれば、途中で値上げした場合、翌年から保険料の支払いに反映できるようになります。
ほんの7年前(2015年)までは最長36年まで一括契約できたのが信じられません
2022年10月以降は最長契約期間が5年に短縮されます。
確かに、昔は住宅ローンと同じ年数で、火災保険も35年間の一括払いができましたからね。
以前はそうでしたね。
④ 日常災害の免責金額の設定
つぎに4つ目の『日常災害の免責金額の設定』についてです。
これは、とても地味な改定なのですが、自然災害における支払い以外に日常の突発的な事故の件数も増えています。
ただ、これらは、今まで対応できると知らなかった契約者が色々と学んで些細な損害でも、きちんと保険請求をする傾向にあると感じています。
これって、
『建物内で、ついうっかり家具などをガラスにぶつけて割ってしまった。』
みたいな損害も火災保険でおります。
というやつですよね。
そうです。
そんな感じの日常災害も、きちんと請求するユーザーが増えているんです。
これって井口先生が、私も含めてユーザーに、「こういう場合は保険がおりますよ!」と、しっかりアドバイスしている成果ですね!
確かにそうなんですけどね。
これは、1万円から10万円未満の比較的小さな金額の請求が多いのが特徴です。
その場合、現在、保険会社によっては、だいたい5千円から1万円の免責となっています。
しかし、この免責金額が一律5万円に改定されるのです。
つまり、少額損害は保険請求できなくするのが目的のようです。
(ただし一部の保険会社では免責1万も選択できそうです)
自然災害における支払い以外の、日常の突発的な事故も火災保険で保障される。
しかし、この免責金額が一律5万円に改定されることにより、少額損害は保険請求できなくなる。
請求が増えすぎたから免責を設定するなんて、本末転倒というか皮肉な感じですね・・・。
⑤ 自然災害の支払は修理が前提となる
つぎに5つ目ですが、『自然災害の支払は修理が前提となる』についてです。
これは近年増加傾向にある、建物の損害(屋根や雨樋、外壁など)において、保険の不正請求をする悪徳代行業者が増えているため、きちんと修理した上でないと保険の支払いをしなくなるという改定です。
逆に言うと、現行の商品では修理しなくても修理見積もりで保険の支払いをしているため、受け取った保険金の2割とか3割を代行業者が手数料として受け取ってしまい、保険見積もりの際にも大きく水増ししてくる傾向にあるようです。
現行では修理しなくても修理見積もりで保険の支払いをしている。
これを悪用して、修理見積もりを大きく水増して、不正請求をする悪徳代行業者が増えている。
そのため、きちんと修理した後でないと、保険の支払いをしなくなる
確かに、ネット広告とかで、『火災保険を使って屋根修理が出来ます!』みたいな怪しい広告を時々目にしますが、それですかね。
まさに、それです。
皆さんは、そんな業者使わないでくださいね。
以上が大まかな改定内容となります。
まとめ:2022年10月からの火災保険
10月からの火災保険についてまとめると、
- 1.全国平均11%値上げ
- 2.築年数が古くなると保険料が高くなる
- 3.保険期間が10年から5年に短くなる
- 4.日常災害の支払は免責5万円が主流になる
- 5.修理後でないと保険金が支払われなくなる
そうですね。
これから住宅を購入するかたは、加入のタイミングをコントロールすることは難しいですが、加入内容を吟味することで保険料の節約は可能です。
すでに加入済みの方は、来年にも満期がくるようなケースでは、前倒しで契約のし直しをすることで大きく節約できる可能性があるので、検証してみる価値はあると思います。
なるほど。 それでは、井口先生。 後半は、これから家を購入しようとしている方に向けて『保険料節約術と保険選びのポイントと注意点』についてお願いします。
はい!
火災保険の内容や選び方で保険料を結構節約できますので、後半は、そのお話をさせて頂きますね!
それでは、井口先生。
後半も宜しくお願いします。
【教えて不動産の知恵袋】
後半もお楽しみに!
- 住宅ローン比較サイト『モゲチェック』(外部サイト)
- ・新規の借り入れで比較
- ・借り換えで比較