【住宅ローン】頭金0円を推奨する理由 ~手持資金は出さないで購入した方が絶対にお得
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今週放送の動画をご紹介
FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第470-1回目 (2023年9月07日放送分 前半)となります。
今回の話題
頭金0円を推奨する理由
頭金0円で住宅ローンを組むことは良いことか?悪いことか?
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは~。
今週は、私サッシーが番組MCをさせて頂きます。
田中せんせい。
早速ですが、本日はどんなお話をいただけるのでしょうか?
本日は、
『頭金0円で住宅ローンを組むことは良いことか?悪いことか?』
というテーマでお話していきます。
前半は『頭金0円で購入するメリット』
後半は『頭金0円で住宅ローンを組む落とし穴』
2回に分けてお話します。
頭金0円のメリット・デメリットですね!
専門家でも意見が分かれるポイント
そうですね。
世の中の論調では、
『出来る限り頭金は入れるべき』というFPもいれば
『出来る限り頭金は入れない方がお得』というFPもいます。
実は、頭金を入れるべきか入れないべきかについては、専門家でも真っ二つに意見が分かれるポイントです。
なぜ、意見が分かれるのですか?
■対象とするユーザーによってアドバイスも変わる
それは、専門家がどのようなユーザーを対象にアドバイスをしているのか?
という事から考える必要があります。
ユーザーの特徴を大きく分けると2つです。
家を購入するまでに・・・
『今まで計画的に貯蓄をしてきたユーザー』
『今まで貯蓄が出来なかったユーザー』
この2つに分けて考える必要があります。
まず『出来る限り頭金を入れない方がお得』という主張に対しては、1つ目の、計画的に貯蓄をしてきたユーザーに対してのアドバイスとなります。
逆に、今まで貯蓄が出来なかったユーザーに対して「出来る限り頭金を入れない方がお得ですよ。」というアドバイスは一概に当てはまりませんが、そのようなユーザーは、将来、家計が苦しくなる可能性があるので注意が必要です。
今まで貯蓄が出来なかったユーザーに対しては、「出来る限り頭金は入れるべき。」とアドバイスした方が安全と言えます。
今まで貯蓄できなかったユーザーに対して「出来る限り頭金を入れるべき。」と言っても、そもそも『入れるべき頭金がない』ということですよね?
そうなると「頭金がないユーザーは、住宅を買うべきじゃない!」ということになるのですか?
そうではありません。
頭金がないユーザーであっても、当然、頭金0円で購入しても良いと思います。
ただし、購入後に貯蓄できるような家計を想定して、住宅ローンの借入額を少なくする必要があります。
なるほど。
2組のユーザーを例に挙げて説明
それでは、具体的に2組のユーザーを例に挙げて説明します。
両者ともに同じ年収だと仮定してください。
- 1組目
- ・今まで計画的に貯蓄ができている
- ・頭金:500万円
- ・借入れ:4,000万円
- 2組目
- ・貯蓄できていない
- ・頭金:0円
- ・借入れ:4,000万円
同じ年収、同じ借入れ額でも、2組目のユーザーは、ちょっと心配になりますね。
そうですね。
1組目のユーザーには
『あえて頭金0円でローンを組んで、手元の500万円は、資産運用した方がお得ですよ。』
というアドバイスが通用します。
2組目のユーザーには
『今まで貯蓄できなかったのだから、購入後の家計に余裕を持たすため、借入額を減らすべきですよ。』
というアドバイスが適切だと考えます。
なるほど。
ユーザーの家計によってアドバイスは違う。
ということなのですね。
そういうことです。
ですので私は
『頭金0円で住宅ローンを組みたい』
と希望されるユーザーには
「預貯金はいくらありますか?」
と聞くようにしています。
なるほど。
質問:『頭金0円で住宅を購入するのは危険ですか?』
ここからは
『頭金0円で住宅ローンを組むメリット』
について、解説させて頂きます。
まず、今回のテーマに関連した質問が届いているので、サッシーさんご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:両ちゃん からのご質問です。
■リスナー様からの質問
いつも楽しく聴いています。
はじめて質問します。
私は、銀行の定期預金、財形貯蓄、米国S&P500の積立てで、合計800万円ほど貯蓄があります。
今、物件価格4,280万円を検討しています。
頭金0円で4,280万円の住宅ローンを組もうと思い、FPに相談したところ、頭金500万円でローン3,780万円にするという資金計画表を作成されて、『支払い利息を少なくするために出来るだけ頭金は入れた方が安全です』とアドバイスを受けました。
やはり、頭金0円で購入するのは危険ですか?
ラジオネーム:両ちゃん からのご質問
ラジオネーム両ちゃんご質問ありがとうございます。
このリスナーさんの場合は、どうなのでしょうか?
これまでどおり投資で試算運用した方が良い
このリスナーさんの場合は、頭金0円でも危険ではないと思います。
むしろ、自己資金は手元に温存して、そのお金は、これまでどおり投資で試算運用した方が良いと思います。
危険はではない。
試算運用した方が良い。
なぜそうなんですか?
それでは具体的に
・頭金 0円で 4,280万円借りた場合
・頭金 500万円で 3,780万円借りた場合
それぞれを『住宅ローン金利シミュレータ』を使って比較してみます。
今月は、SBI新生銀行の 0.29% が最安値金利となります。
この金利で試算します。
今月の各銀行の金利一覧はこちらです↓
各金融機関の最新住宅ローン金利表
- ・頭金:0円
- ・借入れ:4,280万円
- ・返済期間:35年
- ・当初3年間:0.29%
- ・4年目以降:0.39%
- ・11年目以降:1.00%
上記の想定でシミュレーションすると
35年間での支払い利息の総額:538万円
と、なります。
次に
- ・頭金:500万円
- ・借入れ:3,780万円
金利上昇は同じ条件でシミュレーションした場合
35年間での支払い利息の総額:475万円
となります。
・頭金 0円での支払い利息の総額:538万円
・頭金 500万円での支払い利息の総額:475万円
35年間での差額 63万円の金利節約効果となります。
頭金500万円入れても、35年間で63万円しか利息を節約できないのですね!
そうなんです。
頭金500万円入れても、年間18,000円しか利息を節約できません。
※今回のシミュレーンションの場合です。
金利がもっと上昇すると想定すれば、節約効果も高くなります。
住宅ローンは、最初の10年間で、35年返済の利息の総額の約半分を支払うことになります。
日本の経済状況を鑑みると、当初10年間で、変動金利がバブル並みに急上昇するということは考えにくいと言えます。
ただ、将来、いくらまで金利上昇するかについては、正確に予測できません。
皆さま、それぞれの考え方があると思います。
『住宅ローン金利シミュレーター』では、3段階の金利上昇を想定できるようにしています。
ご自身の考え方でシミュレーションしてみてください。
住宅ローン金利シミュレータをお試しください
頭金を資産運用にまわすことで得られるメリット
頭金500万円入れて、年間1万8千円しか利息を節約できないというのは、意外です。
そうですね。
ご質問者様の場合は、計画的に貯蓄して、頭金があるユーザーです。
そして、米国S&P500で投資をしている、金融リテラシーのレベルが高い人だと判断できます。
米国S&P500とは
S&P500とは、どういった投資なのですか?
S&P500は、米国の主要500銘柄をカバーする株価指数で、長期的にはインフレ率を調整すると、年間平均で7%以上の利回りがある比較的安定している投資先です。
ただし、短期的な投資では、市場の変動リスクが高いので、長期的なホールドを前提とすることが推奨されています。
過去40年の間、短期的には値下りすることもありましたが、長期的に見ると値上りし続けて、平均7%以上の利回り実績があります。
・・・と言っても、一点集中型の投資はリスクがあります。
そこで、年間3%の利回りを目標に手持ち資金500万円を分散投資に回すことをお奨めします。
その場合、35年後の運用結果は、1,406万円になります。
500万円を3%運用すると、35年で 1,400万円以上になるんですか?
そうなんです。
手持ち資金を頭金として500万円出してしまうと、住宅ローン金利の上昇次第ですが、先程のシミュレーションでは、35年間で63万円しか利息の支払効果は見込めませんでした。
それを3%で運用すると、35年後には1,400万円以上になるんです。
さらに毎月3万円ずつ、S&P500に積立投資をして、運用利回りを少なく見積もって4%で計算した場合、30年後には、2,082万円貯蓄できます。
- ・頭金0円でローンを組んで
- ・手持ち資金の500万円は投資に回して
- ・毎月3万円積立貯蓄すれば・・・
住宅ローンを完済する頃には1,400万円と2,000万円の合計で3,400万円も貯められるということですか?
そうです。
それが、複利で投資した場合の結果です。
さらに老後は住宅ローンが終わって、家が残ります。
「頭金500万円出した方が良い。」と、アドバイスをするFPって間違えてますよね?
今回のご質問者様のように金融リテラシーが高いユーザーさんには、適当ではないアドバイスだと思います。
ただ、冒頭でも話したように、計画的に貯蓄ができないユーザーには「出来るだけ頭金を入れた方が良い。」というアドバイスは適切だと思います。
そのFPは普段から、そのようなユーザーとばかり接していて、金融リテラシーが高いユーザーの対応には慣れていない人だったのかと思います。
ユーザーの家計を適切に判断してアドバイスをすることが大切ということですね。
そういうことですね。
前半は以上になります。
後半は『頭金0円で住宅ローンを組む場合の落とし穴』というテーマでお話します。
田中先生。
ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋。
後半も宜しくお願いします。
皆様からのご質問、お待ちしております。
後半はこちらです↓
【住宅ローン】頭金0円の落とし穴 ~ 金利上昇 / 審査落ち / 家計を直撃 などのリスクを解説
頭金0円を推奨する理由 ~手持資金は出さないで購入した方が絶対にお得
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