【耐震】千葉県東方沖の群発地震と首都直下型地震の関連性。安全な立地の選び方。スロースリップ
【耐震】千葉県東方沖の群発地震と首都直下型地震の関連性。安全な立地の選び方。スロースリップ
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第493-2回目 (2024年3月07日放送分 その②)となります。
今回のテーマ『大地震が怖い。家探しを中断するべきか?』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
それでは田中先生。
次はどんなお話を頂けるのでしょうか?
次は
『大地震が怖い。家探しを中断するべきか?』
というテーマで、お話をして行きます。
最近の地震の頻度
出典:NHK NEWS WEB – 千葉県東方沖で地震相次ぐ 震度4も 気象庁が注意呼びかけ
2月27日から3月5日までの間に、千葉県東方沖を震源とする地震が合計28回も発生しています。
そのうち、
- 2月29日には、マグニチュード4.9 / 最大震度4
- 3月 1日には、マグニチュード5.2 / 最大震度4
SNSだけでなくTVなどでも、「首都直下型地震が起きるのでは?」という不穏な報道がされています。
そこで今回は、地震が多発する中での住まい探しについて考えてみます。
それは興味深いですね。ぜひお願いします。
それでは、最近の群発地震に関連した質問を頂いているので、フジコさん、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:あおさん からのご質問です。
質問:群発地震が起きているタイミングで家を買うのはどう思いますか?
田中先生、フジコさん、こんにちは。
チャンネル登録をしていつも欠かさず視聴しています。
私は千葉県内の賃貸に住んでいて、家の近くで新築一戸建てを購入しようと検討しています。
今、千葉県東方沖の群発地震が多発していますが、このタイミングで家を買うのはどう思いますか?
住宅を購入するタイミングで悩んでいます。
アドバイスいただけますでしょうか?
宜しくお願いします。
ラジオネーム:あおさん からのご質問
ラジオネーム:あおさん ご質問ありがとうございます。
確かに「大きな地震があるかもしれない」という報道がされていると、これから家を買うユーザーは不安になりますよね。
そこで、今話題になっている千葉県東方沖の地震について、私の方で調べてみました。
千葉県東方沖の地震について
人工衛星を使って地殻変動の観測をしている国土地理院によりますと、房総半島では2月26日ころから、普段とは異なる変化が起きていることがわかったとのことです。
スロースリップ現象とは
画像引用:NHK NEWS WEB – 地震活動続く千葉県東方沖で「スロースリップ」か 国土地理院
千葉県東方沖で発生している群発地震は、スロースリップ現象が原因で起きていると国土地理院の解析でわかりました。
スロースリップ現象とはプレート境界の断層がゆっくり動く現象で、通常の地震とは異なり目立った揺れを伴わないことが多いのが特徴です。
■千葉県東方沖でスロースリップ現象が起きている
画像引用:ウェザーニュース – 千葉県沖のスロースリップ、その正体は?
この地殻変動をもとに分析した結果、千葉県東方沖では陸側のプレートと海側のプレートの境界がゆっくりずれ動く『スロースリップ』が起きているとみられ、ずれ動いた量は最大でおよそ2センチと推定されています。
首都直下型地震の前兆ではないのか?
画像引用:TBS NEWS DIG – 日本各地で頻発する地震 首都直下地震との関連は・・・3人の専門家に聞く
そこで多くの人が気になることが、
「これは首都直下型地震の前兆ではないのか?」
ということですよね。
それがとても気になります!
■千葉県東方沖地震と首都直下型地震に直接的な関係はない
結論からお話しますと、この千葉県東方沖地震と首都直下型地震に直接的な関係はないようです。
出典:読売新聞オンライン – 千葉東方沖が震源、首都直下とは「直接の関係なし」…東大地震研究所・古村孝志教授
京都大学防災研究所の西村卓也教授によると、
「千葉県東方沖では1996年から2018年にかけても、このスロースリップが6回観測されていて、同じタイミングで地震活動が活発になっている」
とのことです。
昨年、2023年5月26日付の読売新聞オンラインの記事の中でも、東京大学地震研究所の古村孝志教授は、「この千葉県東方沖では、年に1回程度、マグニチュード6程度の地震が起きており、
「首都直下型地震とは直接の関係はないだろう」
と発言しています。
そのため、地震調査委員会委員長の東京大学の平田名誉教授は
「この地震がただちに大地震に結びつくとは考えていない」
としています。
専門家の見解では、この現象がただちに首都直下型のような大地震とは関連がないとされています。
そうなのですね。
30年以内に首都直下型の大地震が発生する確率が70%程度
ただし国の想定で、首都直下ではマグニチュード7くらいの地震が今後30年以内に発生する確率が70%程度とされています。
出典:内閣府 – 首都直下地震の被害想定 対策のポイント(PDF)
降水確率70%だったら、お出かけするときは傘を持ってでかけますよね。
そうですよね。
確率が70%程度ということは、現在千葉県東方沖で発生しているスロースリップ現象による地震とは関係なく、いつ大地震が起きてもおかしくはない確率と言えます。
そのため日ごろからの備えは大切だと私は考えます。
どのような立地の物件を買えば良いか?
ここからは『どのような立地の物件を買えば良いか?』というお話をしていきます。
お願いします。
『活断層データベース』を活用する
まずは活断層は避けたいですよね。
そこで活用したいのが、国立研究開発法人 産業技術総合研究所の『活断層データベース』です。
これを見れば、活断層の位置と地震の震央の位置がわかります。
■活断層データベース
出典:国立研究開発法人 産業技術総合研究所 – 活断層データベース
この地図に線で描かれている部分が、現時点で発見されている活断層の位置で、点で描かれている部分が震央の位置です。
震央とは何ですか?
■震央とは
震央とは、震源の真上にあたる地表の地点のことです。
活断層だけでなく震源の真上の物件は買いたくないですよね。
確かにそうですね。
大切なのは地盤が硬い立地、要するに地震で揺れにくい立地の土地を選んで頂きたいということです。
地震の揺れに強い立地の選び方についての記事はこちらです↓
【不動産】地震の揺れに強い立地の選び方
土地を選ぶ際は『地震ハザードカルテ』で地盤をチェック
土地を選ぶ際に活用したいのが、国立研究開発法人 防災科学技術研究所の『地震ハザードカルテ』です。
これは、各エリアで250m四方の範囲内で、揺れやすい地盤か?揺れにくい地盤か?などのデータを見ることができます。
出典: 国立研究開発法人 防災科学技術研究所 – 地震ハザードカルテ
やはり、住まい探しでは地盤が大切だといういうことですね。
そういうことです。
まとめ
今年に入って、能登半島地震が起きて、現在、千葉県東方沖でスロースリップ現象による群発地震が発生しています。
そうなると、そろそろ首都直下型地震が近いのでは?と心配になります。
しかし、それ以前から30年以内に大地震が発生すると予測されています。
大地震の発生を恐れて家の購入を先送りするのでは、これから30年間マイホームを買うことができないということになります。
大切なのは、
- ・災害に強い立地を選ぶ
- ・地震に強い建物を選ぶ
ではでは、いつものように 五・七・五 の標語にまとめさせていただきます。
お願いします!
利便性
よりも大切
安全性
近年では、経済性を追求して立地重視の不動産を選ぶことが賢い選択であるという考え方が主流です。
しかし、今後は温暖化や地震など自然災害のリスクが増加する見通しです。立地の安全性を最優先にしても良いのでは…。
というのが私の考えです。
なるほど。今回も勉強になりました。
田中先生。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もよろしくお願いします!
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