【中古マンション】修繕費高騰!広がる管理組合の借金依存!中古マンション選びの注意点!

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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第509-4 (2024年7月4日放送分 その④) となります。



今回のテーマ『マンション修繕 広がる管理組合の借金依存』

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フジコ

フラワーラジオ FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』

不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋!
それでは田中先生、次のテーマをお願いします。次は、どんなお話をいただけるのでしょうか?

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田中

次のテーマは・・・

『マンション修繕 広がる管理組合の借金依存』というお話です。

マンションはデベロッパーとゼネコンが創り出した空間を売るビジネスで、コンクリートの塊が売買されているものと根底に考えています。

不動産というのは土地であり、上のある構造物はいつか朽ち果てます。
「いつか朽ち果てる建物を、如何に延命できるか?」
ということが、マンションの寿命と価値に大きくかかわってきます。

そこで、リスナーさんから「マンションの積立金不足で大規模修繕工事が実施できない」という旨のご質問をいただいているので、フジコさん、ご紹介お願いします。

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フジコ

承知しました。
ラジオネーム:オリオン さんからの質問です。

質問:積立金不足によるゴタゴタも伝えなければならないのか

田中先生こんにちは。

私は、2008年に建築された中古マンションを2年前に購入しました。
今、管理組合で問題になっているのが、大規模修繕工事に関することです。
本来であれば、大規模修繕工事は既に行うはずですが、積立金の資金不足で、いまだ目途が立っていません。

管理組合で金融機関から借金をして大規模修繕工事をする案も出ていますが、それをすると修繕積立金を通常の値上げに加えて借金返済分も値上げが必要になります。
それでも次回の大規模修繕工事の時には資金不足で借金が必要という試算が出ています。
そのため、組合での借金案に反対する世帯も多数いる状況で修繕工事の目途が立っていない状況です。

このようなマンションの将来の資産価値は下るのではないでしょうか?
もうこのようなゴタゴタに神経を使うのは疲れたので売却して一戸建てに引っ越したいと考えています。
こういうゴタゴタは、購入者へ言わなければならないでしょうか?
正直に話すと誰も買ってくれないのではないかと思います。

ラジオネーム:オリオン さん からのコメント

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田中

ラジオネーム:オリオン さん。
コメントありがとうございます。

回答:ゴタゴタも購入者に伝えなければなりません

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田中

まず、ご質問にお答えします。

不動産を売却する場合、買主が「その事実を知っていたら買わなかったかもしれない」と思われることは、買主に伝えなければなりません。
それが真っ当な不動産仲介会社の役割となります。

そのため不動産仲介会社は、管理組合で議論されていることを買主に伝えなければなりません。管理組合での議事録と重要事項調査報告書を取り寄せて、そこから得た情報を元に買主へ説明します。

売ることだけを優先するエージェントは、買主にそれらの書類を渡すだけで説明したことにしてしまいます。維持管理について深く考えていない買主は、知らぬまま購入してしまうかもしれません。

それが、中古マンションの怖いところでもあります。

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フジコ

たしかに。 売主としては言いたくない事でも、買主としては「その事実を知っていたら買わなかったかもしれない」事は、きちんと説明してもらわないと困りますね。


修繕積立金不足のマンションが急増しています

509-4_マンションの大規模修繕工事
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田中

マンションの大規模修繕工事をするためには、お金がかかります。

しかし現在、管理組合の積立金不足で大規模修繕工事が実施できないマンションが増えています。

現在の修繕積立金の状況

509-4_修繕積立金の状況

画像引用国土交通省 – 平成 30 年度マンション総合調査結果からみたマンション居住と管理の現状(PDF)

サムネイル-田中
田中

お金が足りなければ、『大規模修繕工事をしない』とか『延期すればよい』と考える人もいるかもしれません。

しかし、マンションとは、デベロッパーとゼネコンが創り出したコンクリートの塊に資産価値を見出して、売買されているものです。
土地と違い、いつか朽ち果てます。
それを『いかに延命して快適に生活できる状況を維持し続けるか?』が、マンションの寿命と価値に大きくかかわってきます。

コンクリートの供用期間について

509-4_設計基準強度
サムネイル-田中
田中

日本建築学会(JASS5)では、コンクリートの『設計基準強度』により、『計画供用期間』『供用限界期間』を設定しています。

鉄筋コンクリートの計画供用期間は65年とされており、大規模修繕工事を適切なタイミングで実施することにより、共用限界機会は100年までもつとされています。

しかし、「強度的にもつ」と言っても、快適に暮らせるかどうかは、維持管理の質に大きく依存します。
例えば、外壁の塗装や防水を適切なタイミングで行わないと、雨漏りが発生します。

マンションは管理で大切なのは、『適切に大規模修繕工事を実施して、如何に延命するか?』です。
これは、築年数が古いマンションだけでなく、新しいマンションも含めて、全てのマンションの宿命と言えます。

マンション修繕のために借金をしなければならない

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田中

マンションの延命に関連した、日本経済新聞の記事があります。フジコさん、この記事の紹介をお願いします。

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フジコ

承知しました。
2024年7月2日付け 日本経済新聞の記事です。

マンション修繕、広がる借金依存 機構融資は10年で3倍 509-4_日経新聞

マンション管理組合が大規模修繕で借り入れに頼る動きが加速してきた。2000年代の大量供給物件が修繕期に入り、工事費は上昇。近年は修繕積立金を段階的に増やす予定が狂い、資金不足に陥る例もある。日銀の政策修正で歴史的な低金利環境の変化が予測されるなか、返済可能か目配りが欠かせない。

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田中

記事は、管理組合として、お金が足りないから、借金して大規模修繕をしているということです。

2000年代に大量にマンションが新築されました。
近年、その大量のマンションが、大規模修繕をしなければならない時期を迎えています。

  • ■現在の状況
  • ・物価上昇で建築原価が大幅に高くなっている。
  • ・修繕積立金の値上げが必要になっているが、話し合いが難航して資金不足に陥っている。
  • ・金融機関から借金をして、大規模修繕工事を実施している。

  • ■問題点
  • ・今まではデフレと低金利環境でしたが、今後はインフレと金利がある世界に変化していく。
  • ・マンションを維持し続けるためには、今まで以上のコストがかかるので、区分所有者の負担は増えていく。
という内容です。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

建築原価が高騰している影響が、ココにも出ているのですね。


まとめ:マンションを維持する為に借金が必要になる状況

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田中

住宅ローンで借金をしてマンションを買って、その返済をしながら、維持するためにさらに借金をする。
そのようなマンションが今増えているし、今後も増えていく。
このような状況になっています。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

借金して買った家(マンション)を維持する為に借金を重ねなきゃいけない・・・。それは精神的にもキツいですね。

質問者のオリオンさんも大変でしょうけれど、売りに出すなら、伝えるべきことは伝えなくてはならないと言うことですね。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

田中せんせい。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!

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