【新築 vs 中古】2024年内に家を買うなら〇〇を選ぶべき!
住宅ローン控除|子育てエコホーム|保証
【新築 vs 中古】2024年内に家を買うなら〇〇を選ぶべき!
今回のテーマ『中古 対 新築 マイホームを買うなら新築にすべき』
※記事は動画を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど本編と異なる部分がございます。
日本人は新築を好む傾向にある
今回は
『中古 対 新築 マイホームを買うなら新築にすべき』
というお話をしていきます。
中島さんは、もし家を買うなら新築と中古、どちらの物件を購入したいと思いますか?
僕はできれば綺麗な新築の方が良いですね。
でも、予算的に無理なら中古も有りだと思ってます。
そうですよね。
できれば、今まで誰も使ったことのない綺麗な新築の方が良いですよね。
住宅市場での中古住宅の流通割合は約14.5%
画像引用:国土交通省 – 土地統計調査の集計結果(住宅及び世帯に関する基本集計)の概要 (PDF)
国交省の既存住宅シェアの国際比較というデータによると、日本全体で住宅が売買されている件数の中で、中古住宅の流通割合は約14.5%ということです。
これはアメリカやイギリスなど、欧米諸国の中古住宅の流通量に比べると1/5から1/6程度と低い水準であるという調査結果が出ています。
このことから、日本人は新築を好む傾向にあることが分かります。
やはり綺麗な家の方が良いからですかね。
田中先生は新築と中古ならどっち派ですか?
私もどちらかというと新築派です。
自宅は新築ですが、賃貸用の収益物件としては、中古を買ってリフォームしてから貸し出す事が多いです。
そうなんですね。
やっぱり中古の方が安いからですか?
そうです。
中古物件を買うメリットとして、
『同じ立地で選ぶ場合、新築よりも値段が安い』
これが1番の理由だと思うんです。
これ以外に中古を選ぶメリットって私には思いつきません。
あとは、新築物件が販売されていないエリアで、中古物件を選ばざるを得ない場合だけです。
では、これからマイホームを買うのであれば、新築と中古どっちを選ぶと良いですか?
不動産は個々に条件が違うので、一律に「こっち」とは結論付けられません。
ですが、マイホームとして買うのであれば、私は新築一戸建てを購入した方が良いと思います。
そうなんですね。
では、「新築の方が良い」と言う、その理由を教えてください。
承知しました!
ちょうど、ラジオのリスナーさんからも、『中古一戸建て と 新築一戸建て』 に関する質問を頂いているので紹介させていただきます。
ラジオネーム:Qちゃん さん からのご質問です。
質問:中古と新築のメリットデメリット などを教えて
いつも拝見しております。
私は35歳会社員です。
来年、子供が小学校に上がるまでにはマイホームを購入しようと計画しています。
今、築15年の中古一戸建 と 新築一戸建 こちらを比較検討しています。
2つとも同じ町内で広さも同じぐらいですが、中古の方が600万円安いです。
私は少しでも安い方がいいと思うのですが、妻は新築に引かれていて夫婦で意見が分れています。
中古と新築のメリットデメリットなど、田中先生からアドバイスいただけないでしょうか。
是非よろしくお願いします。
ラジオネーム:Qちゃん さん からのご質問
ラジオネーム:きちゃん さん。 ご質問ありがとうございます。
同じような条件なら中古よりも新築の方が良い
600万円も安いとなると、中古を選んだ方が良くないですか?
結論から申し上げますと・・・
「同じような立地環境で600万円程度の差額であれば、絶対に中古よりも新築の方が良い」
です。
新築購入時の優遇措置
2024年現在、新築一戸建てを購入した場合、住宅ローン控除という税金の優遇措置や、子育てエコホームという補助金などの制度が充実しています。
住宅ローン控除とは、新築一戸建てを購入した際に、13年間にわたり毎年借入れ残高の0.7%の所得税や住民税が控除される制度です。
これを踏まえて、35歳のご質問者様が、ZEH水準に適合した新築一戸建てを4,500万円で購入した場合の説明をしていきます。
■住宅ローン控除のシミュレーション結果-新築
- ■借入れの条件
- 年齢:35歳
- 借入れ:4,500万円
- 金利:0.4%
- 返済期間:35年
- ■住宅ローン控除で毎年戻ってくる金額
- 1年目:約277,000円
- 2年目:約29,000円
- 3年目:約262,000円
このように、毎年税金が還付されます。
そして、13年間で戻ってくる金額の合計は、なんと約339万円になります。
今回は、住宅ローン金利:0.4% で計算しています。
金利が上昇した場合、これ以上の金額が住宅ローン控除で戻ってくる可能性があります。
住宅ローン控除は中古住宅でも使える
この住宅ローン控除は、中古住宅でも使えるのですか?
中古物件でも、住宅控除は使えます。
ただし、新築と中古では適用範囲が大きく異なります。
地区15年の中古になると、ZEH水準に適合した物件は、まずありません。
そのため、住宅ローン控除が適用される借入れ残高の上限が2,000万円と少なくなります。
控除期間も、新築では13年間でしたが、中古になると10年間と短くなります。
戻ってくる金額も少なくなります。
ご質問者様は、新築より中古の方が600万円安いと言う事ですので、中古物件の借入れ額を3,900円で住宅ローン控除の計算をしてみます。
■住宅ローン控除のシミュレーション結果-中古
この場合10年間は、毎年14万円が戻ってくることになります。
10年間の合計額は140万円です。
新築では339万円でしたが、中古では140万円です。その差額は199万円となります。
今回の場合は、
「中古と新築の差額は600万円」との事でしたが、住宅ローン控除だけでも約400万円まで差が縮まることになります。
確かにそうですね。
『住宅ローン控除シミュレータ』をお試しください
- ・購入予定の物件が住宅ローン控除の対象になるか?
- ・具体的にいくら税金が戻ってくるか?
これらについては、毎年の受託ローン残高も絡む複雑な計算が必要です。しかし、これはもはや手計算では不可能なんです。
そこで、住宅ローン控除でいくら戻ってくるか?
誰でも無料で簡単に計算できる『住宅ローン控除シミュレータ』を開発しました。
是非活用してくだい。
住宅ローン控除シミュレータはこちらです↓
『子育てエコホーム』補助金について
次に、ZEH水準に適合した新築を買うと貰える『子育てエコホーム』という補助金についてです。
この補助金で、国から80万円が貰えます。
ええ!80万円も貰えるのですか!?
そうなんです。
毎年似たような補助金制があるのですが、今年の子育てエコホームは、80万円と大盤振る舞いです。
かなり人気があり、現時点での予算の消化率は、新築で44%で、当初の予定よりも早く予算が尽きてしまう可能性があります。
■子育てエコホーム予算消化率
※2024/8/25時点
なるほど。
予算が尽きたら貰えないと言う事ことですね?
そうなんです。毎年問答無用で打ち切られます。
国のホームページにも「早めの申請をお勧めします」と記載されているくらい人気の、国のばらまき制度なんです。
ばらまき!
なかなか棘がある感じが良いですね。
中古物件では、そのような補助金は無いのですか?
はい。
中古物件は対象外ですので、一切貰えません。
80万円が貰えるのと貰えないとでは、大きい差が出てきますね。
『子育てエコホーム』対象となる条件
そうですよね。
子育てエコホームで80万円が貰える新築は、省エネ性能がZEH水準に適合している必要があります。
ZEH水準に適合した新築というのは、住宅性能評価で断熱等級5 かつ 一次エネルギー消費量等級6 の物件となっています。
具体的には飯田グループ系なら、一建設、アーネストワン の新築であれば、ほぼ全ての物件が対応しています。
ただし、同じパワービルダーでも、飯田産業 / ケイアイスター不動産 / ホークワン などの新築はZEH水準に適合していない物件が多く、子育てエコホームの対象外となる可能性があります。
また、東栄住宅の場合は長期有料住宅の認定を受けており、子育てエコホームの補助金が100万円になる物件があります。
一見同じような新築でも、補助金が貰えたり貰えなかったり、複雑な感じなんですね。
そうなんです。
「貰えるつもりで契約したら貰えなかった」
となると、金額も大きいので資金計画に影響するかもしれません。ご注意ください。
この『子育てエコホーム』と『住宅ローン控除』が適用される新築であれば、ご質問者様の場合は、合計で約420万も優遇される事となります。
『子育てエコホーム支援事業1分間セルフチェック』をお試しください
子育てエコホームは、物件の省エネ性能だけでなく、購入者の年齢や18歳未満の子供の有無によって対象か否か変わり、制度が複雑です。
ゼロシステムズでは、子育てエコホームの対象になるかどうかが簡単に分かる『子育てエコホーム支援事業1分間セルフチェック』というページを用意しました。
こちらも、ぜひ使ってみてください。
『子育てエコホーム支援事業1分間セルフチェック』はこちらです↓
その他 新築住宅の購入時の優遇措置とメリット
他にも新築は、当初3年間(長期優良住宅の新築であれば5年間)建物部分の固定資産税が半額になります。
また、火災保険も新築であれば割引き制度があります。
地震保険も、住宅性能評価で耐震等級3の最高等級の物件であれば、保険料が半額になります。
すごいですね。
新築って、そんなに優遇されてるんですね!
■新築に対する優遇措置で価格差分が縮まる
中古と新築の価格差が600万円くらいであれば、税金や補助金で、かなり差が縮まります。
ですので、同じような立地であれば、中古よりも新築の方が良いと言えます。
なるほど!よくわかりました。
他にも中古より新築の方が良い理由が有れば、是非教えて欲しいです。
断熱性能について
LOW-E 断熱窓
まだまだありますよ。
ご質問者様が検討している中古住宅は、築15年との事ですね。
15年前の建物と現代の建物を比べた時、大きく違うのは『断熱性能』です。
現代の新築は建売住宅でも、住宅性能評価で断熱等級5 かつ 一次エネルギー消費量等級6 の物件が増えてきました。
例えば、窓のサッシ部分は内側が樹脂になって、断熱性能が非常に高くなりました。
窓ガラスも、ペアガラスだけでなくLOW-Eという遮熱ガラスが採用されています。
外から伝わる熱の70%以上が、窓からの熱と言われています。
そのため、樹脂サッシと遮熱ガラスは、冬だけでなく夏も効果が高いです。
15年前の中古物件ではこのような仕様は、まず有りません。
この断熱性能を得ようとすると、購入後に自らお金をかけてサッシ交換のリフォーム工事が必要になります。
家中の開口部を樹脂サッシと遮熱ガラスに交換すると、100万円でも足らないと思います。
そんなにかかるのですね。
耐震性能について
次は耐震性能の違いです。
耐震性能を表す『耐震等級』については以下のようになっています。
- 耐震等級1:建築基準法通りに建築された家
- 耐震等級2:耐震等級1の1.25倍の壁量
- 耐震等級3:耐震等級1の1.5倍の壁量
ここ数年で、ようやく耐震等級3の住宅が普及してきました。
築15年の中古住宅で、耐震等級3(最高等級)を取得している物件は、ほとんど無いと言えます。
うーん。そうなんですね。
中古住宅特有の注意点-経年劣化-
そうすると、中古の方が新築に比べて、欠陥住宅的な建物も多い感じですか?
「中古だから欠陥が多い」とか、逆に「新築だから欠陥は無い」とか、そういう事はありません。
ゼロシステムズでは過去15年にわたり、3,000件以上(新築 中古問わず)の、住宅診断を実施してきました。
新築であっても、当初の施工ミスの可能性として・・・
- ・防火違反
- ・断熱不良
- ・雨漏り
中古住宅では、これら当初の施工ミスの可能性だけでなく、経年劣化も出てきます。
経年劣化やメンテナンス不足による雨漏りや、シロアリ被害など、中古住宅特有のリスクはあります。
そのため、中古 / 新築 問わず、住宅を契約する前には専門家による住宅診断が必要であると考えています。
■中古住宅で経年劣化による交換の確認が必要な機器の例
給湯器
洗浄便座
水まわりのパッキン
ダウンライト
また、築15年の中古となると・・・
- ・給湯器
- ・洗浄便座
- ・水回りのパッキン
- ・ガスコンロ
- ・エアコン
- ・ダウンライト
設備機器の交換はどの位の費用がかかるのですか?
おおよそですが、以下のような感じになります。
■設備機器の交換費用
- 給湯器:約15万円
- 洗浄便座:約10万円~
- 水回りのパッキン:部品は数百円 / 工賃数千円
- エアコン:約10万円~
-
LEDダウンライト:1つあたり工賃含め1万円~
廊下やトイレなどで使われているは10年から15年ぐらいで寿命と言われています。
このLEDダウンライトは個別に電球交換ができない物が多く、器具ごと交換しなければなりません。
そのため、一気に交換したら結構費用かかります。
他にも、築15年の中古物件となると、外壁とか屋根の防水塗装も必要な時期となってきます。
床下のシロアリ防蟻措置も必要です。
これらは、築10~15年ぐらいのサイクルで修繕工事が必要になります。
マンションの大規模修繕工事と同じような感じですか?
その通りです。
新築であれば全て新品ですので、1回目の修繕サイクルは10~15年先となります。
そのため、毎月1~2万円程度積み立てれば、将来の修繕工事に備えることができます。
中古の場合は、修繕工事の時期も考慮しなくてはなりません。
一戸建てでも個人的に修繕費の積み立てが必要と言う事ですね。
建物の保証について
次に『建物の保証の問題』です。
基本的に中古物件の保証期間は2年間となります。
これは契約不定合責任(以前の法律では瑕疵担保責任)と呼ばれています。
■売主が買主に対して責任を負うこと
以下の4つは、住宅として基本的な性能に欠陥があった場合、売主は買主に対して責任を負うことになっています。
- 建物の構造耐力上、主要となる木部の腐食
- シロアリ被害
- 給排水管の故障
- 雨漏り
しかし、中古物件は個人が売り主である事が多いです。
個人が自宅を売却してから2年間、買主に対してこれらを保証するのは、かなりの負担です。
そのため、個人が売り主となる中古物件の不動産売買契約では、本来2年の契約不適合責任が、特約で2~3ヶ月程度に変更されている事が一般的です。
新築では保証期間が2年のところ、中古では2~3ヶ月に短縮されていると言う事ですか?
そういうことです。
そのため、雨が少ない時期に引き渡しされて、3ヶ月以上経過して台風シーズンになり、そこで初めて雨漏りを発見した場合は、保証期間が過ぎてしまっていると言う事もあります。
また、中古住宅を購入する場合は、シロアリや木部の腐食などにも注意しないといけません。
雨漏り同様、欠陥が表面化して気づいた頃には3ヶ月の保証期間が過ぎていると言う事になります。
修理費用は買主負担(自己負担)になります。
それは怖いですね。
個人が売り主となっている中古物件は、欠陥があった場合に責任の追求先が曖昧です。
それこそ『ノークレーム・ノーリターン』みたいな感じになるので注意が必要です。
「注意が必要」と言っても、実際はどうすれば良いですか?
契約する前に、専門家による住宅診断を行う事が大事かと思います。
また、同じ中古物件でも業者が売り主の物件の場合は「契約不適合責任を2年から3ヶ月に短縮する」という特約を入れても、消費者にとって不利な契約とみなされ、その特約は無効になるのです。
例えば、綺麗にリフォームされた空き家の中古住宅は、業者が一度買い取っている場合が多いのですが、その場合、契約不適合責任(要するに保証期間)は2年となります。
中古住宅の保証期間が心配な人は、そのような物件を狙うと良いと思います。
新築一戸建ての建築原価について
最後に『新築一戸建ての建築原価』についてお話しします。
是非お願いします。
現在、建築費は非常に高騰しています。
一般財団法人:建設物価調査会の、木造住宅の建築費指数は2015年の指数を100とすると、2024年7月は138.5となり、原価が1.38倍以上も上昇しています。
前年同月比では、5.5%も建築費が値上がりしてるのです。
この工事原価の値上がりは、今後も物価上昇や人口減少に伴なう建築現場の職人さん不足によって、さらに上昇していくことが予想できます。
逆に言うと、今後、建築費が値下がりする可能性は無いと言う事なんです。
値下がり無いですか・・・。
はい。
この調子で建築費が値上がりし続けていくと、新築は贅沢品となります。
そのため、将来の住宅市場は中古物件の流通がメインとなってくるはずです。
もし、新築を希望されてる人であれば、早めに購入した方が安く買う事ができるでしょう。
ありがとうございます。
よくわかりました!
まとめ
今回のお話をまとめますと、以下のようになります。
- ①中古よりも新築の方が、税優遇や補助金が多く受けられる。
- ②断熱や耐震性能は、築15年の中古よりも新築の方が良い。
- ③築15年の中古は修繕サイクルのタイミングになるため、住宅購入後に費用がかかる。
- ④個人が売り主の中古は、欠陥があっても責任の追求先が曖昧で保証が無い。
- ⑤建築原価が高騰しているため、将来、新築住宅は贅沢品になる。
なるほど!
今回も大変勉強になりました。
田中先生ありがとうございました。
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