梅雨時期に着工している物件の注意点
ヤマダホームズと誠賀建設の新築を住宅診断

赤外線住宅診断技能師の野方実で御座います。

梅雨の季節を迎え、ぐずついたお天気が続いております。
梅雨時期になりますと予定より工期が遅れている物件が多く、販売図面などに〇月引渡しと記載されていてもその通りにならない場合
もあります。

本日は梅雨時期に工事が行われている物件の注意点を5つお話しいたします。


梅雨に工事をしている物件の注意点

雨の建築現場
以下の各画像はクリック/タップで拡大します

1.床下

屋根のアスファルトルーフィングや外壁部の防水紙の施工前に雨が多く振ってしまうと、基礎内に水が溜まりやすくなります。
その為に基礎には水抜き穴が存在しますが、コンクリートの勾配の関係で水が抜ききれていない物件も多く見かけます。
基礎の水抜きが出来ていないと、床下の木材の水分量(含水率)が高くなってしまい乾燥してきた時に床鳴りなどの原因にもなります。


2.ベランダのFRP防水

雨が降っている中で施工したり、下地が濡れたままで施工してしまうと接着不良や膨れ等の原因に繋がります。
また防水工事直後に雨に降られた場合には、雨跡が付いてしまう場合もあります。
いずれも目視で分かりますので、住宅内覧時にはベランダも確認すると良いでしょう。


3.工期の遅れによる施工不良

パワービルダー系の物件ですと、木工事(大工さんの仕事)は約40日で工程を組まれています。
住宅上棟後、悪天候が続くと木工事が遅れてしまい全体の工程に大きく影響が出てきてしまします。
その為、遅れた工期を間に合わすために焦りなどから雑な作業となってしまって、傷や隙間などの多い物件になってしまう事となります。


4.引渡しの遅れ

現在住まれているのが賃貸の場合、早めに退去手続きをしてしまうと工期が遅れた場合にはリスクがありますので、未完成物件をご契約された場合には引越し日など余裕を持ったスケジュールを組むと良いでしょう。

また天気に左右される外構工事などは特に遅れる可能性があり、工事未了のままの状態でお引き渡しになるこもあり、駐車スペースが一時的に使えない場合も御座いますので注意が必要です。


5.基礎コンクリート

以前、雨天の中で基礎工事(コンクリートの打設)を行っていたけど強度は大丈夫なのか?と、ご質問を頂いた事が御座いますが
雨はコンクリートの乾燥を遅らせてくれるので、台風やゲリラ豪雨のような大雨の中の作業でもなければ問題ありません。

逆に真夏の快晴時や冬の乾燥した時にコンクリートを打設した場合、散水作業を行わないと硬化が早まってしまいクラックなどの原因となってしまいます。

以上5つがこの時期に着工した物件の注意点となります。


上記を踏まえて
今回は、ヤマダ―ホームズと誠賀建設の住宅診断(建物診断)を行いましたので、その様子をご紹介します。


ヤマダホームズ(小平市)の住宅診断

各画像はクリック/タップで拡大します
ヤマダホームズ(小平市)の新築一戸建 内装
ヤマダホームズ(小平市)の新築-内装

最近は、ヤマダ電気の店舗でも家電に併せた家具の展示・販売をおこなっていますが、こちらの物件も内装に併せた家具が置かれていました。
家具が置かれていると、購入後の生活がイメージしやすくなりますね。
※家具・家電付き物件ではありません


小屋裏(天井裏)の断熱材

発砲硬質ウレタンの断熱材(株式会社日本アクア:アクアフォーム)が使用されており、グラスウールよりも住宅の気密性が上がります。
梅雨時期ですが、もちろん雨漏り等の形跡などはありませんでした。

断熱材:アクアフォームとは?
日本アクア-ロゴ
参考:株式会社日本アクア
断熱性能の高さはもちろん、発泡することにより現場の形状にぴったりと密着するため、 気密性の高い施工を実現。 自己接着力により末永く断熱性能を維持します。 株式会社日本アクア「現場発泡断熱材No.1 アクアフォーム」より引用

ビスピッチの点検

ネオジム磁石を使用して、ビスピッチの確認をおこないました。
若干バラ付きがありますが、おおよそ15㎝間隔と問題の無い間隔で施工されており、
上記3の『工期の遅れによる施工不良』 に該当するような雑な作業も見当たりませんでした。



誠賀建設(立川市)の住宅診断

誠賀建設(立川市)の新築一戸建て-2階リビング
誠賀建設(立川市)の新築-2階リビング

2階にリビングがある物件です。
吹抜けとあわせて、開放感のある快適な空間となっていました。


赤外線サーモグラフィーでの診断

赤外線サーモグラフィーを使って、断熱材の充填状態を確認します。
きちんと充填されていない部分があれば、その部分の温度変化が可視化されます。
今回の物件は正しく充填されているようです。 また、上記2の『ベランダのFRP防水』 に絡んで、壁内に雨水浸入があれば青く表示されます。



電磁波の測定

近隣に高圧線などは無く、電磁波は検出されませんでした。

電磁波の身体絵の影響に関しては色々な意見があり、どれが正確なのかハッキリと断言できない部分もあります。
しかしゼロシステムズでは、以前の記事でも書きましたが、高い電磁波が検出された場合は購入を見送るようアドバイスしています。


床下の診断

床下の通気やコンクリートのひび割れ(クラック)確認をします。
上記1『床下』 で解説しているような水溜まりも無く、
上記5『基礎コンクリート』に該当するひび割もありませんでした。


その他の設備

シャッターや格子が無いところには防犯合わせガラスが使用されてたり、コンセントの口数が多かったりと設備が充実した物件でした。



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