第2次ウッドショック始まる。
中古が新築より高い珍現象。価格高騰いつまで続く?
不動産市場の見通し
第2次ウッドショック始まる。
中古が新築より高い珍現象。
価格高騰いつまで続く?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第403-1回目 (2022年4月14日放送分 後半)となります。
今回の話題
不動産市場の見通し
第2次ウッドショック始まる。
中古が新築より高い珍現象。
価格高騰いつまで続く?
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
質問:現状では、新築と中古どちらが良いか
ラジオリスナー様からの質問
ラジオ番組に届いた質問に回答していきます。
新築一戸建てを探していましたが、最近は、新築物件が、あまり出てこないので、中古物件も含めて探すことにしました。
でも、中古も値段が上がっていて、新築との価格差は、殆どないような感じがします。
去年と比べて、物件価格が上昇しているのを実感しています。
このままでは、待てば待つほど物件価格が高くなりそうで心配です。
希望エリアで、新築物件が出て来るまで待つのと、妥協して少し早めに、中古を買うのでは、どちらがいいでしょうか?
ブラックバード さん からの質問
ブラックバード さん、ご質問ありがとう御座います。
確かに、最近は、ブラックバードさんのように、新築一戸建ての販売数が少ないから、妥協して中古を購入する。という人が増えてきました。
新築一戸建が品薄になっています
ウッドショックと半導体不足による影響
新築一戸建が品薄になっている理由は、木材不足(いわゆるウッドショック)と、半導体不足による給湯器などの設備機器不足です。
ロシアからの木材輸入がストップ
ロシアへの経済制裁の関係で、現在、ロシアからの木材の輸入がストップしています。
その影響で、多くの建築現場では建材の入荷が遅れて、多くのエリアで新築物件の販売件数が減っている状況です。
そうなると、ブラックバードさんと同じように「新築が少ないなら、中古を探そう。」という人が多くなります。
そのため、新築だけでなく中古の価格も上昇する。という理屈です。
グラフでみる新築と中古の平均価格
首都圏の『新築一戸建て』と『中古一戸建て』平均価格
首都圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)の『新築一戸建て』と『中古一戸建て』の平均価格を比べたグラフです。
中古一戸建ては、平均築年数おおよそ20年前後となります。
- 2020年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 3,788万円
- 中古一戸建ての平均価格は 3,337万円
- 2022年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 4,166万円
- 中古一戸建ての平均価格は 3,798万円
東京都内の『新築一戸建て』と『中古一戸建て』平均価格
次は、東京都内の一戸建ての平均価格を比べてみます。
- 2020年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 4,531万円
- 中古一戸建ての平均価格は 5,388万円
- 2022年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 5,031万円
- 中古一戸建ての平均価格は 6,121万円
新築よりも中古の方が 1,000万円以上高くなっています。
23区内の『新築一戸建て』と『中古一戸建て』平均価格
今度は、23区内に絞って比べてみます。
- 2020年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 5,800万円
- 中古一戸建ての平均価格は 8,825万円
- 2022年3月
- 新築一戸建ての平均価格は 7,629万円となり、2020年よりも32%も価格高騰しています。
- 中古一戸建ての平均価格は 1億68万円となり、1億円オーバーです。
地価が中古一戸建ての価格高騰に影響
土地の値段が平均価格を押し上げている
なぜ新築よりも中古の方が高いのか?
それは都心の地価が高額だからです。
例えば、坪単価500万円オーバーのような地価が高いエリアでは、土地面積が70坪の中古一戸建てが売りに出されると、土地だけで3億5千万円となります。
5,000,000 × 70 = 350,000,000
そのようなエリアは、中古一戸建ての平均価格を押し上げてしまいます。
中古一戸建ての値付けが割高にされている
新築一戸建ての在庫が少ないこのご時世では、
「少し高く出しても、売れるかもしれない。」
と、中古の査定を割高に値付けする不動産会社が増えてきます。
そのため、中には、新築よりも高い中古が売りに出る事もあります。
現在の中古一戸建ては高すぎる
当然、不動産の価格は、需要と供給のバランスで決まります。
市場に流通する物件数が少なければ、価格が高くなるのは、当然と言えます。
ただ、今の中古一戸建ては、新築との価格差が小さく、高すぎると物件が多いと感じます。
焦らずじっくりと探すべき
新築一戸建てを買うなら焦らずに
ブラックバードさんのご質問は、
「希望エリアで、新築が出て来るまで待つのと、妥協して、早めに中古を買うのでは、どちらがいいか?」
ということでした。
焦って妥協すると後悔する
妥協して中古を選ぶのであれば、焦らずじっくりと、第一希望の新築を探して購入した方が良いです。
よく不動産会社の営業マンは「100%希望条件を満たす家なんて無いから、妥協が必要ですよ。」と言います。
しかし、焦って決めて妥協点が多すぎると、購入した後に後悔する気持ちが大きくなってしまいます。
新築一戸建ては補助金などの恩恵を受けられる
また、立地条件、建物のグレードや、築年数にもよって異なりますが、中古よりも新築を購入した方が、手厚い恩恵を受けやすい状況です。
例えば、住宅ローン控除、不動産取得税、固定資産税、登録免許税などの各減税制度、こどもみらい住宅支援事業の補助金制度などがあります。
最大100万円の補助金が受けられる↓
最大100万円の補助金が受けられる『こどもみらい住宅支援事業』
中古一戸建てを選ぶときのポイント
中古一戸建てを選ぶときのポイントは、新築との価格差です。
新築より2~3割以上安くないとお得感は無い
中古一戸建てを購入する場合は、購入後のリフォーム費用負担、引渡し後の保証の短さなど、先々の修繕費用の差を考えると、新築よりも2~3割以上安くないと、お得感は無いかと思います。