【ハザードマップ】検討中の物件が浸水想定エリア内
~どう判断すれば良いか?~
【ハザードマップ】検討中の物件が浸水想定エリア内
~ どう判断すれば良いか? ~
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第426-2回目 (2022年9月22日放送分 後半)となります。
今回の話題
検討中の物件が浸水想定エリア内
~どう判断すれば良いか?~
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
教えて!不動産の知恵袋!
田中せんせい!後半はどんなお話を頂けるのでしょうか?
先週、番組で火災保険のお話をしたときに、
「ハザードマップは必ず確認しましょう。」
と言ったところ
「うちは、市全体が浸水想定エリアの場合は、どうしたらいいですか?」とか
「子供の学区域は、全て浸水想定エリアに入っている場合は、どう判断したら良いか?」など
リスナーさんから、たくさんご質問を頂きましたので、今回は、ハザードマップについてお話させて頂きます。
このお話を聞いた後に、先週の火災保険の動画をご覧頂ければ、より理解しやすいかと思います。
火災保険を解説したページはこちら
【火災保険】2022年10月から大幅改定~住宅購入時の火災保険と地震保険の変更点を解説~
【火災保険】いくらの火災保険に入ればいいか?~保険料節約術と保険選びのポイントと注意点~
ハザードマップのお話ですね!いいですね~。
田中せんせい!
ぜひ、お願いします。
ハザードマップを見ながら内覧すれば安心
私どもゼロシステムズでは、物件を内覧・見学するときには、必ず、あらかじめハザードマップを調べてプリントアウトして、物件資料と一緒に現地に持参しています。
ハザードマップを見ながら物件を見学できるのは安心ですね。
その地域のリスクを知っておく
国土交通省のハザードマップポータルサイトを活用する
その地域のリスクを知っておくことは、いざというときに命と財産を守れますので大切だと思います。
国土交通省のハザードマップポータルサイト で簡単に物件周辺の災害リスクを調べることができます。
現在のハザードマップの精度はあなどれません。
過去には、ハザードマップが想定した被害とほぼ同じ被害が実際に発生したケースが多くあります。
もし、検討中の物件がハザードマップのエリア内に入っているのであれば、本来なら購入を避けた方が無難といえます。
確かにそうですよね。
水害リスクよりも利便性を優先する人の方が多い
そうなんですけどね・・・。
しかし、国交省の重なるハザードマップで調べてみると関東地方の多くのエリアでは、浸水想定区域に入ってしまっています。
さらに、よく見ると分かりますが、東京23区や横浜、川崎、川口市などでは、ハザードマップでは、ほぼ浸水想定エリアになっています。
水害ハザードマップ-東京周辺
確かに住みたい街大賞に選ばれた武蔵小杉や川口駅周辺なんかも真っ赤ですね。
マンションを建てる会社は、ハザードマップ見てないんですか?
利便性と収益性のみで分譲地を選定
見ていないという訳ではないのですが・・・。
よく、ユーザーの方から、
「新築一戸建てやマンションのデベロッパーは、ハザードマップを考慮して土地を仕入れていないのですか?」
と質問されます。
実は殆どのデベロッパーは、ハザードマップで浸水想定区域であっても土地を仕入れて分譲しています。
あくまでも、利便性と収益性のみで分譲地を選定しています。
水害ハザードマップ-武蔵小杉周辺
確かに、ハザードマップを考慮していたら湾岸でタワマンなんか建てられませんよね・・・。
2019年 台風19号の被害を伝えるニュース
武蔵小杉は再び価格高騰
そうですよね。
そのため、浸水想定エリアであっても、開発が進みタワマンが乱立しています。
2019年10月の台風19号では、武蔵小杉でタワマンが冠水して、しばらく停電した災害がありました。
このエリアのタワマンは、それから数ヶ月間は、中古マンションとしての価値が下がりました。
しかし、3年経った今では、当時以上の値段に価格が高騰しています。
水害などの自然災害の被害は、数年経つと、みんな記憶から薄れて、水害リスクに関係なく利便性が良い場所は人が集まり不動産価格が高くなります。
まさに『喉元過ぎれば熱さを忘れる』ですね!
ハザードマップと人口密度の比較
ほんとですよね。
実際、国土地理院の人口集中地区の地図とハザードマップを比較すると、洪水リスクに関係なく人口が集中して人が住んでいることがわかります。
現状、不動産の価値を考えるときには、水害リスクよりも利便性を優先する人の方が多いのが実情です。
ただ、「そういうところでも、物件を探さなければならない・・・。」という事情も理解できます。
そうなんですか?
そうなんです。
ハザードマップの浸水エリア内であっても、
例えば
・子供の学区域で物件を探している。
・昔から住んでいて顔なじみが多く、その場所を離れられない。
などという人は結構多いんですよ。
ハザードマップを見ると分かりますが、
例えば、戸田市、蕨市、川口市などでは、浸水想定エリアでない物件を探す方が逆に難しいことが分かります。
水害ハザードマップ-戸田-蕨-川口
確かに、市内ほとんどが浸水想定エリアですね。
そうなると、ハザードマップのエリア内で、少しでも安心して購入する方法なんてあるのでしょうか?
ハザードマップエリア内物件の注意点
はい。
ここからはハザードマップのエリア内の物件を検討する時の注意点について解説します。
浸水の深さに注意
まず、ハザードマップを確認する際には、浸水の深さにも注意してください。
例えば、浸水想定が50㎝とは、大人の膝上くらいの高さです。
実はこのくらいですと、今の一般的な新築一戸建てでは、ギリギリ床上浸水する可能性は低いです。
そうなんですか?
近年の一戸建て-基礎高
はい。
今の新築一戸建ては基礎高が40cm以上あります。
その基礎の上に土台と床があり、宅盤(GL)から床までの高さは、50㎝以上あります。
さらに、宅盤(GL)は、道路よりも10㎝~15cmくらい高くなっているのが一般的です。
そうすると、道路から床上までは、おおよそ60cmくらいは高さになります。
浸水想定50㎝の地域では、ハザードマップ通りであれば、床上浸水する可能性は低いと言えます。
浸水想定50㎝未満であれば、大丈夫ということなんですね。
都心部の狭小住宅や3階建ての物件は注意
半地下形状の基礎仕様
全ての物件が大丈夫ということではありません。
特に、都心部の狭小住宅や3階建ての物件は注意が必要です。
一部の物件では、高さ制限などの建築規制を回避するために、半地下形状の基礎仕様で建築している物件があります。
また、ハザードマップで少しでも浸水の可能性があるエリアでは、半地下形状の物件は購入すべきではありません。
このような物件では、ちょっと道路冠水しただけですぐに床上浸水する可能性があります。
道路と宅盤の高さが同じであったり、外から見て、宅盤からの基礎の立上り部分が極端に低い物件の場合は注意が必要です。
このような基礎仕様では、宅盤から室内床面までの高さが低いので床上浸水になりやすい構造の建築物と言えます。
半地下浸水リスクのニュース
なるほど。
どうしても、そのような物件を購入するという場合は、火災保険の水災オプションに入ることは必須です。
水災オプションに入れば、万一、床上浸水になった場合でも、修理費用が保険金としておりますので金銭面で心強いです。
保険は大事よね。
浸水想定毎の対応方法
避難対応の目安
浸水想定が0.5m~3mでは1階がほぼ浸水
次に、浸水想定が0.5m~3mでは、万一の際は1階がほぼ浸水します。
もし、台風が近づいてきて洪水の可能性がある場合は、このような物件では垂直非難をする必要があります。
垂直避難とは、ご自身の家の2階以上に、避難することです。
このようなエリアの物件では、大切な財産は、予め2階以上に置いておいた方が良さそうですね。
浸水想定5m以上になると2階も浸水
次に、浸水想定5m以上になると、万一の際は、2階部分もほぼ浸水します。
もし、台風が近づいてきたら、命を守るために避難所に避難する必要があります。
そのため、このような物件を購入するときには、避難所の場所もチェックしておく必要があります。
地域の避難所や防災も大切よね。
その通りです。
まとめ:浸水想定エリアに該当していた場合
まとめますと、ハザードマップの浸水想定エリアに該当していた場合は、
- ① 宅盤と基礎高の高さを確認する。
- ② 宅盤が道路面よりも10cm以上高く、基礎高が宅盤よりも40㎝以上高ければ、0~50㎝程度の浸水想定エリアであれば、床上浸水の可能性は低い。
- ③ 浸水想定0.5m~3mであれば、万一の際には、2階以上への垂直非難で対応する。
- ④ 浸水想定3m以上であれば、万一の際には、避難所へ避難する必要があるので、予め避難所の場所も確認しておく。
今後は、地球温暖化の影響で、自然災害が増加することが予測されています。
住宅を購入する時には、利便性だけでなく、災害リスクを考慮する必要があります。
そのため、これから住宅を購入する人は、金銭的なバックアップとして、火災保険の水災オプションで備えておくことも大切です。
国交省のハザードマップ はとても便利です。
ぜひ今後の住まい探しで活用してください。
後半は以上とさせて頂きます。
田中せんせい
今回もありがとう御座いました。
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