【建売住宅】即日契約はトラブルの原因
~契約書と重要事項は事前確認が大切~
【建売住宅】即日契約はトラブルの原因
契約書と重要事項は事前確認が大切
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第447-2回目 (2023年2月23日放送分 後半)となります。
今回の話題
【建売住宅】即日契約はトラブルの原因
契約書と重要事項は事前確認が大切
内覧した当日(もしくは翌日)に契約した場合のリスク
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは。
今回はフジコさんがお休みのため、本日は、私サッシーが番組MCを担当させて頂いております。
田中先生、後半も引き続き宜しくお願い致します。
早速ですが、田中先生。
後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?
後半は、
『内覧した当日、もしくは、翌日に契約した場合のトラブルリスク』というテーマでお話ししていきます。
これから家を買おうとしている人にとっては、興味深いお話ですね。
そう思います。
リスナー様からのご質問
早速ですが、サッシー。
リスナーさんからご質問を頂いているのでご紹介をお願いします。
はい!
ラジオネーム『匿名希望さん』からのご質問です。
■なぜ契約を急かすのでしょうか?
田中先生こんにちは。
いつも勉強させて頂いております。
はじめて質問させて頂きます。
私は、先週、新築一戸建てを内覧しました。
家族ともども気に入って買いたい気持ちになりました。
私の仕事の関係で、会社の許可を取り付けてから契約しなければならないので、不動産会社の営業マンに、
「1週間時間が欲しい。」
とお願いしたところ
「物件を気に入ってもらえたら、すぐにATMで手付金をおろして今日明日中に契約してもらってます。皆さんそうしていますよ。」
と言われてしまい、ビックリしました。
本当に、皆さん、そんなに早く契約しているのですか?
なぜ、不動産会社は、すぐに契約しろと急かすのでしょうか?
かなり心配です。
ラジオネーム『匿名希望さん』からのご質問
ラジオネーム匿名希望さんご質問有難うございます。
ずいぶん、契約を急かす不動産屋さんなんですね。
人気エリアの物件は、すぐに売れてしまうので、不動産会社の営業マンは、自分の売上げにするために、契約を急かす人も多いんですよ。
それにしても、強引ですよね。
そうですね。
家を買うのに職場の許可が必要になる職業もある
匿名希望さんの職業は分かりませんが、例えば、警視庁勤務の人などは、家を買う前には、職場(上司)の許可が必要になるんですよ。
そうなんですか!?
■警視庁勤務の方の場合
そうなんです。
契約する前に
- ・物件が、山手線沿線から1時間以内に通勤できるか?
- ・物件の近くに反社の事務所がないか?
- ・住宅ローンの返済比率に無理がないか?
上司がチェックして、許可がでないと契約できないんです。
いつもお話ししていると、具体的な職業を隠していても、何となく分かってしまうんですよ。
なるほど。
警視庁の方の住宅ローンについてはこちら↓
警視庁職員信用組合( けいしん )の住宅ローン
即日の契約はお薦めできません
お話を戻しますが・・・
『今日内覧し、当日もしくは翌日の契約』
というような、タイトなスケジュールは、絶対にお薦めできません。
なお、ゼロシステムズでは、契約する前には、専門家による住宅診断と物件調査を実施しますので、内覧当日や翌日には契約しません。
そうですよね。
『即日』ということは、営業マン自身も調査しないで契約するという事でしょうから、怖いですよね。
不動産売買契約の流れを解説
そもそも『不動産売買契約』とは、どのような事なのか説明します。
- 1.宅建業者の事務所で契約しなければならない
- 2.宅建士による重要事項説明が必須
- 3.売買契約書を締結する
- 4.手付金を売主に支払う
順番にご説明しますね。
① 宅建業者の事務所で契約しなければならない
不動産は高額な商品ですので、悪徳な業者による訪問販売を防ぐために、
『宅建業者の事務所で契約しなければならない。』
ということが、宅建業法で定められています。
ただし、ユーザー側の要望により契約場所を自宅で希望した場合は、この限りではありません。
② 宅建士による重要事項説明
不動産の情報は専門的ですので、後々のトラブルとならないように
『契約前に宅建士が重要事項説明書を説明しなければならない。』
ということが宅建業法で義務づけられています。
③ 売買契約書を締結する
これは読んで字のごとく、『売買契約書に署名押印する』ということです。
④ 手付金を売主に支払う
一般に、新築の建売住宅では、手付金100万円前後で契約することが多いです。
これらのプロセスを経て、売買契約が成立した後に、例えば・・・
- ・転勤
- ・新たな借金
- ・気が変わった
買主ユーザー側の理由で契約をやめたいとなった場合は、支払った手付金が、戻って来ない事になります。
それはもったいないですよね。
手付金は現金で支払うのですか?
基本的にはそうです。
ですが、最近の実務では、手付金を契約時に現金で売主に支払うのではなく、予め振込で行なうことも増えてきました。
契約前に事前に振り込む手付金は、厳密にいうと、『手付金』ではなく『申込金』という扱いになります。
事前に振込んだ『申込金』は、売買契約書に署名押印をした時点で、『手付金』になります。
そのため、事前に『申込金』を支払っても、売買契約書に署名押印をしなければ、『手付金』ではありません。
『申込金』は、キャンセルしたら戻ってくるお金となります。
そうなんですね。
『手付金』・・・買主都合でキャンセルした場合、戻ってきません。
『申込金』・・・売買契約書に署名押印しなければ『手付金』ではありません。キャンセルした場合は返金されます
不動産売買契約書のチェックポイントを解説↓
不動産売買契約書のチェックポイントを解説 ~予め理解を深めておくことで緊張や不安を解消
内覧から2日以内に契約した人からのトラブル相談が多い
不動産の売買契約と手付金の定義を理解して頂いたところで、
本題の『内覧した当日や翌日に契約しても大丈夫か?』
という事についてお話します。
まず、何度も言いますが、内覧した当日や翌日に契約するということは、お薦めできません。
■ 内覧から契約までの期間別トラブル発生率
内覧から契約までの期間別トラブル発生率 *ゼロシステムズ調べ
私の方では、他社で契約したユーザーからの不動産売買に関するトラブル相談についてもお受けしています。
不動産売買に関するトラブルを相談してきたユーザーの多くは、物件見学してから契約までの期間が2日以内というアンケート結果が出ています。
物件見学して2日以内に焦って契約する人は、何らかのトラブルに見舞われる事が多いということです。
焦って契約するというのは、嫌な予感しかしませんよね。
まさにそうですね。
おすすめできない理由3つのリスク
内覧当日または翌日に焦って契約するということは、買主ユーザーにとって、大きく分けて3つのリスクがあると考えられます。
『3つのリスク』
是非お聞かせください。
承知しました。
① 急ぎすぎるため、物件や書類の理解が不十分になる可能性がある。
内覧当日や翌日に契約するということは、時間がないために契約書類や重要事項説明書の内容を理解できずに契約してしまう可能性があるということです。
このリスク対策としては、契約前には、事前に売買契約書や重要事項説明書などのデータを送ってもらい、目を通しておく必要があります。
特に、近年の重要事項説明書の特記事項は非常に細かく、契約当日に初めて読まれても全てを完璧に理解することは困難です。
そのため、事前に書類データを送ってもらい、目を通して、不明な点などは予めチェックして、質問事項をまとめておくことが非常に大切になります。
事前に書類は見ておきたいですね。
そうです。
事前に目を通しておけば、契約当日の理解度が各段に違いますので非常に大切です。
② 契約前の物件チェック不足による問題が起こる可能性がある。
内覧当日や翌日に契約する場合、十分な時間をかけて物件をチェックすることができません。
例えば、建物の欠陥や隠れた問題などについて、十分な確認ができていない場合、後でトラブルとなる可能性があります。
また、道路権利関係、埋設管、越境物などの問題は、契約前に事前に物件調査をしなければ、見落とす可能性があります。
このリスク対策として、契約前には、専門家による住宅診断や物件調査をしてもらう事が非常に大切です。
素人には、何が正しいか?何が問題か?
情報だけ説明されても判断できないです。
専門家に調査してもらった方が安心ですよね。
そのとおりです。
ゼロシステムズでは、専門家が、契約前に住宅診断や物件調査を実施して、事前にご報告しますので安心です。
そのようなプロセスは非常に大切だと思います。
なるほど。
③ 家族の合意を得る時間が不十分な可能性がある。
ご自身が『買いたい』という気持ちになっても、家族の合意を得るのに時間がかかる場合があります。
例えば、夫婦のどちらかが煮え切らない状態で、焦って契約してしまうと、契約後に『やっぱりこの家は嫌だ』というトラブルになることがあります。
このリスク対策として、契約前には、家族でしっかり話し合い、納得するまで時間を設けることが大切です。
なるほど。
確かに内覧当日に契約するのは、トラブルの原因になりそうですね。
まとめ:焦って契約する事は買主にとってリスクが大きい
今日のまとめとしますと、
『内覧当日や翌日に焦って契約する事は、買主ユーザーにとってリスクが大きい』と言うことです。
急ぎすぎるため
- ・書類の内容を完全に理解できないまま契約してしまう可能性があります。
- ・契約前の物件チェック不足による問題や、家族の合意を得る時間が不十分になる可能性もあります。
従って、契約前には、住宅診断や物件調査を実施するだけでなく、あらかじめ重要事項説明書や売買契約書にも目を通して、しっかり検討することが望ましいと言えます。
田中せんせい、今回もありがとうございました!
不動産せんせい田中の『教えて不動産の知恵袋』
次回もお楽しみに!
【建売住宅】即日契約はトラブルの原因
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