【不動産市場】今後どうなる?住宅価格は値下がりするのか?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第464-1回目 (2023年7月20日放送分 前半)となります。
今回の話題
今後どうなる?住宅価格は値下がりするのか?
今回のテーマ『どうなる?不動産市場 物件価格は値上がりするのか?』
本日は
『どうなる?不動産市場。
今後、物件価格は値上りするのか?』
というテーマでお話していきます。
質問:今後、新築一戸建ては値下がりするでしょうか?
それではフジコさん。
今回のテーマに関連したご質問を頂いているので、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:イータさんからのご質問です。
リスナー様からの質問
田中先生。フジコさんこんにちは。
いつもラジオ番組で勉強させてもらっています。
私は、仕事で1年の半分くらいをアメリカで生活していますが、そろそろ日本で家を買って落ち着いて生活する予定です。
住むなら関東の郊外でゆとりのある新築一戸建てを田中先生のゼロシステムズで購入したいと考えています。
そこでひとつ質問させてください。
今、日本では、物件価格が値上りしているようですが、今後、新築一戸建ては値下がりするでしょうか?
住宅ローン金利や不動産市場を考慮すると、いつのタイミングで購入すれば良いか悩んでいます。
ぜひ、番組で取り上げて頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします!
ラジオネーム:イータさんからのご質問
ラジオネーム:イータさん。
ご質問ありがとうございます。
新築の建築費は上昇し続ける
田中先生、どうなんでしょう?
物件価格は値上りするのでしょうか?
そうですよね。
これから家を購入しようと検討している人は、
『不動産の価格が値上りするのか?値下がりするのか?』
については、とても気になることですよね。
今後、値上りしていくのであれば、今のうち購入した方が得策ですし、
逆に、値下がりするのであれば、今は買わずに我慢して、値下りしてから購入した方が得策だと思います。
そうですね。
どうなんでしょう?
まず、一戸建て/マンションに限らず、日本国内の新築の建築費は、これからも上昇し続けることが予想できます。
建築費が上昇し続ける3つの理由
なぜ、建築費が上昇し続けるのでしょうか?
理由は大きく3つあります。
- 1.人材不足
- 2.インフレによる建築コストの高騰
- 3.低金利の持続による物件価格の高止まり
人材不足による建築コストの高騰
まずは、人材不足による建築コストの高騰について説明します。
こちらのグラフをご覧ください。
■生産年齢人口の減少
画像引用:総務省 – 生産年齢人口の減少
こちらは、総務省が公表している生産年齢人口の減少についてのデータです。
生産年齢人口とは、15歳から64歳までの年齢、要するに、働き盛りの人達の人口のことです。
少子高齢化の進行により、この生産年齢人口(15~64歳)は1995年をピークに減少しています。
グラフで言うと赤色部分です。
2050年には、生産年齢人口は 5,275万人(2021年から29.2%減)に減少すると見込まれています。
生産年齢人口の減少により、労働力の不足、国内需要の減少による経済規模の縮小など様々な社会的・経済的課題の深刻化が懸念されています。
建築現場では、この働き盛りの年齢層、生産年齢人口が少ないと、人手不足となり、人件費が高くなり建築コストに影響します。
このグラフをご覧いただくと分かりますが、現在既に、総人口が減少しているだけでなく、この生産人口も大幅に少なくなっています。
フジコさん、次にこちらの記事をご紹介いただけますか?
こちらですね。
2023年6月28日付の日本経済新聞の『人口と世界』という、取材班座談会の記事です。
人口減の世界 日本は「2040年に1,100万人労働力不足」人類は今世紀中に減り始め、もう増えることはない――。
人口学者はそう予測する。
人口爆発を前提に成長してきた現代文明は転換期にある。
2040年となると・・・今から17年後には 1,100万人も労働力不足になるんですね。
そうなんです。
この記事は面白かったですので、ぜひ、皆さまも日本経済新聞で本文を読んでみてください。
簡単にお話すると、日本だけでなく、『世界の人類は今世紀中に人口が減り始めて、もう増えることはない。』と、人口学者は予測しているということです。
人口爆発を前提に成長してきた現代文明は、現在、転換期にあるという内容です。
記事としては、不動産市場とは関係のない内容でしたが、先程からお話している人口減少による労働力不足について書かれています。
現在、政府は、人口減少克服に向けた取り組みを開始しました。
これは、とても、良いことだと思います。
しかし、成果が表れるのは、20年後、30年後となります。
少なくとも後15年~20年は、生産人口の増加は見込めません。
従って、建築現場における人材不足は、解消できないため、人材不足が原因による建築コストの値上りは、今後も続くと予想できます。
インフレによる建築コストの高騰
次に、インフレによる建築コストの高騰についてです。
現在、日本はデフレからインフレへの転換期です。
しかし、今のインフレは、景気が良くなって、商品がたくさん売れてモノ不足だから、値段が高くなっているのではなく、コストプッシュ型のインフレの影響で物価が高くなっています。
要するに、輸入コストが増大して物価が高くなっているという、我々日本国民にとっては、あまり好ましくないインフレです。
日本では、住宅を建築する材料の殆どを輸入に頼っています。
現在、海外では、日本よりもインフレが進んでいます。
日本よりもインフレが進んでいるということは、輸入品の価格が高くなります。
建築に必要な資材も値上がりして、それが、回りまわって、建築コスト全体の高騰につながります。
具体的には、木材の価格が値上りしています。
昨年、ウッドショックという言葉が出てきたように、木材価格が値上りしました。
今は、値上りは落ち着いてきましたが、高値安定が続いています。
石油やガスなどのエネルギー価格も値上がりしています。
エネルギー価格が値上りすると、輸入だけでなく、国内で輸送するためのコストも値上りします。
電気料金、ガス料金も値上がりして、建築資材の加工コストも値上りします。
その結果として、現在、日本では、物価が上昇しています。
現在の日本は、90年代バブル期のような国力はありません。
そのため、長い目で見ると円安になることが予想できるので、原材料費の値上りによる建築コストの増大は今後も進むことになります。
低金利の持続による物件価格の高止まり
次に、低金利の持続による物件価格の高止まりについて解説します。
まず、物価上昇と賃金上昇が持続的に進まなければ、日銀は利上げすることができません。
前回の春闘では、賃金上昇したとニュースで話題になりました。
しかし、これは、コストプッシュ型のインフレ対策で、あくまでも一時的な賃金上昇です。
フジコさん、また、ニュース記事を読んで頂けますか?
承知しました。
2023年7月18日付のウォールストリートジャーナルの記事ですね。
米賃金の伸び、2年ぶりにインフレ上回る米国民の賃金の伸びが2年ぶりにインフレ率を上回った。
このことは労働者に家計面で安心感を与える一方、米連邦準備制度理事会(FRB)の物価上昇抑制の取り組みを難しくしている。労働省によると、インフレ調整後の平均時給は6月に前年同月比1.2%上昇した。
歴史的な高い伸びが物価高で帳消しにされる状況が2年間続いていたが、その後、季節調整済みで2カ月連続の上昇を記録した。この傾向が続けば、米国人に消費拡大を通じて経済を動かす余裕が生まれ、米国がリセッション(景気後退)を回避する一助となる可能性がある。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)の調査対象となったエコノミストたちは、向こう12カ月間にリセッションが始まる確率について、今年示していた予想を下方修正した。
フジコさん、ありがとうございます。
リセッションとは景気後退のことです。
今、アメリカは景気が良すぎるので利上げをしています。
ですが、このまま利上げを続けていると、景気が後退するのでは?
と予想されていました。
しかし、意外と後退しないのではないか?
という意見も出てきているということです。
日本でも、アメリカのように物価が上昇して、賃金上昇の伸びがインフレを上回れば、持続的に景気が良くなったとして日銀は利上げをおこない、住宅ローンの変動金利を上昇させることができます。
住宅ローン金利が上昇すると、同じ返済額でも、借入出来る金額が少なくなります。
要するに、金利が低ければ高い物件に手が届くけど、金利が高くなると手が届かなくなるということです。
金利上昇の結果として、物件価格の上昇を抑制する効果があります。
しかし、今の日本は、人口減少、コストプッシュ型のインフレなど、景気が良くなる要素が見当たりません。
ですので日銀は利上げすることが出来ません。
従って、変動金利は今後も上昇できないので、物件価格は値下がりし難い状況が続くことになります。
まとめ:物件価格が高止まりになる
今回のお話をまとめますと
- 1.人材不足
- 2.インフレによる建築コストの高騰
- 3.低金利の持続
物件価格が高止まりになるので、値下がりし難い状況が続きます。
しかし、人口減少が続くと・・・
- ・地方の郊外など人口が少ないエリアでは空家が増えて、価値のない物件が増加する傾向にあります。
- ・地方でも利便性が良いエリア、都心に近いエリアでは、価値が維持される可能性が高いと言えます。
それ以上に、日本円というお金の価値自体が薄まる可能性があります。
長い目で見ると価値は低下しても、表面価格は高くなる可能性があると言えます。
なるほど。
そういうことなんですね。
そうですね。
物件価格は下りにくいし、金利は上がり難い状況がまだまだ続くということです。
今回も勉強になりました!
田中先生、ありがとう御座いました。
FM鴻巣フラワーラジオ『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
番組後半も宜しくお願いします。
【不動産市場】今後どうなる?住宅価格は値下がりするのか?
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