不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第471-1回目 (2023年9月14日放送分 前半)となります。
今回の話題
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方
今回のテーマ『人口減少しても、不動産価値が下がり難いエリアの見極め方』
伊藤さん。
よろしくお願いします。
早速ですが、今回はどんなお話をいただけるのでしょうか?
今回は、住宅の購入を検討している人のために
『人口減少しても、不動産価値が下がり難いエリアの見極め方』
についてお話ししていきます。
質問:どういう物件を買えば価値が下がらないか知りたい。
これから家を買う人にとっては、とても気になる重要なポイントですよね。
まずは、リスナーさんから、今回のテーマに関連した質問を頂いていますので、ご紹介しますね。
ラジオネーム:キンプリ さんからのご質問です。
■リスナー様からの質問
田中先生こんにちは。
いつも楽しく勉強させてもらってます。
今住んでいるアパートが手狭なので、マイホームの購入を検討しています。
だけど、これから人口が減ると、住宅需要が減少して、価値が下がってしまいますよね。
どういう物件を買えば価値が下がらないとか教えてもらえると嬉しいです。
田中先生や、視聴者さんからの意見をお聴きしたいです。
よろしくお願いします。
ラジオネーム:キンプリ さんからのご質問
ラジオネーム:キンプリ さん。
ご質問ありがとうございます。
今後どのように人口減少が進むか解説
確かに、今後、人口減少が進みます。
これから家を買おうと考える人は、同じように心配している人は多いでしょう。
まず、今後どの程度、人口減少が進むかについて、総務省と国交省のデータを元にお話させて頂きますね。
以下をご覧ください。
引用:総務省-我が国における総人口の長期的推移(PDF 2ページ目)
こちらは『我が国における総人口の推移』というデータです。
このデータでは、今から約27年後の2050年には、9,515万人まで人口が減少しています。
現在と比べると、約25%も減少すると予測されています。
若年人口と働き盛りの生産年齢人口が占める割合は 約21%減少
高齢者人口は約20%増加
となっています。
今、1億2000万人いる人口が、27年後の2050年には9,500万人に減少。
その中で高齢者が40%を占める。
という世界になります。
私も伊藤さんも、そのころには、完全に高齢者の一人になっているということです。
なんだか考えるのは嫌ですよね。
そうですね・・・。
しかし、リスナーの皆さまも、今のご自身の年齢に27歳を足して、2050年を想像してみてください。
もし、現時点で30半ばを超えている人は、27年後には60歳を超えることになります。
そのため、このデータで示している、2050年というのは他人事ではないんですよ。
でも、そうなると人口が減少するのですから、住宅の需要は落ちこみますよね。
日本全体の不動産価値を平均化すると価値は下ることは事実です。
不動産の種類を価値で大きく分けると3つに分類されます。
- 1.価値が上がる物件
- 2.価値が持続される物件
- 3.価値が下がる物件
このように分けられます。
マスコミなどでは
- ・0か100か?
- ・白か黒か?
の、ような極端な話題が好きなので、
『人口が減少するから、日本全体の全ての不動産の価値が下がってしまう。』
ようなイメージで報道しています。
ですが、実際はそうではありません。
そうなんですか?
人口が減少すると、住宅需要が減少します。
しかし、日本全体で均等に人口が減るわけではありません。
従って、均等に住宅需要が減少するわけではありません。
『日本全体では人口が減ったとしても、中には、人口が減らないエリアもある。』ということです。
なるほど。
今後『無居住化』が進むエリアが増える
それでは、以下の資料の日本地図をご覧ください。
居住地域・無居住地域の推移
引用:総務省-我が国における総人口の長期的推移(PDF 4ページ目)
こちらは『居住地域・無居住地域の推移』というデータです。
緑色のドットで塗られている地域は、2050年まで『無居住化』すると予測されているエリアです。
無居住化とは、どういうことですか?
無居住化とは、現在、人が居住している地域や地点のうち、今後人が住まなくなっていく地点ということです。
■無居住化が加速するエリア
この予測データ(上記)では、北海道、中国地方、近畿地方で、無居住化が加速します。
■2050年 無居住化地域の割合
このデータでは
2050年までに人が居住している地域の約2割が無居住化する。
現在は国土の約5割に人が住んでいますが、これが4割にまで減少する。
このようなことがわかります。
そうなると、無居住化が予想されている緑色のエリアで家を買うと、田中先生が先程おっしゃっていた
『価値が下がる物件』
になる可能性が高いということですね。
さすが伊藤さん。
その通りです。
そのような物件は
- ・価値が下がる物件
- ・場合によっては無価値
- ・買い手がつかず、持っているだけで固定資産税や草刈などの維持費がかかるマイナス価値の物件
になる可能性もあります。
それでは、持家でなく賃貸の方が良さそうに思えますが・・・?
そんなことはないですよ。
そのような無価値やマイナス価値になるような物件を買わなければ良いのです。
これからその見極め方をお話していきます。
ぜひ、お願いします。
価値が下がり難いエリアの見極め方
それでは、価値が下がり難いエリアについて具体的に説明します。
結論から申し上げますと、
『居住誘導区域の物件を選べば価値が下がり難い。』
と言えます。
居住誘導区域の物件を選ぶべき
居住誘導区域とはなんですか?
人口が減少すると、行政も税収が減ってしまいます。
限られた税収の中で、今までどおり、道路や水道などの生活インフラを持続するには、多額のコストがかかります。
ぽつんと1軒屋のために道路や水道を整備するのは大変だから、できれば住んでくれるな・・・。
というイメージです。
なるほど。
そこで、国土交通省の以下の資料をご覧ください。
引用:国土交通省-都市計画運用指針における立地適正化計画に係る概要(PDF 5ページ目)
同じ市区町村内であっても
- ・人が住んで欲しいエリア
- ・人が住んで欲しくないエリア
という考え方です。
それを『居住誘導区域』と言います。
この資料の緑で大きく囲まれている部分が、皆さまが住んでいる市区町村全体だと思ってください。
その中でも、青色で囲われたエリアが、居住誘導区域となります。
青で囲われたエリアに、人口を集中させれば、市としても効率的で生活インフラを持続しやすいということですね。
その通りです。
そしてさらに、青色の中に赤色で囲われたエリアがありますよね。
はい。
ありますね。
そのエリアは『都市機能誘導区域』と言います。
医療、福祉、商業などの生活拠点を集約することにより、各種サービスの効率的な提供を図るエリアとなります。
■例:埼玉県鴻巣市の『都市機能誘導区域』
埼玉県 鴻巣市でいうと、エルミ鴻巣の駅ビルの中に商業施設だけでなく、市役所、保育園、図書館なども入っていますよね。
国交省の図と同じですね。
そうですね。
皆さまが住んでいる市区町村でも、この図と照らし合わせながら想像してみてください。
都市機能誘導区域エリア内なら更に有望
これから家を買うのであれば、居住誘導区域エリア内を選べば、価値が下がり難いと言えます。
さらに都市機能誘導区域エリア内であれば、その市区町村の中心拠点となるため、将来にわたって有望と言えます。
しかし、都市機能誘導区域は、駅から極めて近いエリアであることが多いため、首都圏では、ほぼマンションエリアとなります。
そこで一戸建てを買おうとしても予算的に厳しいと思います。
- ・新築一戸建てを買うのであれば、青色の居住誘導区域
- ・マンションを買おうというのであれば、赤色の都市機能誘導区域
を選べば良いでしょう。
一戸建てなら居住誘導区域
マンションなら都市機能誘導区域
覚えました!
とは言え、居住誘導区域内だからと言って、絶対に価値が下がらないという訳ではありません。
不動産の価値は、個別的な要素と需要と供給のバランスで決まります。
そうですよね。
やはり、日本全体で見ると、人口が減っているので、平均すると価値は薄まります。
しかし、
都市機能誘導区域を中心として居住誘導区域では、ある程度、人口密度が維持されるので、不動産の需要と価値が持続される可能性が高い。
という考え方です。
検討している物件が、居住誘導区域化どうかは、広告図面を見ればわかるのですか?
記載されていないことが多いので、わからないと思います。
そのため、これから家を買おうと検討している人は、不動産の営業マンに
「この物件は、居住誘導区域内ですか?」
と尋ねてみると良いかと思います。
その場では分からないかもしれませんが、ちゃんとした営業マンであれば、すぐに調べて回答してくれるはずです。
まとめ
本日のお話をまとめますと
- 1.今後、人口減少するから、日本全体では、不動産の需要は薄まって、平均すると価値も下落する。
- 2.無居住地域を買うと不動産の価値は無価値化する可能性が高い。
- 3.居住誘導区域内なら、将来、人口密度が持続され価値は下がり難い。
- 4.都市機能誘導区域内なら、都市の中心拠点になるので持続される可能性が高い。
なるほど。
とても勉強になりました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋。
後半も宜しくお願いします!
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
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