不動産の価値と値段は違う!インフレ時代は価値が下がっても値上りする!
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第471-2回目 (2023年9月14日放送分 後半)となります。
今回の話題
インフレ時代の不動産市場は、今後も値上がりし続けるのか?
今回のテーマ『インフレ時代の不動産市場は、今後も値上がりし続けるのか?』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは~。
引き続き、フジコさんに代わり、私、伊藤めぐみが番組MCをさせて頂きます。
後半もよろしくお願いします!
田中先生!
後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?
後半は
『インフレ時代の不動産市場は、今後も値上がりし続けるのか?』
というテーマでお話しします。
よろしくお願いします!
最近の物価上昇について
ところで、伊藤さん。
最近は物価が高いですよね。
そうなんですよ。
ガソリン代が高くて大変です。
画像引用:朝日新聞デジタル
ハイオクが200円を超えていましたよね。
燃料代が高すぎて、どこにも出かけられないですよ・・・。
田中先生。
今、物価はどれくらい上昇しているのですか?
はい。
それにはまず、総務省統計局から公表された、7月の『消費者物価指数』を見ます。
消費者物価指数の見かた
■総合指数
- 総合指数(CPI):前年同月比 3.3%上昇
- 生鮮食品を除く総合指数:前年同月比 3.1%上昇
- 生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数:前年同月比 4.3%上昇
このように上昇しています。
■物価の動き
上の総合指数の動きを見ると解るように、2020年の物価は緩やかに下落していました。
その当時まではデフレでした。
しかし、2022年からは物価が上昇し続けています。
本当ですね。
今は何もかも値上げされていますよね。
やはり、住宅価格も値上りしているのですか?
はい。
ここ2年くらいは、かなり値上りしています。
やっぱりそうなんですね!
今後も物件価格は値上がりし続けるのか?
マイホームを購入しようと検討している人が気になることは、
『今後も物件価格は値上りし続けるのか?』
ということだと思います。
今後、日本では人口が減少しますので、住宅需要が落ち込むことが予想できます。
そのため、日本全体の平均値で考えると、住宅需要は薄まって価値は下がります。
ただ、都市機能誘導区域内を中心とした居住誘導区域では、ある程度人口密度が維持されるので不動産の価値も持続されます。
都市機能誘導区域についてはこちら↓
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
質問:「価値が下がっても価格は下がらない。」の意味を知りたい
だけど、全体的に不動産の価値が下がると、物件価格は値下りしてしまうのではないでしょうか?
リスナーさんからも、私と似たようなご質問を頂いているので、ご回答お願いします。
はい。
もちろんです。
ラジオネーム:マル さん からのご質問です。
■リスナー様からのご質問
田中先生。こんにちは。
いつもYouTubeで視聴しています。
以前、田中先生は、
「不動産の価値が下がっても、お金の価値が薄まるから、物件価格は値下りしない。」
とおっしゃってましたが、ちょっと、言っている意味が理解できませんでした。
その辺をもう少し詳しくお話してもらえませんでしょうか?
ラジオネーム:マル さん からのご質問
ラジオネーム:マルさん。
ご質問ありがとうございます。
そうですよね。
確かに意味が分かりにくいですよね。
需要が薄まり価値は下がるが、価格は値上りする。
『人口減少で需要が薄まり不動産の価値は下りますが、物件の価格自体は値上りし続ける。』
と私は考えています。
価値が下がるのに、値上りするんですか!?
まず、物件の『価値』と『価格』は別物だと考えてください。
『インフレ』について経済学者の見解
1976年にノーベル経済学賞を受賞した『フリードマン』 という、20世紀後半の代表的な経済学者は、インフレについての見解を以下のように表現しました。
「インフレは、いつでもどこでも貨幣的な現象である。」
言い換えると、
『世界でお金を刷り過ぎた結果、お金の価値が薄まる現象』のことをインフレと言います。
そうなんですね。
ただ、ちょっと話が難しいです・・・。
要するに、今後、世界が資本主義経済を続けていくのであれば、緩やかなインフレでなければならないということなんです。
例えば、インフレ率2%を達成するということは、今まで1,000円で買えたものが、1年後には、1,020円となるということです。
なるほど。
インフレ率を計算する
これから35年の住宅ローンを組んで、その間に毎年インフレ率 2%が続くと仮定すると、今 1,000円で買える商品は、35年後は、いくらになると思いますか?
え・・・?
いくらなんですか??
インフレ率を計算するには、複利の公式を使う必要があります。
■複利の公式
FV=PV(1+r) n乗
FV は将来の価格(未来価値)
PV は現在の価格(元の金額や価格、この場合1,000円)
r はインフレ率(この場合、0.02または2%)
n は期間(この場合、35年)
これで計算すると、今は1,000円で買える商品でも、35年後には、2,039円に値上りしているということになります。
- 商品の価値自体は現在も35年後も変わらない。
- しかし、インフレでお金の価値が薄まる。
- 同じ価値のモノを買おうとしても、今よりも多くのお金を出さなければならない。
ということです。
なるほど。
モノの価値と価格は違うという意味がわかりました。
90年代バブル崩壊以降の30年間は、デフレ経済でしたので、今の説明とは、全く逆の減少が起きていました。
現在は、需要牽引型のインフレでなく、コストプッシュ型のインフレです。
これは、どちらかと言うと悪いインフレです。
ただ、これを足がかりに、今の日本は、デフレ経済から、インフレ経済と変化する過渡期と言えます。
誰もがご存じのとおり、日本では大量の国債を発行して、日銀が買入れているので、大量のマネーが存在します。
これは、先程、お話した経済学者フリードマンの名言にあるように、貨幣的な現象、要するに、お金の価値が薄まることにより、インフレが進むということです。
お金の価値が薄まるから、モノの価格が値上りする。ということですね。
その通りです。
お金の価値が薄まるから、商品の価値は同じでも、値段が高くなる。
ということです。
超高級マンションも生まれている
それでは、不動産のお話に戻します。
東京23区内の新築マンションの平均価格は、1億3千万円以上になりました。
これは、以前にもお話しましたが、千代田 / 中央 / 港区 の都心3区が爆上がりして平均価格を引き上げているからです。
1部屋100億円を超えるマンション
麻布台に「1部屋100億円超?」のマンション…海外富裕層なしでは「国際競争力落ちる」森ビルが手がける複合施設「麻布台ヒルズ」は、中核に東京タワーとほぼ同じ高さの森JPタワーがある。
最上部の54~64階に入る91戸の高級住宅は金額が明らかになっていない。
不動産関係者は「最も高い部屋で100億円を超える」と口をそろえる。
そして、読売新聞オンラインの記事によると
「最も高い部屋では、1部屋100億円を超える。」
と言われています。
えーっ!
1部屋で!?
100億円を超えるマンションですか!?
これは、恐らく平均価格には、反映されていないと思います。
もし、そんなマンションが平均価格に反映されていたら、23区内の平均価格は、1億3,000万円どころじゃなくなっちゃいます。
ホントですね。
そして、世界の主要都市には、このような超高級マンションは、必ずあって、NYでは、360億円のマンションもありました。
NYの世界一高い住宅用ビル最上階のペントハウス、約360億円で売り出し中ニューヨークのペントハウスが2億5,000万ドルで売りに出され、アメリカで最も高価な住宅になった。
物件はセントラルパークの南側の「ビリオネアーズ・ロウ(億万長者通り)」に建つ、世界で最も高い住宅用ビル「セントラルパーク・タワー」の中にある。
1,630平方メートルもの居住空間が広がるペントハウスを見てみよう。
よくわからない価値観ですね!?
確かに、そうですよね。
ひとつ言えるのは、日本にも、このような超高級マンションが生まれてきたということです。
これは、過去30年以上続いた、デフレ経済の感覚に慣れてしまった日本人からすると違和感しかないと思います。
世界の資本主義経済の国と同様に、今後の日本では、緩やかなインフレが続く時代となります。
そうなると、日本では、人口減少で、全体的に不動産の需要が低下したとしても、インフレによる貨幣価値の低下で、物件価格が値上りする時代になると言えます。
1970年代の高度経済成長期のインフレ率は平均で5%前後でした。
今後の日本では、それほど急激な物価上昇をすることはないと思われます。
インフレ率5%を先程の計算式の公式に当てはめると、どうなるのか気になります。
仮に、インフレ率5%で計算すると・・・
今 1,000円の商品は、35年後には 4,482円になります。
■複利の公式
FV=PV(1+r) n乗
FV は将来の価格(未来価値)
PV は現在の価格(元の金額や価格、この場合1,000円)
r はインフレ率(この場合、0.05または5%)
n は期間(この場合、35年)
4.5倍ですね!
これではバブル経済みたいなものです。
今後の日本で、長期にわたり、こうなることはあり得ないと思います。
ただ、
過去30年以上の間、緩やかなデフレが続いたので、逆に今後30年間は緩やかなインフレが続く。
という可能性は十分に考えられると思います。
これが、
『不動産の価値が下がっても、物件価格は値上りする。』
と、お話した理由となります。
なるほど。
でも、インフレ率2%が続かない可能性もありますよね?
そうですね。
そうなると、今度は、逆に日銀は、政策金利を利上げすることができないので、今の低金利政策を持続する必要があります。
その結果、住宅ローンの変動金利は上昇しませんので、ユーザーにとっては、物件価格は値上りしないし、金利も低いままとなります。
つまり、住宅が買いやすい状態が続くことになります。
インフレ率2%が持続すれば、いずれ賃金上昇して、日銀は、景気が回復したと判断して、利上げする可能性はあります。
しかし、インフレということは、貨幣価値も下がっていることになります。
ですので、都市機能誘導区域を中心とした、居住誘導区域で人口密度が維持されているエリアの物件を買えば、価格は維持されて、暴落は避けられるということです。
逆に言うと、インフレ時代は、賃貸に住んで、現金でお金を持っていると、そのお金の価値自体が目減りする可能性が高いと言えます。
なるほど。
今回も勉強になりました。
田中先生、ありがとう御座いました。
こちらこそ。
ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋。
次回も宜しくお願いします!
不動産の価値と値段は違う!インフレ時代は価値が下がっても値上りする!
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