物価上昇は止まらない
~不動産価格は値上りし続けるのか?
物価上昇は止まらない~不動産価格は値上りし続けるのか?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第476-1回目 (2023年10月26日放送分 前半)となります。
今回の話題
物価上昇は止まらない
今回のテーマ『物価上昇は止まらない』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは~。
今週は、私、サッシーが番組MCを担当させていただきます。
田中せんせい、本日も宜しくお願いします!
早速ですが、本日は、どんなお話をいただけるのでしょうか?
今回は『物価上昇は止まらない』というテーマでお話していきます。
『物価上昇は止まらない・・・』
確かに、色々値上りしていますからね・・・。
ぜひ、お願いします。
それでは、リスナーさんから今回のテーマに関連した質問を頂いているので、ご紹介お願いします。
承知しました。 ラジオネーム:IRさんからのご質問です。
質問:住宅購入後に価値が下がらないようにするためのポイント
田中先生、サッシーさん、こんにちは。
いつも楽しく拝見しております。
私は、住まいを探している最中なのですが、今の物価上昇の状況を見ていると、本当に今が家を買うタイミングなのか、とても不安になっています。
特に心配なのは、これからも物価が上がり続けるのか、そして、家を買っても将来的に値下がりしないかという点です。
家は大きな買い物なので、購入後に価値が下がってしまうと大きな痛手です。
また、住宅ローンの金利も上昇傾向にあるようで、それが家計に与える影響も計算しきれずにいます。
購入後に価値が下がらないようにするためのポイントについて、何かアドバイスや情報をいただけないでしょうか?
視聴者の中にも同じような悩みを抱えている方がいるかもしれませんので、お話いただけるととても助かります。
よろしくお願いいたします。
ラジオネーム:IRさんからのご質問
ラジオネーム:IRさん
ご質問ありがとうございます。
消費者物価指数から解説
今の日本は、過去30年続いたデフレ経済から、インフレ経済への転換期です。
年齢が30代、40代の人であれば、もの心ついたときから、ずっとデフレでモノの価格は『常に低下するもの』であるということが、身に付いて育ってきました。
今のように、何もかも値上りしているというのは、違和感でしかないかと思います。
50代になった私たちも、社会に出てからは、ずっとデフレです。
そうですよね。
それでは、現在どれくらい物価が高くなったかについて、10月20日に、総務省から公表された、消費者物価指数の最新データを元に解説させて頂きます。
総務省 報道資料 – 消費者物価指数
■消費者物価指数 – 総合指数
まずは、総合指数です。
2020年を100とすると、2023年9月は、106.2です。
2020年に比べて、6.2%も上昇しているということですね。
そのとおりです。
当時100円だったものが、今では106円になっているということです。
実際は、もっと値上りしているような感じはしますけど・・・?
あくまでも総合指数ですので、もっと高くなっているの物はたくさんあると思います。
■消費者物価指数 – 前年同月比
ちなみに前年同月比では、3.0%の上昇です。
これを、総務省が公表している表を見ながら比較すると、総合指数は2022年9月からずっと前年同月比3%以上です。
日銀や政府が掲げている2%目標を持続的に達成されていることが分かるかと思います。
本当ですね。
この表を見ると、生鮮食品を除く総合(コアCPI)では、2020年を100とすると、2023年9月は105.7。
前年同月比では、2.8%上昇。
生鮮食品及びエネルギーを除く総合(コアCPI)だと、指数は105.4。
前年同月比4.2%も上昇しています。
■消費者物価指数 – 前年同月比のグラフ
こちらのグラフを見てもわかるように、ずっと右肩上がりですね。
インフレは悪いことばかりではない
本当ですね。
これでは、私たち消費者は厳しいですよね。
賃金上昇が伴わないインフレは苦しいですよね。
しかし、インフレというのは消費者にとって悪いことばかりではありません。
今は前年同月比3%を超える急なインフレですので、みんな厳しく感じます。
緩やかなインフレは、モノの価格が少しずつ安くなるデフレ時代とは逆に、少しずつ高くなることになります。
現在は物価が上昇しており、それに伴い賃金が上昇して、需要が増大する、経済の好循環が形成される前段階と言えます。
今、日銀や政府が掲げている物価上昇率2%を持続的に実現するというのは、そこを狙っています。
なるほど。
ただ、日本は少子高齢化で人口が減少していますけど・・・
それでも、需要は増大するのですか?
さすがサッシーさん、良い質問です!
そこがポイントなんです。
少子高齢化で人口が少なくなる日本だからこそ、これからはインフレにする必要があります。
逆に言うと、このまま日銀や政府が対策をしないと、需要が減少してますますモノが売れなくなり、再びデフレスパイラルに陥る可能性があるのです。
なるほど。
人口を増やす政策をしないとデフレで貧しくなってしまいますよね。
おっしゃるとおりです。
政府は現時点でも人口減少の対策を行なっています。
ですが、さすがにすぐに結果は出ません。
そのため、日銀は、金融緩和政策を続けています。
どうして、金融緩和政策が、少子高齢化による人口減少への対策になるのですか?
人口が減少すると需要も減少しますので、モノが売れなくなります。
そうなると経済が縮小して、日本はますます貧しい国になってしまいます。
デフレスパイラルですね。
■一番の問題は少子高齢化
その通りです。
デフレスパイラル(経済の縮小)を防ぐためには
- ・世の中にお金を行きわたらせて
- ・じゃんじゃんお金を溢れさせて
- ・人口減少によるデフレ圧力に対抗する
この、たくさんのお金を世の中に溢れさせるという政策が、金融緩和となります。
単純に人口が減っているということではありません。
一番の問題は少子高齢化です。
高齢者が増えると、社会保障の負担が増えていきます。
既に、税金では賄いきれなくなってしまったので、増税や国債でやりくりしているという状況です。
国債をどんどん発行していくと、金利が上昇してしまいます。
金利が上昇すると、個人の住宅購入や企業の設備投資への妨げになり、それがまた、景気が悪くなる要因にもなります。
そのため、金利を上げる訳にもいきませんので、日銀は、国債をどんどん買って金利が上がらないようにしています。
日銀が国債を買うということは、世の中に出回るお金の量が増えることになります。これは、現在日銀が行なっている量的緩和という金融緩和政策となります。
現在、長期にわたり行われている金融緩和政策というのは・・・
- ・少子高齢化によるデフレ圧力への対抗策
- ・高齢化による社会保障費の増大による財政悪化への対策
日銀の金融政策を確認する
マスコミでは
『日銀は金融緩和政策を修正するのでは?』
という報道がありますよね?
確かに、そのような報道が多いですよね。
ただ、日銀の金融政策を知りたいのであれば、ニュース報道ではなく、日銀のホームページ を直接確認するのが一番です。
一次情報から確認することが一番確実ですからね!
おっしゃる通りです。
金融政策決定会合 総裁記者会見
それでは、2023年9月25日に日銀よりプレスリリースされた、金融政策決定会合についての植田総裁による記者会見資料をご紹介します。
■総裁記者会見の要点
結論だけ申し上げます。
- ・今後も金融緩和は継続して行う。
- ・政策金利は、マイナス金利を続ける。
- ・長期金利のイールドカーブコントロールも現状維持。
なるほど。
■急激な利上げはあり得ない
多くの皆さんは『マイナス金利が解除されるのはいつか?』が一番気になることだと思います。
住宅ローン比較サービス『モゲチェック』のモゲ澤先生がいつもおっしゃっている
『賃金上昇を伴う物価上昇(良い経済サイクル)』が形成される必要があります。
『この見極めを日銀がいつするのか?』ということについては、定期的に行われる日銀の金融政策決定会合を常にチェックする必要があります。
少子高齢化や財政悪化への対策を考えると、今後、日本では、急激な金利上昇は出来ないと同時に、緩やかなインフレを長期的に持続することが、予想できます。
仮に、経済の好循環が実現できたとしても、大幅な利上げは、景気に水を差すことになり財政悪化を招くことになります。
そのため、経済の好循環が形成されたとしても、マイナス金利をゼロ金利にする程度。
さらに利上げしたとしても、短プラに影響を与えないプラス0.1%、行っても、0.25%どまりと予想します。
急激な利上げはあり得ないということですね。
そのとおりです。
インフレが長期化すると、前年同月比プラス2%のインフレが30年続いた場合、今160円のペットボトルの価格は、30年後の貨幣価値では、290円になります。
そんなに値上りするのですね。
物価上昇は以下の式で計算します。すると、このような結果(約290円)になります。
- F=P×(1+r)n
- F=160×(1+0.02)30
- F=160×(1.02)30
- F=160×1.812
- F≈290
それを 4,000万円の住宅に当てはめて以下のように計算すると、30年後は 7,480万円となります。
- F=40,000,000×(1+r)n
- F=40,000,000×(1+0.02)30
- F=40,000,000×(1.02)30
- F=40,000,000×1.812
- F≈72,480,000
凄い値上りですね。
あくまでも単純に物価上昇率2%で複利計算した結果ですが、インフレとは、こういうことです。
賃貸に住んでいると、家賃として消えていくだけですが、住宅ローンは、返済をすればローン残高は減っていきます。
もし30年後に住宅ローン残債が無くなって、物価上昇していれば、それだけで十分な資産運用となり売却すれば老後資金になります。
まとめ:将来価値が下がりにくいのはどのような物件か
それでは、将来価値が下がりにくい物件を手に入れるには、どのような物件を選べばいいですか?
はい。
- マンションであれば…都市機能誘導区域内
- 一戸建てであれば…居住誘導区域内の物件
まとめますと
- 少子高齢化と財政悪化のリスクを考えると金融緩和は、今後も長期にわたり継続してインフレにする必要がある。
- 今後、インフレが続けば、貨幣価値が薄まって、物件価格は値上りする。
- 人口密度がある程度維持される都市機能誘導区域や居住誘導区域の物件を選べば価値が下がり難い
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
田中先生、ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋
後半もよろしくお願いいたします。
物価上昇は止まらない~不動産価格は値上りし続けるのか?
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