【変な家】本当にあった変な家!なぜそんな間取りなのか?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第498-1回目 (2024年4月18日放送分 その①)となります。
今回のテーマ『本当にあった”変な家”』
本日は
『本当にあった”変な家”』
というテーマでお話ししていきます。
先週、私のコーナーが終わったあとにサッシーから『変な家』という映画が上映されていると教えてもらいました。
非常に興味が湧いたのですが、映画館に行く時間がなかったので、原作の漫画で読んでみました。
そうなんですね。どうでした?
まだ最後まで読めていたいのですが、得体の知れないお部屋がある間取りの一戸建てが出てきて非常に面白いです。
田中先生は、実際に物語のような『変な家』に出くわしたことはあるんですか?
ありますよ~。
なにせ私は、この業界歴30年、物件取扱い実績3,000件以上ですから。色々な物件を見てきました。
ですよね~。
そこで今回は、私が実際に見たことがある、変な家を5つご紹介させて頂きます。
とても興味深いです!
ぜひ、お願いします。
1畳間の個室がたくさんある変な家
1畳間の個室がたくさんある家の間取りイメージ
それでは1つ目
『1畳間の個室がたくさんある変な家』です。
この物件を見たのは、今から20年以上前だったかと思います。
埼玉県内でした。
元々は、ミサワホームの注文住宅で、延床面積50坪以上の立派な家だったのですが、その物件の所有者が某宗教団体に入信して、出家してきた信者が寝泊まりしながら修行する道場に改築したという経緯がありました。
その宗教団体が事件を起こして解散し、その家は競売にかけられることになり、私の知り合いの競売専門業者が落札しました。
そして「リノベーションして転売したい」と、私のところに相談にきた物件でした。
沢山の住民がそれぞれ1畳の個室で生活していました
はじめて見に行ったときは、かなり衝撃でした。
外観は立派な一戸建てでした。
しかし、室内は今で言うところのネットカフェのように細かく区切られていて、鍵は外側からかける構造になっていました。
その家で何十人という信者が寝泊まりして修行していたと思うと・・・。
当時は、今のネットカフェのような施設はほとんど無かったため、異様な感じを受けました。
ガチの『変な家』じゃないですか!?
リノベーションで普通の間取りに戻して、オープンハウスをして販売していたら、当時の町議会議員とかがバスに乗って視察に来たぐらい、ガチで変な家でした。
その家は売れたのですか?
20年以上前の話なのでハッキリとは覚えていないのですが、ずいぶん値下げして売れたと思います。
変な家でも、安くすれば売れるのですね。
2階に玄関がある変な家
2階に玄関のある家イメージ
次は『2階に玄関がある変な家』です。
これも20年以上前ですが、当時、私の会社で買い取った中古一戸建てのお話です。
横浜市磯子区に建っていた2階のリビングから海が一望できるという非常に眺めの良い物件でした。
海がない埼玉の不動産会社は、海が見える物件だとテンションが上がってしまい、高い値段でも買取ってしまうという特徴があります。
それは田中先生だけじゃないですか?
2階玄関からしか出入りができない
そうかもしれませんね。
その物件は崖地に建っていて、タワマン並みの眺望でしたが、2階の玄関から出入りするという変な間取りでした。
要するに、2階部分が道路の高さということです。
水回りが2階にしかありません
水まわりが2階のみの家イメージ
そのため、排水勾配の関係でキッチン、トイレ、お風呂などの水回りは、2階にしかない物件でした。
横浜や横須賀など、崖地に家を建てる人達からすると珍しくないのかもしれませんが、平地部分が多い埼玉県民からすると『変な家』と言えるかもしれませんね。
2階玄関に行くための外階段が無い家
それと、私が関わった物件ではありませんが、先日さいたま市緑区か見沼区あたりを車で走っていたら、2階に玄関ドアがあるけど、外階段など何もない…。
もし、室内からドアを開けたら、そのまま地面に落ちてしまうのではないか?という変な家を発見しました。
これは謎です。ドアの横にインターフォンもちゃんと設置されていたのですが・・・。
変な家ですね。どういうことですかね?
わかりません。
ただ、よく考えてみたら、私の実家も2階のドアを開けたら下に落ちてしまう、変な家でした。
何でそんなところにドアついているのですか?
建築中に計画が変更になった可能性
私が小学生のころ父が実家を増築したんです。
そのときに外階段をつけて、2階からも出入りできるようにしたいと考えたみたいです。
しかし途中で計画が変更になったようで、階段は付けずにドアだけ付けてしまって、一度も使われることのない開かずの扉になってしまいました。
なるほど。
建築の途中で計画変更なんてあるのですね。
先日見たというお家も、途中で計画を変更したのかもしれませんね・・・。
6畳間なのにベッドや机が一切置けない変な家
3階が狭い家のイメージ
それでは次の物件
『6畳間なのに、ベッドや机が一切置けない変な家』です。
これは、どういうことなのですか?
平面図では分からない構造
狭小住宅の3階建てにありがちな変な家です。
東京23区内は、地価が高いので、物件を小さく区切ります。
土地面積が50㎡前後で分譲されることも珍しくありません。
しかし、用途地域によっては、道路斜線制限や北側斜線制限が絡んでくることがあります。
そのような土地を購入して、注文住宅で3階建てを建築すると・・・
平面図上では、3階部分の間取りは6畳間であるにもかかわらず、斜線制限で勾配天井が低くすぎて、いざ建物が完成したらベッドや机が勾配天井に当たってしまい、部屋として機能しない。
という、『変な家』というか『困った家』になることがあります。
それは困りますね。
やはり、間取り図だけでなく、断面図や矩計図などで立体的にも把握する必要があると思います。
断面図の例
南面が全て壁で塞がれている変な家
それでは次の物件
『南面が全て壁で塞がれている変な家』です。
これは、私が直接関わった物件ではありませんが、埼玉県内にあった物件です。
この物件の接道は西道路で、南面には数メートルの距離に普通の一戸建てが建っている物件です。
通常であれば、南面に窓を設ければ陽当りがとても良い間取りになるはずなのですが、この家は、あとから南面を増築して窓を完全に塞いで壁にしてしまったという、変な家です。
まさに映画『変な家』で出てきそうな家ですね。
どうして陽当りが良い南面を、わざわざ塞いでしまったんですか?
隣家とのトラブルで窓を塞ぐことになった(らしい)
これは、ご近所の人から聞いたお話なのですが・・・南側の隣人が迷惑住人なので、関わりたくないために窓を塞いで壁にしてしまったそうです。
どのような迷惑住人だったのですか?
隣を常に監視しているような人らしいんですよ。
さらにゴミ屋敷だったそうです。
それは嫌ですね。
隣の住人に問題があったから、この家が変な家にならざるを得なかったということですよね。
そうですね。
難しい問題ですね。
扉が一切ない謎の空間がある変な家
扉が一切ない謎の空間イメージ
それでは最後の物件『扉が一切ない謎の空間がある変な家』です。
それは、本格的に『変な家』という感じですね。
最後の物件は、家ではなく私の会社が所有しているビルなんです。
そうなんですか!?
田中先生のビルには何故そのような空間があるのですか?
このビルは、バブル崩壊直後に建築された鉄筋コンクリート造5階建てで、当初のビルオーナーは5階をペントハウスとして居住していて、1階の店舗で調剤薬局を経営していました。私は、このビルを今から8年前に自社ビルとして購入しました。
当時の設計図を見ると、1階の店舗部分の奥には5階へつながる直通エレベーターがありました。
しかし、ビルは次の所有者に売却された際に、「この直通エレベーターは維持管理に費用がかかる」という理由から撤去され、壁で塞がれてしまった。という経緯でした。
各階にエレベーターが止まれば良かったのですが、1階と5階にしか止まらない直通エレベーターとなると、非常に使い勝手が悪く、撤去せざるを得なかった事情のようです。
私の会社のビルは『変な家』というか『変なビル』なのですが、最寄り駅から徒歩1分という好立地なので資産性があると判断して購入しました。
利用価値の無い直通エレベーターを閉鎖したための空間でした
謎の空間は、閉鎖された直通エレベーターの跡でした。
確かに1階と5階の直通エレベーターでは使い勝手が悪いですね。維持管理費もかかりますしね。
まとめ
実際にある世の中の『変な家』は、何らかの事情があって『変な家』になってしまったということです。
変な家を見つけたら、なぜ、このような家なのかなど推理してみると面白いと思います。
家探しをしている人は、物件を見学して『変な家』だな…と違和感を覚えたら、契約後のトラブル防止の観点から、必ず不動産会社に確認することが大切です。
今回の標語
それでは、いつものように 五・七・五 の標語にまとめてみます。
お願いします。
変な家
理由がわかれば
お買い得?
『変な家』だと思っても、納得ができる相応の理由があれば、お買い得な良い物件になるかもしれません。
なるほど。
田中先生。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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