【不動産市場】1円でも売れない無価値の不動産「負動産」急増中!相続したくない物件を引き取り
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第497-1回目 (2024年4月11日放送分 その①)となります。
今回のテーマ『これからは無価値の不動産『負動産』が増加する』
今回は、
『これからは無価値の不動産『負動産』が増加する』
というテーマでお話していきます。
不動産というと、価値がある財産というイメージかもしれません。
しかし、現在では少子高齢化による住宅需要の減少により、空家が増えてしまいゴーストタウン化した住宅街が目立っています。
放置された空き地
需要がない物件は、売りたくても買い手が見つからないので処分することが困難になります。
このような不動産のことを、近年では『負動産』と呼んでいます。
特に私たちのような年代(50代)になると、親も高齢化しており、介護や施設などに費用がかかります。
そのうえ、親が所有している使わない不動産の維持管理にも手間と費用がかかります。
需要がなく売りたくても売れない物件は、無価値な『負動産』です。
何か収益があって、プラスマイナスゼロであれば、まだ良いのですが、所有しているだけで維持管理に経費がかかる物件は、もっていれば、もっているほど、ご自身の家計を蝕むこととなります。
特に、高度経済成長期に頑張ってきた親をもつ年代(50代前後)になると、そのような負担がのしかかってきます。
今、私の売却相談室には、そのような物件の買取り相談が急増しています。
親の介護に加えて、負動産の問題…それは切実ですよね。
そうですよね。
『売るに売れない負動産の処分でお悩みを抱えている』リスナーさんから、ご相談をいただいていますので、サッシーさん、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:団塊ジュニア さん からのご質問です。
空き家になった実家 1年以上買い手が付かない状態です
田中先生こんにちは。いつもYouTube観ています。
私は、田中先生と同じ50代で、父は何年か前に他界して、母は、要介護2で老人ホームに入っており、実家には、もう誰も住んでいなく空家状態です。
今では、草木が生い茂ってしまい、市役所から適切な管理をするようにと書面が届いてしまいました。
私自身も生活に余裕がないので、売却しようと不動産仲介会社にお願いをしているのですが、最寄り駅からも遠いので1年以上買い手が付かない状態です。
やはり、このような物件は売れないのでしょうか?
このまま売れない場合は、どうしたら良いのでしょうか?
田中先生からアドバイスをいただきたくご連絡しました。
宜しくお願いします。
ラジオネーム:団塊ジュニア さんからのご質問
ラジオネーム:団塊ジュニア さん。
ご質問ありがとう御座います。
需要がない物件は売れない
50歳を過ぎると、このような問題がのしかかってきますよね。
私の母も要介護2なので、お気持ちとてもわかります。
人気エリアの物件を残してもらえれば、とても感謝なのですが、需要がないエリアの負動産を残されると、それは負担でしかありません。
まず「このような需要がない『負動産』は、売れるのか?」ということですが…
結論から申し上げますと、残念ながら需要がない物件は売れません。
売りたくても売れないのでは困りますね。
どうしたら良いのでしょう?
今回、不動産業者間のネットワーク『レインズ』を使って、2年以上売れ残っている物件を調べてみました。
- ・令和4年1月1日以降に登録された物件
- ・価格500万円以下
- ・一戸建て
- ・埼玉県内
該当物件は、なんと165件もありました。
レインズ検索結果
結構多いんですね!
そうなんですよ。
検索した2024年4月9日時点での最安値は、熊谷市 / 土地200坪 / 建物7DK / 農地400坪 で、1円という物件がありました。
1円ですか!?
それなら、私が買って、田舎暮らししたいです!
ところが、残念ながら普通の人は買えないんですよ。
そうなんですか?
それでは、買えるのはどんな人なんですか??
こちらの物件は、市街化調整区域の農地で、農地法という法律がからんでおり、『もともと農家ではない人は買えない』という特殊な事情があります。
そのため、通常のユーザーの皆さんは、買いたくても買うことができないのです。
そんな事情があるのですね。
残念です。
恐らくこの土地は、農家を継ぐ人がいないので空家になって、処分に困って売りに出しているのだと思います。
そうだとすると、売りたくても売れない負動産の典型かもしれないですね。
この物件は特殊でしたが、他にも2年以上前から売れ残っている、100万円台、200万円台の物件がたくさん検索されました。
いずれも、不動産価格が値上りして続けている現時点で、2年以上も売れ残っているわけですから、今後も永遠に売れない可能性が高い物件と言えます。
厳しいですよね。
どのような不動産が『負動産』になるのか
それでは、どのような不動産が無価値の『負動産』になってしまうのですか?
買い手がつかない物件の傾向
以下のような訳アリ物件は現代ではニーズが無く、売れ残る傾向にあります。
- ・高度経済成長期に分譲された駅から遠い郊外の小規模な物件
- ・接道要件を満たしていない建て替えができない物
- ・築年数が古くて雨漏りしている欠陥住宅
- ・親族が孤独死した事故物件
■建物を解体したら売れるのか
建物を取り壊して売るのではどうなんでしょう?
それも選択肢のひとつです。
ただし、接道要件を満たしていない再建築不可の物件を壊してしまうと、その土地では2度と建物を建てられないことになります。
また、建物の大きさにもよりますが、解体費用は200万円前後かかります。
価格200万円台の物件に、そこまで経費をかけて売るという人は、ほとんどいません。
確かにそうですよね。
マンションも負動産になる
エレベーターが無い、団地タイプのマンションなども現代のニーズに合わないため需要が無く、売るに売れない状況になっています。
エレベーターの無い団地型マンションのイメージ
マンションも無価値の負動産になるのですね。
中古マンションの方が売れ残っている
マンションの方がヤバイかもしれませんね…。
2年以上売れ残っている中古マンションをレインズで検索して調べてみました。
- ・令和4年1月1日以降に登録された物件
- ・価格500万円以下
- ・中古マンション
- ・埼玉県内
最低価格は、坂戸市で昭和52年築の3DKで120万円です。
この物件は、最寄り駅からバス10分、エレベーターがない団地タイプの4階部分になります。
間取りは、和室が3部屋にキッチンが5.5帖という3DKタイプです。
なるほど。
たしかに現代ではニーズが無さそうですね。
そうなんです。
似たような物件はたくさん検索されました。
リノベーションすれば売れるのか
現代風にリノベーションすれば売れるのか
それでは、今風の間取りや設備にリノベーションしたらどうでしょうか?
それも良い案だと思います。
ただし、リノベーションには、とても費用がかかります。
例えば、3DKの間取りを2LDKに変更して、キッチンや浴室などの水回りをリニューアルすると、今では500万円くらいかかります。
リノベーションも、結構費用がかかるのですね。
■リノベーションは利益を得にくい
そうですね。
120万円で売りに出している物件に改装費500万円かけたなら、620万円以上の価格で売れないと意味が無いことになります。
その額になると厳しそうですね。
■バブル期のワンルームマンションも売れ残っている
老朽化したマンションのイメージ
バブル期に投資用に分譲されたワンルームマンションなども、2年以上売れ残っている中古物件として、たくさん検索されました。
2年以上も売れ残っているのでは、今後もずっと売れなさそうですね。
このような中古マンションも老朽化が進んでいきます。
時間が経てば経つほど、もっと売れ難い状況になると予想できます。
確かにそうですよね。
売れなくても建物は老朽化していきますからね。
マンションは維持費の支払いが大変
しかも、マンションを所有するには、『維持管理費』の支払いが大変なんです。
マンションは、固定資産税だけでなく、『管理費』と『修繕積立金』がかかります。
例えば、この120万円の物件になりますと
- ・固定資産税:5万円/年間
- ・管理費:6,700円/月(年間約8万円)
- ・修繕積立金:10,000円/月(年間約12万円)
120万円で売りに出して、もし5年間売れなかったら、その間の維持費だけで 25×5=125万円 もかかるということです。
だったら、今のうちに、誰かにタダであげちゃった方が良いかもしれませんね。
貰ってくれる人が居るのなら、それも選択肢のひとつだと思います。
『負動産』物件を持っている人はどうしたら良いのか?
そのような負動産物件を持っている人は、どうしたら良いのでしょうか?
無価値の負動産を持っている人は、早めに処分した方が良いと私は考えます。
…だけど需要がないから売れないのですよね?
おっしゃる通り、無価値の負動産は、普通のユーザーには需要が無いので売れません。
ただし、私の場合、ご相談いただいた物件を見に行って、売るなり貸すなりできないか、物件ごとに処分の方法を一緒に考えて差し上げております。
場合によっては、その物件を私どもで、直接買取りや引き取りもしています。
田中先生が一緒に考えてくれるんですか?
はい。一緒に考えます。
最近は、「持っていても維持管理にお金がかかるので引き取って欲しい…」という相談が非常に増えてきました。
- ・親族から相続した郊外の一戸建てや土地
- ・事故物件など
リサイクルショップや廃品回収の不動産版みたいですね。
確かにそうかもしれませんね。
不要な負動産を所有していても、維持管理にお金はかかります。
問題の先送りにしかなりませんので、早めに処分した方が精神衛生上良いかと思います。
田中先生には、どうやって相談すればいいんですか?
『田中勲の売却相談室』というページがあります。
こちらからお問合せいただければ、対応させていただきます。
田中勲の売却相談室はこちらです↓
田中勲の不動産売却相談室
まとめ
今回は売却を検討しているユーザー向けのお話でした。
一方、これから住宅を購入しようとしているユーザーであれば、ニーズがない物件を購入すると、処分に困ることになるかもしれないので注意が必要です。
なるほど。
購入した物件を手放す時のことも考慮する必要があるんですね。
今回の標語
それでは、いつものように 五・七・五 の標語にまとめてみます。
お願いします。
不動産
需要がなければ
負動産
価値がない負動産を所有し続けることは、家計を圧迫するだけです。
早いうちに処分した方が良いでしょう。
なるほど。
田中先生。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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