【不動産市場】どうなる?円安・バブル崩壊・ハイパーインフレ・人口減少・スタグフレーション
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第502-2 (2024年5月16日放送分 その①)
となります。
今回のテーマ『どうなる不動産価格!?円安・バブル崩壊、ハイパーインフレ・人口減少』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
それでは田中先生。
本日は、どんなお話をいただけるのでしょうか?
本日は・・・
『どうなる不動産価格!?円安・バブル崩壊、ハイパーインフレ・人口減少』
というテーマでお話していきます。
なかなか刺激的なテーマですね。
そうですね。
それではフジコさん。
早速ですが『不動産のインフレ』に関連したご質問を頂いているので、ご紹介お願いします。
承知しました。
『user-bw6in7lu8t』 さんからのご質問です。
質問:不動産のインフレについて見解を聞きたい
ちゃんと返信されててすごいですね。
自分も疑問ありまして、都心の中古タワマン、特に麻布十番や浜松町などの東京タワービューなどはとんでもない価格になっています。
パークコート浜離宮とかで3億4億は当たり前、シティタワー麻布十番に至っては5〜10億の物件もあります。
分譲時は1〜2億の物件です。これこそ30%どころではない数倍レベルですよね。
この部分をピンポイントで見ると2〜3倍となってる物件もありバブルに見えますがどう思われますか。
80㎡で4億とか、世界の値上がり切った海外の有名タワマンと坪単価変わらないレベルな気がします。
実際には海外勢が現金買いしているという特集もあり、海外勢もこれ以上の値上がりについていけるのか、という部分が気になります。
中国の景気が悪く、裕福層の逃げ道を実需として買われているのも聞きますね。
2億の壁があると思っていて、それ以下の物件は日本人のパワーカップルなどが多いため、健全な値上がりとなってるのは理解できますが、それ以上の海外、裕福層プレイヤーが検討する価格帯の物件についての値上がり率は3割では済まないところまできていて、そのあたりについて宜しければ見解をお願いします。
『user-bw6in7lu8t』 さんからのご質問
『user-bw6in7lu8t』 さん
ご質問ありがとうございます。
都心3区の価格高騰はバブル
港区 浜松町の街並み
一概に言い切れませんが、港区、中央区、千代田区の都心3区の価格高騰は、バブルにも思えます。
しかし、今の対米ドル為替相場だけでなく、日本の円の『実質実効為替レート』を見ると、1ドル360円の1970年代と同じくらい、日本円の力は弱くなっています。
日本国内にいる日本人の感覚でみると、3億円のマンションはものすごく高いですが、外国人投資家目線では、東京の不動産は世界主要都市と比較して相対的に安いから買われているのだと思います。
2億円を超える物件価格は、パワーカップルにでも手が届かないレベルなので、相場の動き方は別になります。住宅ローンで購入する層、数千万円~1億5千万円程度であれば、3割くらいの値上りですが、2億を超えたあたりからは、特に都心3区は、世界的なネームバリューと付加価値で値段設定になります。
正確な例えにはならないかもしれませんが、都心3区のマンションは、シャネル、ルイヴィトン、グッチのようなハイブランドであると考えると、ユニクロで5千円で買えるバッグであっても、ハイブランドだと50万円や100万円、エルメスになると200万円や300万円もします。
しかし、ユニクロとエルメスを比較して、エルメスは高いからユニクロにしておこうという人はいないと思います。要するに、購入層が全く違うので比較しようがないのかと思います。
ハイブランドが高いということが、健全か?そうでないか?という判断はできず、一定の購入層がいるから長期にわたってビジネスが成立していて、今の日本の不動産においては、世界から見ると都心3区だけが、そのハイブランドであるから、そこだけ別格なのだと考えています。
これはあくまでも私の見解です。
正直、都心3区以外の日本の不動産は、GUやユニクロ、郊外では、しまむら、アベイル、西松屋みたいな感じですかね。
ユニクロだって機能性が良いですし、しまむらだって良い製品を扱ってますよね。
そうですよね。機能性だけで判断すれば、ユニクロもエルメスもそれほど差はありません。
だけど、エルメスやシャネルのブランドマークがあるだけで、50倍、物によっては100倍くらい値段が違います。
確かに…
郊外で50坪で新築一戸建てを3,000万円、港区麻布のマンションが10億円・・・。
30倍以上の差がありますが、購入する人は購入します。
同じ不動産であっても、ハイブランドのエリアは別物なんですね。
国内はインフレ 全てのモノの価格が上昇
食料品を含め、あらゆる物の価格が上昇しています
ですが、最近では物価が上昇していますのでユニクロやしまむらも値上りしていますよね。
人手不足による人件費の高騰や、円安による輸入コストの増大により、国内ではインフレが起きており、全てのモノの価格が値上りしています。
それと同様に、郊外の不動産も高くなっています。
物価が高くなっていますからね。
今後もインフレが続くと予想
今後も、このインフレは続くのでしょうかね?
そうですね。
世界に比べて円の価値が低いので、インフレが続く可能性はありますよね。
そうなんですね。
■日本円の実質実効為替レートは1970年代と同等
最初にもお話しましたが、日本円の実質実効為替レートが1970年代の1ドル360円時代にまで価値が下がっているからという説が有力です。
日本円の価値は、過去50年で最も値下がりしています。
原因は、リーマンショック以降、デフレスパイラルに陥った日本経済を前年比2%のインフレ目標を達成するために、アベノミクスでは大規模な金融緩和を続けて、マイナス金利にしました。そして沢山のお金を日本中に溢れさせることでデフレを脱却して、インフレにしようと試みました。
これは、世界から見ても異例の金融政策であったと言えます。
アベノミクス・・・そうでしたよね。
■マイナス金利政策が解除されるも住宅ローンは低金利なまま
今年3月からは、マイナス金利政策を解除しました。しかし、金融緩和政策は続いており、住宅ローンは低金利なままです。
米国は、高金利、日本は低金利です。
- ・お金を預けておけば利息がついて儲かる米国
- ・お金を預けていても利息がつかない日本
日本人なら日本円を持っていたい心情ですが・・・そうなりますよね。
そのため、日本から米国にお金が流れています。そうすると、為替は日本円が安くなるということです。
もし、米国FRBが利下げをすると、日米金利差が縮まりますので、円高になります。これは、米国次第ということです。
逆に、最近のニュースでは、日本が為替介入して、一時的に円高になったというのは、日本が持っているドルを売ることにより、ドル安にするという介入です。
しかし、そもそも日米金利差があるのでは、ちょっと時間が経つと、すぐに円安になってしまいます。
5月14日付け 時事通信社のニュース記事
日本、変動相場制堅持を 日銀利上げは緩やかなペースで―IMF【ワシントン時事】国際通貨基金(IMF)は13日、対日経済審査の終了に合わせて声明を発表した。日本に変動相場制の堅持を促すとともに、日銀に対しては、追加利上げを緩やかなペースで、経済指標を踏まえて行うよう助言した。
理事会は「変動相場制に対する日本の長年のコミットメント」こそ、経済的なショックを吸収し、日銀が物価安定に焦点を当てることを支援するとの見解を示した。
5月14日付け時事通信社のニュース記事では、国債通貨基金(IMF)は、日銀に対して、追加利上げを緩やかなペースで行うよう助言したと報道されていました。
IMFは日本の経済には責任ありませんので、日銀は独立性を堅持して日本国民のために金融政策を決めてもらいたいですが、過去のバブル崩壊、郵政民営化などの規制緩和などは、全て外圧に屈して行った政策と言えます。
日銀は、賃金上昇、需要増大、物価上昇の経済の好循環が続けば、追加の利上げをするとしていますが、その前に、利上げへの外圧、国内のコストプッシュ型のインフレを抑えるために、専門家の予想よりも早く追加利上げをする可能性があります。
それにより、住宅ローン金利が上昇する可能性があります。そうなると、資金調達コストが上昇するので、ユーザーは、購入可能物件の上限が下がり、郊外の住宅価格は若干値下がりする可能性はあります。
逆に、日銀が外圧に負けず、インフレが続く中で低金利政策を続けていくと日本国内の経済が活発になるかもしれませんが、米国のように加熱した経済を抑えきれず、更にインフレになる可能性があります。
インフレが加速するとということは、モノを購入するときには、より多くのお金を支払う必要があり、お金の価値が低下することになります。そうなると、今よりも物件価格が高くなることになります。
今後、少子高齢化による人口減少で住宅需要は縮小します。
しかし、このまま金融緩和政策を続けて低金利を維持すれば、インフレが加速してお金お価値が下がり、物件価格も物の価格も高くなるということです。
そんなことあるのでしょうか?
十分にあると思います。
インフレが加速してお金の価値が下がるということは、今ある借金が減るということです。
借金が減る?どいうことですか?
例えば、4,000万円借金があるとします。
インフレが続き、お金の価値が今より5%目減りするということは、借金が200万円減るということです。
それは、個人の住宅ローンだけでなく、国の借金も同じです。
日本の借金の状況
日本の借金の状況普通国債残高は、累増の一途をたどり、2023年度末には1,068兆円に上ると見込まれています。 また、財政の持続可能性を見る上では、税収を生み出す元となる国の経済規模(GDP)に対して、総額でどのぐらいの借金をしているかが重要です。日本の債務残高はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高い水準にあります。
■円の価値が下がると国の借金も減る
今、日本の借金は 1,000兆円以上あります。
この債務残高はGDPの2倍を超えており、主要先進国の中で最も高い水準にあります。
これは、非常に高い債務水準で、急速に高齢化する人口や経済の低成長がその背景にあります。
このままでは、日本の借金を減らすことは出来ません。
もし、日本のお金の価値が半分になると、この1,000兆円は半分の価値になります。
しかし、この政策はベネゼイラのようにハイパーインフレを起こして、世界経済に混乱をきたす恐れがあります。そのため、IMFは日銀に利上げを促しているという感じです。
ハイパーインフレやスタグフレーションにならない程度に金融緩和を続けて、毎年2%程度のインフレを続けられれば、35年後には今のお金の価値が半額になります。そして、借金も半額になるということです。
まとめ
日銀が外圧に負けずに金融緩和政策を続けられれば、住宅ローン低金利と物価上昇も続くと予想できます。
ということは・・・
今、物件を購入することは悪くないと言うことですね。
そういうことです。
ただし、日銀が利上げして金利が上昇した場合は、その分、物件価格が下がる可能性があります。
今回の標語
なるほど。
それでは田中先生。今回も五・七・五の標語にまとめてください。
承知しました。
外圧に
いつも屈する
日本かな
日本の政策は、ほとんど外圧により変更されてきました。そのため日本国内の状況だけでなく、海外の状況についても注視する必要があります。
なるほど。金利は海外の情勢も影響してきますからね。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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