【不動産市場】新築一戸建ては値上りしていなかった!マンションバブルが崩壊しても一戸建て市場には影響ない!
【不動産市場】新築一戸建ては値上りしていなかった!マンションバブルが崩壊しても一戸建て市場には影響ない!
YouTubeチャンネル
今週放送の動画をご紹介
FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第506-2 (2024年6月13日放送分 その②)となります。
今回のテーマ『実は新築一戸建てはそれほど値上りしていなかった』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
田中先生、本日もよろしくお願いします。
早速ですが、本日はどんなお話をいただけるのでしょうか?
本日は・・・
『実は新築一戸建てはそれほど値上りしていなかった』
というテーマでお話ししていきます。
まずは、新築の建売住宅の購入を計画しているリスナーさんから質問をいただいているので、フジコさんご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:UR さん からのご質問です。
質問:これからも物件価格は値上りが続くのでしょうか?
田中先生、フジコさんこんにちは。毎回楽しく拝見しています。
私は、新築の建売住宅の購入を計画しています。
何年も前から探していたのですが、何となく買うタイミングを逃してしまい今に至ってしまいました。
今となっては、物件価格が値上りして、うちの近所では数年前と比べると500万円以上値上りしています。
これからも物件価格は値上りが続くのでしょうか?
ラジオネーム:V さん からのご質問
ラジオネーム UR さん。
ご質問ありがとうございます。
少子高齢化とインフレが住宅および建築に与える影響を考える
まず、少子高齢化とインフレが住宅および建築に与える影響を考えてみます。
2050年 日本の人口は1億人を下回る
国交省のデータによると2050年には、日本の人口は、9,515万人に減少するとされています。それに伴い、住宅需要は下落することが予想できます。
一方、今後、日本はインフレ経済になりますので、建材費と人件費は値上りしていきます。物価上昇率プラス1%が続いた場合は、2050年には、約30%近く建築原価は値上りすることになります。
インフレにともない建築費は上昇するものの、人口減少による住宅需要の低下により土地の価値(価格)は下がりますので、物件価格はあまり変わらない可能性があります。
なるほど。
建築費は上がるものの、土地の価値は下がるので、物件(建物+土地)としての価格はあまり変わらない。と言うことですね。
現時点での新築一戸建ての市況データを見る
次に、現時点での新築一戸建ての市況データを見てみます。
以下は、レインズで公表されている首都圏の新築一戸建ての市況データです。
2024年5月 新築戸建の在庫が増えている
出典:東日本不動産流通機構 – レインズデータライブラリー 2024(令和6)年5月度
首都圏の新築一戸建ての在庫数は、1年前の2023年5月の段階では、1万5,987件でした。そして現在(2024年5月)では 1万7,768件となり、前年比11.1%在庫が増えています。
今は、在庫が増えているのですね。
そうなんです。
23区新築マンション平均価格推移
次に平均価格の推移を見ていきます。 結論から言うと、前年比で、ほぼ変わりません。
2024年5月、首都圏の新築一戸建ての平均価格は、4,548万円ですが、1年前の2023年5月の平均価格は、4,508万円です。前年比0.9%の上昇ですので、過去1年間では、ほぼ変化なしと言えます。
首都圏だけでなく1都3県個別に見ても、在庫は増えて価格は値上りしていないという状況でした。
分譲会社がコロナ禍需要のときに過剰に土地を仕入れた結果、現在では供給が需要を上回る状況になっているようです。
地方の一戸建はそのような状況なのですね。
都心ではマンション価格が急騰している
都心ではマンション価格が急騰しているのですよね?
そうなんです。
23区新築マンション平均価格推移
東京23区の新築マンションの平均価格は、1億2,476万円にまで値上りしており、2年前と比べ 4,240万円も値上りしています。10年前と比べると、なんと2倍以上にまで価格が急騰しています。
■新築一戸建ては新築マンションほど値上りはしていない
メディアでは、マンションバブルと言われて不動産価格は、ずいぶん値上りしたと報道されています。しかし、新築一戸建ては新築マンションほど値上りはしていません。
一戸建はそれほど値上がりしていないのに、なぜマンションは価格高騰しているのですか?
■新築マンションは投機目的で売買されている
現在、東京23区内、特に港、中央、千代田、渋谷のマンション価格は、高騰しています。
これは、実際に住むための需要で値上がりしているのではなく、投機目的で売買されているための値上りなのです。
それって、バブルじゃないですか?
そうです。
最近の晴海フラッグのメディア報道によると・・・
- 『都心のマンションは更に値上りする』と期待され
- 投機目的で不動産が売れ続けることで需要が過熱して
- 実際の価値を超えた価格で売買される
その話、ぜひ、詳しく聞かせてください。
はい。 マンションバブルについては、後ほど別のテーマとして詳しくお話しますね。
お願いします。そのお話も楽しみです。
23区新築マンション平均価格推移
新築一戸建てのお話に戻ります。
新築一戸建てが値上りした理由は、建築原価の高騰にあります。
■建築原価は2015年に比べ 1.37倍に上昇
画像引用:一般財団法人建設物価調査会 – 建設物価 建築費指数(PDF)
一般財団法人建設物価調査会の建築費指数によると・・・
2015年の建築原価の指数を100とすると、2024年5月の木造住宅の建築費指数は 137.3となりました。2015年と比較して 建築原価が1.37倍に値上りしたということです。
1年前の建築原価指数は、130くらいでしたので、建築原価は 7ポイントくらい上昇しています。
しかし、レインズのデータでは、新築の平均価格は、前年比 0.9%しか上昇していません。
これは、建築原価が上昇しているにもかかわらず、物件価格にそれを転嫁できず、建売分譲業者が利益を減らして、その分を吸収している。
ということを表しています。
物件が売れ残っている件についての記事はこちらです
【不動産市場】郊外の建売住宅は売れてないのか?飯田グループホールディングス決算書で分析!
まとめ
都心のマンションは、投機目的で売買されて値上りが続いており、価格が実際の価値を超えて売買されています。これは、1980年代後半からのバブル期と非常に酷似しています。
大きく違うのは、1980年代後半のバブル期は日本全体が値上りしていましたが、今は都心のマンションだけが高騰しているという点です。
価格が実際の価値を大きく超えていることが明確になると、投資家は売却に転じます。これにより価格が急落し、今のマンションバブルは崩壊します。
マンションバブルが終わると、新築一戸建ての価格も値下がりしてしまうのですか?
それは無いと予想します。
そもそも、首都圏の新築一戸建ては、都心のマンションのように価格は急騰していません。
新築一戸建てが値上りした主な要因は、インフレによる建築原価の高騰です。これにより、物件価格は全体的に500万円くらい底上げされました。
例えば、数年前よりも 1,000万円くらい値上りしたエリアは、
- ・建築原価の上昇で500万円くらい値上り
- ・残り500万円は住宅実需の増加により土地価格が値上り
そもそも、新築一戸建ては、投機目的で売買されるようなことは少なく、居住目的で売買されています。それは都心のマンションバブルが終焉しても、郊外の新築一戸建て市場には影響が少ないということです。
土地のウエイトが少ないエリアの新築物件になると、土地値が下がっても、建築原価が上昇することで、物件価格が値上りする可能性があります。
これから新築一戸建ての購入を予定している人は、
- ・ハザードマップにかかっていない災害が起きにくいエリアを選ぶ
- ・都市機能誘導区域や居住誘導区域の物件を選ぶ
今回の標語
それでは田中先生。最後に 五・七・五の標語でまとめてください。
承知しました。
実需なら
バブル崩壊
影響なし
新築の建売住宅の購入を計画している人は、今後の価格推移は気になることだと思います。
しかし、投機マネーが入ってこない新築一戸建て市場は、今のマンションバブルに影響されませんので、分けて考えてください。
なるほど。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
SNSからも質問を受け付けております
- 住宅ローン比較サイト『モゲチェック』(外部サイト)
- ・新規の借り入れで比較
- ・借り換えで比較