【不動産市場】都心マンションはバブル!更なる値上りを期待した投機目的の晴海フラッグ転売の実態。
【不動産市場】都心マンションはバブル!更なる値上りを期待した投機目的の晴海フラッグ転売の実態。
YouTubeチャンネル
今週放送の動画をご紹介
FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第506-3 (2024年6月13日放送分 その③)となります。
今回のテーマ『都心のマンション高騰はバブル!バブルはいつか崩壊する!』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
田中先生、次はどんなお話をいただけるのでしょうか?
次のテーマは・・・
『都心のマンション高騰はバブル!バブルはいつか崩壊する!』です。
まずは、マンションと一戸建のどちらを購入しようか悩んでいるリスナーさんから質問をいただいたので、フジコさんご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:ちょび さん からのご質問です。
質問:23区内のマンションが異常に値上がりしていますが・・・
私は都内でマンションを購入しようと計画していましたが、2人目の子供を授かることになって、マンションを購入しても手狭になりそうなので、4LDKの新築一戸建てに計画変更を検討中です。
不動産エージェントの人からは、「都心のマンションは、今買えば、1ヵ月後には値上りするから損はしないですよ」と言われて、やはり高くて狭くても都心のマンションの方が良いのかな…と迷っています。
今、23区内ではマンションが異常に値上りしていますが、これはバブルではないのでしょうか?
もし、バブルであれば、いつかバブルが崩壊して、損をしてしまわないか心配です。
このあたりを詳しくご教示いただけると幸いです。
ラジオネーム:ちょび さん からのご質問
ラジオネーム ちょび さん。
ご質問ありがとうございます。
都心3区のマンションは値上りを続けています
今、都心3区のマンション価格は異常に値上りしていますよね。
直近のデータによると、2024年時点での東京23区内の新築マンションの平均価格は、1億2,476万円です。専有面積の平均は、65平米ですので、広さは普通です。
確かに、特別広いというわけではないですね。
高級マンションの平均価格が2年で4,240万円も上昇
2年前の2022年の平均価格は、8,236万円です。このようなマンションの価格が、2年間で4,240万円も高騰しています。
これは平均価格ですので、東京23区のなかでも超高級マンションとなる、平均価格4億円台、最高45億円の超高級マンション『三田ガーデンヒルズ』が販売されていることも、平均価格を押し上げた要因といます。
なるほど。
『三田ガーデンヒルズ』が平均価格を押し上げているのですね。
超高級マンションではない、1億円くらいの普通のマンションでも物件価格も上昇傾向にあります。
・・・感覚がおかしくなりそうですね。
本当、おかしくなりますね。
『晴海フラッグ』の約500戸が投機目的で売買されている
東京五輪「晴海フラッグ」 全体の2割が賃貸や転売に出される東京都が事業を監督する元選手村を改修したマンション群「晴海フラッグ」は、法人が一部の部屋を投資目的で所有している実態が明らかになりましたが、すでに、賃貸や転売に出されている部屋が全体の2割近い、およそ500戸に上ることがわかりました。 専門家は「晴海フラッグがマネーゲームの場になっている」と指摘しています。
今、話題のマンション『晴海フラッグ』はNHKの取材から、全体の2割近くにあたる約500戸が投機目的で売買されていることがわかりました。
そこで私も、晴海フラッグのレインズの登録状況を調べてみました。
晴海フラッグの物件は転売されている状況
出典:REINS
現在、販売中の物件として、レインズに登録されている物件数は 119件もありました。
転売されているということですか?
そういうことです。
晴海フラッグは、当初『三井不動産レジデンシャル』が窓口として、抽選で販売しています。
そのため、現時点でレインズに登録されているということは、既に購入した人による転売だと判断できます。
■成約済みは登録は50件
出典:REINS
更に、レインズの成約登録を調べたところ、既に50件の成約がありました。
それを分析すると、今年の2月に 1億円台前半で成約済み登録された物件と同一の物件が、現在 1,000万円以上高い金額で再びレインズに販売中の物件として登録されていました。
どういうことですか?
転売された物件を誰かが購入して、さらに1,000万円以上上乗せして転売しているということです。
投機目的で購入する人が増加
なぜ、こんなに投機目的で購入する人が多いのですか?
日本では、2013年からデフレ脱却のために続いたアベノミクスによる異次元の金融緩和の影響で、富裕層と超富裕層が増えました。
画像引用:NRI – 野村総合研究所、日本の富裕層は133万世帯、純金融資産総額は333兆円と推計
現在の都心のマンションの価格高騰の要因は・・・
- ・インフレによる建築原価の高騰
- ・低金利政策による住宅需要の増加
- ・円安による外国人投資家の需要
しかし、これ以外に国内で増加した富裕層や超富裕層が、都心のマンションを投機目的で売買していることが、価格高騰の大きな要因のひとつと言われています。
今の都心マンション市場はバブル
今のマンション市場は、やはりバブルなんでしょうか?
そうですね。
しかし、バブルの最中は、誰も「今はバブルだ」とは思っていないですよね。
先日、都内の大手不動産会社のエージェントと話す機会があり、マンション市場の現状についてお話を伺いました。
エージェントは、次のように意気揚々と話していました。
「立地の良いマンションは、買った次の日に値上がりして転売できる。都心のマンションは本当に強い!今買わないと損です。私は、億越えのマンションは買えないけど、もし資金力があるなら絶対に買いですよ」
とおっしゃっていました。
このエージェントのお話と同じことを、過去にも聞いたことがありました。
私は、不動産業界に入って30年です。そのため1980年代後半のバブル時代は経験していません。
しかし、バブル時代を経験した年配の不動産業者さんとお話する機会は、たくさんありました。
その人たちは、皆一様に
「バブルの時は良かったなぁ。物件を買えば、次の日には値上がりして利益が出たんだよー」
と遠くを見つめながら、お話していたことを思い出しました。
今の状況は、まさに80年代のバブルと同じなのかもしれないと感じました。
同じじゃないですか!
80年代バブルと違い都心だけ
はい。不動産バブルとは、実需を超えた投機的な買いが集まり、価格が急騰する現象です。
現在の都心マンション価格高騰は、80年代バブルと似ています。
当時のバブルも、投資家が価格上昇を見越して物件を買い漁り、価格が急騰しました。
今の値上りも、住むための需要ではなく、更なる値上りを期待しての売買です。
これはバブルの可能性があります。
ただし80年代バブルと違い、現在は、この現象は都心のみで起きているということです。
なるほど。
80年代は日本全国がバブルでしたからね。
まとめ:バブルはいつか崩壊する
バブルはいつか崩壊しますよね?
そうですね。投機的な値上がりは、市況の変化で簡単に終焉を迎えます。
例えば…
- ・日銀の政策金利の追加利上げ
- ・米国FRBの利下げ
- ・台湾有事など地政学リスク
何らかのきっかけで、価格が実際の価値を上回っていることに気づき、売却する人が増えると、売りが売りを呼んで値下がりが進みます。
80年代バブルのときは、このように不動産価格が急落しました。
新築マンションの工期は約2年かかるため、現在建設中、もしくはこれから建設する新築マンションは、2~3年後に現在の物価高騰による建築原価の値上がりが、販売価格に転嫁されます。
しかし、その間に市況の変化や地政学リスクにより、過熱しすぎている都心のマンションは、意外とあっけなく値下がりする可能性があります。
よって、2026年から2027年にかけて、都心のマンション市場が大きく変化する可能性があると考えています。
2~3年後どのようになっているか気になりますね。
今回の標語
それでは田中先生。最後に 五・七・五の標語でまとめてください。
承知しました。
ババを引く
リスクを防ぐ
実需かな
住むための実需を目的に購入するのであれが、堅実な意思決定が大切です。
なるほど。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
SNSからも質問を受け付けております
- 住宅ローン比較サイト『モゲチェック』(外部サイト)
- ・新規の借り入れで比較
- ・借り換えで比較