【不動産市場】3,000軒以上の家を売った男が語る「3Dプリンターハウスの可能性と今後の課題」
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第513-2 (2024年8月1日放送分 その②)となります。
※記事は動画を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど若干本編と異なる部分がございます。
未来のお家!3Dプリンターハウスは今後の住宅事情をどう変える!?
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
引き続き、わたくしサッシーがMCを担当させていただきます。
次の話題をお願いいたします。
中島さん。聞きたい事があるんでしたよね?
はい。
ちょっと面白そうな話題を見つけたんです。
3Dプリンターで建てられた家が気になる
画像引用:セレンディクス – Product
これ、3Dプリンターで作られたお家の画像です。
3Dプリンターで家が作れる時代が来ちゃったみたいですよ!
確かに。
3Dプリンターハウスは、ニュースで見たことあります。
私もニュースで聞いたことあります。
価格が500万とか安くて、早いと1~2日ぐらいで家が建つらしいですね。
■マイホームも夢じゃない!?
これは住宅事情が変わるんじゃないかと舞い上がってしまったんです!
「このぐらいの値段だったら、マイホームも夢じゃない!」みたいな。
それで3Dプリンターで作ったお家は、今後どうなるか?
『未来のお家!3Dプリンターハウスは今後の住宅事情をどう変える!?』
というテーマで、不動産のプロである田中先生から見た、3Dプリンターハウスってどんな風か聞いてみたいなと。
わかりました!
ちょうど、リスナーさんからも3Dプリンター関連の質問がありましたね。
サッシーさん、ご紹介お願いします。
では、紹介いたします。
ラジオネーム:ココ さんからのご質問でございます。
質問:3Dプリンターハウスについて教えてください
いつもラジオ楽しみにしています。
3Dプリンターで家が建つとニュースで見ました。
新しい技術は良いことだと思っていますが、安全性や耐久性が気になります。
興味があったので色々調べてみましたが、まだそんなに情報も多く出てきませんでした。
何か知っていることがあれば教えていただきたいな、と純粋な気持ちでお便りしました。
暑い日が続いております、お体ご自愛ください。
ラジオネーム:ココ さんからのご質問
ラジオネーム:ココ さん。
ご質問ありがとうございます。
3Dプリンターハウスは発展途上の技術
私が思う3Dプリンターハウスの第一印象は『発展途上の技術』です。
数百万円で建つという話でニュースを見たのですが、日本の『セレンディクス』 と言う会社が造っているそうです。
3Dプリンターで建てた1LDKの家が、550万円だそうです。
3Dプリンターハウスを建てている セレンディクス社Webサイト
格安で短時間に建てられて設備も十分
そうなんです。
『SUUMOジャーナル』のサイトでは、550万円、44時間30分で建てることが出来たと書いてありました。
一般向け3Dプリンター住宅、水回り完備550万円で販売開始! 44時間30分で施工、シニアに大人気の理由は?用途がグランピング施設などに限られていた「serendix10」に対して、「serendix50」は一般住宅仕様。キッチン、バス、トイレといった水回り設備を完備した鉄骨造の50平米の1LDKで、価格は550万円の平屋。完成までにかかった施工時間は44時間30分。
現在は複数台の3Dプリンターでパーツを出力し、それらをトラックで施工場所へ運び、現地の施工会社が組み立てるという「セントラルキッチン」のような方法を採用している。
この「serendix50」へは、すでに6000件(8月末時点)の問い合わせがあるそうだ。
約2日で完成ですね!
■キッチン / バス / トイレ 生活に必要な設備も完備
画像引用:セレンディクス – 3Dプリンターハウス『Fujitsubo』間取り
キッチン、バス、トイレも完備ですね。
現在の住宅価格事情から感じる懸念
多分、3Dプリンターのオペレーターが居れば建てられるのでしょうね。
現場は職人不足だから、その解消に期待できますね。
人件費が抑えられるのも、安さの理由ですか?
そうですね・・・。 ただし、本当に550万円で1LDKの家を建ててくれるかと言うと、ちょっと微妙なんです。
そうなんですか?
■住宅本体価格に様々な追加費用が上乗せされる
比較的ローコストと言われてるのハウスメーカーでの例ですが・・・
広告では 坪単価30万円 × 床面積30坪ぐらいの土地で建てると 900万円と出ていたのです。
仮に坪単価40万円だとしても 坪単価40万円 × 床面積30坪なので、1,200万円で立派なお家が建つと思うじゃないですか?
思いますね。
実際に聞きに行ったことあるんです。
すると「1,000万で建ちますよ」と言っても『本価格が1,000万』と言うことなんです。
住宅には『付帯工事費』が別にかかります。
例えば・・・
「水道引きますよね?」って、当たり前じゃないですか。
すると「水道代に50万円かかります」と。
「下水も引き込みますよね?」「ガスも引きますよね?」と、それぞれの工事費に、追加で50~60万円ずつかかってきます。
ほかに、『仮設工事費』と言って、足場工事なども別料金。
建築をするのに『建築確認』と言う、設計料みたいな物も別料金でかかります。
「地盤が悪いな」「地盤調査が必要です」となると、地盤調査で何十万円。地盤改良で何百何十万円と、かかってきます。
職人さんが使う『仮説トイレ』の費用も別料金になることもあります。
更に、あるハウスメーカーでは、本体価格に必ず『現場管理費』という名目で1割ほどかかってきます。
へぇぇ~。
■3Dプリンターハウスは宣伝通りの価格で建てられるのか
「1,000万円で経ちますよ」と言っていても、付帯工事費として 500~600万かかってしまい、結局 1,500~1,600万円。
「1,300万で立ちますよ」と言われても、結局2,000万円ぐらいかかることが多いのです。
ですので、私としては「さて、これ(3Dプリンターハウス)はどうなのかな?」と、疑いの目で見てしまっている部分があります。
確かに。
3Dプリンターハウスの実際の価格がどのようになるのか、気になりますね。
まとめ:3Dプリンターハウスに今後に期待すること
まだ発展途上の技術ですが、職人さんが居なくても4LDKの家を建てられるとなれば、凄い事だと思います。
もし、飯田グループやオープンハウスみたいな大手ハウスメーカーが、この技術を買収して、
「これからの建売住宅は3Dプリンターです!」
「年間4万棟建てます!」
となったら、凄く安くなっていくと思うのです。
例えば、郊外の人口が減っているようなエリアなら100~200万っていう土地があります。
付帯工事費なども込みで 700~800万円で4LDKが建てられる時代になれば、土地建物でセットで900万円くらいになります。
そうなったら、消耗品に近い考えで買っても良いのではないかと思います。
家のメンテナンスも、いっそイチから建て直す。そんな感覚になるかもしれません。まさにイノベーションです。
3Dプリンターハウスが主流になれば、家を買う事が今よりも身近になるでしょうね。
- ■3Dプリンターハウスは住宅事情を変える可能性がある
- ・現在は発展途上中の技術
- ・材料費を抑えて格安で建てられる
- ・約44時間で1LDKの家を建てられる(2024年8月時点調べ)
- ・建築現場の人手不足を解消出来るかもしれない
- ・人手不足が解消され価格が抑えられるかもしれない。
なるほど。
だんだん変わっていきそうですね。
田中せんせい。ありがとうございました!
今回は『未来のお家!3Dプリンターハウスは今後の住宅事情をどう変える!?』というテーマでお届けいたしました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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