【住宅ローン】ローン返済期間を考える!損しない為の重要なポイントを解説します!
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第513-3 (2024年8月1日放送分 その③)となります。
※記事は動画を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど本編と異なる部分がございます。
住宅ローンの返済期間は何年で組むべきか?
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
次の話題も引き続き、サッシーがMCを担当させていただきます。
次はどんなお話をいただけるのでしょうか?
次は『住宅ローンの返済期間は何年で組むべきか?』というお話です。
とても気になります。
皆さん何年くらいでローンを組んでいるんですか?
やはり35年ローンを組んでいる人が多いですね。
そうなんですね。
僕は今38歳なんで、35年後は73歳です。
35年後の未来なんて、想像がつきません。
35年後の経済を予測することは難しい
そうですよね。
今は2024年ですから、35年後は2059年です。
今後、テクノロジーは指数関数的に発展して、20年後の2045年にはシンギュラリティーを迎えます。
更に14年後の2059年なんて、誰にも予想できませんので考えても仕方ないと思いますよ。
■シンギュラリティーとは
シンギュラリティー(技術的特異点)とは、自律的な人工知能が自己フィードバックによる改良を繰り返すことによって、人間を上回る知性が誕生するという仮説です。人工知能研究の世界的権威であるレイ・カーツワイル氏が2045年にシンギュラリティーに到達すると予測していることから、2045年問題とも呼ばれています。
田中先生・・・それでは今回のお話が終わってしまいますよ?
そうですよ!
リスナーさんから『住宅ローンの返済期間』に関しての質問をいただいているので、サッシーさんご紹介お願いします。
承知しました!
ラジオネーム:小川 さんからのご質問を紹介いたします。
何年くらいのローンを組んでいる人が多いでしょうか?
田中先生、こんにちは!
住宅ローンについて教えてください。
私は、32歳、会社員です。
これから5000万円の住宅ローンを組んで都内で中古マンションを買う予定ですが、何年ローンにするか迷っています。
営業の人は、できるだけ月々の負担を軽減するためにも、返済期間は長期にした方が良い。
今は、50年ローンもあるので、32歳なら、47年まで組めます。と説明を受けました。
私自身は、35年ローンでも長いと思っているのに47年となると将来の想像もつきません。
皆さんは、何年くらいのローンを組んでいる人が多いでしょうか?
ラジオネーム:小川 さんからのご質問
ラジオネーム:小川さん。
ご質問ありがとうございます。
現状では50年ローンを組む人は少ない
50年ローンのライフプランを考えていきます
田中せんせい。
50年ローンで組む人って多いんですか?
50年ローンを組む人というのは、私の実務上の肌感覚ですが・・・まだ多くありません。
しかし、確かに一部の金融機関では50年ローンを始めています。
これに関連したニュース記事がありましたので、サッシーさん、ご紹介お願いします。
承知しました。
2024年7月26日付の産経新聞の記事によりますと・・・
返済期間を最長50年に延長する動きが広がりつつある
返済期間を50年に延長する住宅ローン広がる、月々の負担軽減も住み替えの可能性に注意金融機関で、住宅ローンの返済期間を最長50年に延長する動きが広がっている。マンションなどの物件価格の高止まりが続く中、返済期間を長くすることで、月々の返済負担を軽減できるメリットがある。一方、若いときに長期の住宅ローンを組んだ場合、転勤や結婚など生活環境が変化し、住み替えを余儀なくされる可能性も高いため、注意が必要だ。
サッシーさん、紹介ありがとうございます。
この記事によると、
「金融機関では、近年、住宅ローンの返済期間を最長50年に延長する動きが広まっている」
とのことです。
具体的には、住信SBI銀行 / 北日本銀行 / 足利銀行 / 常陽銀行 などが、50年ローンを扱っています。
■返済期間を延長する動きが広まっている理由
なぜ、返済期間を延長する動きが広まっているのですか?
記事にも書いてありましたが、現在、都心ではマンション価格が高騰しています。
今後も、建築資材の高騰や職人不足の影響から、住宅価格が上昇傾向が続くでしょう。
ですが、返済期間を長くすることで、月々の返済額を抑えることができますよね。そうすることで「若年層のライフスタイルにあった返済計画を応援する」と説明しています。
実際のところは、今まで低金利でしたので、銀行側も金利での収益を上げ難くかったのでしょう。『長期的な利息収入の確保のための顧客の囲い込み戦略』なのかもしれません。
確かにそうかもしれませんね。
僕は今38歳なので、50年もローンを組んだら完済時は88歳ですよね。
そこまで、働いていられるかなぁ・・・?
それを言ったら、私やサッシーさんなんて、50年後は100歳超えてますよ💦
そうですが、2045年にはシンギュラリティーが到来しますから大丈夫ですよ。
平均寿命が120歳くらいになっているかもしれませんね。
寿命が延びる分、人生の計画をしっかりしていかないと。
老後が長いですね・・・
完済時の年齢は80歳未満となっている
お話を戻しますと・・・
50年ローンと言っても、完済時年齢は80歳未満とされています。
- 29歳:50年ローンまで
- 30歳:49年ローンまで
- 31歳:48年ローンまで
なるほど。
僕の場合は、今38歳だから、完済時79歳(80歳未満)として、41年ローンまで組めるということですね。
そういうことです。
50年ローンは有る程度普及すると予想
返済期間35年でも長いのに、50年ローンは普及するんでしょうか?
ある程度は普及するでしょう。
今、東京23区内の新築マンションの平均価格は1億円を超えています。
特に、都心3区と呼ばれる、港区 / 中央区 / 千代田区 のマンションは、高止まりして値下りする要素が無いと言われています。
そのようなマンションを『半投半住』の目的で購入する人にとっては、50年ローンは都合が良いのです。
都心マンションに関する記事はこちらです↓
なぜ都心の新築マンションは高いのか!?郊外の新築戸建にも影響する!?徹底解説
投資を見据えた購入『半投半住』
『半投半住』とは何ですか?
■半投半住とは
『半投半住』とは、
- ・物件を売却して利益を得る
- ・自分たちは引っ越して、その物件を賃貸にして収益を得る
近年では、世帯年収1,500万円以上の、パワーカップルと呼ばれる夫婦共働き世帯が、都心や湾岸にある1億円を超えるタワマンを、ペアローンで購入しています。
なるほど。『半投半住』の意味がわかりました。
そのような考え方でマイホームを買うというのは合理的ですね。
■50年ローンが『半投半住』に良い理由
では、なぜ半投半住の目的で購入する人にとって、50年ローンは都合が良いのですか?
半投半住で購入する人は、将来の値上りを期待して物件を購入します。
・・・中島さん、不動産投資で成功するコツって何だかわかりますか?
なんでしょう・・・??
教えてください。
■手持資金を使わないで物件を購入する
それは『できるだけ自分の手持資金を使わないで物件を購入すること』です。
自分のお金を使わず、銀行から低金利で借りたお金を使って物件を購入して、将来、値上りしたら売却する。
そうすれば、自己資金を使わずに、キャッシュが手元に残ることになります。
ただし、住宅ローンはあくまでも『本人が住むための物件を購入する目的に限っての融資』です。
絶対に、その融資金で投資物件を購入してはいけません!
そうなんですね。
そうです。
あくまでも自分自身が住むために購入した物件が・・・
- 数年後に値上りして
- 住み替えの為に売却して
- 結果的に売却益が出た
それはそうですよね。
住宅ローンはあくまでも本人が住むための物件を購入する目的に限っての融資です。
その融資金で投資物件を購入したことがわかると、ローンの一括返済を求められます。
※過去に『フラット35』を投資物件の購入に不正利用した問題がありました。
参考と出典:MBS NEWS – 住宅ローン4000万円の『一括返済』を求められ絶望…「投資用物件とフラット35」で相次ぐトラブル
50年ローンなら月々の返済額が少なくなる
金融リテラシ―が高いユーザーは、将来、価格が下がり難い物件や、少しでも値上りする可能性が高い物件を狙って購入します。
その可能性が高い物件と言うが、都心3区や湾岸のタワマンというわけです。
都心のマンション群
だけど、そのエリアのマンションは、1億円以上するんですよね・・・。
そうです。
しかし、50年ローンを使えれば、35年よりも月々の返済額が少なくすみますので、より高額な物件に手が届くことになります。
現実的には、30歳未満で世帯年収1,500万円以上という世帯は、まだ多くないと思います。
しかし、30代半ばくらいになると、世帯年収1,500万円のパワーカップルも増えてきます。そのような人たちが45年ローンにして、月々の返済額を抑えて、都心のタワマンを購入しています。
実際、不動産営業マンも「45年にすれば、住宅ローン審査が通る可能性が高まりますよ~」と言う感じの営業トークで、物件を販売しているらしいです。
私からすると、悪魔の囁きに聞こえます。
35年ローンでも長いのに、45年先なんて想像もつかないです。
皆さんはどうなんでしょう?
今は、1年~2年後すら予想できない時代ですから、5年~45年後を正確に予想できる人なんて誰もいないと思います。
そもそも、45年ローンを組む人も「45年間しっかり返済し続けよう」と考えている人は殆どいません。
途中で売却して、そのお金で繰上げ返済して、違う物件に住み替えることを前提にしている人が殆どです。
最後まで払い続けようという人はいないんですね。
35年ローンと50年ローンで月々の返済はどの程度変わるのか
35年ローンと50年ローンでは、月々の返済はいくらくらい違うんですか?
はい。
それでは、住信SBIネット銀行の50年ローンを例に説明しますね。
住信SBIネット銀行の50年ローンを例に解説
2024年8月現在、住信SBIネット銀行では、頭金2割以上自己資金がある人であれば、変動金利は0.298%です。
ただし、返済期間が35年を超える場合は金利が0.15%高くなり、0.448%になります。
■借入額 5,000万円の場合
返済期間 | 35年ローン | 50年ローン |
---|---|---|
借入額 | 5,000万円 | 5,000万円 |
金利 | 0.298% | 0.448% |
月々の返済額 | 12.5万円 | 9.3万円 |
借入額 5,000万円の場合・・・
- 35年返済:月々の返済額 約12万5,000円
- 50年返済:月々の返済額 約 9万3,000円
月々差額は、3万2,000円の差です。
この差が大きく感じるかどうかは、それぞれの家計によって異なると思います。
■借入額 1億円の場合
返済期間 | 35年ローン | 50年ローン |
---|---|---|
借入額 | 1億円 | 1億円 |
金利 | 0.298% | 0.448% |
月々の返済額 | 25万円 | 18.6万円 |
借入額1億円になると、単純に倍になります。
- 35年返済:月々の返済額 約25万円
- 50年返済:月々の返済額 約18.6万円
たしかに、月々6万円以上違うのは大きな差ですね。
まとめ:50年ローンが向いている人
最後に50年ローンが向いている人について、5つまとめてみました。
50年ローンが向いている人
- 半投半住を目的として購入する人
- 将来、住み替えで売却を予定している人
- 終の棲家にする予定で、理想の住まいを建てようとしているが予算がギリギリの人
- 長期的な安定収入が見込める若い世代
- 将来インフレが進むと見込んでいる人
■5.将来インフレが進むと見込んでいる人 について
5番の『将来インフレが進むと見込んでいる人』ですが、これはなぜですか?
インフレが進むと、相対的にお金の価値が下がりますので、収入が増えることになります。
そうなると、実質的に返済負担も軽減できる可能性があります。『借金は未来に残しておいた方が得』という考え方ができます。
なるほど。
今後、50年ローンはユーザーに受け入れられるのでしょうか?
30年くらい前は、住宅ローンと言えば25年ローンが主流でした。
それが、30年になり、35年が主流となり、返済期間が少しずつ伸びてきました。
そのため、最長50年まで組む人は少ないにしても、40年ローンや45年ローンなどは利用する人が増えるかもしれませんね。
- ・売る立場である『デベロッパー』や『不動産会社』
- ・お金を貸す立場の『銀行』
- ・良い条件の物件を買いたいという『ユーザー』
注意点としては、定年退職して所得が減少したあとの返済計画です。
住宅ローンを計画するときには、現時点の月々の返済額だけでなく、定年退職の時点(例えば65歳時点)のローン残高は、いくらあるかなども、確認しておくことが大切です。
なるほど。
定年退職後のことも見越して考える必要があるんですね。
今日も勉強になりました。
田中せんせい。ありがとうございました!
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
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