【徹底比較】賃貸VS持家 ― 本当に得なのはどっち?「賃貸か持家か」で悩む人へ
【建売住宅】賃貸vs持家の論点が噛み合わない深層心理
今回のテーマ『賃貸派 vs 持家派 ーー 論点が嚙み合わない深層心理』

今回は、どんなお話を頂けるのでしょうか?

今回のテーマはこちらです。
『賃貸派 vs 持家派 ーー 論点が嚙み合わない深層心理』です。
最近では、
「住宅ローンを組むのが怖い」
「どうせ人口が減っていくんだから、家を買っても意味がない」
など、色々なご意見をよく耳にします。
一方で「マイホームが欲しい」と考える人も数多くいます。

賃貸派 対 持家派 の論争みたいな感じですよね。

だけど、その論争って、実は、論点があまり噛み合っていないことが多いんです。
そこで今回は、論点が噛み合わない心理と、人が家を欲しがる本当の理由について、深掘りしていきます。

今回もとても気になります。田中せんせい。ぜひ、お願いします。
- 執筆者:田中 勲
(宅建士、ホームインスペクター、FP) - YouTube – 田中勲の『不動産の知恵袋』
- -田中勲│こんな建売住宅は買うな
- Instagram – ゼロシステムズ|田中勲
- 専門家プロファイルを見る
※記事はラジオ収録用の原稿を元に要約しております。そのためYouTube動画と内容が異なる部分がございます。
なぜ議論が噛み合わないのか?
田中: それでは、いつものようにリスナーさんから、今回のテーマに関連した相談を頂いているので、ご紹介お願いします。
フジコ:
承知しました。
ラジオネーム『お家欲しい』さん からのご相談です。
相談:家が欲しいけど夫が乗り気ではない
田中せんせい、中島さん、フジコさん、こんにちはー
チャンネル登録をして、いつもYouTubeで勉強させてもらっています!
はじめて質問させていただきます。
我が家は、賃貸暮らしで、私34歳、夫35歳、息子2人の4人家族です。
上の子は、来年、小学校に上がるし、そろそろ「家が欲しいなぁ」と思っています。
アパートの近所に飯田グループホールディングスの新築が売り出されていて、夫に内見しに行こうと誘ったところ、「今後、人口減少するから家はタダで手に入る時代が来るらしいよ」などと言って真剣に取り合ってくれません。
夫は、どちらかというと住宅ローンを組むのが怖いようで、このまま賃貸でもいいと考えているみたいです。
どうしたら、他のご家庭みたいに夫婦仲良く家探しができるでしょうか?
ラジオネーム『お家欲しい』さん からのご相談

田中: ラジオネーム『家が欲しい』さん ご相談ありがとうございます。
奥さんは持ち家派 / 旦那さんは賃貸派 が多い
田中:
男の子2人となると、アパートでは少し手狭な感じになりますよね。だけど、ご主人が家を買うことに前向きじゃない…というのは、よくある話なんです。
住宅を購入することについては、多くの場合、奥さんの方が積極的です。
フジコ: 旦那さんは積極的ではないんですか?
田中: 比較的そういう傾向という感じですかね。
フジコ:
ご質問者様のご家庭も、奥さんは持家派で、旦那さんは賃貸派というところですかね。
■夫婦で意見が分かれるのは自然なこと
住宅購入の場面で 奥さんの方が持家派、ご主人の方が賃貸派 という組み合わせが多いです。
・男性は「金利」「資産価値」「合理性」で考える
・女性は「安心」「家族の居場所」「感情」で考える
脳科学的にも、男性は論理・数字、女性は直感・共感を重視しやすいという研究結果が多くあります。
つまり『家が欲しい』様のような「賃貸派VS持家派」の議論は、男女の思考特性の違いが背景にあることも少なくありません。
家がタダで手に入る時代が来る!?
フジコ: ご質問者の旦那さんは「将来、家はタダで手に入る時代が来るらしい」と言っているそうですが、それって本当なんですか?
田中: 不動産系のYouTubeを見ていると「郊外の一戸建ては、需要がなくなるから無価値化する」という意見を目にしますよね。
フジコ: 「郊外が無価値化する」と言っても全部が全部じゃないですよね?
無価値化するには理由がある
田中:
おっしゃる通りだと思います。
不便すぎる立地では、価値が大きく下落する。または無価値化するのは当然だと思います。
だけど、これって極端に条件が悪い物件に限ってのことなんですよ。私も不要な不動産をタダで引きとることがありますが、そういう物件は誰も住みたくないくらい不便でボロい物件だから売ることもできず、処分に困った結果の『タダ』なんですよ。
逆に郊外であっても、人が集まって、活気のある立地も当然あります。そういう物件は価値が持続します。
今後、人口減少が進むと、そういう差が大きくなるということです。
タダで手に入る住宅について触れた動画はこちらです↓
【不動産市場】2030年問題!人口減少で空家が増加!
フジコ: なるほど。郊外の一戸建ての全部が全部、無価値化するわけではないということですね。ということは、賃貸派の人の論理は間違えているということですか?
田中:
その基準は人によって違いますし、どちらかの考えを押し付けるのは良くないと思います。
私は不動産と住宅診断の会社を経営していますので、家を買いたい人が増えると嬉しいのは確かです。
■賃貸派の典型的な主張
- ・人口減少で住宅が余る。いずれ家はタダになる。
- ・住宅ローンは一生の借金だから怖い。
- ・持家は資産価値が下がるリスクがある。
地方の不便すぎる立地や老朽化した空き家は「タダでも引き取り手がない」ケースがあります。しかしそれは「不便でボロボロの家」に限った話。
駅近や都市圏の利便性が高い住宅が、将来タダになるわけではありません。
■持家派の典型的な主張
- ・家賃を払い続けても資産にならない。
- ・ローンが終われば住居費はほぼゼロになる。
- ・子どもに財産として残せる。
- ・老後に安心して住める拠点が欲しい。
持家派の主張には「安心感」や「生活の基盤」といった心理的な価値が強く表れています。
家を買いたい理由は『理屈ではない』
田中: 私は「賃貸派の人も家を買った方がいい!」なんて主張する気は、さらさらありません。「こうだから持家がいい」とか「こうだから賃貸の方がお得だ」という不毛な論争は正直飽きてきました。家を買う理由って、実はもっと深いところにあると思うんです。
フジコ: それは・・・?
家を買いたい理由
田中:
家を買いたい理由は理屈じゃないのです。
「家を買う理由」って、
- ・今の住まいが手狭になったから
- ・家賃並みでローンが買えるから
- ・低金利だから
- ・老後の住まいが不安だから
- ・資産になると思ったから
だいたい、こんな感じじゃないですか?
フジコ: 確かに、大抵の人は、これのどれかに当てはまりそうですね。
■家を買う理由は後付け
田中:
そうなんです。これって、環境的な理由にすぎないと思うんです。
たとえば、
「手狭になった」は、物理的な環境。
「金利が安い」は経済的な環境。
つまり、「条件が整ったから買う」という、後付けの要因でしかないんです。あくまでも、「家を買う言い訳」にしか、過ぎなくて、その人が「本当に家を買いたい理由」ではないんです。
フジコ: じゃぁ、その人が本当に家を買いたい理由って、何なんですか?
田中:
家を買いたいというお客様の心の奥、つまり「深層心理」には、
「やっぱり、私たち だけの 家が欲しい」という想いがあるんです。結局のところ、これに尽きるんです。
理屈で考えるんじゃなくて、心で感じている欲求なんです。つまり、家を買う理由は『家が欲しいから』なんです。
フジコ: 「家を買う理由は、家が欲しいから」何だか、深いかもしれないですね。
家を買う理由は『家が欲しいから』
田中:
まず「家が欲しい」という気持ちを強く持っているのは誰か?
家を探し始めた初期段階では、夫婦で見ると妻の方が「家が欲しい」と思っている傾向にあります。こまかな統計を取ったわけではなく私の肌感覚となりますが、奥さんの方が購入に積極的です。
そして、ご主人は「まぁ、急がなくても…」というスタンスであることが多いです。これって、やっぱり考え方の違いだと思うんですよ。
男性は「金利が…」「資産価値が…」と、理屈や数字で考えがちなんです。
女性は「安心して暮らしたい」「家族の居場所が欲しい」など、気持ちや直感で判断する傾向が強いです。
フジコ: なるほど。
田中:
今の時代、「男女平等」が当然の価値観になっています。
ただ、脳科学的には、男と女で感じ方・考え方に違いがあるのも事実です。
女性の方が感情や直感を重視しやすく、男性は論理や合理性を優先しやすい傾向にあることは、多くの研究で示されています。
だから、家を買うかどうかという場面では、どうしても夫婦間で温度差が生まれることがあるんですよね。
そして実際、多くの家庭では「奥さんの意見」が、最終的なジャッジを左右しているケースが多いです。
フジコ: だいたい、そうなんでしょうね。
■今回のご相談ようなケースはよくあること
田中:
今回のご相談のように、奥さんの「家が欲しい」に対して、旦那さんは理屈で反対意見を言う。これって、実は、よくあるパターンなんです。
奥さんが「家が欲しい」と言っているのに、旦那さんは「人口減ってるし資産価値が下がるから…」とか、「金利が上がったら危ないし…」と言って反論します。
フジコ: だけど、それもそれで間違ってはいませんけどね。
田中:
そうなんです。これって、実は、どれも正論なんです。
だけど、それを家が欲しい奥さんにぶつけても上手くいかないんですよ。
フジコ: 田中先生も、数値とデータでお話するのが好きですからね。気を付けてくださいね。
田中: 気を付けます・・・。
理屈ではなく『欲求』
田中:
このお話って 持家派 対 賃貸派 の論争にも通じる話でもあるんです。
「人口減少で需要が減る」
「郊外の戸建ては無価値化する」
だから家を買う必要はない。みたいなコメントをいただくことがあります。
ですが、「家が欲しい」と思っている人に対して理屈で否定しても、そのような人は、家を買うに値する納得できる理由を探します。
例えば、
「このエリアなら住宅需要が落ちにくいだろう」とか
「将来インフレで、きっと家賃の方が高くなるだろう」とか
自分の気持ちに理屈を後付けします。これは、当然のことだと思います。
フジコ: そりゃそうですよね。だって、根底には「マイホームが欲しい」という気持ちがあるのですから。心の奥底までは、理屈では変えられないと思います。

■家を買うのに理屈はいらない
田中:
そうですよね。
逆に、賃貸派の人に
「やっぱり持ち家の方が安心だよ」とか
「住宅ローン終わったら家賃ゼロだよ」なとど、
一生懸命説いても、たぶん心には届きません。
なぜかというと、そもそも「家が欲しい」という気持ちが1ミリも無いからです。つまり、気持ちが出発点になっていない人には、いくら正論を並べても刺さらないんです。
ですから結論としては『家を買う理由に、そんなに理屈はいらない』ということなんです。家が欲しいという気持ちを、もっと大切にして良いと思うんです。
フジコ: そうですよね。ストレートに旦那さんに「自分たちの家が欲しい」と何度でも伝えればいいんですよ。それでも拒み続けたら、そんないくじのない男、見切りつけるしかないですよ。
田中: いやいや、見切り付けちゃだめでしょ。
家を買う理由としてよく挙げられる理由は、環境的な後付け理由にすぎません。
実際に購入を決断した人の深層心理には、ただ一つの本音があります。
「自分たちの家が欲しい」これは理屈ではなく感情です。
だからこそ「人口減少だから損だよ」と言われても心が揺るがず、逆に「持家が安心だよ」と言われても賃貸派の人には響かないのです。
診断してみよう!あなたは賃貸派?持家派?

田中:
これはもう、言葉で諭すんじゃないんですよ。
そこで今回、ゼロシステムズで診断ツールを作りました!
フジコ: また作ったんですね。ほんと、そういうの好きですよね。
あなたは賃貸派?それとも持家派?1分間セルフ診断
田中:
名付けて、『あなたは賃貸派?それとも持家派?1分間セルフ診断』です!
20個の質問項目があって、当てはまる項目をチェックするという感じで進めていきます。
フジコ: それは簡単そうですね。
田中: とても簡単です。この診断の質問項目には、ちょっとした工夫が施されておりまして、ご自身の考え方だけでなく、現在おかれている状況も踏まえて、どんな居住形態がベストかを、グラフで可視可してくれるんです。
診断結果画面

診断結果をレーダーチャートで可視化します
フジコ: 考え方だけじゃなくて、おかれている状況って…どういうことですか?
田中:
たとえば、本人は「家を買うつもりはない」と思っていても、今住んでいるエリアや家族構成、ライフスタイルなどを踏まえると、持家の方が向いている。というケースもあるんです。
そういった場合は、診断結果のスコアが持家寄りになります。
逆に、「絶対に家を買いたい」と思っていても、考え方やライフスタイルを含めて総合的に診断すると、賃貸の方が向いている。という結果が出ることもあります。
フジコ:
それはなんだか面白そうですね!それに、客観的にゲーム感覚でわかるから良いですね!
これをご質問者さまの旦那さんにやってもらったら、どんな結果になるか楽しみですね。
田中:
ぜひやって頂きたいです。
例えば、
「自分は本当に家を買うべきなのか?」
「自分は家を買いたいと思ってはいないが、妻が欲しがっている。どうしよう?」
そんな人のために作ってみました。持家派、賃貸派、どちら側の忖度も一切無しです。
フジコ: あとで私もやってみます!
ゼロシステムズでは、20個の質問に答えるだけで「自分は賃貸派か持家派か」を診断できるセルフチェックツールを公開しています。
・家族構成、ライフスタイル、将来設計を踏まえて診断
・単なる気持ちだけでなく、客観的なグラフで可視化
賃貸派の人も、持家派の人も納得できる結果を表示してくれます。
ぜひご利用ください!


ちょっと思ったんですけど「家を買うのは理屈じゃない!」って散々語っといて、結局こんな診断ツール作ってるあたり、やっぱり田中先生は男性脳なんですね。

そうですね。
やっぱり建物診断も含めて数値や理屈で納得したくなるタイプなんですね。
でも、これは、正解を出すためのツールというよりは、「自分の中にあるモヤモヤに気づくきっかけ」にしてもらえたら嬉しいなと思って作りました。
結局のところ、
・数字や合理性を重視するなら:賃貸
・家族の安心や居場所を重視するなら:持家
どちらも正解です。
ただし、不動産のプロとして最後に一つだけ言わせてもらうと――
家を買う理由は理屈じゃない。家族と自分の幸せのために欲しいから。
このシンプルな真実を踏まえて、あなたにとってベストな選択をしていただければと思います。

悩んでる時って「人からのアドバイス」より、こういったツールの方が良いかもしれませんね。
田中先生、ありがとうございました。

ありがとうございました。
SNSからも質問を受け付けております
住宅ローンお役立ちツール
以下のツールを使うことで、住宅ローン審査や金利の計算などが簡単にシミュレートできます。
- ■ 住宅ローン
- ・住宅ローン審査1分間セルフチェック
- ・住宅ローン金利シミュレータ
- ・住宅ローン返済比率チェッカー
- ・住宅ローン破綻チェッカー
- ■ 控除 補助金 諸費用
- ・住宅ローン控除シミュレータ-2025年版-
- ・仲介手数料 かんたん計算機
- ・子育てエコホーム支援事業セルフチェック
- ・諸費用比較チェッカー
- ■ 耐震 査定 診断
- ・耐震性能セルフチェック
- ・みらい価値診断
- ・賃貸派?持家派?セルフチェック
- 住宅ローン比較サイト『モゲチェック』(外部サイト)
- ・新規の借り入れで比較
- ・借り換えで比較