『変動金利』と『固定金利』の特徴と選び方

住宅ローンには『変動金利』と『固定金利』がある

住宅ローンの金利には、大きく分けて『変動金利』と『固定金利』の2種類が存在します。
このページでは、それぞれの特徴と選び方を解説します。

住宅ローン破綻が嫌なら知っておきたい
– 変動金利を選ぶべき人 固定金利を選ぶべき人 –

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住宅ローン選びは物件選びと同じくらい重要

住宅ローン 変動金利と固定金利

変動金利と固定金利どちらが良いの?

変動金利0.3%台 / 固定金利1%台前半

近年では、
・『変動金利』では、auじぶん銀行、ペイペイ銀行、みずほ銀行、住信SBIネット銀行などの住宅ローンが0.3%台で人気があります。
・『全期間固定金利』では、フラット35,みずほ銀行、りそな銀行、中央労働金庫などの住宅ローンが、1%台前半の金利ですので人気があります。

月々の支払い金額の例

例として上記の金利で、借入3,500万円 35年ローンで組んだ場合の、月々のおおよその返済額を算出します。

例:借入3,500万円を35年の住宅ローンで組んだ場合
変 動 金 利 0.31%:月々 87,947円
全期間固定金利 1.20%:月々102,096円

月々8万円代と10万円代では感じ方が違いますが、
『変動金利』と『固定金利』それぞれの特徴を理解すると、感じ方も考え方も変わってくるでしょう。

住宅ローン返済期間は長期にわたりますので、住宅ローン選びは、物件選びと同じくらい重要になります。
そのため、変動金利と、固定金利の特徴について十分に理解して住宅ローンを選ぶ必要があります。

それぞれの特徴とメリット/デメリット、向き不向きなどを解説していきます。


7割近い人が『変動金利』を選択

住宅ローン利用者調査の結果から判明

住宅金融支援機構の『住宅ローン利用者の実態調査』によると、2020年10月~2021年3月(2021年4月調査)の結果は以下の通りでした。

変動金利68.1%
固定金利
期間選択型
20.7%
固定金利
全期間固定
11.2%

出典住宅金融支援機構 – 住宅ローン利用者の実態調査

調査の結果、7割近くの人が変動金利を選んでいることがわかります。
実際に、住宅ローンを利用してマイホームを購入した知人や友人に、変動金利と固定金利のどちらを選んだかを聞くと、「変動金利を選択した」と回答する人が多いと思います。

変動金利 は人によってはリスクあり

「周囲の人の多くが変動金利を選んでいるから、何となく変動金利を選んだ。」という人も少なくありません。
しかし、住宅ローン返済は、長期にわたります。
深く考えずに変動金利を選んでしまうと、人によっては、将来、金利上昇により返済不能に陥るリスクがありますので注意が必要です。
以下の理由とご自身の状況を照らし合わせて、じっくり考えましょう。

変動金利を利用している人が多い理由

それでは、なぜ変動金利を利用している人が多いのでしょうか?
考えられる理由を3つ挙げていきます。

理由1:借入れ当初は、変動金利の方が金利が低いから

「借入れ当初は、固定金利よりも変動金利の方が金利が低いから。」という最もシンプルな理由です。

住宅ローン借入額3,000万円の場合では、変動金利と固定金利の月々返済額の差は、おおよそ1万円になります。
月々1万円の差は、とても大きいので、何も説明がなければ、ほとんどの人は、変動金利を選択します。

理由2:不動産営業マンの多くが変動金利を勧めるから

不動産営業マンが物件を紹介する時には、諸費用や月々の住宅ローン返済額をシミュレーションしてお客様に提案します。

目先の返済額が安くなり変動金利でシミュレーションした方が、購入し易く感じられます。
そのため、多くの不動産営業マンは、成約率を向上するために変動金利の住宅ローンを勧めてきます。

理由3:銀行が変動金利を勧めてくるから

銀行の担当者が変動金利を勧めてくることが多いのも、不動産営業マンが変動金利を勧めてくる理屈と基本的には同じです。

銀行の担当者も住宅ローンの取扱い件数や貸付残高が営業成績となります。
お客様には、変動金利を勧めた方が目先の返済額が低いので、自社の住宅ローンを利用してもらい易くなります。


『変動金利』の特徴

固定金利と比較して、低い金利で借入れが出来ます。
しかし、住宅の購入後も経済の状況によって金利が変動します。
従って、月々の返済額も変動することになります。

金利変動は半年毎 / 月々返済額の見直しは5年に1度

変動金利は、住宅ローン実行した後(返済スタート後)、半年ごとに金利が見直されます。(変動します)
ただし、月々の返済額は、5年に1度だけ見直されます。

金利は半年ごとに見直される

変動金利と言っても、毎月金利が変動して、返済額が毎月上下するということはありません。 変動金利は、住宅ローン実行した後(返済スタート後)、半年ごとに金利が見直されます。(変動します)

月々の返済額は5年ごとに見直される

月々の返済額は、5年に1度のタイミングで見直されます。 もし、返済額が見直されるまでの5年間のうちに金利が上下した場合は、月々の返済額の中で、元本と利息の内訳が調整されることになります。

例えば、最初は、元本が4万円、利息が4万円で合計8万円の返済額だとします。 しかし、金利が上昇した場合、元本が3.5万円、利息が4.5万円となり合計8万円の返済額となります。 そのため、5年に1度の返済額の調整時に、当初予定していた返済期間内に完済できるように月々の返済額を引き上げられる。という考え方になります。

『借入当初は変動金利0.31%でも、毎年金利が少しずつ上昇して5年後に1.5%になっていたら、5年後の返済額は大幅に高くなる。』
と、いうことです。

返済額1.25倍ルール

5年に1度の月々返済額が見直されたときに、急激に返済額が上昇すると、住宅ローンを返済できなくなってしまう可能性があります。

そのため、住宅ローン変動金利では、いくら金利が上昇しても、月々の返済額の見直しは、今までの返済額の1.25倍までというルールがあります。
例えば、当初は、月々返済額8万円の場合、1.25倍ルールでは、月々10万円ということになります。

ただし、この1.25倍ルールというのは、あくまでも返済額に対してのお話です。
もし、金利が上昇し過ぎて、1.25倍の返済が、金利上昇に追いつけない場合は、元本の減りが遅くなり、当初の予定期間で返済が終わらない。
という可能性があります。

返済が金利上昇に追いつけなくなった場合

35年返済を終えても、住宅ローン残債が残ってしまうことになります。(未払い利息)
現在の金融情勢では、このようなことは、考えにくいですが、これが、変動金利のリスクと言えます。
また、この1.25倍ルールがあることにより、金利上昇に気づき難いというデメリットもあります。

1.25倍ルールを採用していない金融機関もある

上記を踏まえ、あまり知られていないことですが、近年では1.25倍ルールを採用していない金融機関もあります。
例えば、ソニー銀行、ペイペイ銀行、新生銀行などは、この1.25倍ルールがありません。
もし、変動金利の住宅ローンを検討するときには、そのあたりも確認する必要があると言えます。

変動金利の決まり方

変動金利は、短期プライムレートに連動

変動金利は、短期プライムレートに連動します。

短期プライムレートは、日銀の政策金利に連動しています。
日銀の政策金利は、総務省統計局の消費者物価指数の上昇率(インフレ率)が、前年比2%目標を達成できたら、政策金利を引き上げる。
とされています。
インフレ率2%を達成すると日銀は政策金利を引き上げる可能性が出てきます。

多くの銀行の住宅ローン変動金利は、短期プライムレート1.475%(2021年12月時点)に、1%をプラスした2.475%を基準金利としています。
そこから、優遇金利を設定して、各銀行が金利競争をして顧客の争奪合戦をしています。

■ 計算例
 基準金利2.475% – 優遇金利2% = 適用金利0.475%

この優遇金利は、顧客の属性によって異なります。

変動金利から固定金利に切り替える場合の注意点

固定金利への変更は、間に合わない場合が多い

変動金利を借りようする多くの人は、「金利が上昇し始めたら、固定金利に切り替えよう。」と、考えます。
しかし、
毎月銀行が発表する、住宅ローン金利表を見てから検討するのでは遅すぎるのです。
既に上昇してしまった金利を見てから検討するのでは遅いです。

総務省統計局の消費者物価指数(CPI)を常に確認しておく

これから、変動金利の住宅ローンを検討している人
もしくは、既に、変動金利で、住宅ローンを組んだ人は、
総務省統計局の消費者物価指数(CPI)を常に確認しておくと、近い将来、変動金利が上昇する可能性を少し早めに察知できます。

2021年12月24日に総務省統計局から公表された『消費者物価指数』は、

  • ・総合指数(CPI)では、前年同月比0.6%上昇
  • ・生鮮食品を除く総合指数(コアCPI)は、前年同月比0.5%上昇
  • ・生鮮食品及びエネルギーを除く総合指数(コアコアCPI)は、前年同月比0.6%の下落
となっています。

『消費者物価指数』がプラス2%になったら、変動金利が上昇する可能性が高くなるので、全期間固定金利に切り替えた方が良い。ということです。

変動金利から固定金利に切り替えるタイミング

長期固定金利は、変動金利よりも、早く市場に反応します。
ですので、
『消費者物価指数が前年同月比プラス2%達成してから、全期間固定金利に切り替えたのでは遅い。』
ということになります。

2%ちょっと前くらいに、変動金利から固定金利に切り替えると良いでしょう。

変動金利のメリット/デメリット

変動金利のメリット – 当初の借入金利が低い
変動金利の最大のメリットは、当初の金利設定が低いため、月々の返済額を抑えられることです。
変動金利のデメリット – 将来、返済額が上昇する可能性が高い
変動金利では、金利上昇のリスクを顧客側が負担しなければならない。(後述)という考え方となり、そこが最大のデメリットと言えます。

『固定金利』の特徴

固定金利の特約期間中は金利が変動しませんので、月々の住宅ローン返済額が一定となり、将来のライフプランや資金計画が立てやすいというメリットがあります。
ただし、固定金利は、住宅ローン借入れ当初は変動金利より金利が高いので、月々の返済も高くなります。

固定金利の特約期間中は、金利も返済額も一定

変動金利と異なり、固定金利の特約期間中は、金利も返済額も一定です。
銀行、信用金庫、農協や労働組合などの住宅ローンでは、基本は変動金利です。

その変動金利の住宅ローンに固定特約期間を設定して、その期間内は金利変動をしないという考え方です。

例えば、3年、5年、10年、20年、35年で固定特約期間を選択できます。
※固定特約期間の設定は金融機関によって異なります。

  • ・3年固定特約を選択すれば、当初3年間は、金利変動がありません。
  • ・35年固定特約(全期間固定特約)を選択すれば、返済終了まで金利の変動はありません。
  • ・変動金利と固定金利を比べると、固定金利の方が金利が高くなります。
  • ・固定金利の中でも、固定特約期間が長いほど金利設定が高くなります。

固定金利の金利の決まり方

長期固定の金利が決まる仕組みは、変動金利と全く異なります。
長期固定金利は、10年国債利回りに連動しています。

10年国債利回りのような長期金利は、基本的に1年先の短期金利、2年先の短期金利 ・・・ 10年先の短期金利を市場が予測して、その平均値が長期金利となります。
そのため、10年国債利回りは、株式や為替市場のように日々変動しています。

固定金利の場合、
融資実行されてからは金利が変わらず返済は一定となりますが、
融資を借りるまでは、変動金利に比べて、固定金利の方が、毎月の金利の動きが激しい。
という特徴があります。

固定金利のメリット/デメリット

固定金利のメリット – ずっと返済額が変わらない
固定金利の最大のメリットは、固定特約期間中は金利と返済額が一定となるため、将来の計画が組みやすいということです。
また、全期間固定金利では、金利上昇のリスクを金融機関側が負担する。(後述)ということになりますので、そこが最大のメリットと言えます。
固定金利のデメリット – 当初は変動金利より高い
変動金利に比べて、固定金利の方が金利設定が高いことがデメリット言えます。
金利が上昇基調のときは、長期固定金利、金利が下降基調のときは、変動金利を選択するという考え方が一般的です

金利上昇のリスクは誰が負うのか

金利上昇した場合のそれぞれの対応

■ 変動金利
経済状況によって金利が上昇した場合、返済総額が上昇します。
■ 固定金利
金利が変動しないので返済総額が変わりません。

これは、借りる側(消費者)と貸す側(銀行)の、どちらがリスクを負うのか?という根本的な考え方となります。

『変動金利』のリスク負担は・・・借りる側(消費者)

変動金利は、世の中の金利が上昇すれば、返済期間の住宅ローン金利も上昇して返済総額が上昇します。
つまり・・・
・貸す側(銀行)にとってリスクはありません
・借りる側(消費者)がリスクを負います
こととなります。

『固定金利』のリスク負担は・・・貸す側(金融機関)

固定金利は、世の中の金利が上昇しても、返済中の住宅ローン金利は変わらず返済総額も変わりません。
つまり・・・
・借りる側(消費者)にとってリスクはありません
・貸す側(銀行)がリスクを負います

そのため銀行は、貸す側(銀行)にとってリスクが少ない変動金利を勧めてくる傾向が強いと言えます。

多くの人は、このことを理解しないで住宅ローンを利用しています。

「とりあえず変動金利で」という甘いワナ

不動産営業マンが
「今は金利が低いから、とりあえず変動金利で組んでおいて、将来、変動金利が上昇したら固定金利に切り替えれば大丈夫」
などとアドバイスする事も少なくありません。
実は、このアドバイスは、消費者にとって不利益となる大きな間違いと言えます。

住宅ローン金利は『固定金利』から上昇する

一般に住宅ローン金利が上昇する時には、固定金利の方から上昇します。

従って、変動金利が高くなったと実感するころには、既に固定金利が上昇していて返済額も上昇していますので、時すでに遅しなのです。


返済計画による向き不向き

変動金利と固定金利のどちらの住宅ローンを選ぶかについては、すべての人に共通する回答はありません。
しかし、性格や返済計画による『変動金利の方が良い人』と『固定金利の方が良い人』の向き不向きついては解説することが出来ます。

貯蓄ができる人と苦手な人

  • ・貯蓄できる人 ・・・『変動金利』が向いています。
  • ・貯蓄が苦手な人・・・『固定金利』が向いています。

今まで、しっかり貯蓄できている人は、当初の金利が低い『変動金利』を選んで、もし将来金利が上昇して月々の返済額が高くなったとしても、柔軟に対応できますので、返済不能に陥るリスクは少ないでしょう。
逆に、貯蓄が苦手な人は、金利が上昇して月々の返済額が高くなると対応が難しくなるため、月々の支払いが一定な『固定金利』を選んだ方が良いと言えます。

返済比率ギリギリの人と余裕がある人

  • ・返済比率に余裕がある人・・・『変動金利』が向いています。
  • ・返済比率ギリギリの人 ・・・『固定金利』が向いています。

例えば、住宅ローンの借入金額3,000万円以上になりますと、月々の返済額は、金利の影響が大きくなります。
年収に対しての返済比率が35%ギリギリの人は、将来の金利上昇により住宅ローン返済額が高くなった場合、返済不能に陥るリスクが高くなりますので、固定金利を選んだ方が安心です。

繰上返済を予定している人と予定していない人

  • ・繰上返済を予定している人 ・・・『変動金利』が向いています。
  • ・繰上返済を予定していない人・・・『固定金利』が向いています。

返済期間20年未満で完済する予定の人や、途中で繰り上げ返済して早期完済を予定している人は、変動金利の方が総支払額を低く抑えられる可能性があります。

逆に、返済期間35年の住宅ローンを検討している人は、固定金利を選択した方が将来の金利が上昇して返済不能に陥るリスクを下げることになります。


まとめ『変動金利が良い人』と『固定金利が良い人』

変動金利を選択した方が良い人

  1. 頭金が多い人
  2. 貯蓄できる人
  3. 借入予定金額が少なく返済比率に余裕がある人
  4. 返済期間20年未満で繰上返済を予定している人

固定金利を選択した方が良い人

  1. 頭金が用意できない人
  2. 貯蓄できない人
  3. 借入金額が多く返済比率に余裕がない人
  4. 返済期間20年を超える予定の人

住宅ローンの返済は、長期にわたります。
住宅ローン金利の選び方の優先順位は、将来、返済不能に陥らない無理のない借入金額を前提にして、総支払額が最も少ない住宅ローンを選択することが大切です。

住宅ローンの審査基準から金融機関を選ぶには↓

住宅ローン審査基準 | 住宅ローン審査が通りやすい金融機関を選ぶ


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