『変動金利』と『固定金利』の特徴と選び方

住宅ローン『変動金利』と『固定金利』どっちが良い?

住宅ローン 変動金利と固定金利

変動金利と固定金利の違いを解説します

住宅ローンを検討する時には、 変動金利と固定金利どっちを選んだ方が良いかについて、ご質問をよく頂きます。
この回答には、すべての人に共通する答えが御座いません。

ただし、変動金利を選んだ方が良い人と固定金利を選んだ方が良い人の特徴については、お話することが出来ますので、参考にして頂ければと思います。


住宅ローンには『変動金利』と『固定金利』がある

ライフプランのイメージ

住宅ローンの金利には、大きく分けて『変動金利』と『固定金利』の2種類が存在します。
それぞれの特徴を簡単に説明すると、以下のようになります。

『変動金利』

固定金利と比較して、低い金利で借入れが出来ます。
しかし、住宅の購入後も経済の状況によって金利が変動します。
従って、月々の返済額も変動することになります。

『固定金利』

固定金利の特約期間中は金利が変動しませんので、月々の住宅ローン返済額が一定となり、将来のライフプランや資金計画が立てやすいというメリットがあります。
ただし、固定金利は、住宅ローン借入れ当初は変動金利より金利が高いので、月々の返済も高くなります。

次項より、『変動金利』と『固定金利』それぞれの詳しい解説と、自身の状況にあわせた選び方を解説させて頂きます。


住宅ローン『変動金利』の特徴

金利変動は半年毎 / 月々返済額の見直しは5年に1度

変動金利は、住宅ローン実行した後(返済スタート後)、半年ごとに金利が見直されます。(変動します)
ただし、月々の返済額は、5年に1度だけ見直されます。

返済額が見直されるまでの5年間のうちに金利が上下した場合は、月々の返済額の中で、元本と利息の内訳が調整されます。

例えば、最初は、元本が4万円、利息が4万円で合計8万円の返済額だとします。
しかし、金利が上昇した場合、元本が3.5万円、利息が4.5万円となり合計8万円の返済額となります。

そのため、5年に1度の返済額の調整時に、当初予定していた返済期間内に完済できるように月々の返済額を引き上げられるという考え方になります。

返済額1.25倍ルール

5年に1度の月々返済額が見直されたときに、急激に返済額が上昇すると、住宅ローンを返済できなくなってしまう可能性があります。
そのため、住宅ローン変動金利では、いくら金利が上昇しても、月々の返済額の見直しは、今までの返済額の1.25倍までというルールがあります。
例えば、当初は、月々返済額8万円の場合、1.25倍ルールでは、月々10万円ということになります。

しかし、1.25倍の返済が、金利上昇に追いつけない場合は、元本の減りが遅くなり、当初の予定期間で返済が終わらないという可能性があります。
その場合、35年返済を終えても、住宅ローン残債が残ってしまうことになります。(未払い利息)

どうやって変動金利が決まるのか?

変動金利は、短期プライムレートに連動します。
短期プライムレートは、日銀の政策金利に連動しています。
日銀は、インフレ率2%を目標としています。

インフレ率とは、総務省統計局で公表されている消費者物価指数を参考にして確認します。
インフレ率2%を達成すると日銀は政策金利を引き上げる可能性が出てきます。

多くの銀行の住宅ローン変動金利は、短期プライムレート1.475%(2021年12月時点)に、1%をプラスした2.475%を基準金利としています。
そこから、優遇金利を設定して、各銀行が金利競争をして顧客の争奪合戦をしています。

計算例
基準金利2.475% – 優遇金利2% = 適用金利0.475%

この優遇金利は、顧客の属性によって異なります。

変動金利のメリットとデメリット

メリット
当初の借入金利が低い

変動金利の最大のメリットは、当初の金利設定が低いため、月々の返済額を抑えられることです。

デメリット
将来、返済額が上昇する可能性が高い

変動金利では、金利上昇のリスクを顧客側が負担しなければならない。という考え方となり、そこが最大のデメリットと言えます。


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住宅ローン『固定金利』の特徴

固定金利の特約期間中は、金利も返済額も一定

変動金利と異なり、固定金利の特約期間中は、金利も返済額も一定です。
銀行、信用金庫、農協や労働組合などの住宅ローンでは、基本は変動金利です。

その変動金利の住宅ローンに、固定特約期間を設定して、その期間内は、金利変動をしないという考え方です。
例えば、3年、5年、10年、20年、35年で固定特約期間を選択できます。
※固定特約期間の設定は金融機関によって異なります。

  • ・3年固定特約を選択すれば、当初3年間は、金利変動がありません。
  • ・35年固定特約(全期間固定特約)を選択すれば、返済終了まで金利の変動はありません。
  • ・変動金利と固定金利を比べると、固定金利の方が金利が高くなります。
  • ・固定金利の中でも、固定特約期間が長いほど金利設定が高くなります。

どうやって固定金利は決まるのか?

長期固定の金利が決まる仕組みは、変動金利と全く異なります。
長期固定金利は、10年国債利回りに連動しています。

10年国債利回りのような長期金利は、基本的に1年先の短期金利、2年先の短期金利 ・・・ 10年先の短期金利を市場が予測して、その平均値が長期金利となります。
そのため、10年国債利回りは、株式や為替市場のように日々変動しています。

固定金利の場合、融資実行されてからは金利が変わらず返済は一定となりますが、融資を借りるまでは、変動金利に比べて、固定金利の方が、毎月の金利の動きが激しいという特徴があります。

固定金利のメリットとデメリット

メリット
ずっと返済額が変わらない

固定金利の最大のメリットは、固定特約期間中は金利と返済額が一定となるため、将来の計画が組みやすいということです。
また、全期間固定金利では、金利上昇のリスクを金融機関側が負担する。ということになりますので、そこが最大のメリットと言えます。

デメリット
当初は変動金利より高い

変動金利に比べて、固定金利の方が金利設定が高いことがデメリット言えます。
金利が上昇基調のときは、長期固定金利、金利が下降基調のときは、変動金利を選択するという考え方が一般的です


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『変動金利』を利用している人の方が多い

グループ分けのイメージ

住宅ローンを利用してマイホームを購入した知人や友人に、変動金利と固定金利のどちらを選んだかを聞くと、「変動金利を選択した」と回答する人が多いと思います。
「周囲の人の多くが変動金利を選んでいるから、何となく変動金利を選んだ。」という人も少なくありません。

しかし、住宅ローン返済は、長期にわたります。
深く考えずに変動金利を選んでしまうと、人によっては、将来、金利上昇により返済不能に陥るリスクがありますので注意が必要です。

変動金利を利用している人が多い理由

それでは、なぜ変動金利を利用している人が多いのでしょうか?
考えられる理由を3つ挙げていきます。

理由1:借入れ当初は、変動金利の方が金利が低いから

「借入れ当初は、固定金利よりも変動金利の方が金利が低いから。」という最もシンプルな理由です。

住宅ローン借入額3,000万円の場合では、変動金利と固定金利の月々返済額の差は、おおよそ1万円になります。
月々1万円の差は、とても大きいので、何も説明がなければ、ほとんどの人は、変動金利を選択します。

理由2:不動産営業マンの多くが変動金利を勧めるから

不動産営業マンが物件を紹介する時には、諸費用や月々の住宅ローン返済額をシミュレーションしてお客様に提案します。

目先の返済額が安くなり変動金利でシミュレーションした方が、購入し易く感じられます。
そのため、多くの不動産営業マンは、成約率を向上するために変動金利の住宅ローンを勧めてきます。

理由3:銀行が変動金利を勧めてくるから

銀行の担当者が変動金利を勧めてくることが多いのも、不動産営業マンが変動金利を勧めてくる理屈と基本的には同じです。

銀行の担当者も住宅ローンの取扱い件数や貸付残高が営業成績となります。
お客様には、変動金利を勧めた方が目先の返済額が低いので、自社の住宅ローンを利用してもらい易くなります。


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金利上昇のリスクは誰が負うのか

リスク管理のイメージ
  • ・変動金利は、経済状況によって金利が上昇した場合、返済総額が上昇します。
  • ・固定金利は、金利が変動しないので返済総額が変わりません。

これは、借りる側(消費者)と貸す側(銀行)の、どちらがリスクを負うのか?という根本的な考え方となります。

『変動金利』のリスク負担は・・・借りる側(消費者)

変動金利は、世の中の金利が上昇すれば、返済期間の住宅ローン金利も上昇して返済総額が上昇します。
つまり・・・
・貸す側(銀行)にとってリスクはありません
・借りる側(消費者)がリスクを負います
こととなります。

『固定金利』のリスク負担は・・・貸す側(金融機関)

固定金利は、世の中の金利が上昇しても、返済中の住宅ローン金利は変わらず返済総額も変わりません。
つまり・・・
・借りる側(消費者)にとってリスクはありません
・貸す側(銀行)がリスクを負います

そのため銀行は、貸す側(銀行)にとってリスクが少ない変動金利を勧めてくる傾向が強いと言えます。

多くの人は、このことを理解しないで住宅ローンを利用しています。

「とりあえず変動金利で」という甘いワナ

不動産営業マンが
「今は金利が低いから、とりあえず変動金利で組んでおいて、将来、変動金利が上昇したら固定金利に切り替えれば大丈夫」
などとアドバイスする事も少なくありません。
実は、このアドバイスは、消費者にとって不利益となる大きな間違いと言えます。

住宅ローン金利は『固定金利』から上昇する

一般に住宅ローン金利が上昇する時には、固定金利の方から上昇します。
従って、変動金利が高くなったと実感するころには、既に固定金利が上昇していて返済額も上昇していますので、時すでに遅しなのです。


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返済計画による『変動金利』『固定金利』の向き不向き

通帳を眺めるイメージ

変動金利と固定金利のどちらの住宅ローンを選ぶかについては、すべての人に共通する回答はありません。
しかし、性格や返済計画による『変動金利の方が良い人』と『固定金利の方が良い人』の向き不向きついては解説することが出来ます。

貯蓄ができる人と苦手な人

  • 貯蓄できる人 ・・・『変動金利』が向いています。
  • 貯蓄が苦手な人・・・『固定金利』が向いています。

今まで、しっかり貯蓄できている人は、当初の金利が低い『変動金利』を選んで、もし将来金利が上昇して月々の返済額が高くなったとしても、柔軟に対応できますので、返済不能に陥るリスクは少ないでしょう。
逆に、貯蓄が苦手な人は、金利が上昇して月々の返済額が高くなると対応が難しくなるため、月々の支払いが一定な『固定金利』を選んだ方が良いと言えます。

返済比率ギリギリの人と余裕がある人

  • 返済比率に余裕がある人・・・『変動金利』が向いています。
  • 返済比率ギリギリの人 ・・・『固定金利』が向いています。

例えば、住宅ローンの借入金額3,000万円以上になりますと、月々の返済額は、金利の影響が大きくなります。
年収に対しての返済比率が35%ギリギリの人は、将来の金利上昇により住宅ローン返済額が高くなった場合、返済不能に陥るリスクが高くなりますので、固定金利を選んだ方が安心です。

繰上返済を予定している人と予定していない人

  • 繰上返済を予定している人 ・・・『変動金利』が向いています。
  • 繰上返済を予定していない人・・・『固定金利』が向いています。

返済期間20年未満で完済する予定の人や、途中で繰り上げ返済して早期完済を予定している人は、変動金利の方が総支払額を低く抑えられる可能性があります。
逆に、返済期間35年の住宅ローンを検討している人は、固定金利を選択した方が将来の金利が上昇して返済不能に陥るリスクを下げることになります。


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まとめ ~ 変動金利が良い人と固定金利が良い人

お金と生活のバランスイメージ

変動金利を選択した方が良い人

  1. 頭金が多い人
  2. 貯蓄できる人
  3. 借入予定金額が少なく返済比率に余裕がある人
  4. 返済期間20年未満で繰上返済を予定している人

固定金利を選択した方が良い人

  1. 頭金が用意できない人
  2. 貯蓄できない人
  3. 借入金額が多く返済比率に余裕がない人
  4. 返済期間20年を超える予定の人

住宅ローンの返済は、長期にわたります。
住宅ローン金利の選び方の優先順位は、将来、返済不能に陥らない無理のない借入金額を前提にして、総支払額が最も少ない住宅ローンを選択することが大切です。

住宅ローンの審査基準から金融機関を選ぶには↓

住宅ローン審査基準 | 住宅ローン審査が通りやすい金融機関を選ぶ

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