固定金利が上昇中でも変動金利を選ぶべき理由
~元モルガンスタンレー証券の専門家に聞く~

固定金利が上昇中でも変動金利を選ぶべき理由 2035年まで変動金利は上昇しない。
元モルガンスタンレー証券の住宅ローン専門家。モゲチェックの塩澤隆さんが解説。

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固定金利が上昇中でも変動金利を選ぶべき理由 2035年まで変動金利は上昇しない。
元モルガンスタンレー証券の住宅ローン専門家。モゲチェックの塩澤隆さんが解説。


以下は、動画の解説内容をテキスト化したものです。
動画と併せてご覧ください。


住宅ローンの専門家にお話を聞く

塩澤 崇(しおざわ たかし)さん プロフィール

塩澤 崇

■ 塩澤 崇(しおざわ たかし)
 株式会社 MFS 取締役COO
略歴
2006年東京大学大学院情報理工学系研究科修了(専攻:数理情報学)
2006年モルガン・スタンレー証券株式会社にて住宅ローン証券化ビジネスに参画。
モーゲージバンクの設立やマーケティング戦略立案、当局対応を担当。
2009年ボストン・コンサルティング・グループ入社。
メガバンク・証券・生保の国内営業戦略・アジア進出ロードマップ等の経営コンサルティングに従事
2015年9月よりMFS取締役COO

塩澤 崇 紹介ページ – モゲチェック

ラジオにゲスト出演していただきました

今回は、住宅ローン比較サービス『モゲチェック』を運営している 株式会社MFSの 塩澤 崇さん をゲストにお招きしました。

住宅ローンの専門家である 塩澤さんに、
『今後の住宅ローン金利の見通し』
『変動金利と固定金利どちらを選ぶべきか?』
について、お話を伺っていきます。


『今後の住宅ローン金利の見通し』について

サムネイル-MCフジコMC フジコ

それでは、塩澤さん!
『今後の住宅ローン金利の見通し』についてお話を伺いたいと思います。
お願います。

サムネイル-塩澤塩澤

はい。
まずは、固定金利が上がっています。 この2月から毎月0.05%〜0.1%ずつ上昇し、5月の金利は1.5%ぐらいというところですね。

一方で変動金利は低いままです。
だいたい0.4%ぐらいというところで、固定と変動の金利差が1.1%に拡大しています。
そんな状況になっております。

元本3,500万円の35年払いで考えると、年間20万円の返済額の差になります。

35年だと700万円も差が開いてしまうことになります。

サムネイル-MCフジコMC フジコ

つまり、その700万円が金利が上昇しないための保険料という事ですね?

サムネイル-塩澤塩澤

はい、そういうことです。
ただ、少し高い保険料ですね。

固定金利か?変動金利か?
どちらが良いのか悩まれている方も多いと思うのですが、ここで考えるポイントは
『700万円もの保険料を払ってでも回避しないといけない金利上昇リスクが、本当にあるんですか?』
ということなんです。

サムネイル-田中田中

確かにそうですね。
それでは、今後の変動金利の見通しについて、塩澤さんはどのようなお考えをお持ちですか?

サムネイル-塩澤塩澤

難しいですけれども、私は当面上がらないと思っております。

サムネイル-MCフジコMC フジコ

それはどうしてですか?

サムネイル-塩澤塩澤

理由としては、マイナス金利が当面解除されないからです。

変動金利は日銀のマイナス金利政策と表裏一体です。
マイナス金利政策が解除されると、変動金利も上がります。

日銀は『持続的なインフレ2%達成で解除する』と発表しています。

サムネイル-MCフジコMC フジコ

『持続的なインフレ2%』とは、具体的にはどういった状況なんですか?

サムネイル-塩澤塩澤

具体的には、『賃金が上昇し、その結果物価が上がっている状況。』です。

持続的という言葉がポイントでして、この意味は『需要が伸びていて、その結果物価が上がる。』という意味なんです。

需要が伸びるというのは賃金が上がって、購入意欲が増すこと。
つまり経済のサイクルがちゃんと回っているということなんです。

今、足元で起きているのは『コストプッシュ型のインフレ』です。
円安やウクライナ情勢による資源高が原因で、需要が高まっているからではないのです。

これは残念ながら日銀の目指す経済状況ではないですね。
よって、マイナス金利解除もあり得ないです。

サムネイル-田中田中

確かに日本は、総供給と総需要の差があってGDPギャップが大きいので、インフレが拡大しても、賃金上昇するまでには至っていない状況ですからね。

サムネイル-MCフジコMC フジコ

そうなると、塩澤さん。
変動金利が上昇するのは、いつ頃だと思いわれますか?

サムネイル-塩澤塩澤

それはズバリ
2035年以降と考えています。
バブル世代の退職がきっかけで賃金上昇するシナリオです。

バブル世代は人数も多く、ここがごっそり退職すると残っているのはミドルや若手層のみ。
彼らは人数は少なく、しかも簡単に転職する層なので、引き止めるために経営陣が賃金を大幅に引き上げる可能性があります。

サムネイル-田中田中

それは、確かに考えられるシナリオですね。

サムネイル-塩澤塩澤

日本は過去30年間、賃金が上がっていません。

経済発展よりも雇用維持にお金をつかう社会だからだと思います。
雇用維持には労働者保護というメリットもありますが、賃金が上がりづらいという一面もあるようです。

なので、賃金上昇は、春闘のような一時的な打ち手で変わるものではなく、バブル世代の退職などの大きな社会構造の変化が必要なのでは?と考えています。


『変動金利と固定金利どちらを選ぶべきか?』について

サムネイル-MCフジコMC フジコ

住宅ローン金利の話が賃金やバブル世代退職までつながるとは思ってもいませんでした。

もし、仮に変動金利が上がるのが2035年以降の場合、変動と固定どちらを借りるのが結局はいいのでしょうか?

サムネイル-塩澤塩澤

結論から言えば、私は変動金利だと考えています。
住宅ローンの金利総額を抑えるには、最初に低金利を借りるのが大事だからです。

住宅ローンの金利は、最初の10年で35年分の金利総額の半分を支払います。
元利均等払いですので、最初は金利をたくさん払い、徐々に元本返済の割合が大きくなってきます。
だから、最初の10年は金利負担がものすごく大きい時期なんです。

ローン返済初期ほど低金利を借りるべきで、高い固定金利にする必要はないと考えているのです。

一見『金利が上昇すると、35年間の総返済額で固定金利のほうが安くなるのでは?』と思われるかも知れませんが、
仮に最初の10年間が0.5%、11年目以降に2%に上昇したとしても、変動金利で借りたほうが、固定金利1.5%を借り続けた時よりも総返済額が少なくてすみます。

サムネイル-田中田中

なるほど。
塩澤さんの言うとおり、これから10年間、金利が上昇しなければ、変動金利で借りた方がお得という事になりますね!

サムネイル-塩澤塩澤

そういうことですね。

サムネイル-田中田中

ただ、住宅ローンを借りる時点で、
・返済比率がギリギリだったり、
・今後、収入が増える見込みがない
という人であれば、
ローンで破綻をしないためには、
『返済を安定して続けられること』を重視する必要があります。

そのような方は、月々の返済額が上昇しない『フラット35』などの『全期間固定金利』を選んだ方が安心かもしれません。

今後も私の方では、消費者物価指数・日銀の政策金利など、住宅ローンに関連した記事をチェックして、この番組で解説させて頂きます。

サムネイル-MCフジコMC フジコ

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サムネイル-田中田中

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