【住宅ローン】2023年住宅ローン金利は上昇するか?
~日銀新総裁「植田和男」氏は金融緩和を止めるのか?~

【住宅ローン】2023年住宅ローン金利は上昇するか?
日銀新総裁「植田和男」氏は金融緩和を止めるのか?

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第446-1回目 (2023年2月16日放送分 前半)となります。

今回の話題

【住宅ローン】2023年住宅ローン金利は上昇するか?
日銀新総裁「植田和男」氏は金融緩和を止めるのか?



日銀の次期総裁は植田氏に決まる

サムネイル-MCフジコ
フジコ

FM鴻巣フラワーラジオ 不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』

皆さま、こんにちは。
番組MCのフジコで御座います。

田中先生。
本日も宜しくお願い致します。

早速ですが、本日は、どんなお話を頂けるのでしょうか?

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田中

先週、次期日銀総裁は、雨宮副総裁になるという日本経済新聞の記事をご紹介しましたが、翌日には、一転して、植田和男氏になると報道されました。

そこで今回は、
『次期日銀総裁、植田氏になると日本の金融市場はどうなるか?』

そして、今、中国のスパイ気球で話題になっている米中対立と台湾有事が今後の住宅ローン金利に与える影響についてお話します。

動画の11分21秒から次期日銀総裁の件に触れています↓

【住宅ローン】もしも変動金利がバブル並みの8.5%に上昇したら・・・。

新総裁に関してリスナー様からのご質問

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田中

まずは、フジコさん。
リスナーさんから、今回のテーマに関連したご質問を頂いているのでご紹介をお願いします。

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フジコ

はい。
ラジオネーム『RPG』さんからのご質問です。

■植田氏に決まり、金融政策の方針転換はあるのか?

田中先生こんにちは。

日銀総裁は雨宮氏でなく植田氏に決まりましたね。
金融政策の方針転換ありそうですかね。
住宅ローンを変動金利で借りていますが上昇していくのでしょうか?
とても心配しています。

ラジオネーム『RPG』さんからのご質問

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田中

ラジオネーム『RPG』さん
ご質問ありがとう御座います。

そうですよね・・・。
心配ですよね。

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フジコ

続けて、ラジオネーム『ジャスティス』さんからのご質問です。

■台湾有事の際はどうなるのか?

皆さん。こんにちは。
いつも勉強になっています。

日銀の次期総裁が植田総裁になったら、やはり金利が上がるでしょうか?
以前の放送で「まだ、しばらく上がらない。」とおっしゃっていましたが、どれくらい先に金利は上がりそうでしょうか?
台湾有事になったらどうなると思いますか?

ラジオネーム『ジャスティス』さんからのご質問

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田中

ラジオネーム『ジャスティス』さん。
ご質問ありがとう御座います。


先に『次期総裁は雨宮氏』と報道された影響

『次期総裁は雨宮氏』と報道される

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田中

まずRPGさんのご質問からお答えさせて頂きますね。

前回の番組では、次期総裁が雨宮氏になるというのはサプライズ感が無いと申し上げました。

■一転して雨宮氏から植田氏に確定
日銀総裁に植田元審議委員を起用、副総裁に内田、氷見野両氏 2023-2-10 Bloomberg

政府は日本銀行の黒田東彦総裁(78)の後任に経済学者で元日銀審議委員の植田和男氏(71)を起用する人事を固めたと日本経済新聞が10日、報じた。
副総裁には内田真一理事、氷見野良三前金融庁長官を起用するとしている。

報道を受け、外国為替市場では一時、円高が進んだ。

政府は黒田氏の後任総裁として雨宮正佳副総裁に当初打診したが、同氏は辞退したという。

植田氏は同日夜、都内で記者団に対し、「現時点では何も申し上げられません」と述べた上で、政府・日銀の共同声明を踏襲するのかとの質問に対しては、「まだ決まったわけではない」とし、「来週以降、話す機会があればそこでと思います」と語った。

日銀の大規模な金融緩和については継続が必要との考えを示した。

サムネイル-田中
田中

それが一転して植田氏になるというのはサプライズでした。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

このような報道がされるというのは、
「政府の情報管理は、いったいどうなっているのか?」
と私は疑問に感じてしまいました。

市場への影響を見るため敢えてリーク?

サムネイル-田中
田中

確かに、日銀総裁のポストは、国会での同意が必要な人事であるにもかかわらず、事前にマスコミで報道されていました。
これに対して野党側からは『政府の情報管理が甘い』と指摘されています。

ただ、雨宮氏で報道された時には、市場関係者は、今までの低金利政策が続くと予想されて、一時、為替は3円以上も円安ドル高が進みました。
その後、雨宮氏が辞退して、植田氏になると報道されると、少し円高に戻りました。

今回の報道は、政府や関係者が金融市場の様子を見るために、日本経済新聞にあえてリークしたという見方もあります。

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フジコ

『日本経済新聞が政府に利用されてしまった。』という事ですね。

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田中

結果的にそういうことですね。


総裁が植田氏に変わっても金融政策は変わらない

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田中

ここからは、
『新総裁が植田氏になると、住宅ローン金利はどうなるか?』
について考えたいと思います。

結論から申し上げますと、日銀総裁が植田氏になっても、金融政策の方向性には変わりはありません。

フジコさん、これに関連したニュース記事をご紹介お願いします。

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フジコ

承知しました。
2月14日付けのTBSニュースによりますと・・・

■2月14日付け TBS NEWS DIG の記事
日銀新総裁は経済学者・植田和男氏 政府が人事案を国会に提示 2023-2-14-TBS NEWS DIG

日銀総裁の後任人事案が先ほど、国会に提示されました。
後任として提示されたのは、経済学者の植田和男氏です。

国会ではきょう、衆議院と参議院で議院運営委員会の理事会が開かれ、官房副長官が日銀総裁・副総裁の後任人事案を提示しました。
黒田総裁の後任として提示されたのは経済学者の植田和男氏です。

また、副総裁の後任には、前の金融庁長官の氷見野良三氏と日銀理事の内田眞一氏が提示されました。
人事案の提示後は、候補者への所信の聴取や質疑を行ったうえで、衆参両院の承認が得られれば、内閣が正式に任命することになります。

植田氏のこれまでの経歴から今後の金融政策を予測

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田中

ありがとう御座います。

内容は、日銀総裁の後任人事案が、経済学者の植田和男氏で国会に提示されたということです。
この人事案の提示後は、国会で承認が得られれば、内閣が正式に任命するという事になります。

植田氏は、1998年から2005年まで日銀の審議委員を務めました。

1999年の『ゼロ金利政策』や2001年の『量的緩和政策』の導入を理論面で支えました。
東京大学教授を長く務め、現在は共立女子大学の教授を務めているということです。

この経歴からわかるように、これまで続いてきた金融緩和の礎を築いた人物です。
そのため、現在の金融政策を否定して急激な金融引き締めになることはないと市場は予想しています。

その根拠として、植田氏は、2月10日、報道陣に対し
「人事について何も申し上げられない」
と述べたうえで、
「現在の日本銀行の政策は適切であると考えている。現状では金融緩和を続ける必要がある。」
としています。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

ということは、すぐに住宅ローン金利は上昇しないという事ですね。

サムネイル-田中
田中

そういうことですね。
いつも言うように、持続的に物価と賃金が上昇して、経済の好循環が実現しなければ、日銀は政策金利を上げることはできません。

もし、経済の好循環が実現する(景気が良くなる)前に、早まって日銀が金融引き締めに動いてしまうと、景気に急ブレーキをかけることになります。
そうなると、一気に景気が悪くなる可能性があります。
これでは今まで続けてきた金融緩和政策が水の泡になってしまいます。

そのため、日銀の新総裁が植田氏になっても、金融政策を急に転換することはないと予想できます。

皆さん気になることは・・・

  • ・持続的に物価と賃金が上昇して、経済の好循環が実現できるのはいつか?
  • ・いつから住宅ローンの金利が上昇するか?
という事だと思います。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

確かにそれが一番気になりますね。

労働人口が減少するまで金利上昇はできない

サムネイル-田中
田中

モゲ澤先生の説では、
「バブル世代が定年退職して、労働人口が少なくならないと、持続的な賃金上昇は実現できない。」 と、いつも論じています。

従って、バブル世代が退職するまでの、あと10年~12年間は本格的な利上げはないということです。

塩澤崇氏が、今後の住宅ローン金利について語っています↓

固定金利が上昇中でも変動金利を選ぶべき理由~元モルガンスタンレー証券の専門家に聞く~


台湾有事など地政学リスクの懸念

サムネイル-田中
田中

最近では、現在問題になっている

  • ・米中対立
  • ・台湾有事
  • ・ロシアによるウクライナへの軍事侵攻
など、日本の周辺での地政学リスクについても考える必要が出てきました。

ロシアによるウクライナ侵攻は、既に泥沼化しており、欧米はロシアと直接的な戦闘を行なっておりませんが、各国ではウクライナに多くの兵器を供与しています。

フジコさん、これに関連したニュースのご紹介お願いします。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

承知しました。
2023年1月20日付のBBCニュースによりますと・・・

■1月20日付け BBC NEWS JAPAN の記事
欧米、ウクライナへの追加兵器供与を表明 20日に新たな協議 2023-1-30 BBC NEWS JAPAN

欧州11カ国が19日、ウクライナ支援に関する会合をエストニアで開き、追加の兵器供与を表明した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領の求めに応じた。

ウクライナへの追加の軍事支援を表明したのは9カ国。
共同声明で、各国の以下の支援が示された。

  • ・イギリス – ブリムストーンミサイル600発
  • ・デンマーク – フランス製カエサル自走榴弾(りゅうだん)砲19基
  • ・エストニア – 榴弾砲、弾薬、支援車両、対戦車グレネードランチャー
  • ・ラトヴィア – スティンガー防空システム、ヘリコプター2機、ドローン
  • ・リトアニア – 高射砲、ヘリコプター2機
  • ・ポーランド – S-60高射砲、弾薬7万発
  • ・チェコ – 榴弾砲、装甲兵員輸送車(APC)、大口径の弾薬の増産
このほか、オランダが20日に発表を予定。
スロヴァキアも追加支援を約束した。

ロシア-ウクライナ 終わりが見えない状況

サムネイル-田中
田中

ありがとう御座います。

内容は、

  • ・アメリカは、パトリオットミサイルなど25億ドル相当を追加支援
  • ・イギリスは、ブリムストーンミサイル600発
  • ・デンマークは、フランス製カサエル自走榴弾砲19基
など、
欧州11か国がウクライナへ追加兵器供与を表明しています。
アメリカとロシアの代理戦争という側面があり、まだ終りが見えていません。

日本は台湾有事に巻き込まれる可能性

サムネイル-田中
田中

これは、日本にとっても他人事ではありません。
今後、起きる可能性が高いとされている中国による台湾への軍事侵攻(いわゆる台湾有事)が、現在のロシアによるウクライナへの軍事侵攻と酷似するからです。

現在、中国は、第1列島線をめぐって毎日のように領海侵犯領空侵犯を繰り返しています。

最近のニュースで騒がれているのが、中国のスパイ気球と、それを米国が撃墜したという話題です。
これが台湾有事へ発展するきっかけの一つになりかねないとも言われています。

もし、台湾有事になると、中国は、制空権を確保するために南西諸島を海上封鎖します。
南西諸島とは、尖閣だけでなく、沖縄、奄美も含まれますので、直接的に日本も有事に巻き込まれる事になります。

海上封鎖をされると、日本への海上物流も滞り、経済へのダメージは甚大です。

サムネイル-田中
田中

この台湾有事が5年以内に発生する可能性が極めて高いと実際に言われています。

2023年1月28日付の時事通信社のニュース記事の中では・・・
米軍のマイク・ミニハン空軍大将は
「2025年までに中国が台湾に進行し、米中戦争が起こり得ると警告した。」
とも報じており、もっと早まる可能性もあります。

詳しくは、以下からニュースの原文をご参照ください。

■1月28日付け 時事通信社 JIJI.COM の記事
台湾有事、25年までにも 米軍幹部が内部メモで警告 2023-1-28 JIJI.COM

【ワシントン時事】米NBCテレビは27日、米軍のマイク・ミニハン空軍大将が内部のメモで、2025年までに中国が台湾に侵攻し、米中戦争が起こり得ると警告したと報じた。
24年に米大統領選と台湾総統選が予定されているとして、その直後に台湾有事が発生する可能性があるという。

ミニハン氏は空軍航空機動司令部の司令官で、19年9月~21年8月にインド太平洋軍の副司令官を務めた。
米政府・軍の幹部からは早期の台湾有事を警戒する声が相次いでいる。


まとめ:固定金利は上昇の可能性もあるが 変動金利は上昇しないと予想

サムネイル-田中
田中

前回の番組でもお話しましたが、日本は、人口減少と国力の低下により、90年代バブル期のような経済成長が起こるということは非常に考え難いです。
そのため、基本路線としては、金利が上昇し難い状況にあります。

ただ、日本の国土は、中国、ロシア、北朝鮮と近いため、地政学リスクが非常に高いと言えます。
もし有事になった場合は、現在以上にコストプッシュ型のインフレが進み、スタグフレーションになる可能性もあります。

そのような場合、円安となり長期金利は上昇しますので、住宅ローン固定金利は高くなることが予想できます。

しかし、現在の金融システムが変わらない限り、政策金利は利上げできないので、「やはり変動金利は上昇しないのでは?」と私は考えています。

米中対立と台湾有事など日本の地政学リスクのお話については、色々な意見があると思います。
ぜひ、YouTubeコメント欄ゼロシステムズ質問箱で皆さんの考えを教えてもらえると嬉しいです。

サムネイル-田中
田中

今後の住宅ローン金利については、日本の人口動態と国力から、基本路線は、ある程度予想が出来ます。
しかし、地政学リスクも含めて考えると、将来の動きを完全に読み切ることはできません。

そのため、『変動金利と固定金利のどちらがお得か?』
という事だけでなく、もしも金利が上昇した時へのリスクヘッジについても考えておくことも大切です。

変動金利が上昇した場合の備えについては、また、次の機会にお話したいと思います。
前半は以上となります。

サムネイル-MCフジコ
フジコ

田中先生。
今回もありがとうございました。

番組は後編へ続きます。

【住宅ローン】2023年住宅ローン金利は上昇するか?日銀新総裁「植田和男」氏は金融緩和を止めるのか?



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