【不動産市場】価格高騰7つの要因から今後を考える
【不動産市場】価格高騰7つの要因から今後を考える
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第449-2回目 (2023年3月09日放送分 後半)となります。
今回の話題
【不動産市場】価格高騰7つの要因から今後を考える
後半のテーマ『住宅ローン金利と住宅価格の関係』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは~。
番組MCのフジコで御座います。
後半も、鴻巣市のコミュニティFM放送局のスタジオよりお届けします。
田中先生、引き続き宜しくお願い致します。
ラジオ放送は来月で14年目に突中
宜しくお願い致します。
ところでフジコさん。
この、『不動産の知恵袋』というラジオ番組はですが・・・
2010年4月から生放送をスタートしまして、今は2023年3月です。
ということは、来月から14年目に突中ですよ。
14年って結構な長寿番組じゃないですか?
これもひとえに、ラジオ番組を生放送でお聴き頂いているリスナーさんと、YouTubeでご視聴いただいている視聴者の皆さまがたのおかげです。
そうですね。
みなさま、ありがとう御座います!
ありがとう御座います!
さて!
田中先生。
後半はどんなお話を頂けるのでしょうか?
後半は、 『住宅ローン金利と住宅価格の関係』 というテーマでお話しようかと思います。
今回も興味深いですね。
ぜひお願いします。
はい。
承知しました!
これからも値上がりは続くのか
今回のテーマでは
- ①.現時点の住宅価格の状況
- ②.現時点の住宅ローン金利の状況
- ③.今後の住宅ローン金利と不動産価格の見通し
- ④.2023年は、新築は買い時、中古は売り時
- ⑤.まとめ
まずは、フジコさん。
リスナーさんから、住宅価格に関連したご質問を頂いているのでご紹介お願いします。
リスナー様からの質問
こちらですね。
ラジオネーム『キティ』さんからのご質問です。
■2年前に比べて相場が1,000万円ほど値上がりしています
田中先生。フジコさん。
こんにちは。
いつもためになる放送ありがとう御座
います。
私は、2年前から新築一戸建を探しています。
今まで、何度か購入したい物件はあったのですが、先に契約されてしまい購入することが出来ませんでした。
そうこうしているうちに、時間ばかりが過ぎてしまい、私が探しているエリアでは、2年前であれば4,000万円くらいで買えたのに今では、5,000万円以上になってしまいました。
これからも値上がりは続くのでしょうか?
田中先生。
教えて下さい。
ラジオネーム『キティ』さんからのご質問
ラジオネーム『キティ』さん。 ご質問ありがとう御座います。
皆さまも、ご質問、ご意見ご要望などがありましたら、ぜひ、YouTubeコメント欄や質問箱に書き込んでください。
現時点の住宅価格の状況
4,000万円が5,000万円というのは、ずいぶん値上りしましたね。
そもそも、なぜ、こんなに値上りしているのですか?
近年、住宅価格が高騰していることは、皆さま周知の事実だと思います。
その要因を以下7つにまとめました。
住宅価格が高騰している7つの要因
- ①.リモートワークの普及による需要の拡大
- ②.世界的な半導体不足
- ③.世界的な原材料不足
- ④.エネルギー不足
- ⑤.コンテナ不足による海上物流の停滞
- ⑥.職人不足
- ⑦.低金利政策
1.リモートワークの普及による需要の拡大
新型コロナウイルスの感染拡大により、リモートワークが一般的になったことで、住宅需要が拡大しています。
自宅で仕事をすることが前提となるため、広い空間や個室が求められるようになり、需要の増加により住宅価格の上昇に繋がっています。
2.世界的な半導体不足
自動車やスマートフォンなど、様々な製品に使用される半導体の不足が世界的に問題となっています。
住宅設備でも、半導体を使用していますので建築費高騰の要因となります。
世界的な半導体不足
3.世界的な原材料不足
鉄鋼やアルミニウム、木材などの原材料の価格も上昇しており、建築資材の価格が高騰しています。
特に、ロシアからの木材の輸入停止により、木材価格が高騰し、住宅価格の上昇につながっています。
4.エネルギー不足
エネルギー不足も建築コストの増加要因のひとつです。
特に、石油や天然ガスなどのエネルギー価格の高騰が続いており、建築費が値上りしています。
5.コンテナ不足による海上物流の停滞
現在、コンテナ不足が問題となっています。
海上輸送に使用されるコンテナの95%以上が中国製であるため、今後、米中対立が激化すると、建築資材の輸送が滞り、さらに価格が上昇する可能性があります。
コンテナ不足で輸送が滞っています
6.職人不足
職人不足も、建築費が上昇する要因のひとつです。
特に、高齢化や人手不足が進む中、若い世代の技能者が育たないことが問題となっています。
日本では、今後、人口減少が更に進みますので社会構造的な問題とも言えます。
7.低金利政策
住宅ローンの金利が低いことが、住宅価格の上昇に寄与しています。
低金利により住宅購入が容易になり、需要が増加することで住宅価格が上昇しています。
これについては、この後、具体的に説明します。
現在は住宅価格の値下がりは考え難い状況
以上の7点が、住宅価格の上昇圧力と言えます。
これらの要因により、建築費用だけでなく不動産価格も上昇しており、以前のように住宅を安く購入することが難しくなっています。
これを見る限りでは、すぐに解決できる問題は無さそうですね、
これらの問題は、グローバルな経済課題であり、世界経済が直面している様々な課題の一環です。
日本だけで解決できる問題ではありません。
そのため、住宅価格の値下がりは考え難い状況であると言えます。
だけど、今後、人口が減少すると住宅需要は低下するのではないでしょうか?
確かにそのとおりです。
日本の人口予測グラフ
総務省で公表されているデータを元に、私の方でグラフ化してみたのですが、日本では、確実に人口が減少していきます。
これは、住宅需要が低下することですので、不動産価格は値下がりすることが予想できます。
先程もお話したように、現代社会において、リモートワークの普及や世界的な資源不足などの様々な要因により、不動産価格が値上りしています。
しかし日本においては人口減少が進んでおり、住宅需要の縮小が予想されることから、不動産価格は今後下がると見られています。
そのため、需要が少なく価値の薄い不動産に対しては価格が下落する可能性が高いため、地域や物件の選定が重要となります。
また、リモートワークや地方移住など、新しいライフスタイルの普及により、需要がある地域や物件には引き続き価値があることが予想されます。
確かに、今は、不動産市場は大きな変革期と言えますね。
そのとおりです。
現時点の住宅ローン金利の状況
それでは、
『現時点においての住宅ローン金利の状況』
についてのお話をします。
変動と固定では、金利が決まる仕組みが全く異なります。
現在、長期金利が上昇していますので、10年以上の固定金利が上昇しています。
一方、変動金利は、政策金利の影響を受けて決まりますので、全く上昇していません。
むしろ銀行間の顧客獲得競争により変動金利は低下しています。
金利の上昇は
- ・住宅取得にかかるコストを上昇させる
- ・事業者の資金調達コストも上昇させる
需要を抑制し景気を冷え込ませる要因となります。
そのため金利上昇は、経済の停滞や不況の引き金となる恐れがあると言えます。
今後の住宅ローン金利と不動産価格の見通し
現在の物価高騰は、コストプッシュ型のインフレですので、日銀は利上げすることはできません。
『継続的かつ安定的な物価上昇と賃金上昇』
が実現できなければ、
日銀は、現在の低金利政策を転換することが出来ないということです。
その目安が消費者物価指数と賃金上昇率です。
実質賃金は大幅に下落
画像引用:厚生労働省 – 毎月勤労統計調査
2023年3月7日、厚生労働省から公表された資料によると、実質賃金は、-4.1%と大幅に下落しています。
『実質賃金』というのは、名目賃金から物価上昇分を差し引いた、実際の購買力を示す賃金のことを言います。
従って、物価高騰の影響を考慮すると、実質賃金は、ー4.1%に下落したということです。
要するに、現在の物価上昇は、コストプッシュ型のインフレであるから、賃金上昇に反映されていないということです。
2023年後半は米国はリセッション入りすると言われており、世界的に景気が低迷する可能性があります。
現時点で、景気の好循環を実現できていないということは、今後も、日本だけ景気が良くなるとは考え難いです。
需要を後押しするために、低金利政策の継続を続けなければならない状況が続くことが予想されます。
話は少し変わりますが、私は個人的に不動産投資を長期的に行っています。
先日、購入した土地に収益物件を建てるために、銀行と融資の打ち合わせをしていたところ、
「銀行の方針で現在、収益物件に対しては変動金利でなく、固定金利での貸し出しを行っている。」
と告げられました。
銀行としても、今後も低金利が続くことを予想しているため、変動金利での貸し出しでは収益が見込めないのでしょう。
5年固定金利での借り入れをお願いされました。
一部の銀行では低金利が続くことが予想されており、そのために固定金利による貸し出しを行っているということです。
低金利が続く限りは、
- ・住宅が購入しやすい環境が続く
- ・物件価格が値下がりし難い状況が続く
なるほど。
銀行も大変なんですね。
2023年は、新築は買い時、中古は売り時
今はユーザーにとっては、お買い得の時期なのでしょうか?
そうです。
低金利環境下では、住宅購入がしやすい状況にあります。
特に、新築一戸建ては、購入時の減税制度、住宅ローン控除、省エネ関連の給付金制度などが充実しており、現在、非常に買いやすい環境にあります。
殆ど、お祭り状態です。
一方、中古住宅は、年式や設備の老朽化によって価値が下がる傾向にあります。
しかし、新築価格の値上りに引っ張られて、現在、中古も値上りしている状況です。
そのため、現在、住宅を所有している人は、購入したときよりも値上りしている可能性が高いです。
その結果、今、住宅を売却すると、手元にキャッシュが残る人が多いのです。
その売却資金を元手に、低金利で住宅ローンを借り入れて新築一戸建てを購入することもできます。
この場合、住宅ローンの金利が低く抑えられるため、有利な買い替えを実現できる可能性が高いのです。
要するに、現在の低金利環境下においては、
- ・初めて住宅を購入する一次取得者に限らず
- ・買い替えを検討する二次取得者にとっても
購入の好機が訪れていると言えます。
また、自宅の売却を検討する人にとっても、低金利で購入者が買いやすいという好条件が揃っている、絶好の売却タイミングと言えます。
まとめ:景気の影響を受けるため住宅購入はタイミングが重要
現在、世界的な資源不足によるコストプッシュ型の物価上昇と低金利政策により不動産価格が値上りしています。
ある程度金利が上昇すれば、住宅需要が低下します。
需要が低下すれば、物件価格が下がることが予想できますが、それは当面起こりそうにありません。
また、人口減少により住宅需要が減少します。
それに従って、人気の無いエリアは物件価格が下落する可能性があります。
しかし、人口が減少すると、住宅以外でもあらゆる需要が減少します。
景気を支えるためには、低金利政策を続ける必要があるのです。
この低金利、税優遇、給付金などを使える新築住宅は、現在、非常に購入しやすい環境下にあります。
買主ユーザーが購入しやすい好条件が揃っているため、自宅の売却を検討している人にとっても、絶好のタイミングとなるのです。
住宅を購入するというのは、住宅ローン金利や価格情勢など、不動産市場や世の中の景気の影響を受けるため、タイミングは非常に重要です。
田中先生。
本日もありがとう御座いました。
それでは、不動産せんせい田中の『教えて不動産の知恵袋』 次回もおたのしみに~!
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