【10件の質問に回答します】
今の不動産市場はどうなっているか?
【解説】今の不動産市場はどうなっているか?
価格高騰・住宅ローン金利
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第455-2回目 (2023年4月20日放送分 後半)となります。
今回の話題
【解説】今の不動産市場はどうなっているか?
価格高騰・住宅ローン金利
リスナーさんからいただいた質問10件に回答
FM鴻巣フラワーラジオ 不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
みなさん。こんにちは~。
今週は、フジコさんがお休みですので、私サッシーが番組MCをさせて頂いております。
田中先生。
後半は、どんなお話を頂けるのでしょうか?
後半は
『今、どうなっているのか?不動産市場』というテーマで、
リスナーさんからいただいた質問10件に回答していきます。
それでは、田中せんせい。
矢継ぎ早に質問を10個ご紹介しますので、ご回答お願いします。
① 今の住宅価格は値上りしているのでしょうか?
■質問
1年くらい前から新築一戸建てを探しています。
1年前と比べると、今はずいぶんと値上りしたように感じます。
実際、今の住宅価格は値上りしているのでしょうか?
以上、
ラジオネーム:たままるさん。からのご質問です。
住宅価格は多くの地域で上昇傾向にあります。
その理由はいくつかありますが、主な要因は以下の3つです。
- 1.資源高、物価高騰、需要の増大により、建築材料費が高くなっている。
- 2.現場の職人(人材)不足により、人件費が高くなっている。
- 3.住宅ローンの低金利により、同じ借入れでも月々の返済額が安く抑えられ、高額物件が購入しやすくなっている。
しかし、今年に入ってから現時点では、上げ止まり感はあります。
これ以上は上がらないと思っています。
② 都心部は値上りして郊外は値下がりするのでしょうか?
■質問
東京23区内で中古マンションを買うか、埼玉か千葉の郊外で新築一戸建てを買うか迷っています。
今後、都心部は値上りして郊外は値下がりするイメージですがどうなのでしょうか?
以上、
ラジオネーム:こんぶ君からのご質問です。
「都心と郊外ならどっちがいいの?」という両極端な質問をよくいただきます。
しかし、その中間部分も多く存在します。
マンション、一戸建てに限らず、不動産の価格は、人が集まるエリアが値上りします。
都心部、駅近であれば、利便性が良く人が集まるので、値上りします。
地方、さらに駅から遠い郊外になると、今後、日本は人口減少します。
そのため不動産の価値は薄まり、値下がりして、やがて価値の無い物件も出てきます。
みんながみんな、価格が高くても利便性が良い物件を好むわけではありません。
購入できるわけでもありません。
都心への通勤圏内の郊外でも人気があって価格が値上りするエリアもあります。
例えば、
千葉県にある『イオンモール八千代緑が丘』や
埼玉県にある『ららぽーと富士見』などの周辺は、
都心から遠い郊外であっても住宅街として人気があります。
郊外の新築一戸建ては、マンションと比べると利便性は劣ります。
ですが、大型ショッピングモール等が開発されると、そこを中心に独自のコミュニティが形成されます。
そうなれば値上りが見込めます。
③ リモートワークが住宅市場に与える影響
■質問
コロナが収束しつつありますが、私の会社では、今後もリモートワークが続く予定です。
リモートワークが住宅市場に与える影響について教えてください。
以上、
ラジオネーム:キングダムさんからのご質問です。
結論から申し上げて、今後は、どうしても現場に行かなければならない仕事以外は、在宅で仕事をする人が多くなると思います。
リモートワークの普及により、仕事スペースを設ける住宅が増えています。
都心で利便性が良い物件の価格が値上りするというのは、不動産市場では不変の法則です。
一方で、通勤の必要性が減少したことから、都心から郊外や地方への移住が増えることも予想できます。
同じ郊外でも、イオンモールやららぽーとなどの大型商業施設の周辺は、不動産市場としても注目です。
大型商業施設を中心に衣食住の全てが完結することで、そのエリアの不動産市場は、今後も活性化することが予想できます。
私は、独自に、これを『コロニー化』と名付けて呼んでいます。
一人当たりの居住面積が狭い都心の住宅から、コロニーに移り住むことにより、ゆとりある居住空間を手に入れることができるようになります。
これを実現できるのが、リモートワークの普及だと思います。
④ ハザードマップで50㎝~3mの浸水エリアはどのような扱い
■質問
ハザードマップを確認すると河川が氾濫したら50㎝~3mの浸水エリアの物件でした。
今の不動産市場では、このような物件はどのような扱いになっていますか?
以上、
ラジオネーム:得ちゃんさんからのご質問です。
不動産市場では、ハザードマップで浸水想定エリア内であっても、普通に売買されています。
そのため、注意が必要です。
今後、地球規模で温暖化が進みますので、災害の規模と頻度が増大する可能性があります。
そのため、住宅を購入するときには、ハザードマップを必ず確認する必要があります。
■浸水予想50㎝未満の場合
通常の建築工法であれば、道路から宅盤までの高さは10㎝程度高くなります。
宅盤から基礎高は40㎝以上高くなるので、道路冠水したとしても50~60cmくらいは余裕があります。
ですので、床上浸水になるリスクは少ないです。
■浸水想定50㎝を超えるエリアの場合
万一の際には、床上浸水のリスクがあります。
そのような物件であれば、本来なら購入を避けたいところです。
しかし、市内や区内の全エリアが浸水想定エリア内に入っているということがあります。
利便性、学区域、地域の都合によっては、選ばざるを得ないということもあります。
■浸水想定エリア内で選ばざるを得ない場合
道路、宅盤、基礎高を確認して、ちょっとした雨で室内に浸水しないかを購入前にチェックする必要があります。
万一浸水した場合の金銭的な備えとして、火災保険の水災オプションは必ず加入するようにしてください。
さらに、避難場所の確認も必要です。
何ごとも予想して備えておくことが大切です。
ハザードマップに関する記事はこちら
【ハザードマップ】検討中の物件が浸水想定エリア内~どう判断すれば良いか?~
⑤ 築40年以上の古い中古マンションの今後の価値
■質問
私は人付き合いが苦手なので、一戸建てでなく、マンションを買おうとしています。
ただ、予算的に40年以上の古い中古マンションしか選択肢がありません。
このようなマンションは、今後、価値は、どうなるのでしょうか?
買わない方が良いですか?
以上、
ラジオネーム:匿名希望さんからのご質問です。
匿名希望さんは、人付き合いが苦手だから、マンションを選ぼうとしていますが、私は逆だと思います。
人付き合いが苦手であれば、戸建ての方が、よろしいかと思います。
賃貸であれば、マンションの方が人付き合いはありません。
ですが、分譲マンションとなりますと、マンションには管理組合があり、年に何回か理事会や総会などに参加する必要があります。
そのため意外と人付き合が密になります。
戸建ての方が人付き合いが少ないと思います。
私は一戸建てに住んでいますが、ご近所さんとは挨拶と回覧板を回す程度のお付き合いしかありません。
■築40年以上の中古マンションを購入するときの注意点
- ・大規模修繕工事を行ったかどうか?
- ・修繕積立金が十分に溜まっているか?
- ・共用部の維持管理が適切か?
これについては、説明にかなり時間がかかりますので、次の機会に深堀してお話しますね。
⑥ これから価格が上がるエリアと下がるエリアの特徴
■質問
これから価格が上がるエリアと下がるエリアの特徴を教えてください。
以上、
ラジオネーム:AEさんからのご質問です。
直球なご質問ですね。
不動産の価格は、利便性が良く人が集まるところが値上りします。
それに加えて、日本人は、ネームバリューに安心感を求めます。
利便性だけでなく、ネームバリューがある地名が値上がりします。
例えば、SUUMOで毎年発表されている、住みたい街ランキングなどはその代表格です。
吉祥寺、鎌倉など・・・
市場の流動性から考えるとこのような街を選んだ方が良いかもしれません。
しかし、このようなエリアは、将来、売却するときは高く売れるかもしれませんが、購入するときも高いです。
実需で購入するのであれば、ご自身の予算と相談して、実際に住んで快適な物件か個別に判断する必要があるかと思います。
将来の不動産価値の予測に関する記事はこちら
【不動産市場】不動産価格高騰はどうなる?人口増減マップで見極める将来の資産価値値下がりエリアと値上りエリア / 居住誘導区域とハザードマップ
⑦ 10年前にフルローンで買った家、今は買った時よりも高く売れるか?
■質問
10年前にフルローンで家を買いました。
今は、買った時よりも高く売れますか?
以上、
ラジオネーム:京王線さんからのご質問です。
10年前ということは、リーマンショックの数年後に購入したということですね。
当時、よっぽど高買いをしていなければ、今は当時よりも10%値上りしているはずですので、高く売れると思います。
価格査定には、ゼロシステムズの売却相談をご利用ください。
田中勲の不動産売却相談室はこちら
田中勲の不動産売却相談室
⑧ 無理せず少しでも安い中古を買った方が堅実ですか?
■質問
中古と新築で悩んでいます。
今の時代は、無理せず少しでも安い中古を買った方が堅実ですか?
以上、
ラジオネーム:マーローさんからのご質問です。
例えば、新築一戸建て4,000万円のエリアであれば、同規模で築10年の中古一戸建てと比較した際に、最低500万円以上の価格差は欲しいところです。
住宅性能表示制度で
・断熱等級5
・一次エネルギー消費量等級6
の新築であれば、
今なら、こどもエコすまい支援事業給付金が適用になります。
適用要件に当てはまれば国から100万円の給付金がもらえます。
また、住宅ローンをフルローンで借りるのであれば、住宅ローン控除が使えます。
ゼロシステムズで開発した『住宅ローン控除シミュレータ』を使って試算してみます。
- ・金利:0.475%
- ・期間:35年
- ・借入:4,000万円
13年間で約300万円の所得税住民税が戻ってきます。
中古で3,500万円だと、10年間で約140万円の控除です。
中古と新築での住宅ローン控除の差は約160万円となります。
こどもエコすまい支援事業の給付金と住宅ローン控除だけでも、新築は、約260万円も得と言えます。
アフターサービス保証、中古を購入時のリフォーム代などを考えると、やはり500万円程度は、中古と新築では価格差があった方が良いかなと私は考えます。
従って、新築よりも500万円くらい安い中古であれば、検討しても良いかと思います。
住宅ローン控除シミュレータはこちら
⑨ 今後、変動金利は、すぐに上昇しますか?
■質問
今後、住宅ローン変動金利は、すぐに上昇しますか?
以上、
ラジオネーム:鈴木さんからのご質問です。
変動金利は、まだ上昇しません。
いつもモゲ澤先生とお話しているように、変動金利は、日銀の政策金利の影響を受けます。
政策金利は、日本国内の景気が回復して、物価と賃金が、安定的かつ持続的に上昇しなければ利上げできません。
現在、物価は上昇していて、春闘で賃金が上昇したと報道されていますが、これは、世界的な物価高の影響によるコストプッシュ型のインフレによるものです。
言い変えると、現在の物価上昇と賃金上昇は、一時的なもので、今年の後半には、物価が落ち込む可能性があります。
このような状態で、日銀が、利上げしてしまうと、景気に急ブレーキをかけることになり、また日本は不況になってしまいます。
従って、この春、日銀の新総裁が植田さんになりましたが、まだ、利上げはできないと予想できます。
今後の人口動態からすると、日本の中立金利は、0.5%程度と言われています。
もし、今後、本格的に景気が回復して、日銀が利上げに踏み切ったとしても、利上げの目標地点は、現在、マイナス0.1%の政策金利をプラス0.5%程度にするということになります。
今、住宅ローン金利0.4%前後で借りている人であれば、0.6%上昇して1%になる程度です。
従って、35年返済で変動金利を検討する時には、今は0.3~0.4%前後ですが、35年の長い目で見ると1%になる可能性はあります。
その時の返済額も加味して検討することをお奨めします。
⑩ 賃貸と住宅ローンで持家どっちがいいですか?
■質問
これからの時代は、家賃を払って賃貸で住み続けるのと、住宅ローンで持家で住み続けるのはどっちがいいですか?
以上、
ラジオネーム:関さんからのご質問です。
住宅ローンを借りて持家の方が良いと思います。
同じエリアで同じスペックの住宅であれば、家賃を払って住むよりも、買った方がお得です。
現在、住宅ローンは低金利です。
今後、日本では住宅ローン金利が上昇する可能性は低いです。
ただし、
都心のタワマンなどの億ションは、購入すると月々の住宅ローン返済だけでなく、管理費や修繕積立金も高額になります。
その点はリスクが高いので、買わずに賃貸の方が良いかと、個人的には考えています。
今回の質問と回答は以上になります。
ありがとう御座いました。
田中先生、今回もありがとう御座いました!
【解説】今の不動産市場はどうなっているか?
価格高騰・住宅ローン金利
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