【住宅ローン】頭金0円の落とし穴 ~ 金利上昇 / 審査落ち / 家計を直撃 などのリスクを解説
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第470-2回目 (2023年9月07日放送分 後半)となります。
今回の話題
頭金0円の落とし穴
頭金0円で住宅ローンを組むときの落とし穴
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは~。
後半も引き続き、私サッシーが番組MCをさせて頂きます。
田中せんせい。
後半はどんなお話をいただけるのでしょうか?
後半は
『頭金0円で住宅ローンを組むときの落とし穴』
というテーマでお話いたします。
番組前半では
『頭金0円で住宅ローンを組むメリット』ということで、
『頭金500万円を入れるなら、その手持ち資金は温存して投資に回した方が良い。』とお話しましたよね。
そうですね。
『手持ち資金500万円を年利3%で運用したら、35年後には、1,400万円になる。』と言うお話には驚きました。
前半のお話で、頭金0円で購入した方が良いということが良く分かりました。
前半の動画はこちらです↓
【住宅ローン】頭金0円を推奨する理由 ~手持資金は出さないで購入した方が絶対にお得
頭金にまわすつもりだった資金を、複利で積立や長期運用すると想像以上にお金が増えるんですよ。
しかし『頭金0円で住宅ローンを組むときの落とし穴』というのも存在します。
後半では、それについて具体的に説明していきます。
落とし穴というと、なんだか怖いですね。
きちんと理解して購入すれば、怖いことはありません。
前半の動画とセットで最後までご視聴いただければ、頭金0円のメリットとデメリットについて、しっかり理解できるかと思います。
それでは、田中先生、お願いします!
頭金0円で住宅ローンを組む最大のメリット
まず、頭金0円で住宅ローンを組む最大のメリットは、
『手持ち資金を複利で運用すると住宅ローン金利をはるかに超える資産形成ができる。』
という点です。
そのため、金融リテラシ―が高いユーザーやFPには、『頭金0円で住宅ローンを組んだ方がお得である。』という考え方がメジャーです。
『モゲチェック』のモゲ澤先生も、
「低金利時代は、出来る限り住宅ローンを借りた方がお得です。」
と言ってましたね。
そうでしたね。
頭金0円でマンションを買うリスク
ですが、誰もが『頭金0円で購入しても安全か?』と言うと、そうではありません。
そこでサッシーさん。
リスナーさんから今回のテーマに関連したご質問がきていますので、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:竜二さん からのご質問です。
質問:都内で新築マンションの購入を検討しているところです。
田中先生。こんにちは。
いつも観ています。
都内で新築マンションの購入を検討しているところです。
営業マンからは、『頭金0円でも家賃並みの支払で購入できるから、資産になるしお得です』と勧められています。
しかし、子供の学費分くらいしか貯金がない我が家にとっては、そう言われても不安です。
頭金0円でマンションを買うリスクについて説明してもらえると嬉しいです。
ラジオネーム:竜二さん からのご質問
ラジオネーム:竜二さん。
ご質問ありがとうございます。
やはり貯蓄がないと不安ですよね。
■貯蓄が無いと頭金0円購入の恩恵を受けることができない
そうですね。
今回のご質問者様の場合、「子供の学費分くらいしか預貯金がない。」と言うことですので、資産運用に回すための、手持ち資金がないと判断できます。
そのため、番組前半でお話した、頭金0円で購入するメリットの恩恵を受けることはできません。
また、これまで計画的な貯蓄が思うように出来ていなかったのではないかと思います。
確かに、そんな感じが読み取れますね。
物件価格、年収、年齢などが記載されてなかったため、具体的なお話は出来ません。
ですので、一般的なアドバイスをさせて頂きます。
お願いします!
マンションは管理費と修繕積立金が必要
まず「住宅ローン返済額が家賃並み。」ということですが・・・
新築マンションを頭金0円で購入する場合は、管理費と修繕積立金の負担についても忘れてはなりません。
また、新築当初の数年間は、修繕積立金が極端に安く設定されていることがあります。
多くの新築マンションでは、この『段階増額積立方式』が採用されています。
最初の数年間は、修繕積立金を4,000円などと極端に安く設定して・・・
- ・最初の数年・・・ 4,000円
- ・数年後 ・・・ 8,000円
- ・10年後 ・・・ 12,000円
と、いうように増額するように計画されている物件も少なくありません。
それ酷くないですか!?
しかし、それが新築マンションでは普通なんです。
それに、将来、物価が上昇すれば、管理費や修繕積立金も上昇する可能性があるので注意が必要です。
過去30年は、デフレ時代でした。
今後インフレ時代になるとすると、何もかも値上りする可能性があるということです。
なるほど。
頭金0円で物件を買う場合の5つの落とし穴
それでは、新築マンションに限らず、頭金0円で住宅ローンを組んで、物件を買う場合の落とし穴を以下の5つにまとめました。
- 金利が高くなる可能性がある
- 審査が通り難くなる場合がある
- 老後資金を貯蓄できなくなる可能性がある
- 金利上昇が家計に直撃する可能性がある
- 将来、売却し難くなる可能性がある
ぜひ、具体的に解説してください。
① 金利が高くなる可能性がある
1つ目は
『物件価格100%を超える借入額では金利が高くなる場合がある。』
ということです。
何で金利が高くなるのですか?
物件価格を超える金額で住宅ローンを組む場合は、銀行の担保評価以上の融資額になることが多いです。
それは、貸す側である銀行にとって大きなリスクになります。
そのリスクヘッジのために、銀行側は金利を引き上げる手段を採用します。
なるほど。
登記費用や仲介手数料など、購入時の諸費用の合計額は、物件価格の6%~10%程度です。
その諸費用分も住宅ローンに上乗せする場合は、優遇金利幅が小さくなり、適用金利が高くなる可能性があります。
「リフォーム費用や家電の購入費用を住宅ローンに組込みたい。」
と、希望されるユーザーも時々いらっしゃいますが、その場合も同様です。
『頭金0円で物件価格100%を超える住宅ローンを組もうとすると、金利が高くなる。』
という落とし穴があるのですね。
そういうことです。
② 審査が通り難くなる場合がある
2つ目は
『頭金0円で、物件価格100%を超える住宅ローンを組もうとすると、審査が通り難くなる可能性がある。』
ということです。
『物件価格100%を超えると、金利が高くなったり、審査が通り難くなる可能性がある。』
ということなのですね。
③ 老後資金を貯蓄できなくなる可能性がある
それでは、頭金0円で住宅ローンを組む落とし穴。
3つ目を教えてください。
3つ目は、
『老後資金を貯蓄できなくなる可能性がある。』
という点です。
例えば、今まで計画的に貯蓄ができなかったのに頭金0円で無理して住宅ローンを組んでしまうと、積立貯蓄をする余裕が無くなる可能性があります。
確かにそうですね。
そうなると、『計画的に貯蓄ができない人は、頭金0円でローンを組むべきではない。』ということですか?
一概にそうとは言えません。
ポイントは、
『無理なローンを組まない。』
ということです。
例えば、頭金0円であっても、『住宅ローン返済とは、別に月々3万円積立貯蓄が出来る。』という人であれば、問題ないかと思います。
ですが、住宅ローンとは別に積立貯蓄をするというのは、ちょっと大変ですよね・・・。
確かに大変かもしれません。
だけど、そもそも無理して高い物件を買わなければ良いだけのことです。
立地を優先したり、エリアを限定して探すと、物件価格は必然と高くなります。
しかし、範囲を広げて探せば価格を抑えることが出来ます。
『これまで思うように貯蓄できなかった人は、無理な住宅ローンを組むべきではない。』
ということですね。
そういうことです。
④ 金利上昇が家計に直撃する可能性がある
4つ目は、
『金利上昇した場合は、家計を直撃する可能性が高い。』
ということです。
- 例:住宅ローンを最も金利が低いSBI新生銀行(2023年9月)で組んだ場合
- 物件価格:4,280万円
- 頭金:0円
- 返済期間:35年
- 当初3年間: 金利0.29% → 月々107,000円
- 4年目以降: 金利0.39% → 月々108,800円
- 11年目以降:金利1.00% → 月々117,000円
このように返済額も上昇していきます。
年収が確実に高くなる公務員であれば、この程度の上昇率では問題がありません。
しかし、民間企業で思うように積立貯蓄が出来なかった人にとっては、緩やかな金利上昇であっても家計を直撃する可能性があります。
そのため、頭金0円で住宅ローンを組む場合は、将来の金利上昇を考慮して検討することが大切です。
将来の金利上昇を想定してシミュレーションしてみてください
なるほど。
『金利上昇を考慮しないと家計を直撃するリスクがある。』
ということですね。
⑤ 将来、売却し難くなる可能性がある
それでは、頭金0円で住宅ローンを組む落とし穴!
5つ目を教えてください。
5つ目は
『物件価格100%を超える住宅ローンを組むと、将来、売却し難くなる可能性がある。』
ということです。
- 例:以下の中古物件を購入する場合
- 価格:4,280万円
- 諸費用:250万円
- リフォーム費用:300万円
- 合計:550万円
諸費用+リフォーム代の合計550万円を物件価格に上乗せして
4,830万円の住宅ローンを組んだとします。
これを先程のシミュレーションと同様に、
- 当初3年間:0.29%
- 4年目以降:0.39%
- 11年目以降:1.00%
と、金利上昇させて計算すると、
返済51回目で、残債(借入残高)が物件価格4,280万円を切って4,271万円になります。
何らかの事情で物件を売却しようとしたときに、
『その時点での相場(物件価格)が、住宅ローン借入れ残高を下回ってしまい売却できない可能性がある。』
ということです。
自宅を売却する時には、住宅ローンを完済しないとなりません。
そのような場合には、売却資金+手持ち資金を使って、ローンを一括返済する必要があります。
つまり
『頭金0円で購入すると将来売却する時にローン残高が足かせになる可能性がある。』
ということです。
『頭金0円で購入するということは、メリットもあれば、デメリットもある。』
ということなんですね。
そういうことです。
まとめ
頭金0円で住宅ローンを組んで物件を購入しようとするときには、出来るだけ諸費用を節約することをお奨めします。
例えば、4,280万円の物件を購入する場合、約147万円の仲介手数料がかかります。
また、仲介手数料以外に10万円程度のローン代行手数料を請求してくる不動産会社も一定数あります。
ゼロシステムズを利用すれば、ローン代行手数料はかかりませんし、仲介手数料も最大無料に出来ます。
今回の例で言えば、約147万円の仲介手数料が無料になります。
仲介手数料が無料になることで借入する額が減れば、低い適用金利を採用される可能性や、審査が通りやすくなる可能性もあります。
また、
前半でもお話ししたように、年利3%を目標に複利で資産運用すると、35年後の運用結果は、150万円が422万円になり、皆さんの想像以上にお金を増やすことが出来ます。
本日は以上になります。
田中先生。
ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋。
来週もお楽しみに!
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