【不動産市場】価格高騰ピーク終了!東京23区内でも値下げ物件増える!
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第491-1回目 (2024年2月22日放送分 前半)となります。
今回のテーマ『これから値段は下がるかも!?』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちはー。
今週は、私サッシーが番組MCをさせていただきます。
田中先生。本日も、宜しくお願いします。
本日は、どんなお話を頂けるのでしょうか?
今回は
『朗報!これから値段は下がるかも!?物件価格はどうなるか?』
というテーマでお話して行きます。
ここ数年は値上りのお話が多かったので、値下がりのお話は住宅の購入を検討しているユーザーにとって嬉しい話題ですね。
よろしくお願いします。
今回のテーマに関連した質問をいただいています。
サッシーさん、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:ジャパンさん からのご質問です。
質問:物件価格が値上りしているというニュースを目にします。実際のところどうなのでしょうか?
田中先生。こんにちは。
1年前からチャンネル登録をして視聴しています。
北関東で新築の建売住宅を探していますが、私が探しているエリアでは、去年から売れ残っている物件が結構あります。
今月に入って値下げされている物件もちらほらあります。
近年では、物件価格が値上りしているというニュースを目にしますが、実際のところどうなのでしょうか?
ラジオネーム:ジャパンさん からのご質問
ラジオネーム:ジャパンさん ご質問ありがとう御座います。
物件価格が上昇してきている
ジャパンさんの仰る通り、近頃のニュースでは物件価格が値上りしてきているという記事をよく目にします。
これに関連した興味深い記事がありました。サッシーさん、こちらもご紹介お願いします。
承知しました。こちらですね。
2024年1月28日付 Yahoo!ニュース(テレ東BIZ)の記事によりますと…
都心マンション市場初の1億円超え 一方、都内マンションで値下げの動きも【WBS】こちらは東京23区の新築マンションの平均価格ですが、25日発表された去年の価格が1億1483万円となり、初めて1億円を超えました。新築に合わせて中古も値上がりしていますが、ここにきて価格を引き下げる動きが出ています。
高騰が止まらない東京のマンション価格。都心の平均価格が1億円の大台を超えたことについて、街では「1億円。高すぎますね。別のことに使えなくなる」「正直、雲の上の話だなと」との声が上がります。
ありがとう御座います。
この記事では東京23区の新築マンションの平均価格は、1億1,483万円となったと、紹介しています。
やはり、東京23区は値上りが凄いですね。
新築マンションの平均価格は前年比4割増し
そうですね。
新築マンションの平均価格 1億1,483万円ですが、これは前年比で4割近くも上昇したことになります。
4割もですか!?
凄いですね。なぜ、こんなに値上りしているのですか?
価格高騰の要因
高騰の要因は、いくつかあります。
- ・人手不足などによる人件費の高騰
- ・資材価格の上昇による建築費の高騰
- ・マンション用地取得の競争激化
- ・発売戸数の少なさ
■人件費と建築費の高騰
確かに人件費と建築費の高騰については、以前から田中先生がお話されていましたね。
人件費と建築費の高騰についての記事はこちらです↓
【不動産市場】2024年ステルス値上げ!新築一戸建ての建築原価はさらに高くなる!
■マンション用地取得の競争激化
『マンション用地取得の競争激化』というのは、どのようなことでしょうか?
現在、23区内で新築マンションを分譲するデベロッパーは、立地を厳選する傾向にあります。
例えば、山手線の内側などでマンション分譲に適した土地が売りに出ると、デベロッパー同士で競り合いになります。
その結果、土地代も高くなります。
なるほど。わかりました。
■発売戸数の少なさ
『発売戸数の少なさ』というのは、どういうことですか?
記事では、現在発売されている戸数はピーク時の2004年と比較すると3割程度しかないのも高騰の要因とされています。
建築コストや地価の上昇だけではありません。発売される戸数がピーク時の2004年に比べて3割程度しかないのも高騰の要因となっています。
不動産価格はマンションに限らず、需要と供給のバランスで決まります。
供給が少なくなれば希少性が増し、物件価格は値上りします。
立地が良い物件は値下がりする要素が無い
それでは値下りする要素が無いじゃないですか…。
その通りです。
立地が良い物件は希少性が高いので、不動産価格は値上りします。
都心でも値下りしているマンションがある
しかし、この記事の後半では、逆に都心のマンションでも値下りしているという話題にも触れています。
駅から徒歩8分の立地にある築23年のファミリー層向けのマンション。現在の価格は1億700万円。販売当初から580万円の値下げをしたといいます。
こうした物件は他にも。
「大京穴吹不動産」が取り扱う中古マンションの中には、世田谷区や品川区でも最近値下げをした物件があります。
そうなのですか?
都心でも値下りというのは、どういうことですか?
高額物件が売れている理由は、海外からの引き合いが牽引しているとのことです。
ただし、90年代バブルのときとは異なり、人気物件は港区や千代田区などの一部に集中しています。
そのため、23区内でも、都心とそれ以外では全く異なった動きになっています。
例えば、東京都目黒区の中古マンションで、駅から徒歩8分 築23年のファミリータイプ では、販売当初から580万円値下げして、現在 1億700万円で販売している物件もあるとのことです。
海外マネーも加わり勢いが止まらない都心のマンション価格。一方で、都心から少しだけ離れた東京・目黒区のマンションでは別の変化が出ています。
駅から徒歩8分の立地にある築23年のファミリー層向けのマンション。現在の価格は1億700万円。販売当初から580万円の値下げをしたといいます。
『売れないから値下げした』ということですか?
そういうことです。
都内で中古マンションを取り扱う不動産仲介会社の話では、世田谷区や品川区でも最近値下げした物件があるということです。
23区は値上りしていると言われているのに、どうして値下げしているのですか?
記事中の、渋谷の不動産仲介会社の店長さんは…
「以前は相場も上がり基調が顕著だったので、強気の販売価格でも売り切れることもあった。相場が高くなりすぎたので、少しチャレンジした価格ではなくて本来売れるだろう価格帯に設定しないと成約に至らないケースが増えている」(「大京穴吹不動産」渋谷店の工藤純店長)
このように話されています。
購入して実際に住むというユーザーにとって、これ以上の価格高騰にはついていけないという感じです。
今後、金利上昇するリスクもある中で、物件価格はどうなるのでしょうか?
一般のユーザーは、行き過ぎた価格高騰について行けなくなると思います。
2024年以降は、都心3区(港区、中央区、千代田区)と、それ以外の区の二極化が更に進むと東京カンテイの主任研究員がコメントしています。
「やはり一般の人は行き過ぎた価格にちょっともうついてこられないと。2024年以降は都心とそれ以外の二極化がさらに進む」(「東京カンテイ」の髙橋主任研究員)
なるほど。
東京23区の新築一戸建ては値上り
それでは、新築の建売住宅の価格についてはどうなのでしょうか?
東京23区の新築一戸建ては値上りしています。
ですが、そもそもマンション価格が高騰している都心3区(港区、中央区、千代田区)では、ほとんど建売住宅は分譲されていません。
そのため、新築一戸建ては新築マンションほど急激な価格高騰はしていないのです。
一戸建てはマンションと違って土地が付いてきますので、地価公示価格の上昇率と敷地の広さを元に、ある程度価格を計算できます。
確かにそうですね。
ところで、建築価格も値上がりしているのですか?
はい。
木造の新築一戸建ても鉄筋コンクリート造の新築マンションも、建築費が非常に値上りしています。
そうなのですね。
具体手的にはどれくらい値上りしているのですか?
建築原価指数を使って解説
それでは、鉄筋コンクリートの集合住宅(新築マンション)の建築原価指数からご紹介します。
マンションの建築原価指数
マンションの工事原価(赤ライン)
マンションの建築原価指数は、128.0で前月費0.2%上昇です。
木造住宅の建築原価指数
木造住宅の工事原価(赤ライン)
木造住宅の建築原価指数は、134.1で前月比増減なしです。
2015年と比較する
2015年と比較すると
- ・新築マンションの建築原価:1.28倍
- ・新築一戸建ての建築原価:1.34倍
例えば、2015年の新築一戸建ての建築原価を1,500万円だとすると、2024年1月には1.34倍ですので 2,010万円ということになります。
建築費もかなり値上りしていますね。
そうですね。
それに加えて、コロナ禍で巣籠需要が拡大しましたので、地価も値上がりしました。
このような理由で、2023年までは新築一戸建ても値上がりし続けてきました。
しかし現在、23区内のマンション価格と同様に新築一戸建ても、値上がりし過ぎた価格を調整する局面を迎えています。
値下りするということですか?
そういうことです。
エリアによっては、値上りし過ぎたことで売れ難くなり、在庫が増えている状況にあります。
そのため、2024年に入り値下げしている物件が出てきました。
それはユーザーにとっては朗報かもしれませんね。
そうとも言えますね。
レインズのデータから考察する
ここからは、レインズの市況データを元に首都圏の新築一戸建ての在庫状況や成約状況などをチェックしてみます。
新築一戸建ての新規登録状況
まずは、レインズへの新規登録状況です。
2023年1月から2024年1月までの新規登録状況
2024年1月にレインズへ登録された新築一戸建ての平均価格は 4,746万円です。
1年前の2023年1月では、4,555万円でしたので、レインズに登録された新築一戸建ての平均価格は 191万円値上りしています。
値上りしていますね~。
そうなんですよね。
一見すると値上りしているように見えますが…次の在庫状況レポートをご覧ください。
在庫状況レポート
2023年1月から2024年1月までの在庫状況
2023年1月の在庫件数は、14,990件で在庫の平均価格は4,441万円。
これが2024年1月になりますと19,219件と前年比28.2%増加しており、平均価格は4,508万円とそれほど差異がない状況です。
成約状況レポート
次に、成約状況レポートを見てみます。
2023年1月から2024年1月までの成約状況
首都圏では
- ・2023年1月の成約平均価格は 4,030万円
- ・2024年1月の成約平均価格は 3,958万円
このデータは、昨年7月の4,205万円をピークに徐々に値下りしていることを示しています。
確かに値下りしていますね。
建築原価が値上りしているのに、どうして値下りしているのですか?
これは、あくまでも首都圏の平均ですので、実際は地域によって差があります。
首都圏の成約平均価格は前年比 -1.8%と下落していましたが、東京都内だけで見ると 5.5%上昇しています。
一方、埼玉県の成約平均価格は -5.8%、千葉県では、-6.9%も下落しています。
レインズの市況データまとめ
市況データをまとめてみますと…
- 新築一戸建ての新規登録時の価格は、建築原価の上昇に伴い少しずつ上昇。
- ユーザーが値上りについてこれないため、在庫状況が増えてきている。
- 売れ残った在庫を処分するため値下げをするので、成約平均価格が下がっていく。
なるほど。
『価格設定が高すぎる物件は売れないから値下げする』
ということですね。
そういうことです。
郊外の新築一戸建ては価格が下落している
それでは、どういう物件が売れ残って安くなっているのですか?
郊外の新築一戸建てです。
- ・郊外の物件は、そもそも人口が少ないので、そのエリアで家を探すユーザーの絶対数が少ない。
- ・それでも飯田グループやケイアイスター不動産などの大手分譲会社が、10棟20棟の現場を建築する。
- ・需要に対して供給がすぐに追いついてしまい、自ら売れ難い状況を作ってしまっている。
大手分譲会社が、自ら供給過多の状況を作ってしまった結果、値下げされているのですね。
それでは、『売れ残って値下げした物件はお買い得』ということですか?
そうですね。
先ほど建築原価指数のお話で解説した通り、現在は人手不足と資材の高騰により建築費の原価が上昇しています。
4DLKの一戸建てを個人的に新築する場合は、2,000万円くらいはかかります。
飯田グループやケイアイスター不動産などの大手ビルダーは、コスト削減のために資材を大量仕入れています。
コスト削減の結果、建築費の原価を1千万円台前半まで抑えて、中小のビルダーでも真似のできない価格で一戸建てを新築しています
仮に土地を2,000万円購入して、そこに個人的に新築する場合は、2,000万円くらいかかります。土地と建物で4,000万円くらいになります。
さらに駐車場やブロックフェンスなどの外構工事などを入れると、総額4,200万円くらいになります。
新築の建売住宅の物件価格から建築費2,000万円を引いて、土地価格がその周辺相場よりも安いと思える物件であれば、その時点でお買い得ということになります。
郊外の新築一戸建てになると、値下げを繰り返して物件価格が2,000万円を切っているような物件があります。この価格帯になると、個人的に新築する場合は土地をタダで貰っても実現は不可能でしょう。
そのため、人口減少で郊外の物件は需要が減少する可能性がありますが、それ以上に価格が安い物件を買えば損はないと言えます。
なるほど~。
不動産価値が変動するエリアの見分け方について↓
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
まとめ
今回のお話をまとめますと…
- ・都心3区を除いて不動産価格のピークは過ぎた
- ・建築原価はまだまだ上昇する
- ・郊外の新築一戸建ては値下げ物件が狙い目
それでは、今回も五・七・五の標語にまとめてみます。
お願いします。
物価高
値上げしたけど
ついてこない
『建築資材と人件費の高騰で建築原価が上昇しても、物件価格を値上げし過ぎるとユーザーがついてこれないから、値下げせざるを得ない』
という考えをまとめてみました。
なるほど。今日も勉強になりました。 田中先生ありがとうございました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もよろしくお願いします!
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