【不動産市場】爆上り中だけどマイホームが欲しい!今は家を買うタイミングなのか?
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第496-2回目 (2024年4月04日放送分 その②)となります。
今回のテーマ『住宅価格が爆上がりしているけどマイホームが欲しい!』
次のテーマは
『住宅価格が爆上がりしているけどマイホームが欲しい!』
です。
みなさまご存じのとおり、現在、住宅価格はかなり値上りしています。
このような時期にマイホームを購入するのは、タイミングが悪いのではないか?
というテーマでお話ししていきます。
それでは、フジコさん。
リスナーさんからの質問を、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:Sさんからのご質問です。
今マイホームを購入するのはタイミングが悪いでしょうか?
田中先生。フジコさん。サッシーさん。こんにちは。
いつも動画を拝見して勉強させていただいております。
私は、3年前に子供が生まれたのをきっかけに、子供が幼稚園に入るまでには、マイホームを購入しようと計画しておりました。
しかし、私が探しているエリアでは、3年前の比べると、物件価格がずいぶん値上りしてしまいました。
もっと早く購入を決断すべきだったと少し後悔しています。
そこで田中先生に質問なのですが、今、住宅価格は値上りしていますが、この時期にマイホームを購入するというのは、やっぱりタイミング的に悪いでしょうか?
ぜひ、番組で解説してもらえると嬉しいです。
ラジオネーム:Sさんからのご質問
ラジオネーム:Sさん ご質問ありがとう御座います。
物件価格が値上りしています
確かに3年前と比べると、ほとんどのエリアで物件価格が値上りしています。
そこで…
何が? どのように値上りしているのか?
ということをお話していきます。
まず、以下をご覧ください。
■木造住宅の建築費指数
画像引用:一般社団法人建設物価調査会 – 建設物価建築費指数
こちらは、一般社団法人建設物価調査会が毎月公表している木造住宅の建築費指数です。
これは、2015年1月を基準として建築費指数を100として、木造住宅の建築コストはどれくらい値上りしているか示したグラフです。
2024年2月時点の建築費指数は135.7となっています。
建築費指数2015年→2024年
2015年1月と比較すると、現在の木造住宅の工事原価は、おおよそ1.35倍になったということです。
例えば、2015年であれば、4LDKの建売住宅の建物価格は、1,500万円くらいで建築できました。
しかし、2024年現在では、この建築費数をご覧いただくとわかるように、建築費は、おおよそ1.35倍ですので、1,500万円×1.35=2,025万円となります。
今では、安く建てようとしても以前より500万円くらい値上りしているということです。
さらに、2024年4月からは、省エネ性能に関する法律が施行されます。
画像引用:国土交通省 – 建築物(住宅・非住宅)の販売・賃貸に携わる事業者の皆様へ
この法改正は、建築物省エネ法に基づき、建築物のエネルギー消費性能の一層の向上を図ることを目的としています。
具体的には、新築住宅の省エネ基準の適合が求められることになります。
政府は、2030年までに新築住宅のZEH基準の省エネ性能の確保を目指しております。
この変化に先立ち、2024年からは、省エネ基準に適合していない物件は、住宅ローン控除の対象外となる物件も出てくることになります。
画像引用:国土交通省 – 建築物省エネ法に基づく建築物の販売・賃貸時の省エネ性能表示制度ガイドライン
これによりユーザーは、省エネ性能を考慮した物件選びをするようになります。
ローコスト住宅を建築している建売メーカーであっても、ユーザーの支持を得るために、建築コストをかけてでも省エネ性能が高い住宅を建築することになり、その分の建築コストが高くなってしまいます。
そのため、近年の飯田グループ系の新築では、省エネ性能を向上しつつ建築原価を抑えるために、延べ床面積を小さくしたり、玄関ドアのカードキー仕様を廃止して普通のシリンダーキーに変更するなど、コスト削減の工夫をしているようです。
なるほど。
大手もコストダウンの努力を始めているのですね。
企業努力では吸収できないコスト
しかし、2024年4月からは、このような企業努力では吸収できないコストアップの問題がでてきます。
それは何ですか?
2024年に施行される建設業界の働き方改革の一環として、時間外労働の上限規制が厳格化されるため、建築現場では以下のような変化が生じます。
- 1.労働時間の短縮
- 労働時間が短縮されると、建物が完成するために必要な工期が延びる可能性があり工期が長くなると、建築コストの上昇につながります。
- 2.人件費の増加
- 時間外労働に対する割増賃金率の引き上げにより、建設業界での人件費が増加することが予想されます。人件費の増加が建築原価を押し上げる要因となります。
- 3.罰則のリスク
- 上限規制を守らなかった場合の罰則が強化されることも、企業にとって大きな負担となり得ます。
世間では『建設業界の2024年問題』と言われています。
今後、住宅業界では、建築原価に対する人件費の割合が確実に高くなり、住宅価格が値上りすることが予想できます。
人件費を下げるわけにはいかないですからね…。
今後、日本は緩やかなインフレが続く可能性が高いです。
現在、物価上昇→賃金上昇→消費増加の景気の好循環が実現したため、日銀はマイナス金利政策が解除して、日本は本格的にインフレ経済に向かっています。
景気の好循環
日銀は、インフレ率2%目標を掲げており、今後5年間インフレ率2%を達成することができた場合、建築原価2,000万円(現在)の新築は、5年後には2,208万円となり、約1割高くなることになります。
建築費原価2024→2029
インフレ率2%達成は厳しいにしても、仮にインフレ率1.5%が続くと5年後には、2,155万円となります。
インフレ率は、投資でいうと複利の計算になりますので、このような感じになります。
なるほど~。
まとめ
今までお話してきたように、今後も確実に建築原価が高くなることが予想できます。
そのため、
「住宅価格が値上りしている時期にマイホームを買うというのは、タイミング的に良くないのではないか?」
と思ってしまうかもしれません。
しかし、5年、10年待っていたら、ご自身の年齢、物価、金利など、住宅購入を取り巻く環境は、今よりも改善することはないと予想できます。
値下りを待ち続けていると、自分だけでなく、家族も歳をとってしまい、最も住宅を必要とするタイミングを逃してしまいます。
なるほど。
田中先生。ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
引き続きよろしくお願いします!
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