【不動産の選び方】台風に強い物件を選ぶ5つのポイントを解説!
【不動産の選び方】台風に強い物件を選ぶ5つのポイントを解説!
YouTubeチャンネル
今週放送の動画をご紹介
FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第516-1 (2024年8月22日放送分 その①) となります。
※記事は動画を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど本編と異なる部分がございます。
今回のテーマ『台風に強い物件の見分け方について』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋!
皆さま、こんにちは!
番組MCのフジコで御座います。
田中先生、中島さん、こんにちはー。
こんにちはー。
こんにちはー。
早速ですけど、最近の台風って、規模がヤバくないですか?
電車も飛行機も見合わせになっちゃったり大変ですよね!
地球温暖化の影響で海面温度が上昇して、年々台風が大型化していますからね。
台風の強さ
ちなみに台風の規模は、最大風速で決められています。
例えば『非常に強い台風』と表現する時は、最大風速が44メートル以上です。
なるほど。
『猛烈な台風』だと、風速54メートル以上になるんですね。
以下の表をご覧いただくとわかるように、最大瞬間風速60メートルになると鉄塔が曲がることがあります。
風速と被害の目安
何年か前に、千葉のゴルフ練習場でネットが倒れた時も、風速60メートルでしたよね。
年々、台風の規模に比例して被害も大きくなっていますね。
今後の家探しは、災害に強い物件を選ばないといけないですね。
そうですね。
リスナーさんからも『台風に強い物件の見分け方について』質問をいただいているので、フジコさん、ご紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:F35さん からのご質問です。
質問:台風に強い物件の見分け方を知りたい
田中先生、中島さん、フジコさん、こんにちは。
チャンネル登録をして、いつも拝聴しています。
最近の台風は、凄く強力になっていますが、住まい探しをするうえで、台風に強い物件の見分け方について、番組で取り上げてもらえれば、嬉しいです。
宜しくお願いします。
ラジオネーム:F35さん からのご質問
ラジオネーム:F35 さん。
ご質問ありがとうございます。
台風に強い物件 5つの要素
台風に強い物件の見分け方って、まず何を見ればいいんですか?
台風に強いと言っても、色々な見方があります。
台風に強い物件の要素は、大きく分けて5つあります。
5つの台風対策
ハザードマップ
ハザードマップ
まず1つ目は、ハザードマップです。これは物件の立地条件のことです。
台風に関係するハザードマップと言えば、洪水、内水、土砂災害、海が近ければ高潮です。
各市区町村では、それぞれのハザードマップが用意されています。
◆洪水ハザードマップ
洪水ハザードマップとは、河川が氾濫したときに洪水になる可能性があるエリアを指しています。
◆内水ハザードマップ
内水ハザードマップとは、集中豪雨などで低い土地に水が溜まって、河川が氾濫しなくても、道路冠水などを起こすエリアのことを指します。
なるほど。
- ・河川が氾濫したときに起きる水害 → 洪水
- ・河川が氾濫しなくても起きる水害 → 内水
そうなると、洪水と内水、両方のハザードマップを見ておいた方が良いですね。
そういうことです。
土砂災害
土砂災害の現場
土砂災害は、読んで字の如くです。
- ・土砂に家が飲まれてしまう
- ・地盤が緩くて崩れてしまいやすい立地
そう言うことです。
過去の災害履歴も確認することが大切
物件を購入する時はハザードマップを見るだけでなく、市区町村の役所にある防災課で物件の具体的な場所を示して、過去の災害履歴も確認することが大切です。
確かに、それはとても大切ですね。
台風に弱い立地・物件
田中先生が、「台風に弱そうだなぁ」と思う場所はどんな立地ですか?
高台や崖に隣接する物件
高台や崖に隣接する物件ですね。
高台の上にある住宅
台風で崖が崩落して、被害を受けるリスクがあります。
なるほど。
では、周囲に崖や高台などが無い、開けた立地の物件は安全なんですか?
そうとも言い切れないのが台風の怖いところですね。
台風は強風を伴いますので、飛来物が家に当たるという可能性があります。
例えば、近隣の住宅に古い家が多い立地などです。
自分の家は倒壊していなくても、隣の家が壊れてしまった場合、倒壊してしまった建物からの飛来物によって、自宅に被害が及ぶ事もあります。
家の屋根が飛んでいる映像を見たことがあります!
近くに河川がある物件
近くに河川がある物件なら、水害に注意が必要ですね。
ハザードマップを見て、浸水の可能性が低いエリアは台風に強いと言えます。しかし浸水の可能性が低いエリア内でも、土地の高さや立地によっては雨が溜まりやすい可能性があります。
購入を検討している物件があれば、その土地は、隣の土地や道路と比べて、高いか低いか、現地で確認することが大切になってきます。
基礎高と道路からの高さを確認
現代の一般的な造りの新築一戸建てなら、ハザードマップ上で浸水可能性が50cm未満のエリアであれば、床上浸水の被害を避けることができます。
例えば、宅盤が道路より15cm高いところに、基礎の高さが40cmの家が建っている場合は、台風で道路が50㎝冠水しても、床上浸水になることはありません。
ハザードマップだけでなく、実際に現地を見て判断することも大切なんですね。
台風に強い建物と弱い建物
次に建物性能です。
建物性能とは、家の構造のことを言います。
木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造(RC造)などです。
屋根はどんな形か、壁はどんな素材か、などについて話していきます。
鉄筋コンクリート造(RC造)の家は災害に強い
鉄筋コンクリート造(RC造)の家は、災害に強いイメージがあります!
そうですね。一般的には、鉄筋コンクリート造の住宅は台風に強いと言われています。
実際に台風の被害が多い沖縄県では、約8割の建物にRC造が採用されているそうです。
近年の木造は強度も上がっている
木造だと台風に弱いのですか?
確かに、昔は木造は弱いようなイメージを持たれていました。
しかし、最近では、木造住宅も技術が進歩して、台風に対しての強度も上がっています。
建物構造体の接合部は、金物などを使って強固に接合されています。そのため地震や台風に強い建物が増えています。
適切に施工が行われていれば、台風で建物が吹き飛ばされる可能性は、ほぼありません。
接合金物が適切に施工されていない物件は弱い
ただし、新築であっても、接合金物が適切に施工されていない物件が存在します。そのような物件は、台風のような強風で屋根が吹き飛ばされてしまうこともあります。
また、小屋裏の通気が適切に取れていない物件では、日常的に屋根裏が結露して木部が腐ってしまう事があります。そうなると接合金物が緩くなり抜けやすくなってしまい、本来の役目を果たせなくなります。
そのような物件は、強い台風で屋根が吹き飛ばされる被害が発生します。
そのような台風被害を防ぐには、どうすれば良いのですか?
■新築時の住宅診断が重要です
新築時に適切に施工されているかどうかを、専門家に住宅診断をしてもらい、確認することです。
それと、住み始めてからも定期的に保守点検する事が大切です。
適切に施工されているか、確認するということが重要なんですね。
台風に強い壁
それでは『台風に強い壁』についても教えてください。
承知しました。
構造用面材『ダイライト』
最近の木造住宅の壁は、構造用面材というパネルが使われています。
これは、台風による強風への対策としても有効とされています。
サイディングボード
壁の表面には、サイディングボードが使われています。
これは、台風による雨の侵入を防いでくれます。
しかし、一番重要なことは『それらが、適切に施工されているか』と言うことです。
どんなに良い建材が使われても、施工ミスがあっては意味がありません。
サイディングボードの施工について
サイディングの釘の位置
一般的な建売住宅の外壁材は、釘留め式のサイディングボードが採用されています。
その釘を打つ位置も、『サイディングとサイディングの継ぎ目から20㎜以上離す』など、規定があります。
これが守られていないと、釘周囲の強度を保つことが出来ず、台風で壁が吹き飛ばされてしまう可能性が出てきます。
人間が造っている以上、施工ミスって起きるのかもしれませんが・・・ミスに気づかないまま家を購入してしまうのは、とっても怖いですね。
おっしゃる通りです。
そのような施工ミスも、住宅診断をすれば発見できます。物件を契約する前には、ぜひ診断して確認して欲しいところです。
地域の情報を把握しておく事も大切
次はコミュニティです。
災害時の避難場所や安全な環境を確保するために、その地域の情報を把握しておく事も大切です。
そうですね。指定されている避難所は把握しておかないといけないですね。
『指定緊急避難場所』と『指定避難所』
避難場所はハザードマップと同様に、市区町村で調べることができます。
避難所には『指定緊急避難場所』と『指定避難所』があります。
◆『指定緊急避難場所』とは・・・・
災害の危険から命を守るために緊急的に避難する場所です。
これは、土砂災害、洪水、津波、地震等の災害種別ごとに避難場所の指定が行われています。
台風なら、土砂崩れに巻き込まれない場所や、洪水に飲まれない高さのある場所のことです。
◆『指定避難所』とは・・・
災害が発生した場合に、避難してきた被災者が一定期間生活するための施設をいいます。
公民館や市の体育館などです。
なるほど。
『近くに避難場所がある』という事も、台風に強い物件の要素と言えますね。
そうですね。
安心感がありますよね。
台風に強い防災設備
次は防災設備について話していきます。
どんな防災設備を用意すると台風に強い物件になりますか?
強い雨風をどう防ぐかがポイント
台風に対する防災設備は、『強い雨風をどう防ぐか?』という事がポイントになります。
ガラスの防災対策
台風直前になると、風で割れた時の対策で窓ガラスにガムテープなどを貼る人がいますが、実際のところあまり役に立たないようです。
やっぱり、そうなんですね。
窓ガラスの台風対策
窓ガラスの台風対策には、シャッターや雨戸を閉める事が有効です。
しかし、それらが無い窓の場合は、飛散防止フィルム(できれば防犯フィルム)を貼ることをお奨めします。
防犯フィルムは、ハンマーで叩いても貫通できないという優れものです。
画像引用:SCOPE – 防犯フィルム
ハンマーで叩いても!?
それは凄いですね!
冠水に対する台風対策
道路冠水する可能性があるエリアであれば、土嚢などを用意しておくと良いです。
やはり、急いで対策するのではなく、日ごろから備えておくことが大切なんですね。
そういうことです。備えあれば憂い無しです。
台風に関する損害保険
最後に損害保険です。
火災保険には水災に対しても保証してくれるものがあります。
火災保険と言いつつ、水害もカバーしてるんですね!
そうです。
台風や豪雨による洪水、高潮、土砂崩れなどの水災によって建物や家財に損害があった場合に、補償を受けることができます。
ただし、水災補償は火災保険に付帯されている補償であるため、単独で加入することはできません。水災補償は火災保険のオプションということです。
なるほど。『水災保険』は、単体では存在しないのですね。
水災補償が適用されるためには、一定の条件があります。
保険会社によって条件は異なりますが、一般的には以下のようになります。
水災補償の適用条件
- 再調達するのに必要な価格の30%以上の損害を受けている場合
- 床上浸水または地盤面から45㎝を超える浸水による損害を受けている場合
- 損害を受けたものが補償対象に含まれている場合
■再調達するのに必要な価格の30%以上の損害を受けている
例えば、建物の保険価額が1,000万円であった場合、水災による損害額が300万円以上であれば、補償の対象となります。
建物の保険価格が2,000万円だったなら、600万円以上の損害額があった場合に補償される感じですね。
■床上浸水または地盤面から45㎝を超える浸水による損害を受けている場合
これは、そのままの意味です。
■損害を受けたものが補償対象に含まれている
ここは注意が必要です。
火災保険でいう水災補償は、台風と豪雨によるものだと言うことです。
地震によって起きた、洪水、高潮、土砂崩れは対象にならないのです。
そうなんですか!?
地震保険の範疇になるからですか?
そう言う事です。
まとめ
本日のお話をまとめると以下のようになります。
- ・ハザードマップで立地を確認して、浸水被害のリスクを事前にチェックしておく。
- ・欠陥住宅ではないか、事前に確認することが大切。
- ・コミュニティを活かし、災害時の避難場所を把握する。
- ・防災の設備は、住宅購入後も住みながら強化できる。
- ・火災保険は、立地に合わせて水災補償を付帯させる。
最近は木造住宅でも適切に施工されていれば、かなり頑丈なのですね。
あとは立地であったり、災害時の補償であったり、そういった要素をうまく活用することで、本当の意味で台風に強い物件になるのですね!
なるほど。
田中先生、ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の【教えて不動産の知恵袋】
次回もお楽しみに!
SNSからも質問を受け付けております
- 住宅ローン比較サイト『モゲチェック』(外部サイト)
- ・新規の借り入れで比較
- ・借り換えで比較