【不動産市場】止まらない家賃高騰!突然の家賃値上げ通知が届く!対応策を解説!
今回のテーマ『物価高騰!突然の家賃値上げ通知!年金暮らしにも容赦ない!』
【不動産市場】止まらない家賃高騰!突然の家賃値上げ通知が届く!対応策を解説!

FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋!
この番組は、「不動産の今がわかれば、ちょっと先の未来も見えてくる」をテーマに、毎週木曜日夕方4時から生放送でお送りしています。
田中先生、中島さん、こんにちは!
早速ですが、今回はどんなお話をいただけるのでしょうか?

今回のテーマは、
『物価高騰!突然の家賃値上げ通知!年金暮らしにも容赦ない!』
ということで、田中先生、フジコさん、本日もよろしくお願いします。

よろしくお願いします。
- 執筆者:田中 勲
(宅建士、ホームインスペクター、FP) - YouTube – 田中勲の『不動産の知恵袋』
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※記事はラジオ収録用の原稿を元に要約しております。そのためYouTube動画と内容が異なる部分がございます。
家賃値上げの現状と事例紹介

家賃の値上げが多数報告されています
フジコ: 今回も興味深いテーマですね。
中島: そうなんです。今年に入って、物価高騰を背景に家賃値上げの通知を受け取った人が増えているようです。
田中:
先日、ゼロシステムズで新築一戸建てを購入されたお客様の話です。
賃貸マンションに住んでいたのですが、昨年まで家賃は12万円だったのに、今年に入り管理会社から17万円に値上げするとの通知が届き、このままでは生活が厳しいため、マイホームの購入計画を前倒しされたそうです。
フジコ: 12万円から17万円って、5万円も値上げされたら年金暮らしの高齢者は生活が立ち行かなくなりますよね。
妥当性と受容されやすい幅
田中:
最近は、家賃値上げの話をよく聞きます。
家賃にもよりますが、物価上昇に合わせた5%程度の値上げなら受け入れられる人も多いと思います。しかし、このケースは40%以上です。
昨今はあらゆるものが値上げされていますから、家賃の値上げも許容される時代になってきたとはいえ、度合いが重要です。
中島:
確かに。
例えば月12万円が12万5,000円に上がるなら「嫌だけど仕方ないか・・・」と思いますが、5万円増は「ちょっと待って!」ですね。
フジコ: 12万円が17万円は値上げしすぎで許容できません。
- ・実例:12万円 → 17万円の大幅値上げ通知で持家購入を前倒し。
- ・物価連動の小幅改定(例:5%)は理解されやすいが、40%超は過大。
家賃値上げのタイミングと交渉の基本

家賃が上がるタイミング
田中: 実際、大家業をしている知人から「家賃をどの程度値上げするのが妥当ですか?」との相談を受けました。
中島: 田中先生は、どのようにアドバイスされたんですか?
通知の最適時期
田中:
まず、家賃を値上げするタイミングです。
普通借家契約なら契約更新がありますので、その更新のタイミングで通知するのがおすすめです。
契約期間中に値上げを持ち出すと、賃借人からクレームがでて合意を得にくくなります。
フジコ: 確かに、契約期間中に言われたら「まだ期間が残っているのに?」って文句を言いたくなりますね。
田中:
おっしゃる通りだと思います。
ですので、更新の少なくとも1か月以上前に「次回更新では新家賃をいくらで契約します」と通知するようアドバイスしています。
金額の根拠と合意形成
田中:
次に金額です。
値上げの根拠を求められた際に、賃借人も一定の納得ができる水準にするべきです。
例えば12万円が長年相場より著しく安かったなど特別な事情がない限り・・・そういうことって、なかなか無さそうですが・・・いきなり17万円というのは妥当性を欠きやすいでしょう。
フジコ:
12万円から17万円は、やっぱり極端ですよね。暴挙ですよね。
私だったら、そんな急激な値上げは、納得しないです。
田中: 家賃の値上げは、双方の合意がないと成立しません。まずは話し合いでの解決を目指すのが原則です。
- ・最適な通知時期は「契約更新のタイミング」。
- ・更新の少なくとも1か月以上前に新家賃を予告する。
- ・金額は「根拠を説明でき、借主が納得しやすい水準」に設定。
- ・値上げは最終的に「双方合意」で成立する。
合意できない場合の調停や裁判の流れ

裁判で争うこともできますが・・・
中島: もし話し合いで合意できなかった場合はどうなるんですか?
手続の選択肢と留意点
田中:
その場合、大家さんが裁判所に調停を申し立てたり、訴訟に移行することになります。
ただし裁判では値上げが正当かどうか?が争われるので、鑑定結果や周辺相場データが重要な証拠になります。
中島: 裁判や調停って、借りる人だけでなく大家さんにとっても面倒ですね。
田中: 弁護士費用もかかりますし、数万円単位の値上げ問題で訴訟まで進むと費用対効果が合わないので、現実的な選択肢ではありません。
入居者が取れる対応
中島: でも、オーナーが「値上げに応じないなら出て行ってください」と一方的に言うことはできないんですよね?
田中:
その通りです。
値上げに応じないことを理由に契約解除して強制退去させることはできません。
中島: 入居者側は、納得できないときは拒否してもいいんですね。
田中:
はい。拒否は可能です。
ただし、値上げ前の家賃をきちんと支払い続ける必要があります。家賃を止めてしまうと契約解除の理由になってしまいますからね。
フジコ:
なるほど!
「払わない」じゃなくて「今までの家賃で払う」ってことなんですね。
田中:
そうです。
そして大家さんが「新しい家賃じゃないと受け取らない」と突っぱねてきた場合には、供託制度という方法もあります。家賃を法務局に預けることで「支払った」とみなされる仕組みです。
中島: そんな制度があるんですね。でも裁判になったらどうなるんですか?
田中: そのときは入居者側も弁護士に依頼して、値上げに正当な理由があるかどうか?を争います。周辺相場との比較や、建物の維持管理費増額などの根拠が問われるんです。
フジコ: 結局、オーナーも入居者も納得できる根拠が無いと動かせないんですね。
田中: その通りです。だからこそ、冷静に話し合いをして妥当なラインを探ることが一番大切なんです。
中島: 12万円を17万円にするのは、裁判になったら大家さん側が不利そうですね。
田中: そう思います。
- ・話し合いで決着できない場合は調停・裁判へ進む。
- ・裁判では「正当な理由」が必要で、相場や費用増加などの根拠が問われる。
- ・オーナーは「値上げ拒否=退去強制」とはできない。
- ・入居者は値上げを拒否できるが、現行家賃を払い続ける義務あり。
- ・供託制度を使えば「支払い済み」と扱われる。
オーナーチェンジと民泊転用の実態

民泊転用されることが増えています
フジコ: 大家さんは、なぜそんな急激な値上げを言ってきたんですか?
値上げの背景
田中:
お客様のケースでは、新宿の賃貸マンションに住んでいましたが、その数か月前にオーナーチェンジの通知が届いていたそうです。
マンション全体が売買され、中国人オーナーに変わったとのことです。
中島: その数か月後に家賃値上げの通知が来たわけですね。
田中: しかも通知には「応じられなければ退去を」との文言も含まれていたそうです。
民泊化の意図と影響
中島: 強引ですね!でも値上げは借り手が納得しなければ成立しないんですよね?
田中:
その通りです。
しかし、今回の事例では弁護士を雇って裁判するほど費用対効果が合わず、多くの入居者が退去してしまったそうです。「そこまで掛けて争うのは、ちょっと・・・」という感じですよね。
中島: だけど裁判となれば、5万円も値上げする妥当性は認められ難くないですか?
田中: 裁判をしたら、認められないと思います。
フジコ: とりあえず、今まで通りの家賃を払い続ければ住めるはずですが、現実には退去を選ぶ人が多いんですね。
田中: そうですね。現実は、大家さん側から急激な家賃の値上げを要求されたら、多くの人が退去してしまいます。
フジコ: そんな強欲な大家さんに家賃は払いたくないですよね。
中島: でも退去されたら、大家さんとしても本末転倒じゃないですか?
フジコ: そもそも12万円で貸していた物件を、17万円で借り手がつくんですか?
田中:
普通に賃貸として募集したなら難しいでしょう。
実際の新オーナーの狙いは民泊化だったようです。新大家さんになってから、空室が民泊に変わっていったそうです。
中島:
えっ、民泊ですか?
マンションを民泊にしても良いんですか?
田中:
はい。区分所有建物・・・要は分譲マンションの1室であれば、管理規約で民泊利用は禁止されていることが多いのですが、1棟ものの賃貸マンションはオーナーの自由度が高く、建物全体を民泊化することも可能なんです。
民泊にすれば普通に賃貸にするよりも収益性が高いです。立地が良ければ築年数が古くても高収益を狙える、今や王道の投資手法です。
新大家さんの思惑は、住民を出て行かせて、その部屋も民泊にしたかったんだと思います。
中島: 自分が住んでいる部屋の隣で、入れ代わり立ち代わりスーツケースを持った観光客が頻繁に出入りするのはちょっと嫌ですね。
フジコ: マンションの治安や住環境の悪化が心配ですね。
田中:
おっしゃる通りです。
実際このお客様も、人の出入りが増えて住みにくくなり、退去してマイホームを購入されました。
中島: 切実な事情だったんですね。
- ・オーナーチェンジ後に家賃大幅値上げが通知された。
- ・実際の狙いは「民泊転用」による高収益化。
- ・1棟マンションならオーナーの裁量で民泊化可能。
- ・住民にとっては治安や生活環境の悪化リスクがある。
インフレ時代の家賃上昇と将来設計

今後も物価高騰が続きそうです
田中:
私も個人的に収益物件を運営しています。不動産投資は事業そのものであり、収益の最大化を図ることが不可欠だと考えています。
ただし私の場合、入居者が退去して新たに募集するときのタイミングで家賃を上げる形を検討しています。そうすれば交渉によるトラブルも避けられます。
中島:
その方が平和的ですね。
世の中は、そんな平和的な大家さんばかりではないですよね。
田中:
おっしゃる通りです。
日本は、物価上昇が数年前から続いています。最近では、ありとあらゆるモノが値上がりして、家賃を値上げしても許される雰囲気になってきました。
家賃のインフレ連動
田中:
しかし世の中には強引な大家さんもいます。
12万円が17万円になる極端な例は別として、今後は契約更新ごとに物価上昇分を反映するケースが増えていくと思います。
フジコ: 確かにそうかもしれませんね。
田中:
例えば家賃12万円で、物価が毎年2%ずつ上がるとすると、2年後の更新時には約124,800円です。
12万円 ×(1.02)²≒124,800円
つまり、月額でおよそ5,000円の値上げ、年間にすると6万円近い負担増になるわけです。
中島: たった2%でも積み重なると結構大きいですね。
老後の備えと持家の効用
フジコ: 年金暮らしの人にとって、月5,000円は食費1週間分に匹敵するかもしれませんね。
田中: だからこそ、インフレ時代の賃貸暮らしでは「家賃が上がるリスク」を考えておく必要があります。
中島: でも築年数が古くなると、家賃が下がる場合もありますよね?
田中:
そうですね。
古い物件に住み続ける場合は『物価上昇による値上げ圧力』と『築年数による家賃低下』のせめぎ合いになります。ただし、どちらに振れるかは建物の状態や立地次第で読みづらいのが現実です。
一方、新しい物件へ住み替えるとなると、そこで提示される新家賃は物価上昇の影響が強く反映されます。
中島: なるほど。入居者は更新のたびにドキドキする状態が続くわけですね。
フジコ: 特に年金暮らしだと、家賃の小さな上昇も生活に直結しますよね。
田中: だからこそ、老後の安心を考えるなら住宅ローンを払い切った持家が大きな支えになります。返済が終わっていれば、物価が上がっても家賃に怯える必要はありません。
中島: 確かに持家だと住居費が一定で安心ですね。インフレ時代の強みになりますね。
フジコ: 家賃通知が来るたびに不安になるより、自分の家で落ち着いて暮らしたいと思う人が増えるのもわかります。
田中:
賃貸は更新ごとに条件が変わる不安定さがありますが、持家はローン完済後は固定資産税や修繕費だけで安定します。
もちろん賃貸 / 持家それぞれにメリットとデメリットがありますが、将来設計を考えるうえで重要な視点です。
- ・物価上昇が続くと賃貸は更新ごとに家賃が上がるリスクがある。
- ・築年数による賃料低下とインフレ圧力のせめぎ合いがある。
- ・老後の安心には「ローン完済済みの持家」が強みとなる。
- ・賃貸と持家のメリット・デメリットを踏まえた将来設計が重要。

それでは今回は以上とさせていただきます。

今回も勉強になりました。
田中先生ありがとうございました。

ありがとうございました!

田中先生、中島さん、本日もありがとうございました。 不動産の今がわかれば、ちょっと先の未来も見えてくる。「不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋」、また来週もお楽しみに!
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