【火災保険】と【地震保険】
これから家を買うなら補償内容を理解して加入しよう
【火災保険】と【地震保険】
これから家を買うなら補償内容を理解して加入しよう
~洪水・台風・崖崩れ・津波噴火への危機管理~
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第393-2回目(2022年2月3日放送分 後半)となります。
今回の話題
【火災保険】と【地震保険】
これから家を買うなら補償内容を理解して加入しよう
~洪水・台風・崖崩れ・津波噴火への危機管理~
以下は、動画の内容に関連した情報です。
より詳しく知りたい方は、是非動画をご覧ください。
火災保険は、いくら位の保険金額で入ればよいのか?
『再調達価額』で建築費を算出
火災保険の場合は『再調達価額』で付帯します。
新しい価格で建てると、いくらかかるかで設定します。
注文住宅の場合は建築費が明確ですが、分譲住宅や中古住宅の場合は建築費が不明瞭な場合があります。
したがって、 所在地 / 構造 / 延床面積 などから、この金額を保険会社が簡易評価します。
例:延床面積が100平米位の火災保険
100㎡前後の木造住宅で簡易評価すると、1,300万円~2,600万円の範囲で建築可能と評価されます。
保険金額は、この範囲で設定することになります。
標準的な建物の再建築をするのであれば、1,800万円~2,000万円で設定するのが望ましいです。
例:専有面積70平米位のマンション
マンションの場合に付帯する火災保険は、専有部分のみになります。
建物の躯体そのものは共用部分となります。
したがって、コンクリート表面から内側(いわゆる上塗り基準)を専有建物とみなします。
部屋と部屋の間仕切り、キッチン、お風呂、トイレなどの設備一式を含めて専有建物として評価します。
専有部分が70平米位だとすると、600万円~1,200万円の範囲と評価されますので、この範囲で設定することになります。
『古くなっていても新品の値段で評価する』
ポイントは『古くなっていても新品の値段で評価する』ということです。
すべて『再調達価額』なので、物価上昇があると、これらの金額も高くなる可能性があるということになります。
近年では、コンテナ不足、ウッドショックや資材不足、建設現場の人材不足などで、建築コストが高騰しています。
それらも考慮して、もしもの時に建て替え可能な金額の火災保険に入っておくべきです。
保険料の支払方法
『年払い』と『一括払い』2つの方法がある
基本は1年契約の年払い
損害保険ですので、基本契約は1年となります。
『長期特約』を附帯させることで、最長10年まで契約することが出来ます。
10年契約の場合は一括払いのみ
10年契約の場合は一括払いのみです。
年払いを希望する場合は1年契約となります。
場合によっては、5年契約なら年払いも選択可能です。
火災保険は2022年10月に改定の予定
2022年の10月以降に、各社一斉に改定を予定しています。
火災保険の保険料の値上げと同時に、保険期間を最長5年までに変更することを予定しています。
満期が近い人は、2022年10月までの間に、改めて10年契約に切り替えておくことをお勧めします。
状況に合わせて再契約も可能
家を購入するときは色々と費用かかるので、
『最初は年払いにしておいて、お金が貯まったら一括に切り替えて加入し直す。』
ということも可能です。
火災保険のオプション(風雹雪災)と水害
自然災害による損害
火災保険が値上がりする一番の原因が、これらの自然災害による損害です。
火災保険と言いつつ、実際は火災に遭う確率は非常に低いのです。
しかし、風雹雪災による被害に遭う確率と、その保険の支払いは多くなっています。
『風雹雪災』は必ず附帯されます
温暖化の影響もあり、台風の風速も上昇している現在、こういった事も踏まえて『風雹雪災』は火災保険には必ず附帯されます。
毎年スーパー台風が上陸する可能性もありますので、これらの補償は必須でしょう。
『水災』は別枠
『風雹雪災』とは別枠で『水災』があります。
水災については立地上のリスクになります。
この保険料はとても高くなります。
損害保険で保険対応出来る条件が
『45cm以上の浸水、もしくは床上浸水以上』の場合に限られます。
現代の新築住宅は、基礎高自体が地面から40㎝以上立ち上がっているので、45㎝以上の浸水になって、床上浸水になります。
『水災』に加入しない選択もアリ
あらかじめハザードマップで調べて、
『水害の可能性が低い立地条件の物件なら水災のオプションに入らない。』
という選択肢もあります。
これで保険料を節約することができます。
保険の担当者にアドバイスを受けることも可能です。
保険会社の方でもハザードマップを用意してプレゼンする流れになっています。
ハザードマップに関する記事はこちら↓
水害ハザードマップを確認して水害被害に備える~ 水害の可能性がある物件の見極め方 ~
地震保険について
地震による火災は火災保険で補償されない
日本では、地震保険は重要です。
火災保険では、地震 / 噴火 / 津波 による損害は補償されません。
普通保険約款で免責になっています。
しかし、日本では大きな地震が来る確率がとても高く、その地震のせいで生活に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
そこへの備えとして地震保険に加入しておくことはとても大切です。
地震保険で加入できる上限
地震保険で加入できる金額は上限が決まっており、火災保険の30~50%となっています。
木造住宅で2,000万円の火災保険の場合、地震保険は1,000万円が限度になります。
『損害割合』を判定し、一時金を支払い
保険金の受取りかたは、修理代が出るのではありません。
まず損害の程度を調査して『損害割合』を算出します。
その割合に応じて、
一部損 / 小半損 / 大半損 / 全損 の4区分に当てはめて、一時金で支払うことになります。
このため、地震保険の損害認定の鑑定人が現場で必ず立ち会うことになっています。
”この一時金をもって生活再建の原資としてもらう”ことを目的として、法律で作られた制度となっています。
これが地震保険の仕組みとなっています。
トンガの海底火山の噴火も他人事ではありません。
日本でも、年々、東海地震、富士山の噴火の発生リスクが高まっています。
今後も地震保険は必須と言えます。
地震に強い家と弱い家の見極め方↓
【住宅の耐震性能】地震に強い家と弱い家の見極め方を徹底解説
家財保険について
家財とは建物の中にある動産すべて
見逃しがちですが、家財保険も大切です。
家財保険の付保率は50%位と言われています。
よく言われるのは「家には大した家財道具は無いから必要ない。」という話なのですが、家財とは建物の中にある動産すべてが含まれます。
靴下やボールペン、衣類、家電、家具、化粧品やおもちゃ、趣味のものなどすべてをまとめて家財として保険が欠けられます。
全焼してしまったら、翌日着る服も無くなる
もし留守中に家が全焼してしまったとしたら、家の中にあった家財も全部燃えてしまうわけです。
明日から着ていく洋服、子供の学校での文房具など、何も焼失してしまうのです。
保険に未加入の場合は、預貯金を切り崩してこれらを再購入しなくてはなりません。
そうならないために、家財保険でリスクヘッジしておくことが大切です。
『失火法』で貰い火でも自己責任になる
また、日本には『失火法』があるため貰い火だったとしても自己責任になります。
こういう最悪の事態を想定すると、家財保険の必要性に気付けるのではないでしょうか。
必要な家財保険の目安
必要な金額については人それぞれですが、目安となる評価金額は火災保険のパンフレットに参考資料として表示されています。
ざっくり言うと、
家族1名200万円~300万円位の金額が準備できれば、生活の再スタートができるでしょう。
4人家族なら1,200万円ほどの家財保険には入っておくべきです。
どの位の保険料になるのか
- 例:10年一括・木造一戸建ての場合
- 保険料6~7万円で 家財 500万円補償
- 保険料10万円程で 家財 1,000万円補償
もしもの時のことを考えたら、家財保険には加入しておくべきです。