【不動産市場】住宅価格が値上りする理由
~人口減少 住宅ローン金利上昇~
【不動産市場】住宅価格が値上りする理由
人口減少 住宅ローン金利上昇
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FM76.7MHzフラワーラジオ にて毎週放送!
レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第458-1回目 (2023年5月18日放送分 前半)となります。
今回の話題
【不動産市場】住宅価格が値上りする理由
人口減少 住宅ローン金利上昇
今回のテーマ『住宅価格は値上りするのか?値下がりするのか?』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは。
番組MCのフジコで御座います。
本日も宜しくお願いします!
田中先生、今回は、どんなお話をいただけるのでしょうか?
今回は
『今後の住宅価格は、値上りするのか?それとも、値下がりするのか?』
というテーマでお話します。
それは気になりますね!
- ・今後、値下がりするのであれば、買わずに待っていた方が良い。
- ・今後、値上りするのであれば、今すぐ買った方が良い。
そうなりますよね。
そこで今回は『住宅価格が値上りする要因 値下がりする要因』について、お話ししていきます。
リスナーさまからのご質問
それでは、今回のテーマに関連したご質問をリスナーさんからいただいていますので、最初に紹介させて頂きますね。
ラジオネーム:ふかつ さん からのご質問です。
■値上りするのか?値下がりするのか?
こんにちは!
いつも、田中先生とフジコさんのやり取りを楽しく聴いています。
はじめて投稿させてもらいます。
我が家では、新築一戸建ての購入を検討しています。
2年くらい前から物件を探していますが、ずいぶん値上りしてきました。
今後、住宅価格は、まだ値上りするのでしょうか?
そろそろ値下りに転じるのなら、もう少し待ってから購入した方がいいですかね?
これからは、値上りするのか?値下がりするのか?について、田中先生のご意見をラジオで教えてもらえると嬉しいです。
ぜひ、田中先生の本『こんな建売住宅は買うな』をください。
できればサイン入りで!お願いします!
ラジオネーム:ふかつ さん からのご質問
ラジオネーム:ふかつさん。
ご質問ありがとうございます。
ご質問が番組で採用されたふかつさんには、幻冬舎さんから出版されている私の書籍『こんな建売住宅は買うな』をプレゼントさせていただきます。
(ご要望どおり、巻末に私の署名を入れてお送りします。)
著書:『こんな建売住宅は買うな』の紹介はこちら
著書『こんな建売住宅は買うな』の紹介
住宅価格が上昇する要素と下降する要素
住宅価格が上昇するか下降するかは、さまざまな要素が関わります。
まずは、住宅価格が下がる要素からお話します。
1.人口減少による需要の低下と不動産価値の関係
日本の人口は減少しており、これは住宅需要に影響を与えています。
特に地方では、人口減少に伴う過疎化が進んでおり、不動産の価値に下落圧力を与えています。
一方、大都市圏では、集約化の傾向が見られ、一部の地域では高価格の住宅需要が続いていることもあります。
従って、需要があるエリアは値上りしていますが、需要がないバブル時のリゾート物件などは値下がりどころか、無価値化やマイナス価値となる不動産も出てきています。
日本全体の平均値でいうと、今後、確実に価値が下がっていくことになります。
将来の資産価値に関する記事はこちら
【不動産市場】不動産価格高騰はどうなる?人口増減マップで見極める将来の資産価値値下がりエリアと値上りエリア / 居住誘導区域とハザードマップ
2.日本の国力低下について
経済成長率や人口動態など、国力の変動は住宅の価値に影響を及ぼします。
日本のように高齢化が進み、国力が相対的に低下している国では、固定資産税の増税や社会保障費の増加などが見込まれます。
これらは家計の負担を増やし、結果的に住宅価値に下落圧力を与える可能性があります。
以上の2点は、日本国内における住宅価格が下がる可能性についてのお話です。
これを考えると、今後、住宅価格は下がるということですよね。
そうですね。
日本全体の平均で考えると不動産の価値が下がることになりますので、ちょっと先行きが不安になりますよね。
はい。
そう思います。
3.職人不足と住宅価格の関係
今度は、逆に、住宅価格が上がる要素についてお話します。
住宅建築の品質や労働生産性に大きな影響を与える職人不足は、住宅価格にも影響を及ぼします。
2023年3月26日付の日本経済新聞の記事によりますと・・・
大工が20年で半減 若者敬遠、住宅修繕の停滞懸念住宅の建設や修繕の担い手である大工が減っている。
2022年末公表の国勢調査によると、20年時点で30万人弱と過去20年で半減した。
賃金水準などの待遇改善が遅々として進まず、若い世代が減り、高齢化が一段と進んでいる。
新築建設では、すでに不具合の増加が一部で指摘されているほか、今後は6000万戸超ある既存の住宅の修繕の停滞も懸念される。
記事では、
『国勢調査によると、大工の人数は1980年の40年前と比べると現在、約3分の1の水準で、今後も減少を続けていく』
ということです。
特に大工などの専門技術を持つ労働力が不足すると、新築住宅の建設に必要な時間が長くなり、それが結果としてコストアップにつながります。
また、不具合や欠陥が増える可能性もあり、それが長期的には住宅価格に上昇圧力を与える可能性があります。
4.住宅ローン金利と住宅価格の関係
住宅ローン金利は、住宅購入を検討する際の重要な要素です。
金利が低ければ、同じ家賃を支払うことで購入可能な住宅の価格は高くなります。
逆に、金利が上昇すれば、購入可能な住宅の価格は下がります。
従って、現在の日本の低金利環境は、住宅価格の上昇圧力といえます
以上の2点は、日本国内において、住宅価格が高くなる可能性の根拠となります。
したがって、不動産の価格は値上りする可能性と値下りする可能性の両方があるということになります。
国力低下で物件価格が高くなる
先程、「日本の国力低下は、不動産価値を下げる。」と言いました。
しかし場合によっては、価格(値段)が高くなる可能性があります。
どういうことですか?
国力が低下すると・・・
- ①.日本円の価値が低下する可能性が高くなります。
- ②.円の価値が低下すると、資源の大部分を輸入に頼っている日本では、建築費が高くなります。
なるほど。
すでにそういう傾向ありますね。
さらに、
円安になると、外国人投資家が日本の不動産を買いやすくなります。
立地の良いエリアは、確実に値上りすることになります。
『今後、円安になれば、不動産価格が上昇する。』
ということなんですね。
そうです。
- ①.不動産の価値は薄まっていくが、それ以上に、お金の価値が薄まる。
- ②.その結果、不動産の値段は高くなる可能性もある。
まとめ:住宅価格は上昇すると予想
田中先生の見解では、
今後、不動産は、値上りするのですか?
それとも値下がりするのですか?
今後の日本においては、住宅価格は上昇していく。
と、私は予想しています。
ただし、バブルのときのように、日本国内の全ての不動産の価値が底上げされるのではありません。
今回のお話をまとめますと
- ①.人口減少による需要の低下
- ②.日本の国力低下
- ③.職人不足
- ④.住宅ローン低金利環境
日本の低金利政策は、マイナス金利ですので、これ以上、利下げすることはできません。
そのため、住宅ローン低金利による物件価格を押し上げる後方支援はいずれ無くなると思います。
ただ、日本において政策金利が利上げされる状況になれば、物価と賃金が上昇しているはずです。
それは、必然と物件価格が上昇する後押しになります。
先ほども言いましたが・・・
今後の日本においては、住宅価格は上昇していくと私は予想しています。
ただし、バブルのときのように、日本国内の全ての不動産の価値が底上げされるのではありません。
需要のない不動産、ようするに、ユーザーから必要とされない不動産は、価値がなくなります。
例えば、リゾート物件、地方の郊外で空家が多いエリアなどは、売りたくても買手が現れず、売れない。
逆に、都心や地方でも駅から近く需要が高い物件、要するに人がたくさん集まるエリアの物件は、日本人だけでなく、外国人投資家からの需要もあります。
外国人からの需要も増える分、今よりも価値は上昇することになります。
ポイントは、その中間の物件もあるということです。
むしろ、住宅ローンを組んで購入することができる物件の殆どが、そのような中間の物件といえます。
その中でも、人が集まる人気エリアでは、人口減少しても、価格は値上りして、郊外は、よっぽど、人気があるエリアでなければ価値が下がる可能性があります。
ただし、価値は下っても、それ以上に、日本円の価値が下がるので、物件価格自体は、現状維持または値上りする可能性も十分あると予想しています。
それが先ほど言っていた、
『不動産の価値は薄まっていくけど、それ以上にお金の価値が薄まるから、値段は高くなる可能性がある。』
ということなんですね。
そのとおりです。
今後、職人不足、低金利、人口減少、国力低下など様々な要素が住宅価格に影響を及ぼします。
これらの要素は相互に関連し、一概に住宅価格が上昇するか下落するかを予測するのは難しいです。
海外では、日本の新築建売住宅のような形式は、珍しいビジネスモデルです。
今後、人口減少、職人不足などが進むと、駅から近い利便性の良いエリアや知名度がある人気エリアでの新築分譲住宅は減少すると予想できます。
駅前や駅近は、開発しつくされていますもんね。
そうなんです。
今後は、新築を買いたくても買えない時代になると思います。
人気がある立地の良いエリアで新しい家に住みたければ、中古一戸建てを買って、それを解体して注文住宅を新築しないといけない時代になると思います。
割高になりそうですね。
そうですね。
また、災害リスクの高いエリアや過疎地では住宅価格が下落する可能性が高いと言えます。
しかし、これらも経済状況や政策の変化などにより変動する可能性があるため、注意が必要です。
以上のように、住宅価格は様々な要素に影響を受けます。
個々の要素がどの程度影響を及ぼすかは、その時々の状況によります。
住宅を購入する際には、これらの要素を考慮に入れた上で、自身の経済状況とリスク許容度を考慮することが重要です。
前半は以上となります。
田中先生、ありがとう御座いました。
番組後半も宜しくお願いします。
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