【こんなことまで書いてるの?】めっちゃ長い!重要事項説明書の特記事項に潜む意外な真実
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第479-2回目 (2023年11月23日放送分 後半)となります。
今回のテーマ『めちゃくちゃ長い!重要事項説明書の特記事項』
後半は
『めちゃくちゃ長い!重要事項説明書の特記事項
こんなことまで書いているの?』
というテーマでお話をしていきます。
それは興味深いです。
ぜひ、お願いします。
質問:特記事項に注意事項がたくさん書かれていました
まずはリスナーさんから、ご質問を頂いているので、ご紹介お願いします。
承知しました!
ラジオネーム:ま さんからのご質問です。
■リスナー様からのご質問
田中先生、フジコさん。
こんにちは。
いつも楽しく拝見しています。
この度、新築を契約することになったので、あらかじめ不動産会社に重要事項説明書を送ってもらうようにお願いしました。
その書面を確認したら、最後の特記事項に、たくさん注意事項が記載されておりました。
私が買おうとしている物件は何か問題があるのでしょうか?
かなり不安になり、急遽ご相談させて頂きました。
ぜひ、アドバイスをいただければ幸いです。
ラジオネーム:ま さん
ラジオネーム:ま さん。
ご質問ありがとうございます。
特記事項の内容を確認
特記事項が多いと、ちょっと不安になりますね。
実際、どうなのでしょう?
書類上は問題ありませんでした
ご質問者様から実際に重要事項説明書の特記事項をお送り頂いて、その内容を確認しました。
その結果、至って普通で、特記事項に問題点はありませんでした。
実際に送って頂いた内容は、こんな感じです。
■実際に送っていただいた書類
とても細かく書かれています
めちゃくちゃ細かいじゃないですか!?
これが普通なんですか?
でも最近の特記事項は、これくらいの長さが普通なんです。
特記事項に注意書きが多い理由
何でそんなに注意書きが多いんですか?
■説明不足によるトラブル防止のため増え続けている
取引件数が多い会社は、今まで色々なトラブルやクレームの経験が蓄積されています。
このことから、説明不足によるトラブルを防ぐことを目的として特記事項に反映しているのだと思います。
そうなると
『特記事項が多いということは、問題点も多い物件である。』
という事ではないのですね?
はい。
必ずしも問題点が多いとは限りません。
特記事項に注意書きが多いからと言って、必ずしも物件に問題点が多いというわけではない。
記載内容は一般常識的なことが多い
近年の重要事項説明書の備考欄に記載されている内容は、殆どの場合、一般常識的なことが多いと言えます。
とりあえず、何でも明文化して説明しておいて、何か問題があったら「ちゃんと説明していましたよ。」という証明になるように備えているという感じです。
私の場合は事前に重要事項説明書をお送りして
「あらかじめ特記事項だけでも目を通しておいてください。」
とお願いしています。
一般的な説明なら、あらかじめ自分で目を通しておけば十分ということなのですね。
おっしゃる通りです。
説明の当日に、それを全て読み上げることに時間を費やすのであれば、それ以外の大切な部分を説明するのに時間を使った方が合理的であると、私は考えます。
それでも最近は、説明書類が多いので3時間以上かかります。
それは大変ですね…。
だけど住宅は高額ですので、きちんと内容を理解して、納得してから契約するということが大切だと思います。
特記事項にたくさん記載されている一般常識的な説明は、どの物件にでも書かれている共通の文章です。
事前に目を通しておいて頂ければ、契約当日に効率よく説明を聴く事ができます。
一般常識をつらつら説明されても、聞く方も疲れてしまいますからね。
そうなんですよね。
特記事項の内容 – 一般的な記載項目
それでは、ここからは特記事項の中で、
どの物件でも
どの不動産会社でも
必ずと言って良いほど記載されている一般的な項目を、いくつか抜粋して紹介していきます。
ぜひお願いします。
現地確認について
・本物件の周辺環境ならびに交通利便について、現地で十分に確認し、容認のうえ買受けてください。
これは
『現地を良く確認してから契約しましょう。』
ということです。
確かにあたり前ですね。
周辺環境について
・本物件周辺は第三者所有地となっているため、将来、建築物が建築または増改築される可能性があり、その土地に建築物が建築された場合、周辺環境に影響を及ぼす可能性があります。
『回りの土地は、よその人の土地なので、将来そこで建て替えされたら、陽当りなどが悪くなることもありますよ。』
という説明です。
これも一般常識ですね。
将来の法令について
・「法令に基づく制限の内容」については、本重要事項説明時点における内容であり、将来、法令等の改正により、本物件利用等に関する制限が付加または緩和されることがあります。
こちらも簡単に説明すると
『現時点の法律で説明しているので、将来、法律が変わったら、建築するための条件などが変わりますよ。』
という感じです。
確かに法律が変わったら仕方ないですよね。
でも、法律って頻繁に変わるものなんですか?
都市計画法や建築基準法などの根本的な部分は、頻繁に変わりません。
ですので、急に建て替えが出来なくなるということは考え難いです。
これも一般常識として捉えておけば良い文章だと思います。
なるほど。
テレビアンテナについて
・本物件の電波受信状況によっては、良好な電波受信を確保する為にアンテナやブースターの設置、ケーブルテレビの引込み等が必要になる場合があります。
この場合の費用は買主の負担となります。
『新築一戸建ては、テレビアンテナが付いていないので、テレビを見る時には、自費でアンテナをつけるか、ケーブルテレビなどを引き込む必要がありますよ。』
という説明です。
離隔距離について
・建物の隣地との相隣関係において、民法234条により「建物を築造するには、境界線から50cm以上の距離を保たなければならない」と規定されていますが、本分譲地では、境界線まで50cm未満に位置する場合があります。
これ、ちょっと分かり難いですね。
民法が出て来ると、少し分かり難いかもしれませんね。
■隣接地との境界線から50㎝以上離して建築しなければいけない
境界線から50㎝以上離さなければなりません
少し、掘り下げて説明します。
民法234条では『家を建てるときには、隣接地との境界線から、50㎝以上離して建築しなければいけない。』という決まりがあります。
これを『離隔距離』と言います。
■50㎝以上離れていない物件の場合
50㎝以上離れていない物件も存在します
なるほど。
だけど世の中には、50㎝以上離れていない物件って多くないですか?
確かに市街地の物件では、離隔距離が50㎝を切っている物件って多いです。
なかには、30cmくらいしか離れていない物件もありますね。
それって違法になるのですか?
そうではないんです。
『人との約束ごと』と『民法』では、『人との約束ごと』の方が優先されるんです。
『民法』よりも『人との約束ごと』の方が優先される
■お互い承諾しているなら違法ではない
同じ分譲地内でお互い承諾している場合
離隔距離50㎝を切っていても、お隣さんと「お互い様だから、大丈夫ですよ。」と承諾がとれていれば問題ありません。
A号棟、B号棟、C号棟というような分譲地だとすると、互いの号棟との離隔距離が50㎝を切っていても『お互い承諾している。』という前提で建築されています。
なるほど。
隣家からの目隠し設置要求について
・民法235条により「境界線から1m未満の距離において他人の宅地を見通すことができる窓または縁側を設ける者は、目隠しを付けなければならない。」と規定されていますが、本分譲地ではそれらの目隠しが設置されておりません。
そのため、隣接地より目隠しの設置を要求された場合、買主の責任と負担で対応いただくこととなります。
どういう意味ですか?
それと、今の家には縁側なんてないですよね?
民法は古いですからね。
ここでは、ベランダと置き換えると理解しやすいです。
■離隔距離が少なく隣家のプライバシーを侵害してしまう場合
離隔距離が少ないうえに隣家の敷地が丸見え
離隔距離が1m未満で、
新しく建ったお家が元々建っていた古いお家の窓と重なって隣の家のプライバシーを侵害した場合、民法235条では、古いお家は新しいお家に対して
「曇りガラスにして下さい。」とか「目隠しを付けて下さい。」等と言える権利が発生します。
引渡し後に、お隣さんからそのようなことを言われた場合は、買主の費用負担で対応しなければなりません。
というような説明です。
実際は、建築途中や引渡し前の段階で隣家から指摘を受けることが多いので、売主側で対応していることがほとんどです。
ただし
『引渡し後に、お隣からそういうことを言われたら、買主負担となりますよ。』
という説明になります。
なるほど。
これは解説してもらわないと難しかったですね。
そうかもしれませんね。
私もこれについては、いつも具体的に説明しています。
特記事項の内容 – 常識的な文面
それでは、次です。
…と言ってもここから先は、あまりにも常識的な文面なんで飛ばそうかと思います。
あまりにも常識的な文面って、逆に興味があるんですけど…
そうですか?
それでは、超簡単に説明していきます。
常識的な項目の例
- ・もともとある土を利用して造成しているので、敷地内には土だけでなく石やコンクリート片が入っていることがあります。
- ・そのため、植物にとって栄養がない土であることもあります。
- ・水はけも土の質によってことなります。
- ・駐車スペースは、運転技術によって入れにくいこともあります。
- ・大きすぎる家具や家電は、釣り上げて搬入しなければならないこともあります。
- ・大きさによっては設置できないこともあります。
などなどです。
確かに一般常識的な感じですね。
いちいち説明を受けなくても、一度、自分で目を通しておけば十分な内容です。
私が言っていた意味、わかってもらえました?
とってもわかりました!
まだまだありますが、一般常識の説明は以上にします。
特記事項の内容 – 大事な説明
次は大事な説明です。
新築の建売住宅を契約して、時々、トラブルの原因になるのが不具合箇所の補修についてです。
この特記事項も共通の説明ではありますが、比較的大切なことですので、少し詳しく説明します。
不具合箇所の補修について
・買主は、引渡し前までに、売主および仲介業者と現地立会いをしていただきます。
現地立会い時に発見された不具合箇所については、原則として引渡しまでに補修しますが、補修内容や工事の都合上、引渡し後の補修となる場合があります。
ただし、補修方法や仕上げの程度については、売主の判断により決定させていただきます。
なお、引渡し後に発覚したキズについては、保証対象外となりますので予めご承知おきください。
ポイントは『引渡し日以降に発覚したキズについては、保証対象外になる。』という部分です。
年間数棟しか建築していない地元工務店の注文住宅であれば
「今回は特別だよ。」
といった感じで補修してくれるかもしれません。
しかし、全国区でローコスト住宅を分譲している会社は、『アフターサービス基準書に該当しないことは保証対象外』としてバッサリ断られます。
何だか冷たい感じがしますね。
私もそう思いますし、ユーザーからもそう言われることが多いですが、ある意味仕方ないのかなと思います。
そのためゼロシステムズでは、建築士などの専門家が同行して、引渡し前に現地立会いを行ない、キズチェックなどを行ないます。
(ゼロシステムズでは、3回目の住宅診断という位置づけで立ち会いをしています。)
そこで、キズ・汚れ・隙間・などの不具合を発見したら、売主側に補修するように是正を依頼します。
ゼロシステムズでの契約の流れ
【 ご利用の流れ 】~完成物件の購入を検討中の場合
■補修作業について
基本的に、床を張り替えたり、扉を交換するなどの部材交換はおこないません。
一般的には、リペア専門の職人さんがキズを補修します。
これは、ローコストの建売住宅だからということではなく、注文住宅であっても同様です。
自動車でいうと、板金塗装みたいな感じです。
リペア専門の職人さんが補修すると、殆どの場合、どこを直したか分からないくらい綺麗に直ります。
とは言っても、リペアした箇所をピンポイントでじっくり見ると、補修した跡が分かることがあります。
しかし、そこまでの精度は求めることはできません。
特記事項の文章では『売主の判断により決定』と表現されていることが多いですが、このような意味合いとなります。
また、表面上の擦り傷などは、リペアをするとかえって目立ってしまう可能性があるので、補修しない方が良い場合もあります。
なるほど~。
まとめ
お話をまとめますと…
- ・契約前には、事前に重要事項説明書を取り寄せておく。
- ・特記事項だけでも目を通しておく。
- ・気になる部分はマーカーして、説明当日にしっかり確認する。
みなさんは、契約前はどんな気持ちで挑むのでしょうか?
ぜひ、コメント欄で教えてください。
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田中先生、ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の『教えて不動産の知恵袋』
次回もお楽しみにー!
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