新築の建売住宅の耐震診断について解説
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レギュラー番組:『不動産せんせい田中の教えて!不動産の知恵袋』
第467-1回目 (2023年8月10日放送分 後半)となります。
今回の話題
新築の建売住宅の耐震診断について解説
今回のテーマ『新築一戸建ての耐震診断』
FM鴻巣フラワーラジオ
不動産せんせい田中の『教えて!不動産の知恵袋』
皆さま、こんにちは。
番組MCのフジコで御座います。
後半も宜しくお願い致します。
早速ですが、田中せんせい。
後半は、どんなお話をいただけるのでしょうか?
後半は
『新築一戸建ての耐震診断』
についてお話をしていきます。
まずは、リスナーさんからご質問をいただいていますので、フジコさん、紹介お願いします。
承知しました。
ラジオネーム:五味助さんからのご質問です。
検討中物件の耐震等級がわかりません
田中先生、フジコさんこんにちは。
いつも大変勉強になっています。
今、私は、新築の建売住宅の購入を検討していますが、その物件は、住宅性能評価をとっていない物件なので耐震等級がわかりません。
田中先生のゼロシステムズでは耐震診断をしてくれるとホームページに記載されていますが、どういう診断か教えていただけますか?
ぜひお願いします。
ラジオネーム:五味助さんからのご質問
ラジオネーム:五味助さん。
ご質問ありがとうございます。
■地震に強いか弱いかの判断できない
耐震等級がわからないということは、ユーザーは地震に強いか弱いかの判断できないということですか?
そういうことです。
前半で説明した、耐震セルフチェックくらいしか方法はないですね。
それはちょっと不安ですね。
■耐震性を通じてユーザーが知りたいこと
私が家を買う立場だったら、『どれくらい地震に強いのか?』などは、具体的に数値で知りたいです。
しかし、
一般的な不動産会社の営業マンだったら、ユーザーから
「この物件は、地震は大丈夫ですか?」
と質問された場合、
「建築基準法どおり施工されていますので大丈夫です。」と回答する人が多いかと思います。
ただ、具体的に、その物件の購入を検討しているユーザーは、そのような答えを求めているのではないと思います。
確かに、そう思います。
このような質問をするユーザーの真意は
『設計上や施工上の問題で耐震性能は劣ってることはないですか?』
『手抜き工事されていたり欠陥住宅ではないですか?』
ということを直接的に聞き難いから
『耐震は大丈夫ですか?』
と質問しているのだと私は考えます。
そのため、ゼロシステムズの仲介を利用して購入されるユーザーの新築は、住宅診断だけでなく、一般診断法による耐震診断も同時に行います。
一般診断法による耐震診断の解説
『一般診断法による耐震診断』では、日本建築防災協会 の耐震診断のソフトウェアを使用します。
全ての壁の壁量バランスを算出
今回の事例では、外面(外壁)は、サイディングボード+構造用面材ですので、その数値は6.6kN/mとなります。
壁の中に筋交いなど補強材が入っていれば、芯の部分の数値にプラスアルファされます。
ですが、このW5の壁には、何もないため0です。
そして、室内側の外面は、石膏ボードがあるので、1.2kN/mとなります。
※この事例は古いバージョンのプログラムですので石膏ボード1.2kN/mでした。最新バージョンでは数値か改正されて1.1kN/mとなりました。
この6.6kN/m+0kN/m+1.2kN/mを合計して、7.8kN/mとなります。
石膏ボードのビスピッチの手抜き工事があると、この耐震診断で、石膏ボード張りの外面1.2kN/mが加算できなくなるので数値が下がることになります。
本来7.8あるべき数値が、石膏ボード1.2が加算できなくなるから、6.6に下がってしまう。ということですね。
その通りです。
そのため、ゼロシステムズの住宅診断では、完成物件であってもクロスの下の石膏ボードビスピッチに手抜きがないかを、金属探知機やネオジウムマグネットを使って細かくチェックしているんです。
ネオジウムマグネットを使ってビスピッチを調べる方法
ネオジムマグネットを使ったビスピッチ調査
石膏ボードのビスピッチの手抜き工事は、耐震にもかかわる大きな欠陥につながる。ということですね。
そういうことです。
耐震診断は、少し地道な作業ですが、全ての壁をチェックします。
確かに大変な作業ですね。
時間かかりますよね。
そうですね。
うちの優秀な専門家スタッフが毎回この耐震診断をしています。
ここまでは人力の作業になります。
全ての壁をチェックしたら、後はプログラムが自動的に計算してくれます。
一般診断法による耐震診断の結果の見方を説明
必要耐力(Qr)について
建物保有耐力について
次に、その左隣の建物保有耐力を見ます。
1階のX軸は、116.41、Y軸は、96.48です。
必要耐力に比べて、この事例では、保有耐力の数値が大きいことがわかります。
例えば、1階のY軸は、必要耐力49.93に対して、96.48ですので、一番右側を見ると、1.93倍になっています。
2階、3階に行くに従って、荷重(重さ)がかかってこないので、必要耐力が小さくなり、この何倍という数値が大きくなります。
耐震診断では、この何倍という数値が、耐震評点という点数になります。
従って、1階のY軸の耐震評点は、1.93点、X軸は2.33点、3階のX軸は、5.84点と各階各軸でバラバラです。
建物全体の数値
それでは、建物全体の数値は何点か?
これは、平均値にするのではなく、単純に一番小さな数値を採用します。
従って、ここでは、1.93を採用します。
最終結果-耐震評点
この数値は強い方なのですか?
まとめ:新築でも間取りや構造によって、耐震評点は大きくことなる
同じビルダーが新築した物件であっても、間取りや構造によって、耐震評点は大きくことなるということです。
例えば、ビルトインガレージの3階建てになると、新築でも1.0をギリギリ超えている程度の耐震性の場合もあります。
上から建物を見て、正方形に近い形をしている新築を耐震診断すると、多くの場合1.5前後になります。
また、正方形に近いバランスが良い形の新築でも、石膏ボードのビスピッチが手抜き工事されていると、著しく耐震評点の数値が低い物件もあるということです。
ちなみに、中古住宅では、0.7を切っている物件も珍しくありません。
なるほど。
耐震診断についてよくわかりました。
数字が多くて分かり難かったかもしれませんが、住宅の耐震は、とても大切な要素です。
ゼロシステムズの仲介を利用して新築を購入される方には、この耐震診断を無料で実施して、ご契約前に報告しています。
本日は以上となります。
田中先生。
ありがとう御座いました。
不動産せんせい田中の教えて不動産の知恵袋。
次回も宜しくお願いします。
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