【最新!不動産市場】建売氷河期!郊外の戸建てが売れない!?値崩れ始まる!パワービルダー土地仕入れ戦略に明暗!
【不動産市況】建売氷河期!飯田グループ販売不振!新築一戸建てが大幅値下り!パワービルダー土地仕入れ戦略に明暗!
※記事は原稿を元に校正/編集しております。そのため、言い回しなど本編動画と異なる部分がございます。
今回のテーマ『建売氷河期!売れ残る 郊外の一戸建て!安く買える物件の特徴!』
今、郊外では、新築一戸建てが売れ残っていると言われています。
少子高齢化による人口減少、住宅需要の落ち込み。
一方で、パワービルダーによる建売住宅の過剰な供給。
今後、郊外の一戸建て市場は、どうなってしまうのか?
建売住宅市場の展望について深掘りしていきます。
今回のテーマは
『建売氷河期!売れ残る 郊外の一戸建て!安く買える物件の特徴!』です。
今、郊外では、売れ残っている物件が増えているようです。
今後の一戸建て市場の展望と、売れ残りが多い今だからこそ、チャンスと捉えて買っても良いのか?
というお話をしていきます。
ぜひ、お願いします!
郊外の一戸建て市場の現状分析
まずは『郊外の一戸建て市場の現状分析』として、近年の一戸建て市場はどうなっているか分析してみました。
テレワーク増加による郊外需要の変化
テレワーク・在宅勤務も定着してきました
郊外の一戸建て市場は、ここ数年で大きな変化を遂げています。 その主な要因を分析してみます。
まず、テレワークの普及により、郊外への需要が大きく変化しました。 近年、多くの企業がテレワークを導入しています。
それに伴い、マイホーム購入を検討しているユーザーからは、
- 「今よりも広い住まいが欲しい」
- 「通勤する回数が減ったので、郊外に移住したい」
この傾向は、都心部や駅近にこだわるメリットが小さくなった人々を中心に広がっています。
■テレワークが定着する傾向
出典:株式会社パーソル総合研究所 – 第9回・テレワークに関する調査
大手パワービルダーの動向
この需要の変化を受けて、新築建売住宅の市場も大きく動きました。
当初は需要の急増により、供給が追いつかない状況が生まれました。
飯田グループやケイアイスター不動産などの大手パワービルダーは、これをチャンスと捉えて郊外で土地の仕入れを積極的に行いました。
去年までは、建てたら、すぐ売れてしまう状態だったので、パワービルダーは土地をガンガン仕入れたんですよ。
それも、結構、割高な金額で・・・。
ちょっと調子のって仕入れ過ぎちゃったんですね。
かもしれないです。
■飯田グループの営業利益が大幅減
しかし、現在では状況が一変し、供給過多の問題が顕在化しています。
画像引用:飯田グループホールディングス – 2024年3月期 決算説明資料(PDF)
飯田グループホールディングスの2024年3月期の決算を見ると、売上高は前年とほぼ同じ1兆4,391億円でした。 しかし営業利益は42%減の591億円と大幅な減益になりました。
なるほど。
新築建売住宅の需要増加と供給過多の問題
現在、郊外では売れ残っている物件が目立つようになっており、一部のメディアからは『建売氷河期』とも揶揄されることもあります。
飯田グループのようなパワービルダーは、この状況に対応するため、市場動向を綿密に調査して、住宅需要が少ないエリアでの仕入れを控えるなど、戦略の見直しを行っています。
飯田グループホールディングスの決算についての記事はこちらです
【不動産市場】郊外の建売住宅は売れてないのか?飯田グループホールディングス決算書で分析!
値下り物件の増加
しかし、供給過多の状況は、購入者にとってチャンスと捉えることもできます。
現在、売れ残っている多くの物件では価格調整が行われており、大幅に値下げされている物件もあります。
大幅な値下りって、どれくらいなんですか?
埼玉県と群馬県の県境付近で 2,480万円で売りに出されていた物件が、半年で 1,980万円くらいにまで下がっていたケースもあります。
土地と建物で2,000万円を切るって凄いじゃないですか!
そうですね。
ただし、同時に市場の不確実性も高まっており、購入を検討する際は、より慎重な判断が求められる状況となっています。
価値が維持される物件と下がる物件の特徴
単に安い物件でなく、将来性も重視する必要があります。
『価値が維持される物件』と『価値が下がりやすい物件』の特徴について解説します。
居住誘導区域と都市機能誘導区域が狙い目
画像引用:国土交通省 – 都市計画運用指針における立地適正化計画に係る概要(PDF)
まず、『居住誘導区域』と『都市機能誘導区域』の物件が狙い目です。
現在、日本では少子高齢化による人口減少が進んでいます。
そうなると、市町村では税収が減ってしまいます。
税収が減ると、道路整備やゴミ収集などの公共インフラが持続できなくなってしまいます。
それを防ぐために、同じ市町村内でも、人が住んで欲しいエリアと、住んで欲しくないエリアに分けてきています。
それが居住誘導区域や都市機能誘導区域なんです。
これらのエリア内の物件であれば、将来にわたり、ある程度人口密度が維持されますので、不動産価値が下がりにくいと言えます。
「人口密度が維持されるエリアを選ぼう」と言う事ですね。
そういうことです。
ハザードマップ上の安全地域と危険地域
ハザードマップも重要です。
水害や土砂災害のリスクが低いエリアの物件は、長期的に価値が維持されやすいと言えます。
反対に、ハザードマップで指定されているエリアの物件は、価値が下がる可能性が高くなります。
空き家の多さと地域コミュニティの影響
空き家が多いエリアの物件は、無価値化する可能性があるので注意が必要です。
また、郊外であっても活気があり新築が多いエリアは、価値が維持されやすい傾向にあります。
交通アクセスと生活利便施設の重要性
最後に、交通アクセスと利便性です。
郊外であっても、公共交通機関や買い物などの利便性が高ければ価値が維持されやすいです。
逆に、これらの条件が全く整っていないエリアでは、価値が下がる可能性があります。
安いからと言って飛びついてはいけないと言う事ですね。
そうなんです。
せっかく購入するのであれば、ある程度、価値が維持されやすい物件の方が良いですからね。
居住誘導区域とハザードマップは、郊外の物件を購入するときには大切なポイントです。
なるほど。
価値が維持されやすい物件とハザードマップについての記事はこちらです
【不動産市場】夏から新築在庫処分の値下げはじまる!2050年人口予想マップから購入を避けるべきエリアを分析
不動産の価値が「上昇」するエリアと「下落」するエリアの見分け方を解説!
【ハザードマップ】検討中の物件が浸水想定エリア内~どう判断すれば良いか?~
大手パワービルダーの戦略と市場への影響
住宅街のイメージ
飯田グループなどの大手パワービルダーは、やはり、このような価値が維持されやすいエリアで分譲しているんですか?
はい。
それでは次に『大手パワービルダーの戦略と市場への影響』について、見ていきます。
土地仕入れ方針の変化
2020年以降のテレワーク需要の増加を見込んで、多くのパワービルダーが郊外での分譲を増やしました。
しかし、需要が一巡して、現在、郊外では売れ残り物件が目立つようになっています。
そのため、今年に入り大手パワービルダーは市場動向を綿密に調査し、より慎重な土地仕入れを行うようになっています。 特に、住宅需要が少ないエリアでの仕入れを控える傾向が強まっています。 これは供給過多によるリスクを回避するためです。
例えば、飯田グループやケイアイスター不動産などは、エリアごとの需要予測や将来性を詳細に分析し、仕入れ判断を行っています。
大手の動向から読み取る市場トレンド
現在、以下のようなトレンドが見られます
- 郊外の一戸建て市場のトレンド
- ・価格戦略の柔軟化
- ・需要が高いエリアに限定
- ・建築費高騰への対応
- ・省エネ基準義務化へ順次対応
■価格戦略の柔軟化
1つ目は、価格戦略の柔軟化です。
現在、郊外の一戸建て市場は供給過多エリアが増えているため、パワービルダー自ら値下げして、早期在庫処分を目指しています。
■需要が高いエリアに限定
2つ目は、郊外の供給過多への対応として、住宅需要が高いエリアに限定した慎重な土地仕入れをおこなっている事です。
■建築費高騰への対応
3つ目は、建築費が高騰しているため、コスト削減のために建物の延床面積が少しずつ小さくなっている傾向にある事です。
お値段そのままで、量が少なくなったお菓子みたいですね。
ステルス値上げですね。
外構工事も、ブロック塀を低くしてコスト削減してるみたいです。
そうなんですか!?
全然気が付かなかったです。まさにステルス値上げですね。
■省エネ基準義務化へ順次対応
4つ目は、2025年の省エネ基準義務化への順次対応です。
ユーザーとしては、これらの動向を注視すると同時に、値下げ物件などの機会を活用することで、より有利な条件でマイホームを取得することができます。
安く買えるチャンスですね。
そうかもしれません。
現在、郊外では売れ残り物件が増えました。
その結果、当初の売り出し価格から数百万円の値下げを行う物件も珍しくありません。
やっぱり、そうなんですね。
郊外一戸建て市場の展望と購入のチャンス
現在、郊外の一戸建て市場は大きな転換期を迎えています。
そこで、今後の展望と購入のチャンスについて詳しく見ていきます。
郊外の一戸建て市場の展望は?
大幅値下げ物件
まず、大幅に値下げされた物件についてです。
現在、郊外では供給過多により売れ残っている物件が目立ちます。
当初の売り出し価格から数百万円も値下げされている物件も珍しくありません。
これは、そのエリアでマイホームを探しているユーザーにとっては、大きなチャンスにもなる可能性があります。
個人で建築する場合との比較
現時点で売れ残っている物件は、個人で土地を買って新築を建てるよりも安くなっていることがあります。
注文住宅の建物代金にも満たない価格で新築建売住宅が分譲されているケースもあります。
これはコスト面からすると、非常に魅力的な選択肢となり得ます。
上物だけの値段で、土地込みで買えちゃうってことですか?
そうなんです。
1,980万円まで値下りした物件は、仮に土地が1,000万円だとすると、建物が980万円ということです。
個人的に新築するのでは不可能な建築費ですよね。
パワービルダーの新築は、そんなに安いんですか!?
さすがのパワービルダーも980万円で新築するのは不可能です。
赤字覚悟の値下げですよねえ。
そう考えると、買った人はお得ですね!
そういうことですね。
・・・とは言っても、安ければ良い訳ではありません。
将来に渡って価値が維持される、適切な物件を選ぶ必要があります。
まとめ
最後に、お話のまとめとして『将来的な価値維持のための選択ポイント』を解説します。
- ・居住誘導区域内または市街化区域
- ・ハザードマップにかかっていないエリア
- ・空家やゴミ屋敷が少ないエリア
- ・生活の利便性が充実していること
- ・大手パワービルダーが分譲しているエリア
将来的な価値が維持される条件として、上記5つのポイントのうち、3つ以上当てはまっているエリアの物件を選んで欲しいところです。
やはり、パワービルダーが手を出しているエリアは、しっかり市場調査をしているから値崩れし難いですか?
そうですね。
逆に、パワービルダーが手を出していないエリアは将来性が無いエリアかもしれないですね。
注文住宅を検討している人は、気を付けないといけませんね。
購入した物件に住むのは、ご自身と、その家族です。
他人の価値観よりも、ご自身のライフスタイルに合った物件を納得して選ぶ事が最善と思います。
なるほど!
今回も大変勉強になりました。
田中先生ありがとうございました。
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